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星のかけらを口にして
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ジェラルドから貰った小瓶は、全部で5本。
さっそくクロエに男性ものの衣服を用意してもらい着替えると、レオニーは1本目の蓋を開けた。
キラキラとした星のかけらを詰め込んだような淡いブルーの液体。
特に何も匂いはないが、レオニーは自分の鼻を摘むと一気にそれを喉の奥に流し込んだ。
さらりとした感触。味は何もない。
飲み終えるとすぐに、体の奥がじんわりと暖かくなってきた。そのままふわりと飛び立てそうな感覚に襲われたところで、ぱっと閃光が飛び思わず目を閉じる。
しばらくして恐る恐る目を開けると、身体中にじんじんと軽く痺れるような感覚があった。
「私……どうなった?」
控えていたクロエがさっと姿見を持ってきてくれ自分の姿を確認すると、あどけない少年が立っていた。
「思ったより幼いわね」
確かに性別は入れ替わったみたいだが、こうも幼いとマティアスと友人になろう作戦は難しい。子供扱いされて終わりな気がする。
それに、ぱっと見の特徴は元のレオニーと変わらない。グレーの髪に青い瞳。
「お嬢様の身内の少年ということにしてはいかがですか」
クロエの提案に、レオニーはぱっと顔を明るくした。
「良い考えだわ。遠縁の子ってことにしておけば、詳しい追及は免れられるわね。それとクロエ、この衣装だけど、少し大きすぎるみたい。もうワンサイズ小さいのを用意してくれる?」
「すぐに手配致します」
そうしてクロエとの綿密な打ち合わせの末、少年姿のレオニーはアベル・ホワイトと命名された。年齢は強引に、社交界での成人とされる14歳と設定することにした。少年らしい所作や言葉遣いなどをクロエから指導してもらい、衣装も揃い、準備は整った。
前回のハワード伯爵邸の薔薇園でのお茶会はとても好評だったようで、近々第2回が開催される予定らしい。そこを少年アベルのデビューの場とすることになった。
「レオニーの親戚? 初耳だな」
会場に入るとすぐにマティアスを見つけ、少し震える手で自身が書いた手紙を差し出した。
そこには、レオニーは風邪をひいて行けなくなったこと、替わりに、遠縁の子アベルが国境近くの町からちょうど遊びに来ているので彼を行かせること、そしてできればアベルと仲良くしてあげてほしい、と書いてある。
最後まで読み終えると、マティアスは目の前の少年をじろりと眺め回した。
「何故この手紙を俺に?」
「あの……せ、背が高くて黒髪の男の人に渡せばわかるはずだって、レオニーが……」
用意していたはずの台詞が、緊張でどもってしまう。
(大丈夫よ、魔法なんだもの、ばれるはずないわ)
しばらくの沈黙の後、マティアスは手紙を懐にしまうと、ついて来いと言うように軽く手招きして歩き出した。
「俺の名前はマティアス・ロバーツ。レオニーの……友人だ。レオニーはだいぶ酷いのか?」
「あ、いや、そこまでではないと思う。ただ熱が下がらないみたいで。今日のことも残念がってたよ」
「そうか」
(マティアス、私のことを心配してくれてるの?)
それだけで少年姿のレオニーは嬉しくて飛び上がりそうになった。
「何だ、にやにやして。なんか珍しいものでもあったか?」
ふと振り返ったマティアスににやけているところを見られ、レオニーは慌てて誤魔化そうと少し離れたところにいる令嬢を指差した。
「あ、いや……あの人綺麗だなぁって」
「そうか? レオニーの方がよっぽど美人だろ。お前悪趣味だな」
「は?」
「いや悪い、今のは忘れてくれ」
人が多く集まるエリアまで来たところで、リュカにばったり、会った。
「あれ、マティアスその子誰? 何もしかしてそっちの趣味に」
「馬鹿言うな。レオニーの親戚なんだと」
リュカの頭を小突くとマティアスはさっきの手紙を見せた。ふむふむ、と読み終えたところでリュカが顔を上げ、にっこりと笑った。
「なるほどそういうこと。だったらブランシュも呼んで来ようか。レオニーがいないってしょぼくれてたから、きっと喜ぶよ。あ、僕はリュカ・ハワード。ブランシュっていうのは僕の従妹ね。レオニーとは普段から親しい友人なんだ。怖がらなくて大丈夫だよ」
ぼろが出ないかとびくびくしているレオニーを、初めての場所で怯えていると勘違いしたのか、リュカは優しい笑みを浮かべた。
「うん、ありがとう」
大切な友人を騙しているという少しの罪悪感を抱えながら、レオニーもにっこりと微笑み返した。
ブランシュはレオニーの姿を見るなり大騒ぎだった。
「え、レオニーの親戚ってこの子? やだー可愛い。レオニーにそっくりじゃない。変な気を起こしちゃいそう」
「気持ち悪い発言やめろ」
「そうだよ、アベルびびってるじゃん」
「冗談よ。貴方達こそ、とち狂って襲ったりしないように気をつけなさいよ」
「だってさマティアス」
「だからなんで俺なんだよ」
人目も気にせず騒ぎ立てる3人に、レオニーは声を上げて笑った。
(私がいなくても変わらないのね、この3人は)
「笑うとますますレオニーに似てるね」
「同感。これは目に毒ねえマティアス」
「もうやめろ」
3人は代わる代わる少年のレオニーと話したがり、レオニーはころころと笑いながらそれに応えた。レオニーとして聞いたことのある話もあれば、初めて聞く話もあった。中でもレオニーが興味を惹かれたのは、最近マティアスが愛読しているという本の話だった。
「国際経済論?」
「ものすごく平たく言えば、どうしたら世界を相手に儲けられるかって話だ」
マティアスはそればっかりね、とブランシュが横槍を入れる。
「大事なことだろう。俺にはいずれ引き継ぐ領地がある。そこには領民もいる。彼らの生活を守るためには、何らかの利益を生み出さないといけない」
「それがワイナリー?」
「そうだな。それ以外にも国際経済論を学ぶ意義はある。この国のために」
「国のため?」
「シェイキア国は近隣諸国の中では様々な面で遅れを取っている。外交面ではホワイト侯爵が辣腕を振るってるから何事もないが、特に経済の仕組みは他国と比べるとびっくりするほど危うい。貨幣の流通量を制御する仕組みが脆弱で、ほぼないに等しい。もっと国の経済を安定させるための機関なり何なり必要だろう。でないと他国と対等に様々な貿易をできる環境にならない」
「へえ……貨幣の流通量なんて初めて聞いた。マティアスは頭良いんだね」
「やめなよアベル。褒めるとつけ上がるから」
「そうそう、あなたに褒めてほしくて喋り散らしてるだけなんだから、聞き流して良いのよ」
「おいお前ら、人が真面目に話してるのに」
しばらく4人で談笑を楽しんだ後、レオニーは先に帰ることにした。
「え、もう帰っちゃうの?」
「レオニーが心配だから。でもしばらくこっちにいる予定だよ」
最初に薬を試した時に、効き目が切れる大体の時間を計っておいた。そろそろ危ない頃だ。
「ありがとう。楽しかった」
ひらひらと手を振り、美しい薔薇園を後にした。
門まで来たところで、慌てて追いかけてきたらしいマティアスに肩を掴まれた。軽く息を切らしている。
「アベル、俺の話に興味があるなら王立図書館に来るか?」
「え? 図書館に?」
「さっきの話をわかりやすく解説した本がある。他にも色々、面白い本があるから読んでみたらいい。勤務時間中にこっそり紹介してやるよ」
「うん、行く行く、絶対行くよ」
(そう、こういうことがしたかったのよ)
王立図書館は許可証さえ貰えれば誰でも出入りできる。家族であればほんの数日で発行可能だが、利用する令嬢はめったにいない。専門書が大部分を占めるため、王宮に勤める男性達が仕事のために利用することがほとんどだった。
「じゃあ来る時は連絡くれ。待ってるから」
「うん、わかった」
リュカ達の元へ戻って行くマティアスを見送ってから、レオニーはスキップしながら待たせている馬車へ向かった。
そして馬車に乗り込んだ途端、夢の終わりを告げる軽い目眩が襲ってきた。
さっそくクロエに男性ものの衣服を用意してもらい着替えると、レオニーは1本目の蓋を開けた。
キラキラとした星のかけらを詰め込んだような淡いブルーの液体。
特に何も匂いはないが、レオニーは自分の鼻を摘むと一気にそれを喉の奥に流し込んだ。
さらりとした感触。味は何もない。
飲み終えるとすぐに、体の奥がじんわりと暖かくなってきた。そのままふわりと飛び立てそうな感覚に襲われたところで、ぱっと閃光が飛び思わず目を閉じる。
しばらくして恐る恐る目を開けると、身体中にじんじんと軽く痺れるような感覚があった。
「私……どうなった?」
控えていたクロエがさっと姿見を持ってきてくれ自分の姿を確認すると、あどけない少年が立っていた。
「思ったより幼いわね」
確かに性別は入れ替わったみたいだが、こうも幼いとマティアスと友人になろう作戦は難しい。子供扱いされて終わりな気がする。
それに、ぱっと見の特徴は元のレオニーと変わらない。グレーの髪に青い瞳。
「お嬢様の身内の少年ということにしてはいかがですか」
クロエの提案に、レオニーはぱっと顔を明るくした。
「良い考えだわ。遠縁の子ってことにしておけば、詳しい追及は免れられるわね。それとクロエ、この衣装だけど、少し大きすぎるみたい。もうワンサイズ小さいのを用意してくれる?」
「すぐに手配致します」
そうしてクロエとの綿密な打ち合わせの末、少年姿のレオニーはアベル・ホワイトと命名された。年齢は強引に、社交界での成人とされる14歳と設定することにした。少年らしい所作や言葉遣いなどをクロエから指導してもらい、衣装も揃い、準備は整った。
前回のハワード伯爵邸の薔薇園でのお茶会はとても好評だったようで、近々第2回が開催される予定らしい。そこを少年アベルのデビューの場とすることになった。
「レオニーの親戚? 初耳だな」
会場に入るとすぐにマティアスを見つけ、少し震える手で自身が書いた手紙を差し出した。
そこには、レオニーは風邪をひいて行けなくなったこと、替わりに、遠縁の子アベルが国境近くの町からちょうど遊びに来ているので彼を行かせること、そしてできればアベルと仲良くしてあげてほしい、と書いてある。
最後まで読み終えると、マティアスは目の前の少年をじろりと眺め回した。
「何故この手紙を俺に?」
「あの……せ、背が高くて黒髪の男の人に渡せばわかるはずだって、レオニーが……」
用意していたはずの台詞が、緊張でどもってしまう。
(大丈夫よ、魔法なんだもの、ばれるはずないわ)
しばらくの沈黙の後、マティアスは手紙を懐にしまうと、ついて来いと言うように軽く手招きして歩き出した。
「俺の名前はマティアス・ロバーツ。レオニーの……友人だ。レオニーはだいぶ酷いのか?」
「あ、いや、そこまでではないと思う。ただ熱が下がらないみたいで。今日のことも残念がってたよ」
「そうか」
(マティアス、私のことを心配してくれてるの?)
それだけで少年姿のレオニーは嬉しくて飛び上がりそうになった。
「何だ、にやにやして。なんか珍しいものでもあったか?」
ふと振り返ったマティアスににやけているところを見られ、レオニーは慌てて誤魔化そうと少し離れたところにいる令嬢を指差した。
「あ、いや……あの人綺麗だなぁって」
「そうか? レオニーの方がよっぽど美人だろ。お前悪趣味だな」
「は?」
「いや悪い、今のは忘れてくれ」
人が多く集まるエリアまで来たところで、リュカにばったり、会った。
「あれ、マティアスその子誰? 何もしかしてそっちの趣味に」
「馬鹿言うな。レオニーの親戚なんだと」
リュカの頭を小突くとマティアスはさっきの手紙を見せた。ふむふむ、と読み終えたところでリュカが顔を上げ、にっこりと笑った。
「なるほどそういうこと。だったらブランシュも呼んで来ようか。レオニーがいないってしょぼくれてたから、きっと喜ぶよ。あ、僕はリュカ・ハワード。ブランシュっていうのは僕の従妹ね。レオニーとは普段から親しい友人なんだ。怖がらなくて大丈夫だよ」
ぼろが出ないかとびくびくしているレオニーを、初めての場所で怯えていると勘違いしたのか、リュカは優しい笑みを浮かべた。
「うん、ありがとう」
大切な友人を騙しているという少しの罪悪感を抱えながら、レオニーもにっこりと微笑み返した。
ブランシュはレオニーの姿を見るなり大騒ぎだった。
「え、レオニーの親戚ってこの子? やだー可愛い。レオニーにそっくりじゃない。変な気を起こしちゃいそう」
「気持ち悪い発言やめろ」
「そうだよ、アベルびびってるじゃん」
「冗談よ。貴方達こそ、とち狂って襲ったりしないように気をつけなさいよ」
「だってさマティアス」
「だからなんで俺なんだよ」
人目も気にせず騒ぎ立てる3人に、レオニーは声を上げて笑った。
(私がいなくても変わらないのね、この3人は)
「笑うとますますレオニーに似てるね」
「同感。これは目に毒ねえマティアス」
「もうやめろ」
3人は代わる代わる少年のレオニーと話したがり、レオニーはころころと笑いながらそれに応えた。レオニーとして聞いたことのある話もあれば、初めて聞く話もあった。中でもレオニーが興味を惹かれたのは、最近マティアスが愛読しているという本の話だった。
「国際経済論?」
「ものすごく平たく言えば、どうしたら世界を相手に儲けられるかって話だ」
マティアスはそればっかりね、とブランシュが横槍を入れる。
「大事なことだろう。俺にはいずれ引き継ぐ領地がある。そこには領民もいる。彼らの生活を守るためには、何らかの利益を生み出さないといけない」
「それがワイナリー?」
「そうだな。それ以外にも国際経済論を学ぶ意義はある。この国のために」
「国のため?」
「シェイキア国は近隣諸国の中では様々な面で遅れを取っている。外交面ではホワイト侯爵が辣腕を振るってるから何事もないが、特に経済の仕組みは他国と比べるとびっくりするほど危うい。貨幣の流通量を制御する仕組みが脆弱で、ほぼないに等しい。もっと国の経済を安定させるための機関なり何なり必要だろう。でないと他国と対等に様々な貿易をできる環境にならない」
「へえ……貨幣の流通量なんて初めて聞いた。マティアスは頭良いんだね」
「やめなよアベル。褒めるとつけ上がるから」
「そうそう、あなたに褒めてほしくて喋り散らしてるだけなんだから、聞き流して良いのよ」
「おいお前ら、人が真面目に話してるのに」
しばらく4人で談笑を楽しんだ後、レオニーは先に帰ることにした。
「え、もう帰っちゃうの?」
「レオニーが心配だから。でもしばらくこっちにいる予定だよ」
最初に薬を試した時に、効き目が切れる大体の時間を計っておいた。そろそろ危ない頃だ。
「ありがとう。楽しかった」
ひらひらと手を振り、美しい薔薇園を後にした。
門まで来たところで、慌てて追いかけてきたらしいマティアスに肩を掴まれた。軽く息を切らしている。
「アベル、俺の話に興味があるなら王立図書館に来るか?」
「え? 図書館に?」
「さっきの話をわかりやすく解説した本がある。他にも色々、面白い本があるから読んでみたらいい。勤務時間中にこっそり紹介してやるよ」
「うん、行く行く、絶対行くよ」
(そう、こういうことがしたかったのよ)
王立図書館は許可証さえ貰えれば誰でも出入りできる。家族であればほんの数日で発行可能だが、利用する令嬢はめったにいない。専門書が大部分を占めるため、王宮に勤める男性達が仕事のために利用することがほとんどだった。
「じゃあ来る時は連絡くれ。待ってるから」
「うん、わかった」
リュカ達の元へ戻って行くマティアスを見送ってから、レオニーはスキップしながら待たせている馬車へ向かった。
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