眠りたい悪役な令嬢と殿下の恋愛攻防のあらまし。

珊瑚

文字の大きさ
26 / 43
2章 婚約破棄のちプロポーズ! 婚約破棄編

4人の性格=欠点?

しおりを挟む
ナティラ公爵家当主の挨拶が終わり、カルナシアの挨拶が始まる。
「本日はわたくしの婚約発表の場にお越し頂き、大変光栄に思います…」

形式に則った挨拶に始まり、招待に応じてくれた人の多さとその感謝、パーティーについての説明を行う。

やはり今日は立食パーティーのようである。その割に、しっかりとダンスフロアは設けられていた。
(まぁ重要だしねー)
「さて皆様、長い挨拶は飽きられることでしょう」
そう彼女が言った言葉に笑いを誘われ、囁き合う人々。
いよいよ、発表だ。

「この場をお借りしてお知らせしたく思います。私の婚約者、ライアス・コスフレ侯爵令息様ですわ」
(ふーん、あいつ…げふんげふん、あの男性かぁ。ぶっちゃけナヨナヨして見える)

だが実際に会話して見定めるべきであろう。親友を泣かすような野郎、男性はぶっ飛ばす。←公爵令嬢…
などと考えていると、背後から
「フローシア様」
振り返ると、2人の公爵令嬢が居た。
はい?


✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎


「どうしたの?」
ミヤナとソリュカは公爵令嬢だ。2人とも、特にソリュカなんて天然。だが、四大公爵家の一員として、貴族の義務や付いて回る家格はしっかり理解している。
天然だけど!
だから、ここにいるはずがないのだ。

まず私達、わたくし達には挨拶周りの義務がある。会話することで流行の最先端を再確認、また同時に身分の上下をも再確認する大切な過程だ。
これによって貴族社会の秩序は保たれ、盤石なものとされる。
その仕事を放棄するなど、許されない。まさか…
「大丈夫だよ~」
でた、天然特有の能天気!

「能天気じゃなくてね」
ミヤナまで?!って、ミヤナもちょっと天然か。いつもクールなのに…
「鈍いフローシアに言われたく無い~。違った、本当に大丈夫なの」
「カルナシアの話だと、最初の30分くらいは4で話したいから告知してるそうだ」
そんなことがまかり通るのか。四大公爵家の権力恐るべし。

「カルナシアも抜けられるの?主催者の仕事とかは?」
「親に押し付け…じゃなくて、ナティラ公爵家当主夫妻様にお任せするって言っていたぞ」

オイ、親に押し付けるって言いかけたな?言い換えていたけど意味無いと思う。カルナシアもミヤナへの伝言でそんなこと言っちゃまずいでしょ。妙にアッサリしたところが多いけど、両親に押し付けちゃダメでしょ。

「性格の矯正には既に手遅れかな~」
「貴族社会において致命的すぎる欠点でしょう…」
頭痛がする。ソリュカも断じないでくれ。
「「フローシアの鈍さも手遅れかな~」」
「酷すぎでありません?!」
変な言葉が出てしまった。確かにこれは欠点かも。
「「鈍さも含めてね~」」
性格は欠点なのだろうかと、思わず現実逃避に走った。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は反省しない!

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢リディス・アマリア・フォンテーヌは18歳の時に婚約者である王太子に婚約破棄を告げられる。その後馬車が事故に遭い、気づいたら神様を名乗る少年に16歳まで時を戻されていた。 性格を変えてまで王太子に気に入られようとは思わない。同じことを繰り返すのも馬鹿らしい。それならいっそ魔界で頂点に君臨し全ての国を支配下に置くというのが、良いかもしれない。リディスは決意する。魔界の皇子を私の美貌で虜にしてやろうと。

折角転生したのに、婚約者が好きすぎて困ります!

たぬきち25番
恋愛
ある日私は乙女ゲームのヒロインのライバル令嬢キャメロンとして転生していた。 なんと私は最推しのディラン王子の婚約者として転生したのだ!! 幸せすぎる~~~♡ たとえ振られる運命だとしてもディラン様の笑顔のためにライバル令嬢頑張ります!! ※主人公は婚約者が好きすぎる残念女子です。 ※気分転換に笑って頂けたら嬉しく思います。 短めのお話なので毎日更新 ※糖度高めなので胸やけにご注意下さい。 ※少しだけ塩分も含まれる箇所がございます。 《大変イチャイチャラブラブしてます!! 激甘、溺愛です!! お気を付け下さい!!》 ※他サイト様にも公開始めました!

残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……

あなたのことなんて、もうどうでもいいです

もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。 元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした

ゆっこ
恋愛
 豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。  玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。  そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。  そう、これは断罪劇。 「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」  殿下が声を張り上げた。 「――処刑とする!」  広間がざわめいた。  けれど私は、ただ静かに微笑んだ。 (あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

婚約者が私のことをゴリラと言っていたので、距離を置くことにしました

相馬香子
恋愛
ある日、クローネは婚約者であるレアルと彼の友人たちの会話を盗み聞きしてしまう。 ――男らしい? ゴリラ? クローネに対するレアルの言葉にショックを受けた彼女は、レアルに絶交を突きつけるのだった。 デリカシーゼロ男と男装女子の織り成す、勘違い系ラブコメディです。

処理中です...