転生悪役王女(♂)はハッピーエンドがお好みです

橋本衣兎

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悪は滅して、光は幸せを迎える ①




「どうかな?ノーシュ兄様、ユノ兄様、カイ兄様」

アルビーの部屋に集まった俺とユイリアの兄である3人に俺が用意した資料を見て貰ったのと、俺が見た光景を7歳児らしい言い換えで説明した。
3人とも信じられないのか驚いた顔をしたり資料に食いついたりしている。まぁ、メイド長は普段は信頼されてるし、真面目そのもの。そんな事する人だとは思えないからね。

「拙者は到底信じられないですな。だが、ユイリアが言うって事は本当と言う事でごさるな」

「カイも信じられないよ。あの優しいメイド長が、、ノゼルドを傷付けてるなんて」

「我は納得。王族である我たちと使用人の対応の差が目に見えるし」

「ユノルドは意外と人を見ているからな。それに、ユイリアの証言が嘘ではないのは魔法で立証済みだ。こう言う時、俺の魔法が役に立つ」

「確か、アルビー兄様の固有魔法って、人の感情?が見えたりとか声から人の嘘か本当かを判別する魔法、何だよね?」

「そう、良く覚えていたな、ユイリア、偉いぞ(頭を撫でる)」

そう言ってアルビーに頭を撫でられて、ちょっと喜んでしまった俺。アルビーの持つ魔法は結構強力、だから第一弾の時は、暗殺されたんだよねぇ。危惧して。
だから、ノゼルド同様死なせる訳にはいかない人でもある。
それから、紅茶とお菓子を頂きながらソファに座って作戦会議を進めるのであった。

「この証拠を父者たちに突き付けても、取り合ってくれるとは思わないけど、我は」

「確かに、ユノお兄ちゃんの言う通りだよね。でも、どうする?何か決定的な証拠、とかあったら良いけど」

「ユイリアは何かござらんか?ユイリアなら、良い提案がありそうでござるし」

「わたし?、、うーん、、、、(神様、ユイリア、何かある?)」

優衣ゆいの世界にはボイスレコーダーとか、動画って言うのがあるよね〉

〈でもそれ取るには、王族は難しいと思うな、私は〉

「(ボイスレコーダー、動画、、、、ありがとう、2人とも)、あのね、この方法はどうかな?」

俺は、みんなに思い付いた事を話す。みんな最初は、

「え、、、、後々国際問題とかならないかなぁ。胃が」

「アルビー、その時は兄上達に任せようぞ」

「カイ、ユイリアみたいに人を使うのを上手くなろうな」

「ユノお兄ちゃんも上手いもんね。人使うの」

みたいな反応をされた。ごめんね、アルビー、でもこう言うのが1番だって思うんだよ。
それから、各々計画を作り上げていった。アルビーとノーシュドに関しては公務もあって忙しいのにも関わらず、協力して貰って申し訳なさと兄弟愛が強いんだって感じれて嬉しかった。
その日は、夕陽が落ちるまで作戦会議をして、一応出来上がった。

「よし、お兄様達、これを使って、ノゼルド達を助けよう!」

「あぁ、、俺は証拠集めをやっておく。ノーシュ兄ィもお願い」

「任せてでござる!こう言うのは案外得意なんですな!」

「我も役割は果たす。こう言うのは、証拠集めが重要だからな」

「カイも、大切な弟の為に頑張る!!」

各々のやる気に満ち溢れた姿と、雰囲気の良い空気感に俺は思わず表情筋が緩んでしまう。今もまだノゼルドは苦しんでいる、そう頭の中で想像したら苦しい。
でも、此処にはノゼルドを助けようって思ってくれているのが4人も居るんだ。ノゼルドの事を想って居るんだって、肌で実感するからこそ、嬉しい。
そんな思いは寝る時まで続いた。ベッドの中に入って天井を見つめながら、協力する事や助ける事を考えると、ワクワクする。

「(ワクワク、なんて言葉的に最低かな)」

〈そんな事はないと思うよ。それに、優衣がノゼルドの事を想っているのは私は分かるし。それに、私が出来なかった事を優衣がしてくれてる。それは本当に感謝しないといけないから〉

〈そうそう。偽善とかって言う人いるけど、やらない善よりやる偽善!だよ。俺は、命の重さを知ってる優衣だからこそ、だと思うよ〉

優しい2人の声に、安心して気付いたら俺は寝てしまった。体は7歳児だからかな。
でも、ホッとしたのは本当だ。今この世界で俺の正体を知ってるのは神様とユイリアの2人だけで、それ以外には隠し通すって決めた。
と言う事は、常に演技をしないといけない事にもある。人を欺くって事になる。嫌になるかもしれないけど、でも、、、、やるしかないんだよなぁ。














「お父様、お願い!(頭を下げる)」

「!、ユイリア、顔を上げなさい」

次の日、俺はお父様の執務室に向かって頭と耳を下げてお願いした。俺の懇願に、お父様の執事さんは困惑した様子だ。そりゃあ急に訪れてきたと思えば頭を下げた王子の姿には驚くだろう。
少しだけ部屋の空気が重い。俺はお父様に言われた通りに顔を上げる。耳は下げたまま。

「それで、ノゼルドの誕生日会を開きたい、、とはどう言う了見なんだ?」

「あのね、、、、いつも3人だけの誕生日会でしょ、ノゼルド。せっかくの誕生日ならもっと楽しい時間を作ってあげたいんだ。準備は兄弟みんなでやるから、お願い、お父様」

「、、、、ダメとは言ってないだろう。寧ろ、ユイリアが弟の為にそこまで言ってくれた事が嬉しい。な?ユーナ」

「(号泣している)うぅ、うぅ、私の息子がこんなに大きくなって、うわぁぁぁぁん、ユイリア~(抱きしめる)」

一緒に同席していたお母様に勢い良く抱き締められて俺は動けない状態になってしまった。苦しくて、お母様の腕でギブギブと伝えるが、泣いてて聞こえてない。
でも、お父様の許可は貰ったし、派手に動けれるな、と心の中でニヤリと笑う。
ただ、未だにくっ付いているお母様だけどうにかして欲しい。今少し浮いてる。お母様力強いな、マジ。

「、、、、死ぬかと思った(首を摩る)」

〈お母様力の加減知らない人だから。思い出しただけでちょっと苦しい〉

〈、、、、怖っ〉

〈でもお父様、いや現皇帝最高権力者からの許可は貰ったし、大暴れは出来るね、優衣〉

「うん。ただ、慎重に行く時は行かないと、、、下手を打てばもっとノゼルドが傷つく場合がある」

〈それが怖い所だよね。重傷を負わさるほど、ノゼルドを嫌ってるっぽいし、メイド長は〉

「うん、、、、あれ?、あれって」

廊下を歩いて、神様とユイリアと会話をしていると、お金を管理している部屋の前で、メーリンさんがそそくさと、キョロキョロ周りを見ていた。
俺は思わず、角の方で隠れて覗き込んでしまう状態になった。だってあんな怪しい雰囲気丸出しで、中に入って行ったんだからさ。

「(メーリンさん、どうしたんだろ?、、、、なんか嫌な予感がする)」

〈優衣と同感。アレは、何かしそう〉

〈ぁ、出て来た!〉

神様がそう発すると、部屋から出て来たメーリンさん。その手には、何かが入ってる何かが入ってる小さな麻袋を両手で隠すようにして、離宮の方に急いで走り去って行く。
その様子を見て、俺は嫌な予感が的中したと察して、急いでメーリンさんの元に向かった。
離宮の入り口で追いついて、俺は大きな声でメーリンさんの足を止める。

「メーリンさん!!」

「!(体を震わせて足を止める)、、ユイリア殿下、ど、どうなさいましたか?」

「その手にある物見せて欲しいな(外れてて欲しい、お願い)」

「、、、、ッ、嫌と言ったら?」

「その時は、、王族、命令、出すよ」

「、、、、、、、、(諦めた表情をする)ユイリア殿下にそんな事させられませんね」

俺のお願いに最初は渋っていたが、、俺の言葉を聞いた瞬間、諦めた表情をしてメーリンさんは麻袋を俺に手渡してくれた。
「ありがとう」と、俺は言って麻袋を開ける。中身は俺の予想通り大量の金貨だった。俺は顔を上げてマーリンさんの顔を見つめる。気まずいのか顔を背けて無言を貫くメーリンさん。

「これ、どうしたの?」

「ッ、、、、管理室から、盗みました」

「なんで?悪い事、なんだよ」

「ッ~~、だってノゼルド殿下の為なんです!!!せっかくの誕生日、お祝いしてあげたいと思うのは当然でしょう!!?」

「!」

「貴方達には分かんないでしょ、大金を使われて祝われた事しかない人間は!!、、、、少ないお金でやりくりして、、誕生日を細々とお祝いする事しか出来ない私達の気持ちなんて分かんないでしょう!!?!?」

そう、大きな声で心からの叫びを俺に伝えて来たメーリンさん。それに俺はなんの返答も出来なかった。だってここで、否定する事も肯定する事、どっちも適さないし、逆に火に油を注ぐからだ。
それに、、、、俺自身は複雑な気持ちになってしまう。それを表すかのように天候が悪くなって行く。ユイリアも悲しそうな表情をしているのを神様は慰めてる。
だけど、此処で何も言わないのはメーリンさんにとっても、そしてノゼルドにとっても良くない!

「確かに、分かんない。でも、メーリンさんが悪い事するの、お金をするの、ノゼルドが喜ぶとはわたしは思わない!」

「!(ハッとした表情)」

「自分のために、大好きなメーリンさんに悪い事して欲しいなんて、ノゼルドは願ってないよ!!」

「でも、しょうがないでしょ!!?!?こうでもしないと、」

「そんな事してまで、祝われたくないと思うよ、ノゼルドは」

「ッ、、、、じゃあ、私はどうすれば良いの?どうすれば良かったのですか???」

メーリンさんは涙を流しながらその場に崩れ落ちて地面に力強く握りしめて俺を見つめる。その目は、恨みや辛みが含まれていて、今までの苦悩をぶつけているようだった。それを見て俺が何も思わない訳もなく。
俺はメーリンさんの前に手を伸ばして、一言発する。

「わたしも、ノゼルドの誕生日祝わせてよ。それで、幸せになろう」

「!!(この人なら、いや、この方ならもしかして)」
















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