黒猫奇譚<キミと歩む壊れたセカイ>

すてら

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1章 私が彼に出会うまで。

私の好物がチョコなので。

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薄ら寒く感じる空気の中、雑木林ぞうきばやし近くのうちの庭に子猫が転がっていた。



足をやってしまっていた様で上手く立てないみたいだ。体も酷くやせ細っている。
目は開かずのままだが、かろうじてたまに鳴いている。……けれど。



「どうしよう……。こんな時間に診療所やってない……!!」


私は動物が好きでふわふわでありながら知的な猫は特に気に入っていた。
……犬派に喧嘩けんかは売ってませんよ……??


ゲフンゲフン。話を戻して。

そう。田舎は出張しゅっちょう動物病院なんて便利な物など存在しない。そして経営者がご老体ろうたいな為に、いんを閉める時間ですら早い。

放置して何もせずにいれば死んでしまう子猫を見て、どうして見捨てられようか。

動物なんて憧れはあれども扱ったことなど無い。迷いは多少あったけれど命の前では無意味だと自分を一喝いっかつして、必要なものを用意した。

幸い、救急道具は揃っているし、ネットで調べれば推奨すいしょうこそされないが、牛乳を薄めれば与えていいと書いてあったのでそれを参考にする。

栄養はどうしたらいいか、とりあえず昔に習ってをあげてみることにする。推定すいてい生後2ヶ月ほどで誤飲も気になるからすり潰さなければならないが。

ああ、どうか死なないで……。
そんな思いで数日を過ごした。

院に見せたら幸いなことに感染症にはかかっておらず、栄養失調と前足の怪我けがさえどうにかなれば元気になる。との事。

私は人知れず緊張していたらしい。
それを聞いてほっと胸を撫で下ろしたのだから。

そこから、子猫が私に懐いてしまった。

すりすりと私の足に擦り寄る姿はとても小さく踏んでしまわないか不安になるほどはかなくて、なんとなく。

ふと何となくだったけれど。
その子猫は居場所を探し彷徨っさまよ ているように見えたのだ。

「……おまえ、家にこのまま居るかい?」



……いや、猫に何言ってるんだとは思っているよ。むしろ何様だとかさ。

話していると、あまりにもその猫の瞳が真剣なんだ。
通じているように見えても仕方ないと思うの。

結果はどうか分からないが、猫は小さくポテッとお座りをしてにゃあ。と一声鳴いた。

そこから自分とその1匹の短くも長いの関係は始まった。


「名前……名前どうするか……」

チョコっぽい色だし……。

「うーん……チョコ……、トリュフ……ゴマだんご……いや、しっくり来ない……。」

名付けを考えている最中に疲れたのか眠りこけた子猫を見ながら、その顔を観察する。

……なんか凛々しいな。うん。

「お前の名前は、今日からカカオだよ。私は仁海ひとみ!宜しくね。」

そう言って軽くあごをくすぐった。


……名付けてすぐ、呼ぶ機会なんて早々に無くなってしまったのだけれど……。


彼の名前はになった。


꙳★*゚꙳★*゚꙳★*゚。。°°。。ヘ(。`・з・)_。。


さてさてさて!
やっっと本編序盤に入ります!!

主人公食いしん坊なのかな……名前が全部食べ物……。

短編では描かれていない描写やドシリアス爆弾!そしてちゃっかり考えていたもうひとつのルート等など、たっっくさん盛り込んでいきますよぅ!!(。=`ω´=)ふん!♬︎
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