転生悪役王女(♂)はハッピーエンドがお好みです

橋本衣兎

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学園生活と犯罪者退治どっちも充実してます ②


「え?誘拐事件???メイリン先輩、それ本当ですか?」

「はいですわ、ユイリア様。2年生の同級生にも1人被害者が出ておりますの」

お昼休み、大食堂でアイシャ、イシル、レイーナの3人と1学年上でノースジャン侯爵家のご令嬢でおっとりした緑髪の三つ編みが特徴で優しいメイリンと一緒にお昼ご飯を食べていた時に、誘拐事件の話を教えて貰った。

俺は思わずオムライスを食べていたスプーンの手を止めてしまう。他の3人も気になっているみたいだ。
大食堂の3階部分の静かな席で食べれているから良く話が聞こえる。

「ワタクシも聞いた事がありますわ。確か最初は中等部の先輩方が10名以上誘拐されているって聞きましたわよ、ユイリア様」

「え~!、何それ、ヤバくない!?なんで誘拐なんてするんだろ!!?イシル、どう思う?!」

「誘拐された人達は全員貴族らしいですし、多分ですが身代金目的だと思いますわ。それか魔力目的あるかもしれませんわね」

「、、、、ヤバいねぇ(ユイリア、神様何か知らない?こんな大きな事件俺知ってると思うんだけど、検討がつかない)」

ゲーム開始時点ではこの事件があった事は触れてなかったし解決してたかったから、殆ど記憶にない。
だから、考えるフリをして頭上で相変わらず観察しているユイリアと神様の方に問いかけて見た。他の4人は会話に夢中で俺の動作には気付いてないから、これぐらいなら平気かな。

〈え~、俺に言われてもなぁ。ぁ、待ってて、、、、あった、ファンブック!ぁ、ユイリアが1年生の時に誘拐事件が発生。中には闇オークションに出品されたりもしてたみたい!それに、ぁ、、、、アイシャ達も被害者になってるみたい、だね。なんとか逃げ出したっぽいけど、〉

〈、、、、そう言えばそんな事件があったような、なかったような。お父様とお母様から暫く学校休まされた記憶が微かにある。私も聞くまでは思い出さなかったなぁぁ〉

「(マジ?じゃあ、止めなきゃじゃん。つか、あれ?なーんか、忘れてるような)」

2人の助言を聞いて、あれその事件何処かのプロフィールで、、、、と、引っかかるが良く思い出せない。

〈〈何を?〉〉

「(分かんない。でも多分重要な事)」

優衣ゆいってそう言うところあるよね~〉

〈ですよね、神様。私もそう思います〉

〈ヤッタ~!!ユイリアと同じ意見~〉

「(あ?喧嘩売ってる?買うよ??)」

〈〈売ってない、売ってない、ごめんなさいった〉〉

「(まぁ、許してやろう)」

とりあえず、誘拐事件は解決させた方が良いな。だってアイシャ達にも被害があるって事は、確実に俺も関わる可能性は高いって事にもなる。
その場合、犯人の事に関しては神様から教えて貰えれば分かるがそれを誰かに言った所で怪しまれる可能性は高い。

まぁ、王族を怪しむ奴が居るかって話だけど。7歳児の話を信じるかってなったら微妙だ。
と言う事は、これは俺が1人で解決するって事だ。

しょうがない、この世界の悪は俺が倒そう。悪い事したらその身で償うのが大人、だもんね。

「ユイリア様どう思いますか?」

「え?、ぁー、うーん、不用意に1人になったり夜遅くの外出はダメだと思うな。みんなに何かあったらわたし悲しいし」

「!分かりましたわ、ユイリア様の言う通りにします」

「と言うか、ユイリア様が1番気を付けないとじゃん!皇女様なんだから!」

「イリーナ、それはユイリア様が1番分かってますわよ。でも、ユイリア様は自分の身を1番に」

「メイリン先輩もですよ。私は男爵令嬢だし、狙われる事はないだろうけど」

「「「「イシルは自己肯定感低過ぎ」」」」

アイシャ達から心配されてしまったが、俺が心配しているのはアイシャ達なんだけどなぁ。でもまぁ、美味しそうにお昼ご飯を食べている姿を見るだけで今はそれで良いかな、って思う。

だけど、誘拐事件の事はちゃんと調べる。貴族達を狙ってるって事はイシルが言うように身代金目的か魔力目的だろうが、闇オークションってなると、調べるのが難しくなるのは目に見えてる、かな。

ぁ~、なんで1つの事件が終わったと思ったら更に事件が舞い込むかなぁぁ。いや、この世界は沢山事件あるのは何億回も見てるから分かってるけど!!

と、4人にバレないように考える癖がこの1ヶ月でついた。

「ぁ、ユイ。1人かい?」

教室に戻る時にトイレに行きたくなって先に行かせてトイレ終わりに、廊下を歩いていると後ろからアシェルから声をかけられた。

制服を着たアシェルの姿を見て少しビクッとなってしまったが、新鮮味があって良い、、、、(goodのポーズ)

「アシェル、じゃなくて、アッシュも1人なんだね。珍しい。フェリシアン殿下は?」

「ぁー、うん。さっきまで職員室居たからね、、フェリシアンは、熱中症になっちゃって」

「え!大丈夫なの!?」

「大丈夫だよ。あれだよ、頑張り過ぎてだから」

「それなら、良かった、けど、、、、フェリシアン殿下、体調崩しやすいよね」

「それは分かる。多分母さんに似たからだと思う。でも、本人は至って元気だよ」

「無理しないでって、言っておいてね。ぁ、そうだ。これ、(ポケットから2つ飴を取り出す)渡しておいて」

「分かった、渡しておく(ユイリアの頭を撫でる)ありがとうな、ユイ」

「!、ど、どういたしまして(顔を赤らめる)」

アシェルに優しく頭を撫でられてしまって思わず顔を赤くしてしまった。
なんか、と言うか、俺アシェルのこと意識し過ぎてる気がする!!

いや、人から明らかな好意を向けられてる事に慣れてないからだろうけど!!!!!!

それにこの美少年が数年後には超が付くほどのイケメンに進化するって考えると、恐ろしい限りだよねぇ。ほんと、、、、

だけどそんな俺を様子を見て頭上で嘲笑っている奴が2人居る。

〈優衣、照れてるねぇ、ユイリア〉

〈ですね、可愛い。まだまだピュアッピュアですね、神様〉

〈こう言う所がまだ幼い感じするし、愛おしいねぇ笑〉

「(はっ倒してやろうか、アンタら。いや、回線切ってやる)」

〈〈ごめんごめん、優衣ごめんって〉〉

って言えば、謝ってくるって事はどんだけ回線切られたくないんだって思うが、聞かないでおこう。

ぁ、そうだ、アシェルにも一応例の誘拐事件の話聞いておくか。王族だし上級生って事で色々知ってる可能性があるし。

そう思って廊下を歩きながらアシェルに聞いてみた。

「そうだ、アッシュ。誘拐事件の事何か知ってる?」

「誘拐事件?、、あぁ、一応父さんや母さんからも注意するようにって言われたけど。なんで、ユイがそんな?」

「友達とお昼ご飯その話になって気になったんだ。アッシュは何か知ってる事ないかなぁ、って思って。アッシュなら何でも知ってそうだし」

「うーん。僕が知ってる事って言うと人通りの少ない通路で誘拐された、って事や、、、、ぁ、(何か思い出した顔をする)そう言えば気になる話を聞いた事がある」

「気になる話?」

何か思い出したのかアシェルは立ち止まって、口元を触ってる。
アレはアシェルが集中してる時とか考えている時にやっている癖だ。分かりやすいから助かる。
そのまま、窓を見つめながら話を続ける姿は多分俺以外なら見惚れてる。

「うん、、誘拐犯から誘拐された姿を見た生徒が言ってた証言なんだけど。誘拐犯の1人は僕と同じぐらいの年齢の子供で、銀色の髪の狼の獣人だと言っていた」

「え?そうなの!?凄い証言だよね?」

「うん、だから、俺もその特徴に当てはまる住人を父さん経由で調べて貰ったけど、住民登録にはなかった、そうだ」

「そっかぁ(て事はウェルフンド皇国か?いやでも、狼の獣人は数が少なくて子供はいないはず、、、、うーん)」

「まっ、でもユイは巻き込まれないように気をつけるようにね。ユイに何かあったら俺は絶対に嫌だから。僕の大事なユイが傷付けられるのがとっても嫌だ(泣そうな顔をして)」

俺の顔を見ながら悲しそうな顔をして言うアシェルを見て、嬉しさと同時に恥ずかしさが襲われる。心配されるのは嬉しいけど、俺そこまで心配される立場、、、、

ぁ、俺今王族だった。

そりゃあそうだ。
それにアシェルは俺の事惚れてて、婚約者だから余計に心配されてるのは普通の事だろう。

だけど、これ以上心配されても俺がこの事件、誘拐事件に関わらない訳にはいかないから、悪いけど無理だよ、としか言えない。

「分かった。気をつけるよ、心配してくれてありがとう、アッシュ(優しい笑顔を向ける)」

「!、う、うん(耳を赤くさせる)」

ありゃ、照れちゃったか。
それが良い。

その夜、俺は学園の寮の自室でお風呂を上がって髪を拭きながら、我らが三男、アルビーに送って貰った誘拐事件の資料の封を開ける。

ベッドに座って内容を見ながら紙をペラペラとめくり、被害者達の特徴や犯行時刻や日時などが事細かく書いてあった。
流石アルビーの部下さんが集めた情報は凄いな、って思う。

「うーん。被害者達の情報に一致する特徴はない。貴族階級も同じではないし」

〈でも犯行時刻は16時から17時って言う夕刻ですわね〉

〈日時だと水曜日や金曜日が犯行日程になっているって分かる〉

「多分、水曜日は授業が早く終わるから生徒が街に歩くのが多いし、金曜日は次の日が休日って言う事からって事もあるけど」

資料を見る限り、共通点がないのはただただ貴族だけを狙っているって事。魔力目的って話は貴族や王族は魔力が多い。
だからそれを魔法石に魔力を吸収させれば良質な魔力石になる。特に澱みのない子供の魔力なら付加価値も高いから、高額で取引が出来る。

んだよね?俺の原作知識とファンブックからの知識だとそうなんだけど。
資料を一通り見てから封に仕舞う。

〈正解だよ。ただ気になるのは、何で当時私には詳しく知らされてなかったのを優衣が知るのかってのが気になるんだよね。私なんてその事件は噂程度だったから〉

〈多分、この世界で起こした優衣の動きで、本来起こるはずだった世界の動きが変わったんだと思うよ、ユイリア〉

「ぁー、バタフライエフェクトね。些細な変化でも本来あったはずの未来とは全く違う未来になってるって言うね」

〈あとは、優衣の巻き込まれ体質もあると思うけどね〉

「全く嬉しくないけどね、神様、それは」

タオルを勉強机の上に置いて、寝っ転がる。
多分これから、俺が原作改変をするたびに、本来あったはずの未来は変わる事を突きつけられると思う。

だけど、そんな事は関係ない。だってそんな事があった所で、俺がへこたれると思わないで欲しい。

だって俺には最強の魔法があるんだからさ。






















































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