転生悪役王女(♂)はハッピーエンドがお好みです

橋本衣兎

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悪役王女からのお願い事 ④





色んな色の薔薇が沢山咲いている空間に包まれながら、俺はしゃがみ込む。薔薇の匂いと、おめかしした格好、初めてくる場所と言うアウェイ感に包まれながら、俺は心の中で一旦叫んだ。

「(めんどくさい事、俺嫌いだって言ったじゃん!!!)」

〈そうは言ってもこうなるのは運命みたいなものだし、頑張!〉

「(神様なら、こう言う胃が痛くなるイベントあるの予測しろよ、クソが)」

〈、、、、ユイリア、優衣ゆいが怒ってる。ガチギレてるよ〉

〈しょうがないよ、神様。私だって、急に違う国の王宮に訪れる、何て事普通に嫌ですし、それも婚約するなら尚更〉

ユイリアはそう優しくだけど同情するような声色で言った。
そう、俺は今、いやユイリア・モナーキーとしての人生の大きな転機が訪れている。それが、ユイリアの婚約者であるアシェル・ローゼ第3王子と婚約する事、だ。
4日前いきなりお父様から、アシェルと婚約するって聞かされた時は、、、、地獄の始まりか、って悟ったよね。

〈いや、ハッピーエンドに向かう始まり、だよね?〉

〈神様、黙ってて〉

そもそも、アシェルと婚約するのは来年、ユイリアが8歳になる年、なのに、何で?
と、俺は疑問に思ったが何となく察した。それは1週間前、俺の活躍で無事隣の本部の教会に行ってステータスを確認出来て、それをお母様とお父様が知った時のこと、

『、、、、【絶対王政アブソリュート・モナーキー】、ヤバいな』

『そうね、アナタ。でもどうします?、もし外部に漏れて狙われたりなんてしたら』

『、、、、、、、、お母様、お父様、何がヤバい?の?』

『、、えっと、それは』

『ユイリアが持っていた魔法の中に、もしかしたらユイリアを傷付ける奴が現れるぐらい、とても凄い魔法が見つかったんだ』

『そうなの?、わたし凄いの?』

『あぁ、とっても凄い。だけど、それでユイリアが傷付くかもしれない』

『でも、その魔法で、お母様とお父様を守れるかもしれないんでしょ!だったら、傷付くかもしれないけど、持ってるのは嬉しい!』

『!、ユイリア、、、、(ギュッ)、、、、アナタ、この子を絶対に守ろう。私は命に変えてでも守るわ』

『当たり前だろう、ユーナ(2人を抱きしめる)。俺はお前達を、俺の大事な妻と子供達を守るさ』

『お母様もお父様も苦しいよぉ』

と言う感じの会話をしたのが多分、婚約が早まった原因だと思う。
前々から、ローゼの国、ローズウェル王国は隣国と言っても大陸を挟んでだけど、我が国ウェルフンド皇国に同盟を組んでたんだけど、それなら親戚関係になるのもどうかって話があって、で、ゲーム内でユイリアとアシェルの婚約がユイリアが8歳の時に成立した、んだよね。
思い出しながら、現在ローズウェル王国の王宮内にある薔薇園で迷子になった俺は、どうしたものかと悩んでいるのであった。

「何でこう言う時に限って、魔力制御のアクセサリー付けたんだよ、俺」

〈しょうがないよ、、ユイリアのお母さんから渡されたんでしょ?〉

〈お母様、過保護過ぎる所あるから、気持ちは分かるわ〉

「そのせいで、魔法使えなくて迷子になってるんだよ~」

ゲーム内屈指の迷宮と呼び名があるローズウェル王国の薔薇園に足を踏み入れた俺が馬鹿だったと今更後悔してしまった。
因みに、アシェルと会うのにまだ時間があるから散歩って言ってメイドを誰も付けずに来てしまったのが仇となってしまった。
色々悔しくて、助けとか呼ぼうとかって言う力も湧かない。

「ハァ、、、、どうしよう」

俺はそう小さく呟いた瞬間、ガサッと物音が耳に入った。それは風で生まれたやつじゃないとすぐに分かって、音のした方に視線を向けると、服の袖が見えた。

「(誰か居る?)」

〈居るね~、敵意は感じないし、それにこの感じは、〉

〈神様、シッ〉

「(?)」

なんか知ってそうな神様とユイリアに何だ?と思ってしまう。神様とユイリアはいつの間にか引っ込んでで姿が見えなくなっているのは少し気になったが。

そう思いながらも俺は立ち上がって、土を払って近づいて声をかける。俺と同じように迷子なのかな?と淡い期待を抱きながら。

「ねぇ、何やってるの?」

「!、だ、誰!?」

声をかけた俺に体をビクッと震わせて、俺の方に視線を向けて顔を上げた。その顔を見て、俺は言葉を失ってしまった。
だって、ユイリアの婚約者兼俺の婚約者にもなるアシェル・ローゼだったのだ。黒い髪、白い肌、濃い赤い目をした綺麗な顔をした美少年、俺が何回何百回、いや何億回見た顔か、忘れる訳がない!ユイリアより4歳上で今が11歳、だよね、確か。
あと何故か涙目なのは意味分かんないけど。
アシェルは最初は何事だ!?みたいな顔をして俺の顔を見ていたが、俺をユイリア・モナーキーと認識すると落ち着き始めた。

「君は、、僕の婚約者に、なる子だよね?」

「ぅ、うん。ユイリア・モナーキーと言います。アシェル殿下、ですよね?」

「合ってるけど、殿下は辞めてよ。年下に敬語もされるの嫌だし、婚約者になるのに、」

「ゎ、分かった。アシェル、、、で良い?」

「うん、それで良い」

小さい頃のアシェルを味わっていると色々思う。うーん、ちょっとクールって言うか、人をあんまり信じてない感、こうやって自分の身で味わうのは結構面白い。
でも、何でアシェルは此処に居るんだ?俺は不思議に思いながらアシェルを観察していると、服が薔薇の棘に引っかかっていた。
それを見た俺は目をパチクリさせながら、アシェルに聞くと途端に顔を真っ赤にさせた。

「、、、、」

「もしかしてそれで泣いてt 「泣いてはない!!」、、涙目、だったと」

「誰にも言うなよ、カッコ悪いし、、、、これだから薔薇は嫌いなんだ、僕は」

「、、、、何でですか?」

「綺麗だって周りは言うけど、棘があって触ったら痛い。綺麗だからと言って痛いのがあるなんて、人間みたいだ」

「、、、、(確かに)」

アシェルの言葉に俺は思わず納得してしまった。
そして俺の中である1つの仮定が生まれた。それは、アシェルこの薔薇園で迷子になって棘に引っかかったんだ、と言う事。
でもこれは、聞くのは申し訳ないので聞かないでおこう。それにしても、昔のアシェルはちょーっと闇抱えてた、なってゲームをやっていた時に思い出した。
でも、これを変えれるのは今は俺しか居ないんだよな、そう考えながらアシェルの隣に座る。

「!、何で座って」

「わたしも迷子だし、誰か来るまで待とうと思って、気にしないで」

「別に気にしてはないけど、、、、、、、、ユイリアって変だね」

「そう?」

「うん、、、、俺の周りとは違う」

「そっか、、、、(まぁ、精神年齢高いからしょうがないか!)」

と、心の中で精神年齢の高さに優越感を浸ると同時に、俺自身がちょっと最低だと少し実感してしまって、苦しい。
体育座りをしながら、足と足の間に一旦顔を埋めていた時に、アシェルの指のまめを見つけた。それを見てちょっとだけ顔を上げる。アレって、確か、、、、

「アシェルって、もしかして剣とかやってるの?(確か剣術が得意なキャラ、なんだよな)」

「、そうだよ。でも、全然強くなれない、弱い、、、、守られたくないのに」

「、、、、何で?何で守られたくないの?」

「だって守られるって事は弱いって事だ。周りから時期国王、時期国王って言われるたびに弱いって、王宮に居て守られてろって言われてる気がするんだ」
「騎士達や兵士達、父さん達からも危ない事はするなって、、、、弱いから、下手な事はするなって言われてるんだ。兄さん達は許されているのに」

悲しそうな顔をして、両手を握りしめて地面に顔を向けているアシェル。
思い出した、そうだ昔のアシェルは守られる事が大っ嫌いなキャラだった。それでユイリアが色々言って、アシェルを変えた、、、、んだけど、何だったっけぇ。ダメだ、記憶が混合してる。
色んなストーリーやり過ぎた弊害が此処で出るとは悔しいな、マジ。俺も思わず手を握りしめてしまう。
それでも、今アシェルに何か助言が出来る立場は俺で、他に誰も居ない。それにこのまま成長なんて、ちゃんと周りの気持ちを理解出来ないまま大人になるあシェルは、アシェルじゃない。

「、、、、わたしは、守られるから弱い、とは思わないな」

「え?」

「確かに、まだアシェルは騎士さん達より弱いと思う。でも、騎士さん達やアシェルのお父さんは、弱いから戦うなって言ってる訳じゃないと思うんだ」

「どう言う事?」

「アシェルがとても大切だから、愛しているから守りたいんだよ」

「!、大切?愛して、る?」

「うん。確かに、王様は守られるけど、わたしは思うんだ、、、、王様はね王様になった時から、国に暮らす国民を守る立場になるんだ、って」

「ぁ(ハッとする顔)」

俺の言葉を聞いたアシェルは、驚いたり、悟った様な顔ををする。
まぁ、11歳の子供は勘違いするし察する方が難しいよね笑
俺はそれを見て話を続ける。言える事は言いたいし、言わないと後悔しそうで、俺は嫌だ。それに今言える立場にあるの実質俺だけだし、、、、本来はユイリアの立場なのに、まぁ今俺がユイリアなんだけど。
一旦心の中でユイリアに愚痴を吐いてから、続きを喋る。

「剣で強くなくたって、心が強いのも大切だと思うんだ。だって、王様になったら沢山色んな国との関係を取り持つ?持ったりしないといけないし、国民は王様を守って、王様は国と国民を守ってるんだって思うんだ」
「ん~、だから、お互いの存在があるから、国って言うのは成り立ってて、お互いが大切だから守りあって、弱いとか強いとか関係なく、守りたいから守ってるん、だと思うんです!、、じゃなくて、だよ!」

「、、、、、、、、」

「あとね、薔薇が嫌いだって言ってたけど、、、、前に本で読んだ事があるんだけど、薔薇の花言葉にはね、31本は「いつも貴方を思っています」、66本は「貴方への忠誠」、あとは、、、、101本「これ以上ないほど愛しています」、とか」

「!」

言いたい事を言い終わると、俺はスッと立ち上がってお尻部分に付いたであろう土を払う。
この言葉がアシェルに響くか響かないかはアシェル自身の話、、、、それにしてもあの言葉がスッと出てくる俺ってやっぱり天才か?



















ぁ、いや、違う。
思い出した。この言葉、ユイリア言ってた。そうじゃん!!
ユイリアが8歳の時に初めてアシェルに会った時に言ってたじゃん!!俺何で忘れてんの!!?ある意味原作をちゃんとやってるじゃん!俺今!
一瞬って顔面蒼白、全身が悪寒に包まれた。人間ってこうも顔色が素早く変わるんだって、自分で実感しちゃった。

俺は今後のアシェルの姿を知っているから、アワアワしながらソーっと立ち去ろうとするのだが、一歩遅かった。

「ユイリア」

「は、はい!」

アシェルに呼び止められて、俺はビシッと両手を下に下ろして、軍の隊員みたいな姿勢になる。

「ユイリアは僕の婚約者になるんだよね?」

「ぅ、うん。将来的には、結婚もする、ね。上手くいけば」

「そっか、、、、ふふっ」

「、、、、」

アシェルの質問に答えると、アシェルは嬉しそうにして微笑んだ。それが、あぁ、俺が変えてしまった。それを告げるかの様に、少し強い風が吹く。

原作通りに、、、、俺、自分愛されはあんまり好きじゃないんだけどなぁ、と思いながら今後の展開が読めて来ていると、俺を探して来たであろうお父様とお母様や騎士さん達が現れた。
みんな俺の姿を見たら安心してて、焦った表情からホッとした表情になっていて、心配かけたのは申し訳なかった。お母様が1番に俺の元に来て抱きしめる。

「!、ユイリア!良かった、こんな所に居たのね、、、、って、あら、アシェル王子」

「お久しぶりです、ユーナ様、そしてアーノルド陛下」

「久しいな、アシェル。君はどうして?」

「それは、ユイリアがこの薔薇園に入るのを見かけて」

「(今、コイツ平然と嘘付いたな(信じられないものを見る目))」

「あら、そうだったの。どう?婚約者になる2人は仲良くなれたかしら」

「はい、、これからは僕がユイリアを守ります。(跪いて手の甲にキスをする)ユイリア、、、、愛してるよ」

「!、、、、、、、、ありがとう、アシェル(うーん、惚れられたかなぁ)」

こうして、話が本格的に展開して来たから、まぁユイリアの目的としては良いのかな、と思うが俺は胃が痛くなりそうだな、と今後頑張って治癒魔法の習得をしようと心に決めた。
と言うか、今11歳でこれが出来るって、、、、とんだプレイボーイじゃねーか。
将来が心配。まぁ知ってんるだけんどもね、、、、ハハハッ
















ハァ












































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