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約束を魔法契約で縛ったのに、彼が覚えていない件!
しおりを挟むかつてフレデリーヌ王国と、オルタナン王国が存在した。
二国は争いが絶えず、競い合うように戦争を起こすオルタナン王国に付き合わされるフレデリーヌ王国も難儀なものだった。
ある日、国境砦を突破したオルタナン王国軍が辺境伯領を横断していると報告が入り、フレデリーヌ王国は混乱に見舞われた。
そこで手を挙げたのは、フレデリーヌ王国第一王女だった。
弟たる王子達は不勉強かつ、文才であった。
それに引き換え、王子や騎士団に代わって、第一王女シェラー女性で組まれた騎士団は多くの苦難を乗り越えてきた。
シェラーの進言を重く受け止めたのち、騎士団長に男を一人入れた騎士団を率いてオルタナン王国軍へ向けて出征した。
夜も休まず行った強行軍によって、オルタナン王国軍は壊滅的打撃を受け、後退した。
だがその代償に先陣を切っていた第一王女と騎士団長は勝利の雄叫びを上げる頃には致命傷を負っていた。
二人で横たわると、騎士団長フレットが徐ろに言葉を張り出す。
「もし来世があったら、結婚を前提に付き合ってはくれませんか?」
「ふっ。期待せずに待っていよう。」
「忘れるかもしれませんから。魔法契約をしておきましょうか。」
「良いぞ。もし忘れていたら、ゲンコツをお見舞いしてくれる。」
「ハハハ。それは良いですね。」
フレットが書き記した内容の後に、名をフルネームで記す。
シェラーの目の前にくると、そこへ一部改変させて『どんなに離れていても、結ばれるだろう。』と綴り、契約に署名する。
魔法契約は結ばれ、急激に襲う眠気に暗転する。
その日、第一王女シェラーの死に、嘆いたフレデリーヌ王によってオルタナン王国を蹂躙し、属国として平定した。
それから数十年が経ち、前世の記憶を持って生まれたシエリアは記憶にこびりつくフレットを思い浮かべて待つことにした。
腕には魔法契約を行った際に刻まれる、自身にしか見えないアザのような印がある。
月日は流れて、今世の魔力が少ないために探れなかった魔力波を感知して、相手の男性を呼ぶと、振り返ってくれた。
「フレットなの?」
「え? あぁシェラー様。やっと会えましたね!この日を待っていました。」
その後、人気の少ない噴水の側へ向かう二人。
「フレット。あの約束、覚えてる?」
「え。僕、何か約束しましたっけ?」
「ふふっ。『来世があったら、結婚を前提に付き合ってください。』って言っていたわよ。」
「えっ、知りませんよ? 何の冗談ですか?」
「え!?」
「ん? 僕って、そんな約束した覚えがないんですよねぇ。」
「………なんで」
「へっ?」
「魔法契約までしたってのに、なんで覚えてないのよー!」
私が焦がれた相手は、微塵も覚えてないようでした。
でも不思議そうに、こちらを見てくる彼だからと思うと何だかなぁと思ってしまう自分がそこにはいた。
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