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2章 婚約破棄のちプロポーズ! 婚約破棄編
皆さま現実逃避中
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語尾は小さくなって聞き取りずらかったものの、耳には届いた。
彼女の、助けを求める声が。
「「「「「・・・・・・」」」」」」
は?いやいやいやいやいや。何で私に助けを求めるの?貴女にはディトスリ様がいるから、そっちに助けてもらう方がいいでしょうが?というか何に対して何をしろと?
若干明後日の方向にそれつつある思考を持て余しつつ、遠い目をしてみる。
・・・混沌な現状が目に飛び込んできただけだった。
どうにも現実を視界から追い出せないので、仕方なく建設的なことを考えてみようか…と思ったが、もうこの状況が建設的から最も遠いよね、だってほぼ全員が現実逃避に走っているから。
この空間を生み出した原因もといリンティア様すらどこかに意識が飛んでいるな為、一時的な状況の停滞を余儀なくされております。
以上、現場のフローシアでした。
続いて、現状確認入りまーす。
えっ、リポーターが確認に行きたくないって?困りましたねぇ…
えっ、他人事じゃないって?リポーターはあなたですって?
何のことかなぁ!
えっ、それができないなら心霊調査?
原因不明のSOSを求める泣き声が聞こえてくる?
ええ、そっちのほうが百倍ラクそうです!喜んで!現地に速攻で向かいます!って、移動の必要がない?
右側を見ろ?はい、分かりました。
そこには泣きじゃくる伯爵令嬢がいましたとさ。
なんとか舞い戻った私、混乱しております。
「あの、みなさま…?」
必死の思いで令嬢言葉を絞り出す。
ええ、必死ですわ。
だって、なんか大泣きしている令嬢がいるし、その方と私以外は現実逃避に走ってるし!
↑さっきまで君もその仲間だったよね?
「あの、リンティア様…?」
「うぅっ、ヒック、グスッ…」
「・・・あの、みんな?」
「「「・・・・・・」」」
この空間で何を話せと?
うーん…よし、アレを使おう。
胸元から取り出して、せーの、
ゴスッ!!
「「「痛い!」」」
「フローシア、ひどいです!」
「そうよ!何も叩かなくてもいいじゃない?!」
「こうでもしなかったら、皆さん気づきませんでしょう?」
それに叩いたと言っても扇子で軽ーく叩いただけだ。もう1つの暗器…鉄扇の方で叩かなかっただけ良しとしてもらいたい。一瞬鉄扇で頭をかち割りたくなったのだから。
「なんだ?寒気がしたんだが…」
鋭いミヤナを笑って躱し、リンティア様に目を向ける。
彼女は鈍い音でこちらを向いていて、涙も止まっていた。ただ、目元が腫れているのは誤魔化しようもない。
「ごほん、失礼いたしましたわ。それでは改めて、何があったのかお聞かせいただけませんこと?」
空咳をしていったものの、こちらも誤魔化せなかったようで、リンティア様は思わずといったように笑った。
彼女が僅かながら笑ったことで、場が和んだ。緊張も緩んだような気がする。
ただ、神様とはひどいもので。こういうやっと解決か?というところでブッ込んでくるものであります。
今回の場合、、
「リンティア?!どうした!」
「・・・ディトスリ様」
「泣いたのか?!もしや、此奴らに虐められたのか!そうか!!」
「え、あの、ちがっ」
「安心しろ、あんな悪役令嬢、成敗してやろう!安心するがいい!」
・・・空気読まないバカ王子の乱入でした。
この間、わたくし達はあまりの無理やりこじつけた言いがかりに呆れ果て、声も出ないというものでした。
彼女の、助けを求める声が。
「「「「「・・・・・・」」」」」」
は?いやいやいやいやいや。何で私に助けを求めるの?貴女にはディトスリ様がいるから、そっちに助けてもらう方がいいでしょうが?というか何に対して何をしろと?
若干明後日の方向にそれつつある思考を持て余しつつ、遠い目をしてみる。
・・・混沌な現状が目に飛び込んできただけだった。
どうにも現実を視界から追い出せないので、仕方なく建設的なことを考えてみようか…と思ったが、もうこの状況が建設的から最も遠いよね、だってほぼ全員が現実逃避に走っているから。
この空間を生み出した原因もといリンティア様すらどこかに意識が飛んでいるな為、一時的な状況の停滞を余儀なくされております。
以上、現場のフローシアでした。
続いて、現状確認入りまーす。
えっ、リポーターが確認に行きたくないって?困りましたねぇ…
えっ、他人事じゃないって?リポーターはあなたですって?
何のことかなぁ!
えっ、それができないなら心霊調査?
原因不明のSOSを求める泣き声が聞こえてくる?
ええ、そっちのほうが百倍ラクそうです!喜んで!現地に速攻で向かいます!って、移動の必要がない?
右側を見ろ?はい、分かりました。
そこには泣きじゃくる伯爵令嬢がいましたとさ。
なんとか舞い戻った私、混乱しております。
「あの、みなさま…?」
必死の思いで令嬢言葉を絞り出す。
ええ、必死ですわ。
だって、なんか大泣きしている令嬢がいるし、その方と私以外は現実逃避に走ってるし!
↑さっきまで君もその仲間だったよね?
「あの、リンティア様…?」
「うぅっ、ヒック、グスッ…」
「・・・あの、みんな?」
「「「・・・・・・」」」
この空間で何を話せと?
うーん…よし、アレを使おう。
胸元から取り出して、せーの、
ゴスッ!!
「「「痛い!」」」
「フローシア、ひどいです!」
「そうよ!何も叩かなくてもいいじゃない?!」
「こうでもしなかったら、皆さん気づきませんでしょう?」
それに叩いたと言っても扇子で軽ーく叩いただけだ。もう1つの暗器…鉄扇の方で叩かなかっただけ良しとしてもらいたい。一瞬鉄扇で頭をかち割りたくなったのだから。
「なんだ?寒気がしたんだが…」
鋭いミヤナを笑って躱し、リンティア様に目を向ける。
彼女は鈍い音でこちらを向いていて、涙も止まっていた。ただ、目元が腫れているのは誤魔化しようもない。
「ごほん、失礼いたしましたわ。それでは改めて、何があったのかお聞かせいただけませんこと?」
空咳をしていったものの、こちらも誤魔化せなかったようで、リンティア様は思わずといったように笑った。
彼女が僅かながら笑ったことで、場が和んだ。緊張も緩んだような気がする。
ただ、神様とはひどいもので。こういうやっと解決か?というところでブッ込んでくるものであります。
今回の場合、、
「リンティア?!どうした!」
「・・・ディトスリ様」
「泣いたのか?!もしや、此奴らに虐められたのか!そうか!!」
「え、あの、ちがっ」
「安心しろ、あんな悪役令嬢、成敗してやろう!安心するがいい!」
・・・空気読まないバカ王子の乱入でした。
この間、わたくし達はあまりの無理やりこじつけた言いがかりに呆れ果て、声も出ないというものでした。
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