27 / 27
質問はワインの後で
しおりを挟む
帰りの馬車の中、クロエは珍しく冗舌だった。
「ジェラルドの仕業です。慌てて駆け付けたのですが、間に合わず申し訳ございません。私がもう少し早くすべて白状させていれば、お嬢様をこんな目に遭わせずに済んだのに」
「ジェラルドは何を?」
「最後の薬だけ、効能時間を短くしたと」
なるほど、それでこんなに早く魔法が解けてしまったのかと、レオニーは納得した。そういえば最後の薬だけ、ほんの少し青色が薄かったような気がする。
けれど何故そんなことをしたのかまでは理解できない。
「屋敷内でジゼルさんがこそこそ何か探っていたのも知っていたので、嫌な予感はあったのです。けれどまさか、あんな風にマティアス様がお嬢様を追い詰めるなんて」
見損ないました、と悔しそうに吐き捨てるクロエ。
どうやらマティアスがレオニーを糾弾したと勘違いしているようだ。
「クロエ違うの。マティアスは悪くないの。ただ私のことを心配してくれて、得体の知れない少年が私にまとわりついていると思って、それで」
そこまで説明して、レオニーは動きを止めた。
レオニーが好きだと言ってくれたマティアス。
けれどそれを打ち明けた相手であるアベルが、実はレオニー本人であることが知られてしまった。
男になって自分に近づくなんて、悪趣味な女だと軽蔑されたかもしれない。
(もう嫌われてしまったかも)
急に元気をなくした主人に、クロエがそっと両手を重ねた。
「マティアス様はお嬢様のお見立て通り、素晴らしい方です。ですが……どうしてもあの方でなければいけませんか?」
クロエの問いに、レオニーは何も答えられず俯いたままだった。
家に着き、軽く湯浴みをして着替えると、レオニーはようやく気持ちが落ち着いた。
マティアスから借りた本が、何だかんだで返せずまだ手元にある。レオニーはそれを手に取りぱらぱらとめくった。
レオニーには難しくて、ところどころよくわからない箇所もあったけれど、とても面白かった。何より、マティアスが興味を持っていることマティアスが普段考えていることが垣間見えたような気がして、彼に一歩近づけた気がして、嬉しかった。
(明日、この本を返しに行こう)
アベルではなく、レオニーとして。
そして今までのことを全部謝ろう。
許してもらえるかどうかはわからないけれど。
レオニーはいつものソファに腰掛けると、クロエが用意してくれたレモネードに口をつけた。きりっとした酸味が喉に気持ち良い。
すると俄に廊下が騒がしくなった。
「レオニーはどこに?」
「お待ちください!」
「あっちの奥の部屋だ」
「感謝する」
「勝手に立ち入ってはいかん!」
何やら複数が言い争う声が聞こえる。
そのままどたどたと慌ただしい足音がして、レオニーの部屋の扉が開かれた。
「レオニー!」
「え? マティアス?!」
駆け込んできたマティアスに、レオニーはびっくりしてソファから立ち上がり後ずさった。
マティアスは構わずレオニーの目の前までやってくると、その場に跪きレオニーの手をそっと握った。
「レオニーさっきはすまなかった。俺は大馬鹿だな。俺の思い違いでなければ……レオニーに俺は今までどれだけ辛い思いをさせていたのか。悔やんでも悔やみきれない。自分に自信がないばっかりに、何も行動せずに君を苦しめて……。謝って済むことじゃないのはわかっている。けれどきちんと謝らせてほしい。そしてもう一度俺のことを見てほしい」
緩く握られた手から伝わってくる震え。緊張。後悔。
レオニーはその手をそっと引いて、マティアスを立ち上がらせた。その表情は苦悶に満ちている。
「マティアス、私の方こそ馬鹿なことをしたと思ってるわ。ごめんなさい。貴方に近づくために、あんな悪趣味なこと……。軽蔑されて当然だと思ってるわ」
「軽蔑なんかしない。そりゃまあ、驚いたけど。俺がレオニーを軽蔑なんかするわけない」
「でも……気持ち悪くない? 私のこと、嫌いになった?」
「ありえない」
マティアスは、ふっと小さく笑った。
レオニーが大好きな、ちょっとからかうような意地悪な笑い方。
「あんなことくらいじゃ嫌いになったりしないさ。俺の気持ちを舐めるなよ。初めて会った時からずっと、君に恋焦がれてる。もう、ずっとずっと……」
そこまで言ってマティアスは唇をきつく噛み締めた。
「そうだった。レオニーにはもう俺の気持ちは知られてるんだったな。さっきはレオニーがアベルだなんて思いもせず、あんな告白を……」
赤裸々な想いを口にしたことを思い出して、マティアスは赤面した。つられてレオニーも真っ赤になる。
「……いや、もういい。過ぎたことは忘れる。レオニーも忘れてくれ。今からちゃんと言うから。仕切り直しだ」
マティアスはくるりと後ろを向くと、大きく深呼吸をした。そしてまたレオニーの方に向き直った。
「俺はレオニーが好きだ。初めて会った時から今日まで、毎日どんどん好きになっていってる。今の俺じゃレオニーには釣り合わないかもしれないが、必ず立派な人間になってみせる。だから俺を選んでほしい。ずっとそばにいてほしい。本当に……大好きなんだ」
レオニーとして、初めて聞くマティアスの告白。
ほんのり熱を帯びた視線がまっすぐに注がれ、レオニーも気持ちが伝わるように、しっかりと見つめ返した。
「私も……私も、マティアスが好きよ。ブランシュと婚約するって聞いた時は本当にショックで。でもそれが嘘だってわかった時は本当に嬉しかったの」
「あれはリュカが……いや、よそう。こんな時に他の男の話はしたくない」
いつの間にか人払いがされており、部屋の中はマティアスとレオニー以外誰もいなかった。
これはチャンスとばかりにレオニーを抱き寄せようとするマティアスの腕を「あ、そうだ」と無邪気な声を上げレオニーがすっとすり抜けた。
「この本、返そうと思ってたのに返しそびれちゃって。とっても面白かったわ、ありがとう。……マティアスどうしたの?」
「いや何でもない。レオニーらしいなあ、って」
さっきまで読み返していた本を嬉しそうに手に取るレオニーに、マティアスはやれやれと苦笑した。
「俺の話を楽しそうに聞く様子が、レオニーと似てるなあとは思ったんだよ。興味持つ分野も一緒だし。でもまさか、本人だとはなあ」
「幻滅した?」
「だからしないって。正直言ってむしろ嬉しい。レオニーとは何でも話ができそうな気がする」
「本当? あのね、実は読んでてよくわからない箇所がいくつかあって、質問しても良い?」
「いくらでもどうぞ。けどその前に」
マティアスはレオニーからひょいと本を取り上げると、手近なテーブルに置き、そのままレオニーの背に手を回した。
さらりとした黒髪がレオニーの額に触れ、大きな影が落ちてくるのを感じて、レオニーは真っ赤になりながらそっと瞳を閉じた。
レオニーの部屋から少し離れた廊下では、使用人達がやいのやいの小声で騒いでいる。
「マティアス様って、あのロバーツ伯爵の?」
「うちのお嬢様といつの間にそんなことに」
驚いたり喜んだり賑やかな中、クロエはジェラルドを軽く睨みつけた。
「ジェラルド、マティアス様をお嬢様のお部屋まで手引きしたのは貴方ね」
「何のことかな、俺はさっぱり」
「とぼけないで。騒ぎが聞こえてから部屋に着くまで早すぎます。私のルートを使ったでしょう」
「良いじゃないか。全部丸くおさまったんだから。やっぱりあの薬に細工して正解だったな」
愉快そうに声を上げて笑うジェラルドに、クロエは大きなため息をついた。
「あらあら、この様子だと何か良いことがあったみたいね」
「奥様!」
騒ぎを聞きつけたレオニーの母が、うきうきした様子でやってきた。事の顛末を聞くと、ますます嬉しそうに微笑んだ。
「まあそんな素敵なことが? 実の娘の話なんて、腕が鳴るわ。後でじっくり聞かせてもらいましょうか。それより、お祝いの支度をしなくちゃね」
後日、マティアスとレオニーの婚約を祝う会がそれは盛大に執り行われた。
その際に振る舞われたのは、もちろん2人を結びつけた、あのロゼワインである。
「ジェラルドの仕業です。慌てて駆け付けたのですが、間に合わず申し訳ございません。私がもう少し早くすべて白状させていれば、お嬢様をこんな目に遭わせずに済んだのに」
「ジェラルドは何を?」
「最後の薬だけ、効能時間を短くしたと」
なるほど、それでこんなに早く魔法が解けてしまったのかと、レオニーは納得した。そういえば最後の薬だけ、ほんの少し青色が薄かったような気がする。
けれど何故そんなことをしたのかまでは理解できない。
「屋敷内でジゼルさんがこそこそ何か探っていたのも知っていたので、嫌な予感はあったのです。けれどまさか、あんな風にマティアス様がお嬢様を追い詰めるなんて」
見損ないました、と悔しそうに吐き捨てるクロエ。
どうやらマティアスがレオニーを糾弾したと勘違いしているようだ。
「クロエ違うの。マティアスは悪くないの。ただ私のことを心配してくれて、得体の知れない少年が私にまとわりついていると思って、それで」
そこまで説明して、レオニーは動きを止めた。
レオニーが好きだと言ってくれたマティアス。
けれどそれを打ち明けた相手であるアベルが、実はレオニー本人であることが知られてしまった。
男になって自分に近づくなんて、悪趣味な女だと軽蔑されたかもしれない。
(もう嫌われてしまったかも)
急に元気をなくした主人に、クロエがそっと両手を重ねた。
「マティアス様はお嬢様のお見立て通り、素晴らしい方です。ですが……どうしてもあの方でなければいけませんか?」
クロエの問いに、レオニーは何も答えられず俯いたままだった。
家に着き、軽く湯浴みをして着替えると、レオニーはようやく気持ちが落ち着いた。
マティアスから借りた本が、何だかんだで返せずまだ手元にある。レオニーはそれを手に取りぱらぱらとめくった。
レオニーには難しくて、ところどころよくわからない箇所もあったけれど、とても面白かった。何より、マティアスが興味を持っていることマティアスが普段考えていることが垣間見えたような気がして、彼に一歩近づけた気がして、嬉しかった。
(明日、この本を返しに行こう)
アベルではなく、レオニーとして。
そして今までのことを全部謝ろう。
許してもらえるかどうかはわからないけれど。
レオニーはいつものソファに腰掛けると、クロエが用意してくれたレモネードに口をつけた。きりっとした酸味が喉に気持ち良い。
すると俄に廊下が騒がしくなった。
「レオニーはどこに?」
「お待ちください!」
「あっちの奥の部屋だ」
「感謝する」
「勝手に立ち入ってはいかん!」
何やら複数が言い争う声が聞こえる。
そのままどたどたと慌ただしい足音がして、レオニーの部屋の扉が開かれた。
「レオニー!」
「え? マティアス?!」
駆け込んできたマティアスに、レオニーはびっくりしてソファから立ち上がり後ずさった。
マティアスは構わずレオニーの目の前までやってくると、その場に跪きレオニーの手をそっと握った。
「レオニーさっきはすまなかった。俺は大馬鹿だな。俺の思い違いでなければ……レオニーに俺は今までどれだけ辛い思いをさせていたのか。悔やんでも悔やみきれない。自分に自信がないばっかりに、何も行動せずに君を苦しめて……。謝って済むことじゃないのはわかっている。けれどきちんと謝らせてほしい。そしてもう一度俺のことを見てほしい」
緩く握られた手から伝わってくる震え。緊張。後悔。
レオニーはその手をそっと引いて、マティアスを立ち上がらせた。その表情は苦悶に満ちている。
「マティアス、私の方こそ馬鹿なことをしたと思ってるわ。ごめんなさい。貴方に近づくために、あんな悪趣味なこと……。軽蔑されて当然だと思ってるわ」
「軽蔑なんかしない。そりゃまあ、驚いたけど。俺がレオニーを軽蔑なんかするわけない」
「でも……気持ち悪くない? 私のこと、嫌いになった?」
「ありえない」
マティアスは、ふっと小さく笑った。
レオニーが大好きな、ちょっとからかうような意地悪な笑い方。
「あんなことくらいじゃ嫌いになったりしないさ。俺の気持ちを舐めるなよ。初めて会った時からずっと、君に恋焦がれてる。もう、ずっとずっと……」
そこまで言ってマティアスは唇をきつく噛み締めた。
「そうだった。レオニーにはもう俺の気持ちは知られてるんだったな。さっきはレオニーがアベルだなんて思いもせず、あんな告白を……」
赤裸々な想いを口にしたことを思い出して、マティアスは赤面した。つられてレオニーも真っ赤になる。
「……いや、もういい。過ぎたことは忘れる。レオニーも忘れてくれ。今からちゃんと言うから。仕切り直しだ」
マティアスはくるりと後ろを向くと、大きく深呼吸をした。そしてまたレオニーの方に向き直った。
「俺はレオニーが好きだ。初めて会った時から今日まで、毎日どんどん好きになっていってる。今の俺じゃレオニーには釣り合わないかもしれないが、必ず立派な人間になってみせる。だから俺を選んでほしい。ずっとそばにいてほしい。本当に……大好きなんだ」
レオニーとして、初めて聞くマティアスの告白。
ほんのり熱を帯びた視線がまっすぐに注がれ、レオニーも気持ちが伝わるように、しっかりと見つめ返した。
「私も……私も、マティアスが好きよ。ブランシュと婚約するって聞いた時は本当にショックで。でもそれが嘘だってわかった時は本当に嬉しかったの」
「あれはリュカが……いや、よそう。こんな時に他の男の話はしたくない」
いつの間にか人払いがされており、部屋の中はマティアスとレオニー以外誰もいなかった。
これはチャンスとばかりにレオニーを抱き寄せようとするマティアスの腕を「あ、そうだ」と無邪気な声を上げレオニーがすっとすり抜けた。
「この本、返そうと思ってたのに返しそびれちゃって。とっても面白かったわ、ありがとう。……マティアスどうしたの?」
「いや何でもない。レオニーらしいなあ、って」
さっきまで読み返していた本を嬉しそうに手に取るレオニーに、マティアスはやれやれと苦笑した。
「俺の話を楽しそうに聞く様子が、レオニーと似てるなあとは思ったんだよ。興味持つ分野も一緒だし。でもまさか、本人だとはなあ」
「幻滅した?」
「だからしないって。正直言ってむしろ嬉しい。レオニーとは何でも話ができそうな気がする」
「本当? あのね、実は読んでてよくわからない箇所がいくつかあって、質問しても良い?」
「いくらでもどうぞ。けどその前に」
マティアスはレオニーからひょいと本を取り上げると、手近なテーブルに置き、そのままレオニーの背に手を回した。
さらりとした黒髪がレオニーの額に触れ、大きな影が落ちてくるのを感じて、レオニーは真っ赤になりながらそっと瞳を閉じた。
レオニーの部屋から少し離れた廊下では、使用人達がやいのやいの小声で騒いでいる。
「マティアス様って、あのロバーツ伯爵の?」
「うちのお嬢様といつの間にそんなことに」
驚いたり喜んだり賑やかな中、クロエはジェラルドを軽く睨みつけた。
「ジェラルド、マティアス様をお嬢様のお部屋まで手引きしたのは貴方ね」
「何のことかな、俺はさっぱり」
「とぼけないで。騒ぎが聞こえてから部屋に着くまで早すぎます。私のルートを使ったでしょう」
「良いじゃないか。全部丸くおさまったんだから。やっぱりあの薬に細工して正解だったな」
愉快そうに声を上げて笑うジェラルドに、クロエは大きなため息をついた。
「あらあら、この様子だと何か良いことがあったみたいね」
「奥様!」
騒ぎを聞きつけたレオニーの母が、うきうきした様子でやってきた。事の顛末を聞くと、ますます嬉しそうに微笑んだ。
「まあそんな素敵なことが? 実の娘の話なんて、腕が鳴るわ。後でじっくり聞かせてもらいましょうか。それより、お祝いの支度をしなくちゃね」
後日、マティアスとレオニーの婚約を祝う会がそれは盛大に執り行われた。
その際に振る舞われたのは、もちろん2人を結びつけた、あのロゼワインである。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
秘密の館の主に囚われて 〜彼は姉の婚約者〜
七転び八起き
恋愛
伯爵令嬢のユミリアと、姉の婚約者の公爵令息カリウスの禁断のラブロマンス。
主人公のユミリアは、友人のソフィアと行った秘密の夜会で、姉の婚約者のカウリスと再会する。
カウリスの秘密を知ったユミリアは、だんだんと彼に日常を侵食され始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる