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それぞれの思惑
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(まさかあんなに早く来るとは。少しは俺を信頼しろってんだ)
レオニーがユーグに連れて行かれた方向を見ながら、ジェラルドは心の中で毒づいた。
マティアスと当たり障りない挨拶を交わしていたところに、ユーグが現れた。
ホワイト侯爵夫人はユーグが幼い頃からユーグをよく可愛がっていたし、ユーグもよく懐いていた。見かけたら近寄ってくるのは当然だ。
これはジェラルドには想定内のことだった。
異国から来た剣士、ということになっているジェラルドに興味津々の侯爵夫人は、夫にばれないように時々ジェラルドを呼びつけては、他国では何が流行っているかなど、様々な話を聞きたがった。
ジェラルドはジェラルドで、話好きな侯爵夫人からさり気なくホワイト侯爵家にまつわるあれやこれやを概ね聞き出していた。更にこの計画を持ちかけられてからは、自ら侯爵夫人の元に通い詰め、その話し方や仕草の癖を細かく観察していた。
だからジェラルドは、ユーグのことはもちろん、レオニーとの関係もきちんと把握していた。レオニーが来る前に、ユーグとの話は切り上げておかなければ、と考えていたところに、予想外にレオニーが早く来てしまったのだ。
(まあ、こうなったら2人でとことん話せば良いだろう)
何の屈託もなく自分に話しかけてきたユーグの様子を見る限りでは、レオニーのことが嫌いでああなったわけではなさそうだ。
それより問題はこっちだ、とジェラルドはマティアスの方に向き直った。
「アベル、さっき嫌がってなかったですか? 大丈夫ですか?」
心配そうに遠くの方を見やるマティアスに、ジェラルドは妖艶に微笑んで見せた。
「本当は仲が良いはずなんだけど、反抗期なのかしら。照れ臭いみたいね」
「あーなるほど」
マティアス・ロバーツ。レオニーの想い人。
侍女のクロエも何だかんだ言いつつ認めている男。
侯爵夫人も、取引相手としても娘の相手候補としても気に入っているようだった。
(それほどの男か? こいつが)
ゆっくり話をしてみたいと思っていたところで、ちょうど良い機会に恵まれた。
「それより、せっかくだから貴方と仕事の話をゆっくりしたいわ」
「それはこちらとしても願ったり叶ったりですが。レオニーは放っておいて良いんですか?」
「大丈夫。あの子は見た目より強いから」
「アベル・ホワイト。君は何が目的でホワイト家に潜り込んでいるの?」
「潜り込むだなんて」
「あの家に危害を加えるようなことは僕が許さないよ」
長年そばにいたレオニーでも見たことのないユーグの厳しい表情に、レオニーは一瞬たじろいだ。
けれどレオニーには不思議だった。
(どうしてユーグがこんなに怒るの?)
アベルが身元不明の怪しい少年だとしても、それをユーグがこんなに咎める理由はない。
「貴方は……レオニーとはもう何の関係もない。レオニーを捨てたんだから」
やっと絞り出した言葉に、ユーグの鋭い瞳が少し揺らいだ。
「捨てたんじゃない。解放したんだ」
「解放……?」
「レオニーは、僕のことを本当に愛していたわけじゃない。小さい頃からそばにいて、母親に言われるがまま何となく婚約しただけで、恋い焦がれて僕を求めてきたわけじゃない」
ユーグは苦悶の表情を浮かべながらふっと自嘲した。
「彼女にはこの先、本気で愛せる人が現れるだろう。恋愛は人を成長させるって聞くからね、レオニーはもっと強く美しい女性に生まれ変わる。その時が来たら僕の存在は邪魔だ。そしてもし彼女から婚約破棄すれば、きっと彼女の悪評が立つ。僕だって自分が世間でどう言われてるかくらいは知ってるからね。だったらその前に僕から破談にしてしまおう。そうすればレオニーの名が傷つくことはないって考えたのさ」
「レオニーを嫌いになったんじゃ……ないの?」
「まさか。レオニーは僕にとって、昔も今も変わらず大切な女の子だよ。幼馴染としてね」
そう言って優しく微笑むユーグに、レオニーは涙ぐみそうになった。
(あの言葉は本心だったのね)
ユーグが最後にホワイト家にやってきた時。
レオニーにはもっと相応わしい人がいる。もっと自由に生きてほしい。そんな風に言っていた。
あれはレオニーを傷つけないための上辺だけ取り繕った断り文句だと思っていたけれど、ユーグはまさしく本音としてあの言葉を口にしていたのだ。
(どこまでも真っ直ぐな人……)
裏表のない、誰からも尊敬される清らかで純粋な人。
「僕の話はどうでも良いよ。アベル、君は誰なんだ?」
また険しい表情に戻ったユーグの手に、レオニーはそっと自分の手を重ねた。
ユーグの言う通り、レオニーはユーグに恋してはいなかった。マティアスに出会った今だからわかる。
報われない恋。この恋で自分が成長できているかどうかは全然わからない。
けれど、マティアスに出会わなければ良かったとは思わない。むしろ彼に出会えて良かったと、心から嬉しく思っている。
その機会をくれたユーグには、感謝しなければいけない。
「ごめんなさい。僕の正体は明かせない。でもホワイト家にもレオニーにも危害を加えるつもりはない。これだけは本当だよ」
「信じろと?」
「むしろ助けになりたいと思ってる。そのためにここにいるんだ」
ユーグは探るようにレオニーの瞳をじっと見つめた。レオニーも決して目を逸らさず、ユーグの澄み渡る蒼色の瞳を見つめ返した。
「……わかった、信じよう。でももし何かおかしなことが起きたら、すぐに君を捕まえに来るからね」
「うん、ありがとう」
どちらからともなく席を立ち、硬い握手を交わした。
アベルと別れた後、ユーグが向かったのは王太子の元だった。ユーグの姿を見つけると、王太子は早く早くと手招きをした。
「ねえユーグ、レオニーを知らない? さっきまでいたはずなのに」
「あんまりあの子をからかうのはやめてってこの前も言ったはずだけど」
「ユーグが可愛い幼馴染だって何度も自慢するのが悪い。あれだけ聞かされたら、そりゃ構いたくもなるよ」
王太子とユーグは従兄弟にあたる。王太子の父である現国王とユーグの母親が兄妹なのだ。王家の者以外で王太子とこんなに気安く話ができるのは、ユーグだけだろう。
「レオニーは君が言う通り可愛いね。見た目だけじゃなく、あの奥ゆかしい態度と内に秘めた強さのギャップが素晴らしい」
「本人は無自覚なんだから、そっとしておいてあげてよ。ていうか、もしかして本気? 本気で結婚したいとか思ってる?」
「まさか。国内一の人気を誇るユーグがものすごく大切にしている幼馴染みが、どんな人物なのか興味があった。それ以上でもそれ以下でもないよ」
「はあ。人騒がせな」
「まあ調子に乗ってちょっかい出しすぎたことは認めるよ。でもそれでわかったことがある。彼女には既に良い人がいるんじゃないかな」
そう言って王太子は、遠くに見える黒髪の青年を指し示した。
「ああ、彼ですか」
「何だユーグ、知ってるのか」
「有名だからね。そのうち君の側近になるかもよ」
「へえ、それは楽しみだ」
ユーグと別れた後、レオニーは一目散にマティアスとジェラルドのところへ駆け戻った。
「あらアベル、もう話し終わったの。久しぶりだったんでしょ、もっとゆっくりしてきても良かったのに」
何食わぬ顔でそう嘯くジェラルド。
「よくもまあそんなことを抜け抜けと」
マティアスに聞こえないように小声でそう言い返すと、ジェラルドは小さく苦笑した。
「まあまあ。しかしお前が惚れた男は大した奴だな。国々を渡り歩いた俺よりも幅広い知識を持ってる。底なし沼かってぐらい。努力は才能を凌駕するってこのことだな、参った。レオニーは人を見る目を持ってる」
レオニーの耳元で早口に囁くと、母の仮面を被ったジェラルドはにっこり笑ってマティアスに向き直った。
「私、疲れちゃったから先に失礼するわね。マティアスお話楽しかったわ。また聞かせてちょうだい。じゃあ、後は若い2人で楽しんで。あ、でもアベルあんまり遅くなっちゃダメよ」
ひらひらと片手を靡かせながら、ジェラルドは退場していった。
(何であんなにお母様の物真似が上手いのよ)
後ろ姿を見送りながら、レオニーは心の中でぶつぶつと文句を言った。
ジェラルドの姿が見えなくなると、一緒に見送っていたマティアスがくるりとレオニーの方に向き直った。
「なあアベル、レオニーを見なかったか? さっきから探してるんだが」
「ああ……レオニーなら、気分が悪くなったとかでさっき帰ったよ。マティアスによろしくって」
「何だと? そうすると俺は結局何もできなかったわけか。うわーブランシュに怒られる」
ブランシュと聞いて、レオニーの胸はチリチリと少し痛んだ。
(そうよね、マティアスは優しいから。婚約者のブランシュに頼まれたっていうのもあって、今夜来てくれたのよね)
「結局レオニーと殿下は何もなかったみたいだし、マティアスには感謝してるって言ってたよ」
「本当か?」
「うん。まあ今夜は飲もうよ。僕が相手で申し訳ないけど」
そう誘うと、マティアスは嬉しそうに瞳をキラキラと輝かせた。
「よし、じゃあ今夜はぱーっとやるか」
勢いよく肩を組まれ、レオニーは転びそうになった。
レオニーがユーグに連れて行かれた方向を見ながら、ジェラルドは心の中で毒づいた。
マティアスと当たり障りない挨拶を交わしていたところに、ユーグが現れた。
ホワイト侯爵夫人はユーグが幼い頃からユーグをよく可愛がっていたし、ユーグもよく懐いていた。見かけたら近寄ってくるのは当然だ。
これはジェラルドには想定内のことだった。
異国から来た剣士、ということになっているジェラルドに興味津々の侯爵夫人は、夫にばれないように時々ジェラルドを呼びつけては、他国では何が流行っているかなど、様々な話を聞きたがった。
ジェラルドはジェラルドで、話好きな侯爵夫人からさり気なくホワイト侯爵家にまつわるあれやこれやを概ね聞き出していた。更にこの計画を持ちかけられてからは、自ら侯爵夫人の元に通い詰め、その話し方や仕草の癖を細かく観察していた。
だからジェラルドは、ユーグのことはもちろん、レオニーとの関係もきちんと把握していた。レオニーが来る前に、ユーグとの話は切り上げておかなければ、と考えていたところに、予想外にレオニーが早く来てしまったのだ。
(まあ、こうなったら2人でとことん話せば良いだろう)
何の屈託もなく自分に話しかけてきたユーグの様子を見る限りでは、レオニーのことが嫌いでああなったわけではなさそうだ。
それより問題はこっちだ、とジェラルドはマティアスの方に向き直った。
「アベル、さっき嫌がってなかったですか? 大丈夫ですか?」
心配そうに遠くの方を見やるマティアスに、ジェラルドは妖艶に微笑んで見せた。
「本当は仲が良いはずなんだけど、反抗期なのかしら。照れ臭いみたいね」
「あーなるほど」
マティアス・ロバーツ。レオニーの想い人。
侍女のクロエも何だかんだ言いつつ認めている男。
侯爵夫人も、取引相手としても娘の相手候補としても気に入っているようだった。
(それほどの男か? こいつが)
ゆっくり話をしてみたいと思っていたところで、ちょうど良い機会に恵まれた。
「それより、せっかくだから貴方と仕事の話をゆっくりしたいわ」
「それはこちらとしても願ったり叶ったりですが。レオニーは放っておいて良いんですか?」
「大丈夫。あの子は見た目より強いから」
「アベル・ホワイト。君は何が目的でホワイト家に潜り込んでいるの?」
「潜り込むだなんて」
「あの家に危害を加えるようなことは僕が許さないよ」
長年そばにいたレオニーでも見たことのないユーグの厳しい表情に、レオニーは一瞬たじろいだ。
けれどレオニーには不思議だった。
(どうしてユーグがこんなに怒るの?)
アベルが身元不明の怪しい少年だとしても、それをユーグがこんなに咎める理由はない。
「貴方は……レオニーとはもう何の関係もない。レオニーを捨てたんだから」
やっと絞り出した言葉に、ユーグの鋭い瞳が少し揺らいだ。
「捨てたんじゃない。解放したんだ」
「解放……?」
「レオニーは、僕のことを本当に愛していたわけじゃない。小さい頃からそばにいて、母親に言われるがまま何となく婚約しただけで、恋い焦がれて僕を求めてきたわけじゃない」
ユーグは苦悶の表情を浮かべながらふっと自嘲した。
「彼女にはこの先、本気で愛せる人が現れるだろう。恋愛は人を成長させるって聞くからね、レオニーはもっと強く美しい女性に生まれ変わる。その時が来たら僕の存在は邪魔だ。そしてもし彼女から婚約破棄すれば、きっと彼女の悪評が立つ。僕だって自分が世間でどう言われてるかくらいは知ってるからね。だったらその前に僕から破談にしてしまおう。そうすればレオニーの名が傷つくことはないって考えたのさ」
「レオニーを嫌いになったんじゃ……ないの?」
「まさか。レオニーは僕にとって、昔も今も変わらず大切な女の子だよ。幼馴染としてね」
そう言って優しく微笑むユーグに、レオニーは涙ぐみそうになった。
(あの言葉は本心だったのね)
ユーグが最後にホワイト家にやってきた時。
レオニーにはもっと相応わしい人がいる。もっと自由に生きてほしい。そんな風に言っていた。
あれはレオニーを傷つけないための上辺だけ取り繕った断り文句だと思っていたけれど、ユーグはまさしく本音としてあの言葉を口にしていたのだ。
(どこまでも真っ直ぐな人……)
裏表のない、誰からも尊敬される清らかで純粋な人。
「僕の話はどうでも良いよ。アベル、君は誰なんだ?」
また険しい表情に戻ったユーグの手に、レオニーはそっと自分の手を重ねた。
ユーグの言う通り、レオニーはユーグに恋してはいなかった。マティアスに出会った今だからわかる。
報われない恋。この恋で自分が成長できているかどうかは全然わからない。
けれど、マティアスに出会わなければ良かったとは思わない。むしろ彼に出会えて良かったと、心から嬉しく思っている。
その機会をくれたユーグには、感謝しなければいけない。
「ごめんなさい。僕の正体は明かせない。でもホワイト家にもレオニーにも危害を加えるつもりはない。これだけは本当だよ」
「信じろと?」
「むしろ助けになりたいと思ってる。そのためにここにいるんだ」
ユーグは探るようにレオニーの瞳をじっと見つめた。レオニーも決して目を逸らさず、ユーグの澄み渡る蒼色の瞳を見つめ返した。
「……わかった、信じよう。でももし何かおかしなことが起きたら、すぐに君を捕まえに来るからね」
「うん、ありがとう」
どちらからともなく席を立ち、硬い握手を交わした。
アベルと別れた後、ユーグが向かったのは王太子の元だった。ユーグの姿を見つけると、王太子は早く早くと手招きをした。
「ねえユーグ、レオニーを知らない? さっきまでいたはずなのに」
「あんまりあの子をからかうのはやめてってこの前も言ったはずだけど」
「ユーグが可愛い幼馴染だって何度も自慢するのが悪い。あれだけ聞かされたら、そりゃ構いたくもなるよ」
王太子とユーグは従兄弟にあたる。王太子の父である現国王とユーグの母親が兄妹なのだ。王家の者以外で王太子とこんなに気安く話ができるのは、ユーグだけだろう。
「レオニーは君が言う通り可愛いね。見た目だけじゃなく、あの奥ゆかしい態度と内に秘めた強さのギャップが素晴らしい」
「本人は無自覚なんだから、そっとしておいてあげてよ。ていうか、もしかして本気? 本気で結婚したいとか思ってる?」
「まさか。国内一の人気を誇るユーグがものすごく大切にしている幼馴染みが、どんな人物なのか興味があった。それ以上でもそれ以下でもないよ」
「はあ。人騒がせな」
「まあ調子に乗ってちょっかい出しすぎたことは認めるよ。でもそれでわかったことがある。彼女には既に良い人がいるんじゃないかな」
そう言って王太子は、遠くに見える黒髪の青年を指し示した。
「ああ、彼ですか」
「何だユーグ、知ってるのか」
「有名だからね。そのうち君の側近になるかもよ」
「へえ、それは楽しみだ」
ユーグと別れた後、レオニーは一目散にマティアスとジェラルドのところへ駆け戻った。
「あらアベル、もう話し終わったの。久しぶりだったんでしょ、もっとゆっくりしてきても良かったのに」
何食わぬ顔でそう嘯くジェラルド。
「よくもまあそんなことを抜け抜けと」
マティアスに聞こえないように小声でそう言い返すと、ジェラルドは小さく苦笑した。
「まあまあ。しかしお前が惚れた男は大した奴だな。国々を渡り歩いた俺よりも幅広い知識を持ってる。底なし沼かってぐらい。努力は才能を凌駕するってこのことだな、参った。レオニーは人を見る目を持ってる」
レオニーの耳元で早口に囁くと、母の仮面を被ったジェラルドはにっこり笑ってマティアスに向き直った。
「私、疲れちゃったから先に失礼するわね。マティアスお話楽しかったわ。また聞かせてちょうだい。じゃあ、後は若い2人で楽しんで。あ、でもアベルあんまり遅くなっちゃダメよ」
ひらひらと片手を靡かせながら、ジェラルドは退場していった。
(何であんなにお母様の物真似が上手いのよ)
後ろ姿を見送りながら、レオニーは心の中でぶつぶつと文句を言った。
ジェラルドの姿が見えなくなると、一緒に見送っていたマティアスがくるりとレオニーの方に向き直った。
「なあアベル、レオニーを見なかったか? さっきから探してるんだが」
「ああ……レオニーなら、気分が悪くなったとかでさっき帰ったよ。マティアスによろしくって」
「何だと? そうすると俺は結局何もできなかったわけか。うわーブランシュに怒られる」
ブランシュと聞いて、レオニーの胸はチリチリと少し痛んだ。
(そうよね、マティアスは優しいから。婚約者のブランシュに頼まれたっていうのもあって、今夜来てくれたのよね)
「結局レオニーと殿下は何もなかったみたいだし、マティアスには感謝してるって言ってたよ」
「本当か?」
「うん。まあ今夜は飲もうよ。僕が相手で申し訳ないけど」
そう誘うと、マティアスは嬉しそうに瞳をキラキラと輝かせた。
「よし、じゃあ今夜はぱーっとやるか」
勢いよく肩を組まれ、レオニーは転びそうになった。
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