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災厄の魔王~戯れ~
王の帰還
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ヴェルスレムの采配は地下コロッセオで脱出を決めた瞬間から早かった。
まずその場にいる何百もの人たち全員に防御壁を張り巡らし、そのまま強引に地上に引き上げたのだ。その時、デスウォーカーがその巨大な手で地下コロッセオをこじ開けた穴が役に立った。
地上にシャボン玉のように無数の人々が飛び出していくさまは少し幻想的だ。俺はなぜかヴェルスレムと一緒に外に出た。「貴方は俺と一緒に」といって手を取られれば、先程視界の端にとらえていたレガンとフルレトが何かを言う暇など無かった。二人の慌てた顔にきっとヴェルスレムは気付いていた筈なのにただ俺の腰に手をそえて地上まで優雅にエスコートする。そしてパチンッとシャボン玉が割れる様に地上に降り立つと、ヴェルスレムは俺の手をとり、それを自身の顔の前まで掲げて礼をした。
「此処はすぐに戦場になる。安全なところまで部下に案内させよう。」
そのまま近づいてきた聖騎士の一人に俺に手を委ねようとするのを俺はヴェルスレムの手をギュッと握りしめることで止めた。幾分驚いた彼の表情にもどかしさが募る。
(俺の国が戦いになるのに、俺の騎士達が戦うのに、王たる俺が安全なところに逃げるなんてそんなの俺自身が許せない。)
「俺もここに居ます」
「…できない」
「貴方は負ける筈などないのでしょう?騎士が誓いを破るのですか?」
自分でも狡いと思うのだが、さっきデスウォーカーに向かってヴェルスレムが言った言葉を引き合いに出す。するとヴェルスレムは驚いたようにその薄紅の瞳を見開いて、重い重い溜息をつくと。
「仕方のない人だ」
そういって優しく俺に微笑み。くしゃりっと俺の髪を掻き混ぜた。
その後、俺に続いて地上に降りたレガンとフルレトも「俺達も残るからな」と言って譲らないのでヴェルスレムは整った顔に絶対零度の笑みを浮かべていた。結局、二人は俺の側にいる。いいけど。
◆
「ここに陣を張る。敵が聖都へ来ることが間違いないのなら犠牲は少ない方が良い。」
ヴェルスレムのひと声で部下の騎士達はせわしなく動いた。次々と軍用馬車が狭い路地に乗りつけると圧倒的物量で輸送が始まり、辺りの民たちや一応奴隷商人たちや奴隷を買い付けに来てた者たちは厳重に騎士の詰め所に護送という形になった。こんなことはヴェルスレムや聖都の騎士団からしたら何でもない事だが。
ヴェルスレムが戦場に選んだ奴隷商人たちの奴隷市場が地下にあった此処は聖都にあって人がそんな多くいる地区じゃない。奴隷商人たちが根をはるぐらいだ。まともな市民はここらへんにはいない。だからこそ聖都が戦場になることが避けられないのなら此処に陣をはることを判断したヴェルスレムは将として優秀すぎる程に優秀だ。
ー・・・でもそれでも将として冷徹な判断を瞬時にするヴェルスレムに俺は哀しくなった。
しかもヴェルスレムは魔族の奴隷の男と先程捕らえたテュルク家の吸血鬼の男を奴隷商人たちが持っていた魔力封じの足枷と手枷をつけて二人揃って奴隷の檻に閉じ込めたのだ。奴隷商人たちは自分たちが助かろうと必死にヴェルスレムに媚をうってきていたのでそれを利用したのだ。
ヴェルスレムの表情を見れば、この件が片付いたら奴隷商人たちはすぐに捕縛されることはわかっているが、それを知らず必死にヴェルスレムを頼る姿はいっそ憐れでもあった。
俺は檻の中で身を寄せあっている吸血鬼の親子を見詰める。父親の方は自分が着ていた上着を奴隷に落とされた息子の肩にかけてやっている。そこには確かに情が見て取れる。魔族は”高貴な闇”。誇り高い闇の一族という言葉を思い出す。
ー・・・だからこそバーディシャーは現れるだろう。自らの血族を助けるために。
父と息子と言っていた二人は“罠”だ・・・バーディシャーを誘き出すための。二人がいればシャーはここへ現れる。そしてそこに交渉材料があるとヴェルスレムは思っているのかもしれない。でもやり方がなぁと思っているが施政者としてわかるので口を閉ざしているとフルレトは、
「あの魔族も奴隷商に捕らえられた被害者だと俺は思うんだ」
と言った。妹のルルカちゃんを奴隷商に攫われたフルレトの言葉は吸血鬼たちへの同情がある。そのフルレトの言葉にレガンは眉間に皺を寄せて渋面をつくった。フルレトもその言葉のあと口をグッと真一文字に引き結ぶ。彼等もわかっているのだろう。そしてレガンが「あー」と言って髪をガシガシと掻くとヴェルスレムに言った。
「なぁあんた、あの吸血鬼たちを解放してバーディシャーを止めてくれて言えばいいんじゃないか?」
部下に結界の指示を出していたヴェルスレムはその言葉に顔をあげて、だが途端に厳しい表情をつくる。
「それで?」
「あ?だから…」
尚も言いつのろうとするレガンにヴェルスレムの表情は崩れない。恐ろしい程、整った彼の完成された容姿は美しすぎて何者をも拒絶するように冷たくうつった。
「それで・・・シャーを説得するという口約束が守られなかったらどうする?魔族が聖都に放たれた時に真っ先に犠牲になるのは俺やお前のような抗う力を持つ者じゃない。何の罪もない抗う力すら持たない者たちが真っ先に犠牲になるんだぞ。」
冷静な薄紅の瞳がレガンを映す。
「お前はその悲劇を背負う覚悟があるのか」
幾度も、幾度も優しさと裏切りとを経験してきた俺はヴェルスレムの苦悩が分かる。誰よりも冷徹に判断をしながら彼は泣いている。そう判断しなければならない立場と責任があって独り立っているのだ。
ー・・・そんなヴェルスレムに俺はまた哀しくなった。
その時だった空を切り裂くような大音声(だいおんじょう)と赤い流星のような光がこちらへ向かって飛んできたのは。
◆
聖都の結界は基本的に俺が張っている、俺がいないということが想定されていなかった為に解除されていた。このままではあの炎の魔法が聖都を直撃する。
「いけないっ!!!!!」
俺が手をかざした瞬間、空を駆け抜ける影があった。炎の毛皮を轟々と燃え上がらせる狼だった。大気が咆哮を上げたような音が轟いた。いやそれは果たして音だったのだろうか、『紅玉の離宮』・・・ガウェイの居城から飛び立ったそれは空中に炎が舞わせ駆け上がり、流星を噛みちぎる。
ガアアアアアアアアアンンッッ
魔法と聖獣とがぶつかりあうが、炎の化身そのものであるガウェイが従える聖なる獣にとって「炎」とは聖獣そのものであり傷つけるものではない。ガブリッと炎にまかれていた〝もの″を噛みちぎった聖獣はそれをこちらへ向けて吐き出す。
「衝撃にそなえろっ!!!」
ヴェルスレムが慌てて防御壁を展開する。
ガアアアアアアアアアアァァァァンッッ
それと落ちたものが凄まじい衝撃で辺り一帯の街並みを廃墟とするのがほぼ同時だった。
視界すら効かない土埃が巻き上がる。そしてどれほど時間が経ったのか視界が開けてくる。
果たして…そこに真紅のシャムシールを握った血塗れの吸血鬼の男は佇んでいた。
炎の獣の一撃でバーディシャーは地へ叩き落とされ、ぼたぼたと血を滴らせ額から伝う鮮血が地面に血だまりをつくる。バーディシャーのカフタンは堕ち、左手は聖獣により肩を砕かれたのか切り裂かれた傷は無残で力なく垂れ下がっている。彼がここに至るまでに重傷を負っていたことは明白で、あるいはそれがなければ聖獣も彼を捕らえることができなかったかもしれない。
「バーディシャーッ!!!!」
「兄上っっ!!!」
檻の中で吸血鬼の男達が叫ぶ。それにバーディシャーは心の底から嬉しそうに笑った。
「・・・父上、タフェル。今、いまそちらへ」
歩くことすら辛いのだろう横にあった崩れかけの民家の壁にバーディシャーが手をつくと、ズルッと壁が真っ赤な手形で染まった。もう瀕死であろう彼をだがヴェルスレム達は逃す筈はなかった。相手の実力を正しく見極めればここで油断することは即ち死を意味することをヴェルスレムは分かっているのだ。
聖騎士たちが距離を取りながら一斉にバーディシャーを取り囲みヴェルスレムは聖剣・アロンダイトを抜き放つ。
アロンダイトの光の聖剣たる燐光が散る。
「私は聖王シュレイザードが騎士・ヴェルスレム。テュルク家のバーディシャーとお見受けする。」
バーディシャーはそれに苦笑をしたようだった。途端むせて血を吐く。けれどその視線は檻の中の吸血鬼たちを捉えて離さない。敵でありながらこの絶望的な状況で自分の“血族”を助けようという姿勢に好感が持てた。
「ゴホッ…また〝聖王の騎士″か」
「また、だと?」
「さっき俺を阻んだのも〝聖王の騎士″と名乗っていたからな」
俺はその言葉に顔を上げた。
どうして俺は気付かなかったんだろう。
さっきの炎に込められた魔力はあれは俺がよく慣れ親しんだものだ。
ヴェルスレムの後ろで思わず俺は声を出していた。
「その、その騎士の名はっ」
バーディシャーは俺に視線を向ける。
「・・・ガウェイ」
聞かされた名前に血の気が引く。こんなことになると思わなかった。ガウェイに獣人の集落を守ってほしいとお願いしたとき俺はただ奴隷商人しか想定してなかった。まさかこんな最高位の魔族がガウェイと相対するなんて…俺は一歩前へ出る。
「ガウェイはどうしたんだっ」
「危ないだろう、下がれっ」
途端にヴェルスレムがシャーに向かって剣を構えながらも俺に向かって叫ぶ。
けどそれどころじゃない俺の焦燥をバーディシャーは少し目を見開いて、嗤う。
「・・・殺してやったさ」
自分の足元が崩れ落ちそうな感覚に俺は目の前が真っ暗になった。
ガウェイが?
俺の炎の騎士が…死んだ?
「・・・うそだ」
『シュレイザード』…そういって俺を瞳に映して彼(ガウェイ)は笑う。
目尻を和ませて彼が俺に手を伸ばす。
今無性に声が聞きたくて堪らなくなって。
叫びだしたくなる。
うそだ。うそだ。そんなこと信じない。
「うそだあぁっ!!」
もう一歩足を踏みだした瞬間、足元の影が俺を包んだ。吹き上がるように影が俺の全身に伸びる。
「つっ!!」
「しまったっ!!」
ヴェルスレムの焦ったような顔と駆け寄る姿が目に映る。俺の耳元で声が聞こえた。そしてヴェルスレムを制するように影の手が〝待て″とヴェルスレムに向かってつき出されている。
『言葉遊びで時間をくれて感謝する。』
そして首筋に這わされる熱い舌。
(どうして…)
ピチャリッと肌をつたう生々しい感触といやらしい水音に肌が震える。
(俺はどうして血塗れのバーディシャーに抱きとめられているんだ。さっきまで確かに相対してたのに・・・)
視界の先でヴェルスレムの顔が怒りに染まってる。
『おかげで貴様等の弱点が見えたよ』
バーディシャーは真紅の瞳で辺りを睥睨し、見せつけるように俺の耳を食んで、次いで隷属の首輪の丁度上・・・項(うなじ)にグジュッと吸血鬼の牙が立てられた。
「っああああっっ」
途端に全身を包むのは得も言われない快楽だ。痛みと快楽に体が包まれて一瞬で力が抜ける。ガクリッと膝から力が抜け落ちるのを背後からバーディシャーの力強い腕が俺を支えて抱きとめ、なお俺の血を啜った。
グチュッピチャリックチュッ
「はぁっっ」
頭がくらくらする。酩酊する。
「-・・・甘美だな」
「ふっぅっはぁっぁぁうっ」
息を深く吐いて何とか体の熱を散らそうとしても首筋から全身に広がる快楽が止まらない。思わず俺の首筋に牙を突き立てるバーディシャーの真紅の髪を『止めろっ』とクシャリッと引っ張ると彼は俺の血を吸いながら微笑んだようだった。
ガブッ
「はぅっ」
お仕置きとばかりにより深く強く牙を突き立てられて俺の手から力が抜ける。滑り落ちそうになるその手をバーディシャーは取り、最後に首筋をピチャッと舐めてから顔を離すと俺の手の甲へ口付けた。血の跡が手の甲に残る口付け。
「これほどの血・・・味わったことなどなかった・・・よほどの者だろうなお前は。」
嫣然と笑い。
「おかげで傷が全て塞がった」
そして真紅の瞳であたりを睥睨した。
◆
バーディシャーの腕の中に囚われた人を見て、俺は血が沸騰するのが分かった。
彼の人はくったりと力が抜けてしまったようで、バーディシャーはいっそ丁寧に両手に彼を抱きあげた。
金髪碧眼のアーサー王の姿をした青年が吸血鬼に囚われている姿はヴェルスレムに言い様のない感情を与えた。
ランスロットとモードレッドの魂が焼け付くような憎悪を叫ぶ。
『我が王に触れるなっその御方はお前のような者がふれていい者ではない!!!』
「殺してやるっっ!!!!!」
光の聖剣を振るう己が殺意と憎悪で自分が染まりそうになる。
ヴェルスレムの薄紅の瞳が激情で真っ赤に染まるそれにバーディシャーは余裕の笑みで腕の中の金髪に口付け、
「この者以外・・・聖都に巣食う薄汚い人間共を殺してやろう」
そのバーディシャーの言葉が合図だったのだろう、聖都の宙に漆黒の穴がぽっかりと開く。闇の中で何かがこちらを窺い、蠢いているのがヴェルスレムにも分かった。
When you gaze into the abyss, the abyss gazes into you.
(深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている)
否が応にも圧力は高まり続ける。まるで薄いガラスに灼熱のマグマを注ぐような緊張感―…そこに割って入るように炎の流星が地に落ちた。ヴェルスレムの丁度横、轟々と燃えさかる聖炎はだが誰をも傷つけず其処にある。やがて炎から人が一歩足を踏みだせば吹き飛ぶように炎が消える―…そこから現れた騎士はガウェインだった。
長い真紅の髪を風に流し、黄金の瞳を怒りに滾らせて吸血鬼に囚われた人を見詰める。
「どういうことだっ」
怒りのまま叫べばヴェルスレムも負けじと叫んだ。
「貴様の所為だぞっ殺しても死なないだろう癖に変に心配かけるからだろうがっ」
その言いざまにグッと唇を引き結んだガウェインは眉を寄せて不愉快そうな表情を作る。だが騎士達が言い争う間も空は漆黒に染まり黒雷が空を走り始める。
「おしゃべりはそこまでで良いかな?騎士諸君」
バーディシャーはそして腕の中の彼を大事そうに抱えなおした時だった。その彼がシャーの胸に手を伸ばす。
「んっ」
けぶるように睫毛を震わせて辛いだろうに、顔を上げた健気な姿が美しかった。だが次の瞬間、青年は凛とした声で命じたのだ。人を従わせ、ひれ伏せる力で。
「離せ」
驚きで見開かれたバーディシャーの瞳。その吸血鬼の腕の中で強烈な光の奔流が流れ出でる。
「馬鹿なっ」
焦ったような声と共にバーディシャーの腕からふわりっと宙へ浮かんだ青年の背から真白の羽が生える。アーサー王の背に聖痕の力がそのまま顕現した姿に―…俺はある確信にドクリッと血が騒いだ。
浮き上がった彼がやがて地に足を付けた瞬間、リィンッと清澄なる音が辺りに響いて、それで高度な光魔法が展開されていることに気付く。魔を払い光をもたらすこの魔法を得意とする〝御方”を俺は知っている。カシャンッと彼が囚われていた筈の『隷属の首輪』が地に落ちるのを見たー・・・〝隷属の主゛は〝隷属の僕゛より力が強くなくてはならない。
〝この御方”にこの世の一体誰が首輪をかけられるというのか―・・・
「我が民と 領地を荒らすことは 許さぬ」
“我が民”と俺達を呼べる人はたった一人しかおられない。あの御方は―…俺とガウェインは呆然と魅入った。
一歩彼が歩むごとに光が溢れ、まるでガラス細工が砕け散るかのように彼の姿が割れ、光の欠片が舞い落ちて、そしてその“内側”から〝真の姿″が見えた。
吹き上がる魔力を帯びた風が彼の漆黒の髪をたなびかせて、光は星の色を宿した蒼い瞳。
背には王らしく壮麗な金の飾りの白銀のマントがフワリッと広がる。
ヴェルスレムは喘ぐように口をひらいて、だが声に出すことはできなかった。
ガウェインはも瞬き一つなく焼き付ける様に魅入る。
「聖王の名において闇よ去るが良い!!!!」
閃光がまさにこちらへ吹き出そうとしていた闇すら切り裂いて輝き、その輝きは聖都全体を覆った。
圧倒的な光の魔力に魔は抗う事すら許されず一つ残らず祓われ、空は安寧の青色を取り戻す―…それは聖王の瞳の色。
―・・・王の帰還である。
まずその場にいる何百もの人たち全員に防御壁を張り巡らし、そのまま強引に地上に引き上げたのだ。その時、デスウォーカーがその巨大な手で地下コロッセオをこじ開けた穴が役に立った。
地上にシャボン玉のように無数の人々が飛び出していくさまは少し幻想的だ。俺はなぜかヴェルスレムと一緒に外に出た。「貴方は俺と一緒に」といって手を取られれば、先程視界の端にとらえていたレガンとフルレトが何かを言う暇など無かった。二人の慌てた顔にきっとヴェルスレムは気付いていた筈なのにただ俺の腰に手をそえて地上まで優雅にエスコートする。そしてパチンッとシャボン玉が割れる様に地上に降り立つと、ヴェルスレムは俺の手をとり、それを自身の顔の前まで掲げて礼をした。
「此処はすぐに戦場になる。安全なところまで部下に案内させよう。」
そのまま近づいてきた聖騎士の一人に俺に手を委ねようとするのを俺はヴェルスレムの手をギュッと握りしめることで止めた。幾分驚いた彼の表情にもどかしさが募る。
(俺の国が戦いになるのに、俺の騎士達が戦うのに、王たる俺が安全なところに逃げるなんてそんなの俺自身が許せない。)
「俺もここに居ます」
「…できない」
「貴方は負ける筈などないのでしょう?騎士が誓いを破るのですか?」
自分でも狡いと思うのだが、さっきデスウォーカーに向かってヴェルスレムが言った言葉を引き合いに出す。するとヴェルスレムは驚いたようにその薄紅の瞳を見開いて、重い重い溜息をつくと。
「仕方のない人だ」
そういって優しく俺に微笑み。くしゃりっと俺の髪を掻き混ぜた。
その後、俺に続いて地上に降りたレガンとフルレトも「俺達も残るからな」と言って譲らないのでヴェルスレムは整った顔に絶対零度の笑みを浮かべていた。結局、二人は俺の側にいる。いいけど。
◆
「ここに陣を張る。敵が聖都へ来ることが間違いないのなら犠牲は少ない方が良い。」
ヴェルスレムのひと声で部下の騎士達はせわしなく動いた。次々と軍用馬車が狭い路地に乗りつけると圧倒的物量で輸送が始まり、辺りの民たちや一応奴隷商人たちや奴隷を買い付けに来てた者たちは厳重に騎士の詰め所に護送という形になった。こんなことはヴェルスレムや聖都の騎士団からしたら何でもない事だが。
ヴェルスレムが戦場に選んだ奴隷商人たちの奴隷市場が地下にあった此処は聖都にあって人がそんな多くいる地区じゃない。奴隷商人たちが根をはるぐらいだ。まともな市民はここらへんにはいない。だからこそ聖都が戦場になることが避けられないのなら此処に陣をはることを判断したヴェルスレムは将として優秀すぎる程に優秀だ。
ー・・・でもそれでも将として冷徹な判断を瞬時にするヴェルスレムに俺は哀しくなった。
しかもヴェルスレムは魔族の奴隷の男と先程捕らえたテュルク家の吸血鬼の男を奴隷商人たちが持っていた魔力封じの足枷と手枷をつけて二人揃って奴隷の檻に閉じ込めたのだ。奴隷商人たちは自分たちが助かろうと必死にヴェルスレムに媚をうってきていたのでそれを利用したのだ。
ヴェルスレムの表情を見れば、この件が片付いたら奴隷商人たちはすぐに捕縛されることはわかっているが、それを知らず必死にヴェルスレムを頼る姿はいっそ憐れでもあった。
俺は檻の中で身を寄せあっている吸血鬼の親子を見詰める。父親の方は自分が着ていた上着を奴隷に落とされた息子の肩にかけてやっている。そこには確かに情が見て取れる。魔族は”高貴な闇”。誇り高い闇の一族という言葉を思い出す。
ー・・・だからこそバーディシャーは現れるだろう。自らの血族を助けるために。
父と息子と言っていた二人は“罠”だ・・・バーディシャーを誘き出すための。二人がいればシャーはここへ現れる。そしてそこに交渉材料があるとヴェルスレムは思っているのかもしれない。でもやり方がなぁと思っているが施政者としてわかるので口を閉ざしているとフルレトは、
「あの魔族も奴隷商に捕らえられた被害者だと俺は思うんだ」
と言った。妹のルルカちゃんを奴隷商に攫われたフルレトの言葉は吸血鬼たちへの同情がある。そのフルレトの言葉にレガンは眉間に皺を寄せて渋面をつくった。フルレトもその言葉のあと口をグッと真一文字に引き結ぶ。彼等もわかっているのだろう。そしてレガンが「あー」と言って髪をガシガシと掻くとヴェルスレムに言った。
「なぁあんた、あの吸血鬼たちを解放してバーディシャーを止めてくれて言えばいいんじゃないか?」
部下に結界の指示を出していたヴェルスレムはその言葉に顔をあげて、だが途端に厳しい表情をつくる。
「それで?」
「あ?だから…」
尚も言いつのろうとするレガンにヴェルスレムの表情は崩れない。恐ろしい程、整った彼の完成された容姿は美しすぎて何者をも拒絶するように冷たくうつった。
「それで・・・シャーを説得するという口約束が守られなかったらどうする?魔族が聖都に放たれた時に真っ先に犠牲になるのは俺やお前のような抗う力を持つ者じゃない。何の罪もない抗う力すら持たない者たちが真っ先に犠牲になるんだぞ。」
冷静な薄紅の瞳がレガンを映す。
「お前はその悲劇を背負う覚悟があるのか」
幾度も、幾度も優しさと裏切りとを経験してきた俺はヴェルスレムの苦悩が分かる。誰よりも冷徹に判断をしながら彼は泣いている。そう判断しなければならない立場と責任があって独り立っているのだ。
ー・・・そんなヴェルスレムに俺はまた哀しくなった。
その時だった空を切り裂くような大音声(だいおんじょう)と赤い流星のような光がこちらへ向かって飛んできたのは。
◆
聖都の結界は基本的に俺が張っている、俺がいないということが想定されていなかった為に解除されていた。このままではあの炎の魔法が聖都を直撃する。
「いけないっ!!!!!」
俺が手をかざした瞬間、空を駆け抜ける影があった。炎の毛皮を轟々と燃え上がらせる狼だった。大気が咆哮を上げたような音が轟いた。いやそれは果たして音だったのだろうか、『紅玉の離宮』・・・ガウェイの居城から飛び立ったそれは空中に炎が舞わせ駆け上がり、流星を噛みちぎる。
ガアアアアアアアアアンンッッ
魔法と聖獣とがぶつかりあうが、炎の化身そのものであるガウェイが従える聖なる獣にとって「炎」とは聖獣そのものであり傷つけるものではない。ガブリッと炎にまかれていた〝もの″を噛みちぎった聖獣はそれをこちらへ向けて吐き出す。
「衝撃にそなえろっ!!!」
ヴェルスレムが慌てて防御壁を展開する。
ガアアアアアアアアアアァァァァンッッ
それと落ちたものが凄まじい衝撃で辺り一帯の街並みを廃墟とするのがほぼ同時だった。
視界すら効かない土埃が巻き上がる。そしてどれほど時間が経ったのか視界が開けてくる。
果たして…そこに真紅のシャムシールを握った血塗れの吸血鬼の男は佇んでいた。
炎の獣の一撃でバーディシャーは地へ叩き落とされ、ぼたぼたと血を滴らせ額から伝う鮮血が地面に血だまりをつくる。バーディシャーのカフタンは堕ち、左手は聖獣により肩を砕かれたのか切り裂かれた傷は無残で力なく垂れ下がっている。彼がここに至るまでに重傷を負っていたことは明白で、あるいはそれがなければ聖獣も彼を捕らえることができなかったかもしれない。
「バーディシャーッ!!!!」
「兄上っっ!!!」
檻の中で吸血鬼の男達が叫ぶ。それにバーディシャーは心の底から嬉しそうに笑った。
「・・・父上、タフェル。今、いまそちらへ」
歩くことすら辛いのだろう横にあった崩れかけの民家の壁にバーディシャーが手をつくと、ズルッと壁が真っ赤な手形で染まった。もう瀕死であろう彼をだがヴェルスレム達は逃す筈はなかった。相手の実力を正しく見極めればここで油断することは即ち死を意味することをヴェルスレムは分かっているのだ。
聖騎士たちが距離を取りながら一斉にバーディシャーを取り囲みヴェルスレムは聖剣・アロンダイトを抜き放つ。
アロンダイトの光の聖剣たる燐光が散る。
「私は聖王シュレイザードが騎士・ヴェルスレム。テュルク家のバーディシャーとお見受けする。」
バーディシャーはそれに苦笑をしたようだった。途端むせて血を吐く。けれどその視線は檻の中の吸血鬼たちを捉えて離さない。敵でありながらこの絶望的な状況で自分の“血族”を助けようという姿勢に好感が持てた。
「ゴホッ…また〝聖王の騎士″か」
「また、だと?」
「さっき俺を阻んだのも〝聖王の騎士″と名乗っていたからな」
俺はその言葉に顔を上げた。
どうして俺は気付かなかったんだろう。
さっきの炎に込められた魔力はあれは俺がよく慣れ親しんだものだ。
ヴェルスレムの後ろで思わず俺は声を出していた。
「その、その騎士の名はっ」
バーディシャーは俺に視線を向ける。
「・・・ガウェイ」
聞かされた名前に血の気が引く。こんなことになると思わなかった。ガウェイに獣人の集落を守ってほしいとお願いしたとき俺はただ奴隷商人しか想定してなかった。まさかこんな最高位の魔族がガウェイと相対するなんて…俺は一歩前へ出る。
「ガウェイはどうしたんだっ」
「危ないだろう、下がれっ」
途端にヴェルスレムがシャーに向かって剣を構えながらも俺に向かって叫ぶ。
けどそれどころじゃない俺の焦燥をバーディシャーは少し目を見開いて、嗤う。
「・・・殺してやったさ」
自分の足元が崩れ落ちそうな感覚に俺は目の前が真っ暗になった。
ガウェイが?
俺の炎の騎士が…死んだ?
「・・・うそだ」
『シュレイザード』…そういって俺を瞳に映して彼(ガウェイ)は笑う。
目尻を和ませて彼が俺に手を伸ばす。
今無性に声が聞きたくて堪らなくなって。
叫びだしたくなる。
うそだ。うそだ。そんなこと信じない。
「うそだあぁっ!!」
もう一歩足を踏みだした瞬間、足元の影が俺を包んだ。吹き上がるように影が俺の全身に伸びる。
「つっ!!」
「しまったっ!!」
ヴェルスレムの焦ったような顔と駆け寄る姿が目に映る。俺の耳元で声が聞こえた。そしてヴェルスレムを制するように影の手が〝待て″とヴェルスレムに向かってつき出されている。
『言葉遊びで時間をくれて感謝する。』
そして首筋に這わされる熱い舌。
(どうして…)
ピチャリッと肌をつたう生々しい感触といやらしい水音に肌が震える。
(俺はどうして血塗れのバーディシャーに抱きとめられているんだ。さっきまで確かに相対してたのに・・・)
視界の先でヴェルスレムの顔が怒りに染まってる。
『おかげで貴様等の弱点が見えたよ』
バーディシャーは真紅の瞳で辺りを睥睨し、見せつけるように俺の耳を食んで、次いで隷属の首輪の丁度上・・・項(うなじ)にグジュッと吸血鬼の牙が立てられた。
「っああああっっ」
途端に全身を包むのは得も言われない快楽だ。痛みと快楽に体が包まれて一瞬で力が抜ける。ガクリッと膝から力が抜け落ちるのを背後からバーディシャーの力強い腕が俺を支えて抱きとめ、なお俺の血を啜った。
グチュッピチャリックチュッ
「はぁっっ」
頭がくらくらする。酩酊する。
「-・・・甘美だな」
「ふっぅっはぁっぁぁうっ」
息を深く吐いて何とか体の熱を散らそうとしても首筋から全身に広がる快楽が止まらない。思わず俺の首筋に牙を突き立てるバーディシャーの真紅の髪を『止めろっ』とクシャリッと引っ張ると彼は俺の血を吸いながら微笑んだようだった。
ガブッ
「はぅっ」
お仕置きとばかりにより深く強く牙を突き立てられて俺の手から力が抜ける。滑り落ちそうになるその手をバーディシャーは取り、最後に首筋をピチャッと舐めてから顔を離すと俺の手の甲へ口付けた。血の跡が手の甲に残る口付け。
「これほどの血・・・味わったことなどなかった・・・よほどの者だろうなお前は。」
嫣然と笑い。
「おかげで傷が全て塞がった」
そして真紅の瞳であたりを睥睨した。
◆
バーディシャーの腕の中に囚われた人を見て、俺は血が沸騰するのが分かった。
彼の人はくったりと力が抜けてしまったようで、バーディシャーはいっそ丁寧に両手に彼を抱きあげた。
金髪碧眼のアーサー王の姿をした青年が吸血鬼に囚われている姿はヴェルスレムに言い様のない感情を与えた。
ランスロットとモードレッドの魂が焼け付くような憎悪を叫ぶ。
『我が王に触れるなっその御方はお前のような者がふれていい者ではない!!!』
「殺してやるっっ!!!!!」
光の聖剣を振るう己が殺意と憎悪で自分が染まりそうになる。
ヴェルスレムの薄紅の瞳が激情で真っ赤に染まるそれにバーディシャーは余裕の笑みで腕の中の金髪に口付け、
「この者以外・・・聖都に巣食う薄汚い人間共を殺してやろう」
そのバーディシャーの言葉が合図だったのだろう、聖都の宙に漆黒の穴がぽっかりと開く。闇の中で何かがこちらを窺い、蠢いているのがヴェルスレムにも分かった。
When you gaze into the abyss, the abyss gazes into you.
(深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている)
否が応にも圧力は高まり続ける。まるで薄いガラスに灼熱のマグマを注ぐような緊張感―…そこに割って入るように炎の流星が地に落ちた。ヴェルスレムの丁度横、轟々と燃えさかる聖炎はだが誰をも傷つけず其処にある。やがて炎から人が一歩足を踏みだせば吹き飛ぶように炎が消える―…そこから現れた騎士はガウェインだった。
長い真紅の髪を風に流し、黄金の瞳を怒りに滾らせて吸血鬼に囚われた人を見詰める。
「どういうことだっ」
怒りのまま叫べばヴェルスレムも負けじと叫んだ。
「貴様の所為だぞっ殺しても死なないだろう癖に変に心配かけるからだろうがっ」
その言いざまにグッと唇を引き結んだガウェインは眉を寄せて不愉快そうな表情を作る。だが騎士達が言い争う間も空は漆黒に染まり黒雷が空を走り始める。
「おしゃべりはそこまでで良いかな?騎士諸君」
バーディシャーはそして腕の中の彼を大事そうに抱えなおした時だった。その彼がシャーの胸に手を伸ばす。
「んっ」
けぶるように睫毛を震わせて辛いだろうに、顔を上げた健気な姿が美しかった。だが次の瞬間、青年は凛とした声で命じたのだ。人を従わせ、ひれ伏せる力で。
「離せ」
驚きで見開かれたバーディシャーの瞳。その吸血鬼の腕の中で強烈な光の奔流が流れ出でる。
「馬鹿なっ」
焦ったような声と共にバーディシャーの腕からふわりっと宙へ浮かんだ青年の背から真白の羽が生える。アーサー王の背に聖痕の力がそのまま顕現した姿に―…俺はある確信にドクリッと血が騒いだ。
浮き上がった彼がやがて地に足を付けた瞬間、リィンッと清澄なる音が辺りに響いて、それで高度な光魔法が展開されていることに気付く。魔を払い光をもたらすこの魔法を得意とする〝御方”を俺は知っている。カシャンッと彼が囚われていた筈の『隷属の首輪』が地に落ちるのを見たー・・・〝隷属の主゛は〝隷属の僕゛より力が強くなくてはならない。
〝この御方”にこの世の一体誰が首輪をかけられるというのか―・・・
「我が民と 領地を荒らすことは 許さぬ」
“我が民”と俺達を呼べる人はたった一人しかおられない。あの御方は―…俺とガウェインは呆然と魅入った。
一歩彼が歩むごとに光が溢れ、まるでガラス細工が砕け散るかのように彼の姿が割れ、光の欠片が舞い落ちて、そしてその“内側”から〝真の姿″が見えた。
吹き上がる魔力を帯びた風が彼の漆黒の髪をたなびかせて、光は星の色を宿した蒼い瞳。
背には王らしく壮麗な金の飾りの白銀のマントがフワリッと広がる。
ヴェルスレムは喘ぐように口をひらいて、だが声に出すことはできなかった。
ガウェインはも瞬き一つなく焼き付ける様に魅入る。
「聖王の名において闇よ去るが良い!!!!」
閃光がまさにこちらへ吹き出そうとしていた闇すら切り裂いて輝き、その輝きは聖都全体を覆った。
圧倒的な光の魔力に魔は抗う事すら許されず一つ残らず祓われ、空は安寧の青色を取り戻す―…それは聖王の瞳の色。
―・・・王の帰還である。
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読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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