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バレた
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夕食はぶり大根と菜の花のおひたし、それにかぼちゃの味噌汁を作った。和食が食べたいとたろちゃんからリクエストがあったのだ。
普段なら面倒だからリクエストには答えない。自分の好きなものを作る。だって自分の家だから。それがなぜ、こうしてリクエストに応えることになったかというと……。
「まだ痛む?」
「んー……ちょっとね」
赤く腫れ上がった左の頬。保冷剤をハンカチで包んで当てていたけど、まだ腫れは引かない。
たろちゃんがこの状態で帰ってきたのはついさっきのことだ。聞くと、『アヤ』にビンタされたらしい。さすがに不憫に思い、今日はたろちゃんのリクエストに応えることにしたのだ。
「それにしても、なんでビンタなんてされたの」
味がまだ滲みていない大根を頬張る。明日になればもうちょっといい味になると思うんだけど。
「…………」
たろちゃんは、なんとも言えない顔で味噌汁を啜った。その沈黙にドキリとする。もしかして、過干渉だっただろうか。
「あ、言いたくないならいいんだけど……」
慌てて付け足すと、たろちゃんがクスッと笑った。今日初めて見た笑顔だった。
「千春さんが、さ」
やっと話し始めたと思ったら、口から飛び出してきたのは私の名前だった。
「え? わ、私?」
「うん、千春さんが、この前アヤに何か言われたって言ってたじゃん」
「え……? う、うん……」
「今日偶然アヤに会ってさ。だから言ったんだ。『もう彼女に付きまとうな。君とは終わったんだ』って。そしたら、コレ」
そう言ってたろちゃんは、右手を振りかざして空中でビンタの動きをした。
「そんなことを……」
誤解されるようなことを言って。ていうか、『そんなんじゃない』って言うんじゃなかったのか。『千春さんとはそんなんじゃない』って──
また面倒なことになるかもしれない。そう思うと怒ってもいいはずなのに、何故か心音がうるさくなる。
──嬉しいんだ、私……
彼女でもないのに、たろちゃんに守ってもらって特別扱いみたいなことされて……嬉しいんだ。
「……ごちそうさま」
半分以上手付かずのままのおかずを、キッチンにさげた。これ以上、向かい合ってご飯なんて食べられるわけがなかった。私はわかりやすいらしいから、きっと今どんな気持ちかなんて、すぐにバレてしまう。
「あれ? 千春さん、まだ残ってるよ」
「ちょっと食欲なくて……明日食べるよ」
私はたろちゃんと目を合わせないようにして、まだ温かいおかずたちにラップをかけた。
バレちゃいけない。嬉しい、なんて。バレたらややこしいことになる。
「俺のこと好きになっちゃったの? なら出てくね、バイバーイ」たろちゃんの声で脳内再生されたその言葉。彼ならきっと言うだろう。
私は脳内たろちゃんに返事をする。
違う、好きになってない。これはアレだ。最近そういうことの免疫がなくて、久しぶりだったからときめいちゃっただけなんだ。違う、絶対に違う。
脳内たろちゃんが怪しく笑ったところでチャイムが鳴った。いや、その音すら聞こえなくて、現実たろちゃんの「千春さん、チャイム鳴ってるよ」の声でハッと妄想の世界から抜け出した。
「えっ? こ、こんな時間になんだろう」
上擦った声で答えると、パタパタとインターホンまで走った。なんてことはない、宅配便だった。
「すみません、今行きます」
そのままドアを開けると、配達の人が大きいダンボールを抱えて待っていた。一体誰からの何の荷物だろう。手渡しで受け取るとずっしりとした重みを感じた。
「荷物ー? 何か頼んでたの?」
部屋に戻ると、たろちゃんが自分の分の食器を洗っていた。たろちゃんって、すごくナチュラルに優しい。私が気を遣うといけないからか、毎日じゃなく二、三日に一度の頻度で何も言わずに食器を洗ってくれるんだ。掃除機だって、気づいたらかけてくれている。トイレ掃除やお風呂掃除も、だ。
時々本当に、彼が天使のように見える。姿形だけでなく、内面も。けれど違うんだ。彼は悪魔で、絶対に好きになってはいけない人。
「ううん、頼んでない」
なるべく冷静にいつも通りの声で話した。大丈夫、バレてない。
荷物の送り主は母だった。
「なぁんだ」
「ん?」
「ああ、お母さんからだった」
私がそう答えると、たろちゃんはその手をピタリと止めた。ただ水の音だけが、二人の間に流れる。
「どうしたの……?」
「あ、いや──
変な健康器具だったらどうしようかと思って」
ワンテンポ置いて話し出したたろちゃんは、いつもの意地悪顔だった。一瞬感じた違和感はなんだったんだろう。
「そんなの買うわけないでしょ」
「いやぁ、千春さんだったら有り得るね。『もう二十九だし、たるんできたお腹の肉をどうにかしなきゃ~』とか言って。意味のないバカでかいだけの健康器具買うの、俺想像出来る」
くすくすと、それはもう楽しそうなたろちゃん。たしかにテレビショッピングで「ちょっといいな」と思った商品はあるけどさ! でももう今ので絶対買えなくなった。
「ねぇ、笑いすぎ」
左頬の心配なんてするんじゃなかった。後悔半分、苛立ち半分で勢いよくダンボールのガムテープを剥がす。気持ちいいくらいスルりと取れたそれを丸めた後隙間から覗くのは、野菜や米、レトルト食品などだった。
いつもの荷物だ。私が一人暮らしを始めてから、母はこうしてたまに食料を送ってくる。同じ県内に住んでいるものの割と離れているからか、あまり会いに来ることはなかった。電話もよっぽどのことがない限りかけてこない。その代わりにこうやって、ダンボールを送ることで安否を知らせているのだ。
「あ、ラッキー、ホタテの缶詰入ってる。割と高いから買えないんだよね~……あれ?」
次々と中身を取り出していくと、最後の最後、ダンボールの奥底に封筒が入っていた。こんなことは初めてだ。
「どうしたの?」
「──え? ううん、なんでもない」
視線を封筒から外さずに一言だけそう言うと、急いで封を切った。ザワザワと、妙な胸騒ぎがする。
広げた便箋にはこう記してあった。
『千春へ
元気ですか。最近変わりはないですか。』
たったこれだけ。二枚目もあるのかと探したが、入っていなかった。こんな一文を手紙にしたためるなんて、どういう風の吹き回しなんだろう。まぁとにかく、誰かが危篤とかそういう知らせじゃなくてよかった。
安堵すると同時にふと考える。なんだかたろちゃんのことを見透かしているようなタイミングだなぁ、と。
母は昔からそういう所があった。妙に勘がいいというか。そのせいでたくさん苦労をしたのを知っているので、いいこととは思えないけど。
今回のこの手紙も『母の勘』なんだろう。けれどもバカ正直に、『知らない九も下の男と同居してまーす』なんて言えるはずもない。ただでさえ『いまだ独身』ということで心配をかけているのに、こんな事実を知った日には、寝込んでしまうに違いない。
今度電話の一本でもしておこう。そう考えて手紙を封筒に入れ直すと、戸棚の中にしまった。
「ねーえ千春さん」
振り返ったら、鼻が触れるくらいの至近距離にたろちゃんの顔があって、一瞬びくつく。
「なっ……なに!」
「お母さん、なんて?」
「え……?」
「お母さんから手紙だったんでしょ?」
「え、う、うん……」
なんでわかったんだろう。別に隠しているわけではないけど、プライベートを明かさないたろちゃんに対して、自分のことをペラペラと語る気になれなくて、言わなかったのに。
「や、なんか……変わりはないかって。別にフツーのことだよ」
「ふぅん」
たろちゃんは意味ありげに笑う。会話は終わったはずなのに、その場を動こうとはしない。私は戸棚とたろちゃんに挟まれる形で、身動きがとれないでいた。
変な緊張感に包まれる。思わずゴクリと喉がなった。
『なんで……なんで死んだのよ友也ぁ!』
突然見知らぬ女の声が聞こえて、私はテレビが付けっぱなしだったことに気づいた。さっきまで耳にすら入ってこなかった音が、今ではハッキリと聞こえてくる。この音は、ドラマ『君愛』のものだった。
「──母の愛って、いいね?」
私の髪をつぅと触りながら、たろちゃんがゆっくり口を開く。こんなこと思ったことなかったのに、なぜだろう、たろちゃんが怖い。
『母の愛って、いいね?』たろちゃんの言葉とさっき聞こえてきたドラマのセリフが重なる。たろちゃんのお母さんは、もしかして──
言葉の真意を聞こうとまっすぐ彼を見つめ返した時、
ピンポーン
またもやチャイムが鳴った。
「今日はお客さんが多いね」
たろちゃんは一つため息をつくと、ハハと自嘲気味に笑った。そのまま私から離れると、いつもの定位置、ソファーの上に座る。
「出なよ、千春さん」
「……あ、う、うん」
すっかりいつも通り、猫のような伸びをするたろちゃん。大きな欠伸をする彼からは、さっきの異様な雰囲気は感じない。一体なんだったんだろう。何か大切なことを言おうとしていたような気がする。
脱力したままインターホンに向かう。でも本当にたろちゃんの言う通り、今日はお客さんが多い日だ。まさかまた荷物、なんてことはないだろうし、今度は誰が来たんだろう。こんな夜にアポ無しで訪ねてくるのは梨花くらいだけど。なーんて、梨花は今日大切なデートだから来るわけないか。
「はい」
いろいろな思いを抱えながらボタンを押すと、
『ちはるさああああああんっ!!』
部屋中に響き渡るほどの大声で叫んだのは、ここに来るはずがないまさかの人物、梨花だった。
普段なら面倒だからリクエストには答えない。自分の好きなものを作る。だって自分の家だから。それがなぜ、こうしてリクエストに応えることになったかというと……。
「まだ痛む?」
「んー……ちょっとね」
赤く腫れ上がった左の頬。保冷剤をハンカチで包んで当てていたけど、まだ腫れは引かない。
たろちゃんがこの状態で帰ってきたのはついさっきのことだ。聞くと、『アヤ』にビンタされたらしい。さすがに不憫に思い、今日はたろちゃんのリクエストに応えることにしたのだ。
「それにしても、なんでビンタなんてされたの」
味がまだ滲みていない大根を頬張る。明日になればもうちょっといい味になると思うんだけど。
「…………」
たろちゃんは、なんとも言えない顔で味噌汁を啜った。その沈黙にドキリとする。もしかして、過干渉だっただろうか。
「あ、言いたくないならいいんだけど……」
慌てて付け足すと、たろちゃんがクスッと笑った。今日初めて見た笑顔だった。
「千春さんが、さ」
やっと話し始めたと思ったら、口から飛び出してきたのは私の名前だった。
「え? わ、私?」
「うん、千春さんが、この前アヤに何か言われたって言ってたじゃん」
「え……? う、うん……」
「今日偶然アヤに会ってさ。だから言ったんだ。『もう彼女に付きまとうな。君とは終わったんだ』って。そしたら、コレ」
そう言ってたろちゃんは、右手を振りかざして空中でビンタの動きをした。
「そんなことを……」
誤解されるようなことを言って。ていうか、『そんなんじゃない』って言うんじゃなかったのか。『千春さんとはそんなんじゃない』って──
また面倒なことになるかもしれない。そう思うと怒ってもいいはずなのに、何故か心音がうるさくなる。
──嬉しいんだ、私……
彼女でもないのに、たろちゃんに守ってもらって特別扱いみたいなことされて……嬉しいんだ。
「……ごちそうさま」
半分以上手付かずのままのおかずを、キッチンにさげた。これ以上、向かい合ってご飯なんて食べられるわけがなかった。私はわかりやすいらしいから、きっと今どんな気持ちかなんて、すぐにバレてしまう。
「あれ? 千春さん、まだ残ってるよ」
「ちょっと食欲なくて……明日食べるよ」
私はたろちゃんと目を合わせないようにして、まだ温かいおかずたちにラップをかけた。
バレちゃいけない。嬉しい、なんて。バレたらややこしいことになる。
「俺のこと好きになっちゃったの? なら出てくね、バイバーイ」たろちゃんの声で脳内再生されたその言葉。彼ならきっと言うだろう。
私は脳内たろちゃんに返事をする。
違う、好きになってない。これはアレだ。最近そういうことの免疫がなくて、久しぶりだったからときめいちゃっただけなんだ。違う、絶対に違う。
脳内たろちゃんが怪しく笑ったところでチャイムが鳴った。いや、その音すら聞こえなくて、現実たろちゃんの「千春さん、チャイム鳴ってるよ」の声でハッと妄想の世界から抜け出した。
「えっ? こ、こんな時間になんだろう」
上擦った声で答えると、パタパタとインターホンまで走った。なんてことはない、宅配便だった。
「すみません、今行きます」
そのままドアを開けると、配達の人が大きいダンボールを抱えて待っていた。一体誰からの何の荷物だろう。手渡しで受け取るとずっしりとした重みを感じた。
「荷物ー? 何か頼んでたの?」
部屋に戻ると、たろちゃんが自分の分の食器を洗っていた。たろちゃんって、すごくナチュラルに優しい。私が気を遣うといけないからか、毎日じゃなく二、三日に一度の頻度で何も言わずに食器を洗ってくれるんだ。掃除機だって、気づいたらかけてくれている。トイレ掃除やお風呂掃除も、だ。
時々本当に、彼が天使のように見える。姿形だけでなく、内面も。けれど違うんだ。彼は悪魔で、絶対に好きになってはいけない人。
「ううん、頼んでない」
なるべく冷静にいつも通りの声で話した。大丈夫、バレてない。
荷物の送り主は母だった。
「なぁんだ」
「ん?」
「ああ、お母さんからだった」
私がそう答えると、たろちゃんはその手をピタリと止めた。ただ水の音だけが、二人の間に流れる。
「どうしたの……?」
「あ、いや──
変な健康器具だったらどうしようかと思って」
ワンテンポ置いて話し出したたろちゃんは、いつもの意地悪顔だった。一瞬感じた違和感はなんだったんだろう。
「そんなの買うわけないでしょ」
「いやぁ、千春さんだったら有り得るね。『もう二十九だし、たるんできたお腹の肉をどうにかしなきゃ~』とか言って。意味のないバカでかいだけの健康器具買うの、俺想像出来る」
くすくすと、それはもう楽しそうなたろちゃん。たしかにテレビショッピングで「ちょっといいな」と思った商品はあるけどさ! でももう今ので絶対買えなくなった。
「ねぇ、笑いすぎ」
左頬の心配なんてするんじゃなかった。後悔半分、苛立ち半分で勢いよくダンボールのガムテープを剥がす。気持ちいいくらいスルりと取れたそれを丸めた後隙間から覗くのは、野菜や米、レトルト食品などだった。
いつもの荷物だ。私が一人暮らしを始めてから、母はこうしてたまに食料を送ってくる。同じ県内に住んでいるものの割と離れているからか、あまり会いに来ることはなかった。電話もよっぽどのことがない限りかけてこない。その代わりにこうやって、ダンボールを送ることで安否を知らせているのだ。
「あ、ラッキー、ホタテの缶詰入ってる。割と高いから買えないんだよね~……あれ?」
次々と中身を取り出していくと、最後の最後、ダンボールの奥底に封筒が入っていた。こんなことは初めてだ。
「どうしたの?」
「──え? ううん、なんでもない」
視線を封筒から外さずに一言だけそう言うと、急いで封を切った。ザワザワと、妙な胸騒ぎがする。
広げた便箋にはこう記してあった。
『千春へ
元気ですか。最近変わりはないですか。』
たったこれだけ。二枚目もあるのかと探したが、入っていなかった。こんな一文を手紙にしたためるなんて、どういう風の吹き回しなんだろう。まぁとにかく、誰かが危篤とかそういう知らせじゃなくてよかった。
安堵すると同時にふと考える。なんだかたろちゃんのことを見透かしているようなタイミングだなぁ、と。
母は昔からそういう所があった。妙に勘がいいというか。そのせいでたくさん苦労をしたのを知っているので、いいこととは思えないけど。
今回のこの手紙も『母の勘』なんだろう。けれどもバカ正直に、『知らない九も下の男と同居してまーす』なんて言えるはずもない。ただでさえ『いまだ独身』ということで心配をかけているのに、こんな事実を知った日には、寝込んでしまうに違いない。
今度電話の一本でもしておこう。そう考えて手紙を封筒に入れ直すと、戸棚の中にしまった。
「ねーえ千春さん」
振り返ったら、鼻が触れるくらいの至近距離にたろちゃんの顔があって、一瞬びくつく。
「なっ……なに!」
「お母さん、なんて?」
「え……?」
「お母さんから手紙だったんでしょ?」
「え、う、うん……」
なんでわかったんだろう。別に隠しているわけではないけど、プライベートを明かさないたろちゃんに対して、自分のことをペラペラと語る気になれなくて、言わなかったのに。
「や、なんか……変わりはないかって。別にフツーのことだよ」
「ふぅん」
たろちゃんは意味ありげに笑う。会話は終わったはずなのに、その場を動こうとはしない。私は戸棚とたろちゃんに挟まれる形で、身動きがとれないでいた。
変な緊張感に包まれる。思わずゴクリと喉がなった。
『なんで……なんで死んだのよ友也ぁ!』
突然見知らぬ女の声が聞こえて、私はテレビが付けっぱなしだったことに気づいた。さっきまで耳にすら入ってこなかった音が、今ではハッキリと聞こえてくる。この音は、ドラマ『君愛』のものだった。
「──母の愛って、いいね?」
私の髪をつぅと触りながら、たろちゃんがゆっくり口を開く。こんなこと思ったことなかったのに、なぜだろう、たろちゃんが怖い。
『母の愛って、いいね?』たろちゃんの言葉とさっき聞こえてきたドラマのセリフが重なる。たろちゃんのお母さんは、もしかして──
言葉の真意を聞こうとまっすぐ彼を見つめ返した時、
ピンポーン
またもやチャイムが鳴った。
「今日はお客さんが多いね」
たろちゃんは一つため息をつくと、ハハと自嘲気味に笑った。そのまま私から離れると、いつもの定位置、ソファーの上に座る。
「出なよ、千春さん」
「……あ、う、うん」
すっかりいつも通り、猫のような伸びをするたろちゃん。大きな欠伸をする彼からは、さっきの異様な雰囲気は感じない。一体なんだったんだろう。何か大切なことを言おうとしていたような気がする。
脱力したままインターホンに向かう。でも本当にたろちゃんの言う通り、今日はお客さんが多い日だ。まさかまた荷物、なんてことはないだろうし、今度は誰が来たんだろう。こんな夜にアポ無しで訪ねてくるのは梨花くらいだけど。なーんて、梨花は今日大切なデートだから来るわけないか。
「はい」
いろいろな思いを抱えながらボタンを押すと、
『ちはるさああああああんっ!!』
部屋中に響き渡るほどの大声で叫んだのは、ここに来るはずがないまさかの人物、梨花だった。
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