純粋な初恋(シリーズあり)

橋本衣

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俺は1人じゃない、そうだよな、、、、うん、ありがとう

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「「「羅人あみひとが熱!!?!?」」」

「シーッ、声大きいよ。、うん、熱。さっき測った時は37.6℃だったから」

フユさんの迎えで家に帰り、他の3人が帰って来たから説明をする。
今はグッスリとはいかないけどベビーベッドで眠っている。

「えぇ、それ大丈夫なの?羅君」

「何かあったらすぐに連絡して、って言ってくれてるし、今ここに医者居るし」

「任せてこう言う時の為に、乳児の医療の勉強もして来たから!」

夏人なつとは頼もしいな。だが、さくあまり気を張るなよ。何かあったら俺達にも言うんだ」

「ありがとう、秋人あきとさん。でも、少しでも羅人のそばに居たいし、何かしてあげたいから」

「朔ちゃんは頑張り過ぎなんだよ~、いつも!俺に頼ってよ!」

楓斗ふうとの意見に賛成だな。自分1人だけで解決しようとする所は悪い所だ」

「ウグッ」

フユさんの言葉に俺は図星になって、視線を避ける様に顔を逸らす。
確かに、確かに俺は誰にも迷惑かけたくないから1人で解決しようとする所があったりはする所が欠点だって言われる、けど。

冬人ふゆと兄様も言っての通り、朔君。俺は医者なんだし特に頼って、ね?」

「うん、ありがとう、夏人さん。でも、、、、頑張る」

「「「「強情だなぁ」」」」

「強情で、、、、結構!とりあえず、暫くは羅人に付きっきりになるから」

俺はそう言って羅人の所に行く。
少し息が荒そうに見えるから、タオルを替える。早く元気になって欲しいな、って思いながら頭を撫でる。

「、、、、治るまでは、そばに居よう」

決意を胸にして、その日お風呂以外は羅人のそばに居て、眠らずに見守り続けた。
どんなに眠くなっても、泣いたりぐったりしていたら、対応出来るように。

「、、、、俺が、そばに居るから、大丈夫」

度々、フユさん達が様子を見に来たり、服を替えるのを手伝ったりしてくれた。

「朔羅、疲れたら早く言うんだぞ。俺達だって対応出来るんだ」

「分かっているよ。でも、なんか意外と眠くないし、それに羅人の為なら頑張れるし!」

「、、、、ハァ、本当にお前は頑張り過ぎるのが、悪い所じゃないか」

「良い所って言ってよ」

「悪い所だ。人に頼ろうとしてこない所も悪い。それがちょっと、寂しいんだよ、俺」ナデナデ

「、、、、、、、、フユさん」

本当に寂しそうな顔をしながら、俺の頭を撫でながら言われると、本当に申し訳なくなってしまう。
だからこそ、この人が沢山好きになってしまう。








































「ふぇぇぇん、ふぇぇぇぇん」

「はいはい、どうしたの?」

次の日の夜、未だに熱は微熱状態の中、羅人の泣き声が聞こえてミルクを作っていた手を止めて様子を見に行く。

「よしよし、大丈v 熱!」

あやそうと抱き上げると、さっきよりも熱くて思わず声を上げてしまった。
それを聞いてビックリしたのかもっと泣いてしまった羅人。

「ごめんね、ビックリしちゃったね、よしよし」

なんとか、落ち着かせようとウロウロしていると泣き声を聞いて書斎から出て駆け付けて来たフユさん。

「朔羅、大丈夫か?」

「ぁ、フユさん、羅人熱上がってるかも」

「!、分かった、体温計持ってくる」

俺の話を聞いてすぐに小棚から体温計を持って来て、羅人の脇に入れるフユさん。
頼りになるな。
数秒後、結果が出ると、

「40.2℃、、、、ど、どうしよう」

「と、とりあえず病院に行こう」

「ぁ、待って助産院、先生まだこの時間起きてるって前に言ってた、た、確か」

「分かった。朔羅は、電話してくれ、俺は準備するから」

「ぅ、うん」

「それと、深呼吸出来るか?」

「ぅ、うん」

フユさんに言われて、深呼吸をする。それで少しだけ落ち着く事が出来た。
それを確認したフユさんは2階に向かって準備を始めた。
俺は羅人を抱っこしながら、電話をしようとする。だがその手は少し震える。

「よ、よし」

意気込んで、電話をかけるとすぐにほたる先生が電話に出てくれた。

『もしもし?朔羅さん?』

「ぁ、先生、羅人が熱40.2℃まで上がっちゃって」

『!、分かった。すぐに来てくれても良いから、落ち着いてね』

「は、はい」

蛍先生の声が聞こえてまたホッと安心したのも束の間、

「ウェ」

「?、、、、!、羅人!」

『どうしました?朔羅さん?』

「ぁ、羅人が吐いて、突然。さっきまで、そんな、予兆とか無かったのに、」

少量ではあるが、水分が含まれた嘔吐をした羅人に俺は焦ってしまうが、なんとか先生に伝える。

『血が混ざっていたりはしませんか?』

「し、してないです」

『それなら、良かった。とりあえず、高熱に嘔吐があると言う事ですし、今から来てください。分かりましたね』

「は、はい。すぐに行きます」

それから、荷物を抱えたフユさんが吐かれている現場を見て仰天してから、すぐに処理をしてくれた。
こう言う時本当に頼りになるし、いつの間に嘔吐物の対処が出来るようになったかは後で聞く。
今は、ぐったりして息がし辛そうな羅人が心配だ。

助産院に着くと、かすみ先生も起きていた。
蛍先生は羅人をすぐに見てくれて、俺とフユさんはその間に霞先生が淹れてくれた紅茶を飲む。

「これはアールグレイですか」

「分かりますか?心を落ち着かせる効果があるんです。今は、朔にピッタリだと思って」

「、、、、、、、、」

「朔羅、、、、大丈夫だ、羅人は」

「、、、、で、でも」

「俺と朔羅の子供で、羅人が熱に負けると思うか?それに、心配、不安がっていたら治るものも治らない。信じる事が親の役目と言うだろ」

フユさんが力強く、そして真剣な目で言う。
それが、とても心強かった。あぁ、そっか、やっぱり俺は1人じゃない。
フユさんがそばに居て、秋人さんが、楓斗さんが、夏人さんが、氷織ひおりが、先生達がそばに居る。
頼れる存在がそばに居るんだ。

「うん、、、、フユさん、甘えても、良いかな」

「朔羅は俺に、いや俺達に甘えて良いんだ。寧ろ甘えて貰わないと困る」

俺は泣くのを隠すようにフユさんの胸に顔を押し付ける。

「朔は良い旦那さん持ったね、」

「うん」

「、、、、何か、作りますよ。お腹空いたでしょう?」

「朔羅、食べるか?」

「うん、食べる」

この時既に午前1時を過ぎていた。
この時間にご飯を食べるのはアレだとは思うが、食べないとやってられないぐらい気が滅入っている。












































それから1週間後、俺は再び助産院に笑顔でソファに座っていた。

「ほんとーに!お世話になりました!羅人は無事回復しましたので!」

「それは良かった。朔羅さんも無事に元に戻ったし」

「本当、先生達から生気が抜けてたとか聞いた時はビックリしたよね、俺」

「まぁ、我が子の危機ってなったら流石にそうなるのは納得するかも」

「何はともあれ無事に回復したのは良い事だな。良かった良かった」

全員の協力のもと、羅人は元気に回復した。
俺も少し気を抜くって事を覚えて、寝る時間もちゃんと確保しながら羅人の看病をしたし、頼る事もちゃんと?覚えた。

「それで、その霞先生がまさか風邪を引くとは思わなかったんだけども」

「大丈夫大丈夫、霞はね「死なないから大丈夫、大丈夫」って言ってるから」

「霞先生のそう言う所俺理解出来ない。シロさん出来る?」

「NO、で愛瑠あいるさん今日は何でお休み?」

「、、、、PTA」

「「「「あぁ、、、、」」」」

勇大ゆうだいさんの言葉に一斉に納得する俺達。
PTAは厄介だな、とそれなりには理解しているらしい。

「まぁでも、本当に育児って大変だけどその分学ぶ事があって、愛おしいって感情が増えて、、、、なんか飽きるなんて言葉がないですよね」

「!、朔羅!良い事言った~!」

いつき落ち着け。でも、本当に良い事言ったな、朔」

「朔羅さんは名言を言う天才だと俺は思ってる」

「蛍は、それ天然で言ってないから怖いんだよな、マジ」

「名言って何なんですか、」













拝啓、天国のママ、パパ、咲夜さきや兄さん、雅陽みやび姉さん夫婦、雅之まさゆき兄さん夫婦。

羅人の熱も何とか乗り越えて親としてまた1歩成長出来たかな、と思います。

「朔羅、羅人は俺が見ておくから、勉強でもしてこい」

「え?良いの?フユさん寝不足じゃないの?」

「そんな事より朔羅の卒業。みんなと卒業したいんだろ」

「、、、、ありがとう、フユさん。、、、、ぁ、そうだ」

「ん?、何だ?」

部屋に向かおうと思った足を止めて、振り返りフユさんに近づいて背伸びしてフユさんの頬にキスをする。

「!」

「ありがとう、フユさん、、、、、、、、大好き、だよ/////」

パタパタ

俺はそう言って自分の部屋に急いで向かうのであった。

頬にキスをされて唖然としているフユさんは数秒後、ポツリと、

「今夜、、覚悟しておけよ、朔羅」

と、呟いてその言葉の意図も何もかも知らずに部屋で寒気を覚えた俺。

ゾワッ
「?ん?、なんか嫌な予感が、する」

この時俺は後悔をするのは言うまでもなかった。本当に


























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