天才悪役王女(♂)はハッピーエンドがお好みです

橋本衣

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悪役王女からのお願い事 ②

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〈【恋する乙女達(♂)のハッピーエンド】とは、全5編あるストーリーの中で、ヒロイン達とたった1人の第2皇女兼第6皇子であり悪役王女であるユイリア・モナーキーのハッピーエンドを目指すお話〉
〈このゲームは小説、漫画も発売されて、またゲームの方は第1弾から第5弾まで売り上げトップを誇っており、ヒロインか悪役王女のどっちかにプレイヤーとしてなってハッピーエンドを目指すのが特徴なんだぞ!〉
〈乙女ゲームな一方、事件を解決したり冒険をしたり魔物を倒したりするファンタジーゲームの要素も兼ね備えたゲームでもあるんだなぁ〉
〈舞台は中世ヨーロッパ風の異世界で、原作者、開発者の趣味趣向なのか現代日本にもある冷蔵庫や電子レンジなどの家庭用家電やお風呂、またまた食事、そして洋服まで存在する。スマホなどのは存在しないが、魔法の中に写真を撮ったり動画を撮ったり、メッセージを送ったり電話が出来たりする魔法が存在するなど多種多様な世界設定をしている〉
〈魔物や魔族などの種族も居たり多種多様な種族が混合して、生活をしており、実際ユイリアも雪豹の獣人で、エルフの血も入ってるんだよね。魔法と武器と科学、発明が混じって所々異世界、所々現代を味わえる世界線なってると思うよ!〉
〈またこの異世界はその設定や使われてない設定を忠実に使って再現した、神様史上最高の異世界となっているよ!〉

「(詳しい設定ありがとう、神様)」

〈いえいえ~♪〉

今、現在俺は神様からのこの世界の説明を受けながら、王族専用の食事の間に向かう道中であった。
俺、じゃなくてユイリアの専属メイドから白いワンピースに着替えさせられて、髪をハーフアップにされて部屋を出て廊下を歩く。ただそれだけなのに、慣れない事過ぎてユイリアを演じ切れているか少し自信がない。
そう思いながら、頭の中で神様とユイリアに話しかける。

「(それで俺がやるべき事はユイリア・モナーキーのハッピーエンド、簡単に言えば処刑とか追放とか婚約破棄を免れよ、って事だよね?)」

〈まぁ、簡単に言えばそう言う事になるかな。優衣ゆいなら出来るでしょ?〉

「(やってみないと分かんないけどね、、、、ここでやらないってなっても、なんか後味悪いし)」

〈うーん、、優衣は良い子!〉

「(はいはい、そろそろ食事の間に着くから2人は引っ込んでて)」

俺がそう言うと、2人ははーいと言って俺の視界から消えた。どうやって消えてるのかは分かんないけど、今はそれよりもユイリアの家族の転生して初対面な訳だ。
ただでさえ、幼少期のユイリアに成り代わっている分、変な所で変化していると悟られる訳にはいかない!

「ユイリア殿下、開けますね」

「えぇ」

慣れない様呼び&、ユイリア呼びに内心ドギマギしながらも返答する。だって俺は今日からユイリアで、ユイリアは俺、なんだから。
そう思いながら、メイドさんに食事の間の扉を開けて貰って中に入る。俺は深呼吸をして、前を向いて一歩を踏み込む。

中に入ると豪華なシャンデリアが目に入って、とても良い匂いがする。そして俺、いやユイリアに最初に声を掛けて来たのは、

「ユイリア、おはよう。少し遅かったわね」

「おはようございます、お母様。今日はお洋服を選ぶのに時間をかけちゃって、遅くなってごめんなさい」

「怒ってはないから安心しなさい。ユイリア、今日もドレスが似合っているな」

「ありがとうございます、お父様」

ユイリアと同じ白髪の髪にエルフの耳がプルンと震えて、聖母の様な微笑みで話しかけて来たのは、ユイリアの母であるユーナ・モナーキー。年齢は45は超えているのは確か。神々しいな、マジで。
そして上座に座って優しい笑顔を向けて、金髪にライオンの耳と尻尾が揺らして好青年な雰囲気を出して、俺の着ていたドレスを褒めてくれたのは、ユイリアの父でこのウェルフンド皇国の皇帝でもあるアーノルド・モナーキー。年齢はユーナと同い年だけど若々しい。
マジ、無理矢理とは言えこの美形の両親の息子になれたのは、ラッキーだったかもしれない。実質神イベントみたいなものか。
俺はそう頭の中で考えながら、少し表情筋を緩ませてユイリアの席に座る。

「ユイリア、おはよう」

「ユイ、おはよう!」

「おはようございます、ノーシュ兄様、カイ兄様」

席に座ると、隣に座っていた白髪に黒のメッシュにエルフの耳と分厚めのグルグルが書かれた眼鏡をかけて腰まで伸びた長髪を靡かせている第2皇子であるノーシュド・モナーキーと、目の前に座っていた金髪に褐色肌に兎の耳と尻尾が生えた美少年な第5皇子であるカイ・モナーキーの2人が挨拶をして来たから、返答する。
俺は知っている、どっちも圧倒的な顔面偏差値を持っているイケメン&美少年な事を。なんか、このイケメン2人も俺の兄になるって考えると、ちょっと興ふ、じゃなくて嬉しいな。
そう思っていると、他のメンツが居ないな、とすぐに気づきお食事エプロンをメイドさんに付けて貰いながらノーシュドに声をかける。

「ノーシュ兄様、他の姉様や兄様達は?」

「1番上の兄上と姉上は朝から、兵士や騎士を連れて訓練、3番目はそれについて行ってて、4番目は部屋に篭って武器製作の真っ只中ですな」

「お兄ちゃん達、朝から元気だよね。カイは無理だなぁ」

「拙者達はスロースタートスタイルで行くでござるよ」

「だねぇ」

「うん、、、、いただきます」

俺はそう返事して、手を合わせて挨拶をしてから朝ご飯を食べる。慣れないナイフとフォークにちょっと手こずりそうになったが、目玉焼きを一口食べる。
ユイリアには5人の兄と1人の姉、そして1人の弟が居る。
表向きはユイリア・モナーキーは第2皇女となっている。メイドや執事、はたまた兵士や騎士達もユイリアを皇女、女性として扱っている描写が多くゲーム内でも見た事が何億回もある。
なんで、そうなったか、って言うとだが、、、、

〈開発者の性癖+18歳まで女児として扱わなければ、死を迎えると言う呪いにかかってるからね〉

〈ご都合設定にも甚だしいと、私は思うわ。それで人気を博しているのが1番の謎ね〉

「(登場キャラに言われるとは、開発者とか原作者は一歩も思った事はないだろうよ)」

いつの間にか現れてるユイリアと神様。他のみんなには見えてないから、好き勝手話してるけど、普通に視界に入るのもめんどくさいって思ってしまう。必要な時以外は無視だな、無視。そこ、聞こえてるからって視界に入ってくるな、邪魔だから。
それにしても今のこの肉体は幾つだ??と、疑問に伏している俺にピッタリの話題を振って来たのは、お父様であるアーノルドだった。

「そうだ。明日はユイリアの誕生日だな、教会の本部の方でステータスが確認出来るから、楽しみだな」

「!、ぅ、うん。わたしも、7歳の誕生日が来るの楽しみ!(、ユイリアは今7歳か、良い情報ゲット)」

なんで、アーノルドの発言から7歳かって分かったかって言うと、この世界設定では、日本にある言葉で「7歳までは神のうち」って言葉があるのを使って、7歳の誕生日に神様から授かった魔法や固有魔法、スキルなどなどを確認する儀式があるからだ。
これに関しては、へぇ~、って思って特に覚えていた事だから、覚えてて良かった、と思いながらパンを千切って食べる。

「ユイがもう7歳かぁ、考え深いなぁ」

「カイ兄様だって10歳でしょ。若い方だよ」

「7歳が10歳に若いって言う状況、笑えるですな。拙者はもう19歳でござるから、可愛くない部類でござるよ」

「ふふっ、俺らからしたらノーシュドも可愛い息子なのだがな」

「そうよそうよ!可愛い可愛い頑張り屋な息子だわ」

「、、、、(顔真っ赤)父上も母上も揶揄わないで欲しいよ」

ユー、いや、お母様とお父様の2人に可愛い可愛い言われて顔を赤くしているノーシュ兄様を見るのは普通に興ふ、じゃなくて好きなのでもっとして欲しい、と言うかもっとやれ!
と、心の中で思う。4人の楽しそうな顔や笑っている顔を見ると心が温まる。
なんか、こうやってまた沢山の人と食事して笑い合う事が出来るってだけで嬉しいし、転生して良かったなって思ってしまう。
そんな俺達の傍ら、少し離れた所でなんか井戸端会議をしているユイリアと神様。俺は無視をしているけどな。だって、めんどくさいから。

〈なんか、慣れてません?神様、あの子〉

〈ほら、優衣の居た世界は異世界転生とか良くあるらしいからねぇ~♪〉

〈それでも、もう少し焦ったりドギマギ?とかしませんかね。私ならしますけど、、、、めんどくさがり屋な性格のはずなのに〉

〈ユイリアは表情筋乏しいけど、感情は豊かだもんね~笑〉

何て若干俺の悪口みたいなのは聞こえるが、無視だ。人の死後を勝手に決めた2人に当たりが強くてもいっか、と思いながら楽しく朝食の時間を取る。
久しぶりの家族の団欒って感じで、ちょっとロイヤル過ぎるけどね笑
こうやって家族を味わえる時間って大切なんだって改めて感じるのであった。

〈〈優衣が酷い〉〉








「え?、明日教会にちゃんと行かないと行けない?何それ」

〈優衣も知ってると思うけど、ユイリアは7歳の時にちゃんと教会に行けなくて自分でステータス確認出来なかったから〉

「え、あ!そうじゃん!ユイリア、本部の教会行けてなかったんだ!結局!」

朝食後、部屋に戻って椅子に座って神様から言われた言葉に、俺は思い出して思わず立ち上がって大きな声を出してしまった。
そう、ゲームでユイリアをプレイヤーとして選ぶと、話の中で日記が出て来てその中に、
[7歳の誕生日の日、教会に行く途中で事故が起きて結局、私自身はステータスが確認出来なくてお父様やお母様が確認して教えてくれました]
って、書いてあったんだよねぇ。それで、ユイリアが結局知らないステータスがあるんだよな。

「ユイリアって結局、あの、【絶対王政アブソリュート・モナーキー】、って言う固有魔法を持ってるの知らなかったんだよね?」

〈えぇ、その通りよ。だから、神様からそんな凄い魔法を持ってるって伝えられた時は、あの事故を恨みましたわよ〉

〈俺が伝えた時のユイリアの表情がとっても怖かったの、俺ちょー覚えてる〉

「、、、、想像出来なーい。でも、その経緯もあって話が進んでいったってもあるんだよね。俺ずっとなんで、あんな凄い魔法あるのに使ってなかったんだって思ってたし」

〈私だってそんな凄い魔法を持ってたならバンバン使ってハッピーエンド迎えてたわ〉

「〈心からの叫び〉」

ユイリアの心からの叫びに俺と神様は驚いてしまう。
どんだけ、知った時悔しかったと言うか恨んでたんだろうな、って思うし伝わってくる。
ん?でも、それ知ってるのであれば俺なんか必要なくないか???
と、今気づいてしまって、疑問の表情を浮かべる。そして心の声が筒抜けなので、普通に伝えてくるユイリア。

〈私が上手く使いこなせると思う?〉

「不器用女王のユイリアには無理だったわ、ごめん」

〈良く分かってるじゃない〉

〈ユイリアはそれで良いの?〉

そう、ユイリアはゲーム内トップクラスの不器用キャラ。それを1番プレイヤーをやっていたと思う俺が言っているのだから間違いない。
因みに【絶対王政】の内容はまた今度教えるね!なんでって?めんどくさいからだぞ!

そう頭の中で呟きながら、何も書かれてない白紙の日記を勉強机の中から取り出す。

〈それで、優衣はどうやって事故に遭わずに教会まで行こうと思う?〉

「それに関してはある程度頭の中では構築済み。ただ、めんどくさいんだよねぇ」

〈優衣って、めんどくさがり屋だよね?なんでそうなの?〉

「え?そりゃあ神様、、、、めんどくさい治療を長くやっても全くと言って良いほど改善が見られず、挙げ句の果てに死んだからだけど?」

〈ごめん、俺が悪かった〉

〈神様、相手が悪かったですよ。と言うよりも相手が強い〉

いや、別に事実を話してただけなんだけど。と思いながら変な所で落ち込んでる神様とそれを慰めるユイリアを置いておいて、事故と言うよりも計画的な犯行を企てられるのを防ぐ方法を日記に書く。
そもそも、あの事故(崖の上から岩が落ちてくる)は、本部のある教会の近くの銀行に強盗する目的のある盗賊達が、王族に来られるのが困るからってってやった事なんだよ。
と言う事は、それを防ぐ事も出来るから一石二鳥なんだよ。ただ、それをするにはユイリアの警備が手厚い昼頃に実行するのは難しい訳で、、、、

「よし、夜に実行、かな」

〈〈いつの間に計画を立てたの???/ましたの???〉〉

「神様が落ち込んでいる間にだよ」

俺はそうストレートなツッコミが口からポロッと溢してしまった。
まぁ、こうして俺のユイリア・モナーキーとしての悪役王女回避生活が始まるのであった。



















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