満智子の嗜み

菅野鵜野

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2.覚醒

1.通販

 
 一度、嗜みの甘味を覚えてしまった体はもう、次の甘味を求めて疼き続けて仕方がない。

 私はまた、通販サイトで、若い子が着るような大胆なホットパンツを注文した。
 
 ジーンズ地で、お尻のラインはもう抉れてて、ちょっとお股の辺りは緩めなデザインなので、屈んだらもう、ドイツの森の奥まで見えてしまいそう。

 こんなの、まともな生活を送っている女が太陽の下で着るような服ではないわ。

 でも……大胆に胸元が開いたオーバーデザインのニットと合わせて、生足のまま、ニーハイブーツを履いて、ニット地のロングコートを羽織って、私は打ち合わせに行った。

 ライター仕事は家作業が中心で、気晴らしだったり、ここぞと集中したいときにカフェを使う程度。

 でも、嗜みを知ってからは、ちょっと過激な記事も引き受けるようになっていた。

 今日はそんなクライアントから、動画の台本の打ち合わせをしたいと依頼があり、都心のカフェで待ち合わせることになっていたのだった。



 編集者が昔から好んで使いそうな、昭和臭のするカフェ。

 こんなレトロな場所、まだ新宿にあったなんて。

 鰻の寝床のように縦に長い店内の、奥の角席は、入口からは柱が邪魔になって見えない。

 でも、彼がその席をと指定してきたのだからと、先に着いた私は パソコンを広げて待っていた。

 依頼通りの台本は九分九厘できていた。読み返してもジュンジュンするくらい、エロい内容。

 組んでいた筈の足もいつしか解けて、前のめりになってパソコンの画面を覗いている私の乳房は、だらしなく広がっているニットの胸元から丸見えになっているだろうけど、私は夢中で自分の文章を読み返していた。

「あら」

 ふと気配に気がついて顔を上げると、待ち合わせ相手の編集者が、呆然と立ち尽くしていた。

 彼の目が私の胸に注がれていることは、その無遠慮な視線ですぐに知れた。

「あ、え、すみません、お呼び立てしながら遅くなってしまって」

「よろしくてよ。お送りした台本は目を通していただけまして? 」

「ええ、素晴らしい出来栄えです」

 まだ30にはなっていないわね。若々しくて、ちょっと幼くさえ見える彼は、編集者といっても雑誌社のそれではなく、大学の仲間で起こしたイベント会社の編集担当、にすぎない。

 よく見ると涼しげな二枚目で、育ちも良さそう。こんな大胆なネタ、本当に読めたのかしら。

「先生の作風、グッと大胆になりましたね」

「そうかしら」

「ええ。それに……以前の恋愛動画の脚本からは、こんなに色っぽい方だとは想像できませんでした」

 ん? と首を傾げる私に、彼は慌てて手を振って否定した。

「あ、いえ、その……凄くお堅い方なのかと……」

「あら、今は緩いとでもおっしゃりたいのかしら」

 私は面白がって、足を少し開いて見せた。

 ソファは座面が深くて、ちょっと膝が浮いてしまう。だから、少し足を広げただけで、ホットパンツの奥が見えてしまう筈。

 左肩を少し落とすように腕を組んで、もっと足を開いてあげると、彼はゴクリと唾を飲み込んだ。

 ニットがだらしなく肩から滑り落ち、左のお乳の膨らみがはっきりと見える筈。

「先生は、下着はつけない……タイプで」

「ええ」

 柱の死角に頭を預けるようにして腰をずらし、私はもっと大胆に足を開いた。

 彼はもう我慢できないとばかりに私の隣に回り込んできた。

 二人並んだとて、ここは死角。カウンター席からも離れているから、お店の人たちからも見えない。しかも、御誂え向きに、私たちの席の通路側には大きな観葉植物が置かれている。

 粋な計らいね。

「先生、オッパイ、大きいんですね。だから、主役の女も巨乳なんだ」

「揺れる描写、これでよかったかしら」

 すると彼は、大胆に私の胸元から手を差し入れて、お乳をまさぐった。

「ええ、ちょうどこんな感じの表現で、素晴らしいかと……でも、女の人のあそこは、オッパイ揉むだけで本当にあんなに濡れるんですかね」

「どうかしら」

 彼の手を取って、私はホットパンツのクロッチの脇から、ドイツの森へと誘った。

「え、ノーパン……」

「煩わしいの、嫌いなのよ」

「ホントだ……ビショ濡れになるんですね。ヒクヒクして、いやらしい……」

 彼は私の手を掴むと、自分の股間に誘った。

「あら、ご立派だわ。これをどうなさるのかしら」

「台本だと、このままあなたを僕の膝に……でもさすがにここでは」

 躊躇うなんて、可愛いわね。

「私のお万様をここまで濡らしておいて、逃げは許さないわ」

 私は腰が引け始めた彼のズボンのファスナーを下ろし、もうギンギンに光り輝いているそのご立派なお魔羅様を空気に晒して差し上げたわ。

 涼しげな顔からは想像もつかないような、黒々とした大きなお魔羅様。この子、本当は遊んでいるのかしら。

 私は狼狽える彼にお尻を向けるようにして、その膝の上に座った。

 そして、クロッチをずらして、その黒光りするものをいきなり自分のドイツの森の泉に沈めた。

「そ、そんな……」

 すぐには全部飲み込めないわ。軽く腰を揺さぶって慣らしてから、一気に飲み込んで差し上げた。

「うっ……やばい……」

「あら、よろしくてよ。ぴったり収まりますわ。台本の京子は、こうして初めてあった男の膝に、よろけたと見せかけて座りますでしょ。何せ下着は何もつけていないミニスカート姿ですから、そのままツプリと、そう、ちょうどこんな具合……ああ、いいわ。台本通りよ」

 京子に股がられて絶句した慶一郎のように、彼も絶句して狼狽まくっている。

 と、いいながら、何かしら、この腰使いは。

「あら、突いてくださるのね、よろしいわ……ああ、お万様が、よろしくてよ……」

「その言い方……それがまた、エロくて好き……」

 長いお魔羅を背面座位で飲み込めば、女の想い通りの場所にあたるもの。

 台本の中での京子がそうしたように、私もお臍の下を前後にどうしようもなく揺らして、中でかき回される心地よさを堪能した。

「やば、やばい……先生、俺、もうダメ……」

「だらしないわね。ほら、もっと致しなさいな。もっとよ、もっと……」

 いけない、声が漏れる……私はハンカチを噛んで呻きながら腰を使った。

「待って、待って……このままじゃ嫌だ……」

 私を突き放すようにして立ち上がった彼は、いきなり私の手を取るなり、店の裏口から外へと連れ出した。

 そこはビルの谷間の通用口で、両隣のスナックのビール箱も積み重なって放置されていた。

 彼は薄汚いビルの壁面に私の手をつかせて、ホットパンツのヒップラインをなぞるなり、いきなりクロッチの脇から膨張し尽くしているそれを沈めた。

 ああ、太ももを伝って泉から雫が滴るわ……後ろから、彼は乱暴に突き尽くした。

 ガンガン突かれると本当は痛いのよ。

 でも、台本の京子のように、私も裏ぶれたビルの陰で乱暴にされて、すっかりその気になってしまっている。

 後ろから彼は乳も揉むし、あろうことか、ホットパンツの前ファスナーを開けて、私のお豆様まで弄び始めた。

「ああ、何これ……いいわ、後ろって、こんなに良かったかしら……」

「あまり、好きではなかったんですか? 」

「ええ……でもいいわ、もっと、もっとお突き遊ばせ、奥まで、乱暴になさって……そうよ、ああん、あん、ああ」

「エロい声出さないでください……てかいうか、先生の声、動画に使わせて」

「ダメよ、ああんっ……ああ、もっと奥よ、凄いわ、よろしくてよ、よろし……ああっ、お豆ぇぇ、お豆擦ってぇ」

「その声、やっぱり使わせて……そうじゃないと」

 彼はピタリと動きを止めた。いや、動きを止めた彼のほうが苦しい筈。

 私はぐちゃりぐちゃりと音を立てるように、自分で腰を旋回させた。

「ああ、ダメです、先生っ、お万様が余計に絡みすぎて……」

「意地悪を言うからよ。ほら、どうなさるの」

 ぬっちよぬっちょとかき回すと、ピシャーとばかりに雫が放たれた。

 ああ、なんていやらしいのかしら……野蛮で、下品で、最高よ。

 彼は辛抱たまらんとばかりに、また激しいピストンを始めた。

「若いっていいわ……ああ、いく、いいのよっ、いいっ、いいわっ」

 水遊びのように、私のドイツの森は泡を吹いて水音を立てた。

 雑踏の賑わいは遠く、肉がぶつかる卑猥な音と、私の喘ぎ声だけが響く。

「俺も、もう……」

「お逝きなさい、お逝きなさって……お魔羅様で私のお万様を、もっと、もっとお突き遊ばせ!!  」

「ああっ、ぐぅ……先生のお万様、ねちゃねちゃに絡むぅぅ……気持ちよすぎ……やばいっ」

「ああっ、なんてことっ、もう、ああん、あんっ、いっく、いっく、いっぐぅぅぅ!!  」

「先生!!  」

 彼は私を突き飛ばしてお魔羅様を抜き、ピルの壁に向かって勢いよく分身を放った。

「何てことかしら……」

 腰が抜けてしまったように、私はずるりとしゃがみこんだ。



「では、また連絡申し上げます……いや、まだあのページの実証が……」

 トイレをお借りしてドイツの森を清拭しても、撒き散らしたメスの臭いは取れないようで、カフェを出た後も、名残惜しいとばかりに彼はついてきた。

 私ったら、その後雑居ビルの非常階段でも、居酒屋の個室でも致してしまったわ……。

 でも長く続くと嗜みではなくなる。

 だから、もう二度と打ち合わせはしないと言って、振り切るようにして電車に飛び乗った。


 電車の中でも、イケナイお指に弄られてしまって、声が枯れるほど喘いでしまったけれど……。

  

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