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クリフがティリアに内密にホルム辺境侯爵家に相談しに行ったことで、それからの茶会やパーティーでは表向き問題は起こる事は無かった。
あるのはティリアが飲む筈だった飲み物に少量の毒物を混入され、肌が荒れたり、具合が悪くなったりと陰湿な事が起こっただけだった。
ティリアは始めの茶会以来、起きる異常を悟らせないため、常に薬などを持ち合わせることで漏らさずに済んでいた。
ただし問題が表面上起きていなかっただけで、ティリアを乗せた馬車を担う御者や普段身の回りの世話をする侍女によって、こっそりと子爵当主には密告されていたが、いつまで経ってもティリアは父親であるクリフに報告することはしなかった。
クリフ自身も情報屋に調べさせるが、実行犯が見つからないので探すことができずにいた。
平民同士と男爵家であれば騎士団に頼めば良いのだが、貴族同士の問題の場合、派閥争いなどがあるため問題が現実化しにくい。
ましてや、グレハラ子爵家と繋がりがある貴族家は主にホルム辺境侯爵家のみである。
そんな頃合いを見計らっての事か、今度はグレハラ子爵夫妻宛てで招待状が転がり込んでくるようになった。
何としてでもティリアに味方する貴族家を見つけようと躍起になるグレハラ子爵家だったが、これがホルム辺境侯爵家の使用人がいれば送ってきた差出人がある種の派閥関係だと知れただろうが、ここには誰もいない事が災いして招待状を受けてしまった。
それから夫妻は毎日同じように出掛けて、屋敷を空ける日々が増えていき、屋敷には使用人とティリアだけが残る日々がほぼ毎日のように変わっていった。
そしてティリアは当主ではないので送られてきた招待状を断る事ができないため、参加せざるを得なかった。
その度に飲み物や食べ物に異物を入れられることが増えた結果、ティリア自身は疲労が溜まり続けた。
それでも両親である夫妻にも、婚約相手であるヴァイトゥルスに心配を掛けまいと、気高く見せるように振る舞い続けた。
しかしどんなに強くあろうと振る舞っても身体が追いつける訳でもなく、体調を崩してしまう頻度が増えていく。
せめて実家である屋敷ではリラックスできるように侍従が務めていたが、遂に倒れてから目覚める事よりも眠る時間が増えてしまった。
事の重大さを知った解放していた執事は侍女に後を任せて子爵夫妻が泊まる別邸に馬を走らせた。
執事はティリアの力になりたい一心で己の伝手を使い、調査に乗り出したり、夫妻へ報告書を送っていたが、何も返事が来る事はなく邪魔されることが多かった。
数刻も走らせた執事は別邸に辿り着くが、子爵夫妻は不在だった。
行き先を使用人から聞き出して、疲れている馬に鞭を打って会場へと向かうのだった。
あるのはティリアが飲む筈だった飲み物に少量の毒物を混入され、肌が荒れたり、具合が悪くなったりと陰湿な事が起こっただけだった。
ティリアは始めの茶会以来、起きる異常を悟らせないため、常に薬などを持ち合わせることで漏らさずに済んでいた。
ただし問題が表面上起きていなかっただけで、ティリアを乗せた馬車を担う御者や普段身の回りの世話をする侍女によって、こっそりと子爵当主には密告されていたが、いつまで経ってもティリアは父親であるクリフに報告することはしなかった。
クリフ自身も情報屋に調べさせるが、実行犯が見つからないので探すことができずにいた。
平民同士と男爵家であれば騎士団に頼めば良いのだが、貴族同士の問題の場合、派閥争いなどがあるため問題が現実化しにくい。
ましてや、グレハラ子爵家と繋がりがある貴族家は主にホルム辺境侯爵家のみである。
そんな頃合いを見計らっての事か、今度はグレハラ子爵夫妻宛てで招待状が転がり込んでくるようになった。
何としてでもティリアに味方する貴族家を見つけようと躍起になるグレハラ子爵家だったが、これがホルム辺境侯爵家の使用人がいれば送ってきた差出人がある種の派閥関係だと知れただろうが、ここには誰もいない事が災いして招待状を受けてしまった。
それから夫妻は毎日同じように出掛けて、屋敷を空ける日々が増えていき、屋敷には使用人とティリアだけが残る日々がほぼ毎日のように変わっていった。
そしてティリアは当主ではないので送られてきた招待状を断る事ができないため、参加せざるを得なかった。
その度に飲み物や食べ物に異物を入れられることが増えた結果、ティリア自身は疲労が溜まり続けた。
それでも両親である夫妻にも、婚約相手であるヴァイトゥルスに心配を掛けまいと、気高く見せるように振る舞い続けた。
しかしどんなに強くあろうと振る舞っても身体が追いつける訳でもなく、体調を崩してしまう頻度が増えていく。
せめて実家である屋敷ではリラックスできるように侍従が務めていたが、遂に倒れてから目覚める事よりも眠る時間が増えてしまった。
事の重大さを知った解放していた執事は侍女に後を任せて子爵夫妻が泊まる別邸に馬を走らせた。
執事はティリアの力になりたい一心で己の伝手を使い、調査に乗り出したり、夫妻へ報告書を送っていたが、何も返事が来る事はなく邪魔されることが多かった。
数刻も走らせた執事は別邸に辿り着くが、子爵夫妻は不在だった。
行き先を使用人から聞き出して、疲れている馬に鞭を打って会場へと向かうのだった。
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