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悪役王女からのお願い事 ①
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ピッ ピッ ピッ
シューッ コポコポ
「、、、、」
慣れた薬品の匂い、慣れた心電図モニターの音、慣れた人工呼吸器の音、痩せ細って筋肉も落ちた肉体、少しも動かせない腕や脚、すっかり伸び切った薄く長い髪、目の前の景色が段々と薄く見えるのが分かる。
あともう少しで、俺佐々木優衣は人生を終え、死を迎えるのを肉体の衰えから実感する。
たった22年、22年間しか生きれなかった。18歳の時に白血病になって、4年間病院生活して治療して来た。でも、余命宣告をされた。
「(唐揚げを100個食べた、、、乙女ゲーム全編全ルート、裏ルートバトエン、ハピエン全部出来た、、、やりたい事は全部、やれたか)」
余命宣告をされた日から、やりたい事をやった。後輩や先輩を巻き込んで、なんでもやった。悔いも後悔も何も残さずに死にたかったからだ。
あぁ、でも、やり残した事が1つだけあったなぁ、、、、。
「(恋愛、したかったなぁ)」
俺は力の入らなくなった目を瞑って、そう最後に言った。
これで、俺の人生は終わる。呆気ない人生、平凡な人生、願うなら、、、、
そうして、、俺は深い深い眠りについた。
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
ワー ワー ワー ギャー ギャー ギャー
「(んん?、、騒音?、俺、死んでない?、それに体)」
次に俺が意識を取り戻した時、少し距離のある所から様々な暴言、悪口が耳に届いた。それは俺に向けられているんだと、目を瞑っている時点で分かった。
それと、俺の体が縄みたいな物で縛られていて、手足が動かせれない。それに、冷たい空気が肌を掠る。
状況把握をなんとかしようと、目を開けた瞬間、真隣上から大きな宣言のような声が俺の耳を右から左を貫く感じで届く。
「今からユイリア・モナーキー第2皇女の死刑執行を行う!!」
「???(ユイリア・モナーキー?、死刑執行?)」
俺が目を開けた先に見えた光景は、明らかに病室じゃないし、真隣上を見上げると知らない外国人チックの顔した男が居るし、なりよりも、ユイリア・モナーキーと言う名と死刑執行と言う言葉だ。
「此処、って、、、、ぁ、アシェル」
遠くに立っている黒髪の超絶美形男を見て、俺の口から発せられた言葉に、俺はハッとする。
意識がハッキリとして、頭がちゃんと働く。死刑執行、って事は、今から死ぬって事?俺は混乱する頭で身動きも抵抗も出来ない体で、なんとか真上を見る。
「、、、、ヒュッ」
微かに見えた真上にあった物を見て、呼吸が止まりそうになった。
何故なら、今からギロチンで死ぬ所だからだ。そして俺は目を瞑り、死刑執行される瞬間頭の中でこう叫んだ。
「(俺、また死ぬのかよ!)」
それと同時に、俺の頭はギロチンの刃で斬られ、俺は転生?して2度目の死を迎えたのであった。
これで、解放される。めでたしめでたし。
「と言う訳にはいかなかった、みたいです」
今の自分の体よりも大きな鏡の前で、今の自分の体を見て前よりも小さな手で顔を触る。
次に目を覚ました時、見知らぬ豪華で無駄に広い中世ヨーロッパみたいな雰囲気の部屋と見知らぬ根巻き、そして何より鏡に映っているこの小学校低学年ほどの笑顔を浮かべただけで一国を滅ぼせそうな、いや、魅了しそうな見慣れた顔をして白髪碧眼で雪豹の耳と尻尾が生えた美少女ロリの体に転生?していたのだったのだから。
「にしても、本当にこの顔綺麗だなぁ。流石作中トップクラスの美形キャラ」
「と言うか、二次元に行きたいと願った事はあるけど、転生したいとは言ってないんだよなぁ」
そう小さく言いながら、顔をペタペタと触る。そう、この美少女ロリはアニメ、いや乙女ゲームのキャラだ。
でも、なんで俺転生したんだろ。別に死ぬ前にこのキャラの事思い出した訳じゃないんだけどなぁ。
と言うか、その前に俺さっき一回ギロチンで死んだよな?
アレって確か、、シュリ編じゃn
〈はいはーい、1人語り入ってる所ごめんねぇ。もうちょっと慌てて貰っても良いかなぁ?優衣君!〉
〈此処まで冷静な人、私初めて見たかもしれない〉
〈いや、ユイリアちゃんも結構、冷静な方だと思うからね、僕も〉
「、、、、誰?、と言うか、これの中身が居る」
〈〈言い方〉〉
突然、1人語りに横入りされたから、誰か部屋に入って来たのかなと思ったら、まさかの上から話しかけられた。
なんかアレだな、勇者ヨシ〇コの仏みたいな感じで話しかけられてたな。片方は神様?っぽいけど怪しい金髪のチャラ男系の見た目の男と、もう片方は今俺の中身が入っている美少女ロリの中身の人間、だよな?名前も同じだし。
今の見た目は多分ギロチンで殺された時ぐらいの見た目、だよね?天使の羽と輪っか生えてるけど。
俺が自分の体を指して言うと2人ともツッコまれたのはちょっと面白かった。けど。
俺の疑問を他所に説明する雰囲気に入った。まぁ、助かる展開だけど。
〈まずは君の疑問に返答すると、此処は確かに君の言った乙女ゲーム【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】だぞ♪〉
〈で、今君、佐々木優衣が私の肉体、ユイリア・モナーキーの肉体に転生したかって言うと、私がお願いしたんだ〉
〈ユイリアからの願いを聞き入れた俺が、【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】を忠実に再現した異世界を作ったんだ〉
「、、、、今、1つ疑問が生まれたんだけど」
〈〈どうぞ、教えて〉〉
「無機物であるユイリアの願いを聞く事って出来るの?確かに大切にされた物とかに魂が宿る事とかはあるけど、付喪神みたいなのがあるし」
〈そう!優衣の言う通り、無機物であるユイリアを願いを聞けるのは僕みたいな神様だからね!〉
〈それで、何故君、病死で死んだ佐々木優衣を転生させたかって言うと、〉
「言うと?」
〈、、、、気まぐれ〉
と、ユイリアの言葉に思わず、がっくししてしまった。
まぁ、気まぐれならしょうがないか。それにしても、ユイリア・モナーキーの体に転生するとは。
あの、悪役王女に転生するなんて、、、、結構めんどくさいな、この状況。
耳の下ぐらいを掻きながら、神様とユイリアの2人を見つめる。
〈因みに、君の心の声は聞こえてるからね♪〉
〈めんどくさいな、なんて酷い事言うね〉
「(マジかよ、めんどくさ)」
〈〈直そうとしないの凄い〉〉
「と言うか、そっちに居るユイリアはどう言う状況な訳?」
〈私は神様に肉体を新しく作って貰って、天使として天界に暮らしているわ〉
「へぇ~、それで俺をユイリア・モナーキーに転生させて、そっちに居るユイリア・モナーキーは何をさせたいんですか?」
〈、、、、、、、、ハッピーエンドを迎えさせなさい〉
「ハッピーエンド?」
またまた気になる言葉を言われて、俺はキョトンと首を傾げる。ハッピーエンド、それはユイリアが登場人物でもある乙女ゲームの題名にも入っている。それに話の内容的にもハッピーエンドを目指すゲームでもある。
それで、ユイリアは俺にユイリア・モナーキーにハッピーエンドを迎えさせる、それって、、、、
「無理ゲーに近い事させますね」
〈でも、出来ない事はないでしょ?貴方はユイリア・モナーキーを計100回ハッピーエンドを迎えさせたのだから〉
「確かにそうかもしれないですけど、二千回中の百回。分かってますよね、このゲームの作者がユイリア・モナーキーと言う人間をどれだけの確率でバッドエンドに迎えさせようとしていたか」
「〈99.9%〉」
俺とユイリアは揃うように、言う。そう、このゲームの作者、開発者は言わばドS。お気に入りなキャラほど、痛め付けるのが好きな変態だ。
ハッピーエンドを迎えさせるのに、最初どれだけ俺が苦労したか。思い出しただけで吐き気が。
だからこそ、ユイリア・モナーキーをハッピーエンドを迎えさせるのを諦めたプレイヤーは何千人も居るほどなのだ。
そう思っていると、神様が横入りして来た。
〈ユイリアの願いは基本的に叶えて欲しいんだよね!!その為にこの異世界を作ったんだから〉
「、、、、それなら、俺が元居た世界の物を使えたりお取り寄せが出来る能力下さいよ」
〈OK!〉
「ノリ軽っ」
〈ユイリアの願ったハッピーエンドを迎えさせてくれるなら、全然出来るよ!〉
「甘やかしてんなぁ、、、、それで、ユイリアは俺にどこまでのハッピーエンドをご要望で?」
〈全部〉
「全部、、、、と言う事は、ウララ編からシュリ編の全5編?」
〈そう。私には出来なかった。私はもう無理、だから〉
ユイリアはそう言うと寂しそうにも哀しさも含んだ表情をして俯いた。俺はそれを見ると思わずため息が出そうになった。気まぐれで転生させた男に頼む事じゃないだろう。これ、、、、でも、頼まれるのは、案外嫌いじゃないんだよなぁ、俺って。
俺は頭を掻きながら、ユイリアと神様を見上げる。
「ハァァ、本当にめんどくさい」
〈、、、、〉
「でも、面白そうじゃん」
〈!〉
「ユイリア、貴方のご所望を叶えてあげましょう。この、【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】が誇る歴代最高の悪役王女に成り代わった佐々木優衣が!」
〈!!〉
〈ユイリア、良かったね〉
〈はい、神様〉
俺の言葉を聞いたら、目を見開いてパァッと表情が明るくなるユイリアとその表情を見て愛おしそうな顔をして嬉しそうな神様。
そして、冷静になって改めて今の俺の肉体を肌で感じると、やっぱり付いてるよなぁ、慣れたあの感覚がちゃんとある。
そう頭の中で考えていると、筒抜けだから苦笑いしながら神様が話しかける。
〈優衣って結構、遠慮とかないしちょっと失礼だよね〉
「元は俺の精神、現役大学生ですよ?これぐらい普通ですって」
〈それでも、もうちょっと慌てないのかい?いくら知っているキャラだからって、女の子みたいな見た目をしてるけど男、♂が付いてるのは〉
「まぁ、、、、この作品、女装キャラが多いし、制作者側の性癖は知ってるし」
〈〈納得出来るのが悔しいし、受け入れてる覚悟が凄い〉〉
なんて、神様とユイリアにツッコまれてしまった。そう、この作品は題名に入っている様に♂、そう各編のヒロイン達と悪役王女であるユイリア・モナーキーは男なのである。
制作者側が、女性の悪役令嬢とかヒロインって古くない?と言った事で、女装キャラになってしまった。
俺はそれを、公式アカウントで見た時は流石に、製作者陣の性癖が漏れ出てんなぁ、って思ったし。
特に、ユイリアと言うキャラは成長しても声帯や骨格、筋肉量、挙げ句の果てには身長まで女性らしく、声変わりをしても高い声に、程よい握力、白い肌と透き通る様に綺麗な白髪、少しエロいホクロ、長いまつ毛に幼く女性らしい顔立ち、悪役王女とは思えないほど綺麗で可愛い男性に成長するんだよなぁ。
俺はそう思いながら、遠くを見て虚無ってしまう。
「、、、、なんか変な事して、ユイリアとしての価値を下げたくはないわ」
〈別に何をしても今のユイリアとしての正解は優衣、貴方なんだけど〉
〈そうそう!変に気にしたって、優衣なら大丈夫だよ!〉
「死んだ人間の転生先を勝手に決められた立場なんて、こっちも勝手にやって良いか、もう」
〈〈ヤケクソになっちゃった〉〉
なんて、ユイリアと神様と会話をしていると部屋の外から足音が微かにした。それに気付いたユイリアと神様はいつの間にか引っ込んで、消えていた。
多分、メイドさんか執事さんかなぁ、と思いながらベッドに戻り座って、次のアクションを待って髪を耳にかける。
コンコンッ
「ユイリア陛下、失礼しますね」
「、、、、はーい」
シューッ コポコポ
「、、、、」
慣れた薬品の匂い、慣れた心電図モニターの音、慣れた人工呼吸器の音、痩せ細って筋肉も落ちた肉体、少しも動かせない腕や脚、すっかり伸び切った薄く長い髪、目の前の景色が段々と薄く見えるのが分かる。
あともう少しで、俺佐々木優衣は人生を終え、死を迎えるのを肉体の衰えから実感する。
たった22年、22年間しか生きれなかった。18歳の時に白血病になって、4年間病院生活して治療して来た。でも、余命宣告をされた。
「(唐揚げを100個食べた、、、乙女ゲーム全編全ルート、裏ルートバトエン、ハピエン全部出来た、、、やりたい事は全部、やれたか)」
余命宣告をされた日から、やりたい事をやった。後輩や先輩を巻き込んで、なんでもやった。悔いも後悔も何も残さずに死にたかったからだ。
あぁ、でも、やり残した事が1つだけあったなぁ、、、、。
「(恋愛、したかったなぁ)」
俺は力の入らなくなった目を瞑って、そう最後に言った。
これで、俺の人生は終わる。呆気ない人生、平凡な人生、願うなら、、、、
そうして、、俺は深い深い眠りについた。
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「(んん?、、騒音?、俺、死んでない?、それに体)」
次に俺が意識を取り戻した時、少し距離のある所から様々な暴言、悪口が耳に届いた。それは俺に向けられているんだと、目を瞑っている時点で分かった。
それと、俺の体が縄みたいな物で縛られていて、手足が動かせれない。それに、冷たい空気が肌を掠る。
状況把握をなんとかしようと、目を開けた瞬間、真隣上から大きな宣言のような声が俺の耳を右から左を貫く感じで届く。
「今からユイリア・モナーキー第2皇女の死刑執行を行う!!」
「???(ユイリア・モナーキー?、死刑執行?)」
俺が目を開けた先に見えた光景は、明らかに病室じゃないし、真隣上を見上げると知らない外国人チックの顔した男が居るし、なりよりも、ユイリア・モナーキーと言う名と死刑執行と言う言葉だ。
「此処、って、、、、ぁ、アシェル」
遠くに立っている黒髪の超絶美形男を見て、俺の口から発せられた言葉に、俺はハッとする。
意識がハッキリとして、頭がちゃんと働く。死刑執行、って事は、今から死ぬって事?俺は混乱する頭で身動きも抵抗も出来ない体で、なんとか真上を見る。
「、、、、ヒュッ」
微かに見えた真上にあった物を見て、呼吸が止まりそうになった。
何故なら、今からギロチンで死ぬ所だからだ。そして俺は目を瞑り、死刑執行される瞬間頭の中でこう叫んだ。
「(俺、また死ぬのかよ!)」
それと同時に、俺の頭はギロチンの刃で斬られ、俺は転生?して2度目の死を迎えたのであった。
これで、解放される。めでたしめでたし。
「と言う訳にはいかなかった、みたいです」
今の自分の体よりも大きな鏡の前で、今の自分の体を見て前よりも小さな手で顔を触る。
次に目を覚ました時、見知らぬ豪華で無駄に広い中世ヨーロッパみたいな雰囲気の部屋と見知らぬ根巻き、そして何より鏡に映っているこの小学校低学年ほどの笑顔を浮かべただけで一国を滅ぼせそうな、いや、魅了しそうな見慣れた顔をして白髪碧眼で雪豹の耳と尻尾が生えた美少女ロリの体に転生?していたのだったのだから。
「にしても、本当にこの顔綺麗だなぁ。流石作中トップクラスの美形キャラ」
「と言うか、二次元に行きたいと願った事はあるけど、転生したいとは言ってないんだよなぁ」
そう小さく言いながら、顔をペタペタと触る。そう、この美少女ロリはアニメ、いや乙女ゲームのキャラだ。
でも、なんで俺転生したんだろ。別に死ぬ前にこのキャラの事思い出した訳じゃないんだけどなぁ。
と言うか、その前に俺さっき一回ギロチンで死んだよな?
アレって確か、、シュリ編じゃn
〈はいはーい、1人語り入ってる所ごめんねぇ。もうちょっと慌てて貰っても良いかなぁ?優衣君!〉
〈此処まで冷静な人、私初めて見たかもしれない〉
〈いや、ユイリアちゃんも結構、冷静な方だと思うからね、僕も〉
「、、、、誰?、と言うか、これの中身が居る」
〈〈言い方〉〉
突然、1人語りに横入りされたから、誰か部屋に入って来たのかなと思ったら、まさかの上から話しかけられた。
なんかアレだな、勇者ヨシ〇コの仏みたいな感じで話しかけられてたな。片方は神様?っぽいけど怪しい金髪のチャラ男系の見た目の男と、もう片方は今俺の中身が入っている美少女ロリの中身の人間、だよな?名前も同じだし。
今の見た目は多分ギロチンで殺された時ぐらいの見た目、だよね?天使の羽と輪っか生えてるけど。
俺が自分の体を指して言うと2人ともツッコまれたのはちょっと面白かった。けど。
俺の疑問を他所に説明する雰囲気に入った。まぁ、助かる展開だけど。
〈まずは君の疑問に返答すると、此処は確かに君の言った乙女ゲーム【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】だぞ♪〉
〈で、今君、佐々木優衣が私の肉体、ユイリア・モナーキーの肉体に転生したかって言うと、私がお願いしたんだ〉
〈ユイリアからの願いを聞き入れた俺が、【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】を忠実に再現した異世界を作ったんだ〉
「、、、、今、1つ疑問が生まれたんだけど」
〈〈どうぞ、教えて〉〉
「無機物であるユイリアの願いを聞く事って出来るの?確かに大切にされた物とかに魂が宿る事とかはあるけど、付喪神みたいなのがあるし」
〈そう!優衣の言う通り、無機物であるユイリアを願いを聞けるのは僕みたいな神様だからね!〉
〈それで、何故君、病死で死んだ佐々木優衣を転生させたかって言うと、〉
「言うと?」
〈、、、、気まぐれ〉
と、ユイリアの言葉に思わず、がっくししてしまった。
まぁ、気まぐれならしょうがないか。それにしても、ユイリア・モナーキーの体に転生するとは。
あの、悪役王女に転生するなんて、、、、結構めんどくさいな、この状況。
耳の下ぐらいを掻きながら、神様とユイリアの2人を見つめる。
〈因みに、君の心の声は聞こえてるからね♪〉
〈めんどくさいな、なんて酷い事言うね〉
「(マジかよ、めんどくさ)」
〈〈直そうとしないの凄い〉〉
「と言うか、そっちに居るユイリアはどう言う状況な訳?」
〈私は神様に肉体を新しく作って貰って、天使として天界に暮らしているわ〉
「へぇ~、それで俺をユイリア・モナーキーに転生させて、そっちに居るユイリア・モナーキーは何をさせたいんですか?」
〈、、、、、、、、ハッピーエンドを迎えさせなさい〉
「ハッピーエンド?」
またまた気になる言葉を言われて、俺はキョトンと首を傾げる。ハッピーエンド、それはユイリアが登場人物でもある乙女ゲームの題名にも入っている。それに話の内容的にもハッピーエンドを目指すゲームでもある。
それで、ユイリアは俺にユイリア・モナーキーにハッピーエンドを迎えさせる、それって、、、、
「無理ゲーに近い事させますね」
〈でも、出来ない事はないでしょ?貴方はユイリア・モナーキーを計100回ハッピーエンドを迎えさせたのだから〉
「確かにそうかもしれないですけど、二千回中の百回。分かってますよね、このゲームの作者がユイリア・モナーキーと言う人間をどれだけの確率でバッドエンドに迎えさせようとしていたか」
「〈99.9%〉」
俺とユイリアは揃うように、言う。そう、このゲームの作者、開発者は言わばドS。お気に入りなキャラほど、痛め付けるのが好きな変態だ。
ハッピーエンドを迎えさせるのに、最初どれだけ俺が苦労したか。思い出しただけで吐き気が。
だからこそ、ユイリア・モナーキーをハッピーエンドを迎えさせるのを諦めたプレイヤーは何千人も居るほどなのだ。
そう思っていると、神様が横入りして来た。
〈ユイリアの願いは基本的に叶えて欲しいんだよね!!その為にこの異世界を作ったんだから〉
「、、、、それなら、俺が元居た世界の物を使えたりお取り寄せが出来る能力下さいよ」
〈OK!〉
「ノリ軽っ」
〈ユイリアの願ったハッピーエンドを迎えさせてくれるなら、全然出来るよ!〉
「甘やかしてんなぁ、、、、それで、ユイリアは俺にどこまでのハッピーエンドをご要望で?」
〈全部〉
「全部、、、、と言う事は、ウララ編からシュリ編の全5編?」
〈そう。私には出来なかった。私はもう無理、だから〉
ユイリアはそう言うと寂しそうにも哀しさも含んだ表情をして俯いた。俺はそれを見ると思わずため息が出そうになった。気まぐれで転生させた男に頼む事じゃないだろう。これ、、、、でも、頼まれるのは、案外嫌いじゃないんだよなぁ、俺って。
俺は頭を掻きながら、ユイリアと神様を見上げる。
「ハァァ、本当にめんどくさい」
〈、、、、〉
「でも、面白そうじゃん」
〈!〉
「ユイリア、貴方のご所望を叶えてあげましょう。この、【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】が誇る歴代最高の悪役王女に成り代わった佐々木優衣が!」
〈!!〉
〈ユイリア、良かったね〉
〈はい、神様〉
俺の言葉を聞いたら、目を見開いてパァッと表情が明るくなるユイリアとその表情を見て愛おしそうな顔をして嬉しそうな神様。
そして、冷静になって改めて今の俺の肉体を肌で感じると、やっぱり付いてるよなぁ、慣れたあの感覚がちゃんとある。
そう頭の中で考えていると、筒抜けだから苦笑いしながら神様が話しかける。
〈優衣って結構、遠慮とかないしちょっと失礼だよね〉
「元は俺の精神、現役大学生ですよ?これぐらい普通ですって」
〈それでも、もうちょっと慌てないのかい?いくら知っているキャラだからって、女の子みたいな見た目をしてるけど男、♂が付いてるのは〉
「まぁ、、、、この作品、女装キャラが多いし、制作者側の性癖は知ってるし」
〈〈納得出来るのが悔しいし、受け入れてる覚悟が凄い〉〉
なんて、神様とユイリアにツッコまれてしまった。そう、この作品は題名に入っている様に♂、そう各編のヒロイン達と悪役王女であるユイリア・モナーキーは男なのである。
制作者側が、女性の悪役令嬢とかヒロインって古くない?と言った事で、女装キャラになってしまった。
俺はそれを、公式アカウントで見た時は流石に、製作者陣の性癖が漏れ出てんなぁ、って思ったし。
特に、ユイリアと言うキャラは成長しても声帯や骨格、筋肉量、挙げ句の果てには身長まで女性らしく、声変わりをしても高い声に、程よい握力、白い肌と透き通る様に綺麗な白髪、少しエロいホクロ、長いまつ毛に幼く女性らしい顔立ち、悪役王女とは思えないほど綺麗で可愛い男性に成長するんだよなぁ。
俺はそう思いながら、遠くを見て虚無ってしまう。
「、、、、なんか変な事して、ユイリアとしての価値を下げたくはないわ」
〈別に何をしても今のユイリアとしての正解は優衣、貴方なんだけど〉
〈そうそう!変に気にしたって、優衣なら大丈夫だよ!〉
「死んだ人間の転生先を勝手に決められた立場なんて、こっちも勝手にやって良いか、もう」
〈〈ヤケクソになっちゃった〉〉
なんて、ユイリアと神様と会話をしていると部屋の外から足音が微かにした。それに気付いたユイリアと神様はいつの間にか引っ込んで、消えていた。
多分、メイドさんか執事さんかなぁ、と思いながらベッドに戻り座って、次のアクションを待って髪を耳にかける。
コンコンッ
「ユイリア陛下、失礼しますね」
「、、、、はーい」
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