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勇者クラフティ編
第11話「今日は何の日?それぞれの悩み事」③
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今日のカフェ「ルーヴル」の手伝いが終わり、一悟達は帰路へ着く。
「お疲れ様、また明日もよろしくね。」
「「「お疲れ様ーっ」」」
シュトーレンは一悟達が見えなくなるまで手を振った後、ガレットの方を振り向く。
「親父…コレ、どーゆー意味?(男声)」
シュトーレンが手に持っているモノ…それは、サドンデスソースの瓶…
「そ、それは…ていうか、厨房のカレンダーなんだけど…5日に丸がついているって事は…」
「話を逸らすなっ!!!!(男声)」
「あーっ!!!セーラ、メイド服からおっぱいこぼれてるーーーーっ!!!!!」
突然の大声に胸を押さえる娘を尻目に、大勇者は住居スペースの玄関へ逃げ出した。
「あの人…そんなの完食したのかよ…」
帰り道、みるくからの話を聞いた一悟と雪斗は、アントーニオの話に驚きを隠せない。
「そう言えば、勇者様…困っていたからなぁ…」
アントーニオが何者なのかは、一悟達は知らない。しかし、一悟の父親と一緒に仕事をしているイタリア人であるという事だけは知っている。
「ところで、ユキくん…治療の方は?」
「あぁ、ゴールデンウィーク中には元の氷見雪斗に戻れるって僧侶様が言ってた。それまでには、ユキも機嫌を直してくれるといいんだけどな?」
「そういや、あずきも明日は部活が終わったら来るってさ。元に戻ったら、また練習できるぜ?」
「それは楽しみだな…」
今夜の雪斗は、みるくの家に泊まる事になった。今朝の一悟と一華の姉弟ゲンカがトラウマになったのか、今夜ばかりは流石にみるくの所へ身を寄せることに決めたらしい。
「ただいまー!」
「お…お邪魔します…」
家には既にみるくの父親・桂がおり、夕食を作っていた。
「おかえり、みるく。今日はお友達も一緒なのか?」
「そうなの。この子は雪ヶ谷ヒミカちゃん。親からの虐待で家に帰れないから、あたしが一晩預かることになったの。」
「は…はじめまして…」
「はじめまして、みるくの父の桂です。こんな可愛い子を虐待するなんて、あまりにも自分勝手すぎるな。でも、その話は我夢が帰ってきてからしよう。みるくと一緒に手を洗ってきなさい。夕食の準備ができたからね?」
みるくの父はそう言いながら、ウインクをする。結婚前に特撮ヒーロー番組「ミラクルマンテール」で主演を務めていたこともあり、今でもミラクルマンシリーズのファンからサービスを要求されている。そのため、そのサービス精神が長年しみついてしまったようだ。彼もそのヒーローを演じたことを誇りに思っており、リビングには彼が演じたミラクルマンテールと、ライバルのミラクルマンアズールのフィギュアが飾られている。
「ただいまー!!!」
米沢家の夕食が始まろうとしているところで、みるくの兄の我夢が帰ってきた。昨日は授業の後に東京の大型ディスカウントストア・ポンキホーテで夜遅くまでバイト、カプセルホテルで一夜を明かし、今日も今朝から昼までバイト。我夢が家に戻るのは2日ぶりである。
「お兄ちゃん!おかえりなさーい!!!」
「みるく、友達が来ているんだってな?食事の時、話を聞かせてくれよ。」
他愛ない兄妹の会話に、雪斗は心なしか自身の弟と妹が恋しく感じた。だが、元の氷見雪斗に戻れない限り、双子の弟と妹には会えない…
やがて我夢がリビングにやってきて、雪斗を交えた米沢家の夕食が始まる。みるくの父の料理は殆ど亡き妻が残したレシピ集を参考に作っているのが殆どであるが、今日は「ミラクルマンテール」でライバル役として共演した俳優・高瀬一誠から教わったビーフカレーが食卓に並んでいる。
「そう言えば、昨日…大学からバイトに行く途中、変な事件があったんだ。」
「変な事件?」
兄の昨日の話に、みるくは思わず首をかしげる。
「通り道に小学校があるんだけど、その小学校の近くにエンジンが点いたままの黒いフェラーリがドアを明けたままで乗り捨てられていたんだ。駐停車禁止の場所だったし、警察を呼んで、見てもらったけど、未だに運転手は見つかってないんだ。財布とか貴重品から、身元は割り出せたらしいけど…誰であるのかは、知らせられないって…」
「そう言えば、W大法学部のキャンパス近隣は今川家が…」
「むぐっ…」
みるくの父の口から「今川家」が出た瞬間、雪斗は食べているカレーをのどに詰まらせた。
「だ、大丈夫?」
「どうした?水を飲むか?」
「大丈夫…です…」
ドーナツカオスイーツの中へ吸い込まれた時、一悟から言われた事を思い出す。確かに彼らは、自分にとって不都合な事は全て金の力でもみ消してきた。恐らく、みるくの兄が言っている消えたフェラーリの運転手も彼らの関係者なのだろう…雪斗はそう確信した。
「へーっ…みるくのお母さんって、メイプルズのKAEDEだったんだ。」
「そうなの。パパとは、「ミラクルマンテール」で共演したのがきっかけなんだって。ママは非常勤のオペレーター役だったんだけど…」
夕食が終わりみるくは、突然雪斗から入れ替わったユキと入浴をしていた。恐らく、ユキ自身にみるくと2人きりで話したい事が山ほどあったのだろう。
「でも、ユキくん…機嫌が悪いって…」
「だって、おとといさぁ…取り調べの時も、触診の時も僕を呼び出してくるんだもん!!!もうしつこくて、しつこくて…」
突然のユキの愚痴に、みるくは納得するしかなかった。
「そう言えば、ユキくんの誕生日は今月の9日だよね?」
「うん…しつこくカレンダー見ていたから、初めて家族やファンクラブの子達以外にお祝いしてもらえるの…楽しみなんじゃないかな?でも、厨房のカレンダーには5日に丸がついてた…」
話は厨房のカレンダーにあった謎の印にシフトしていく。普段なら予約は何時に誰が何人で来るか書いてあり、定休日は赤ペンで丸がつけてある。しかし5日には緑色のペンで丸がつけてあるだけで、他には何も書いていなかった。
「いっくんは8月だし、あたしは11月…あずきちゃんは3月で、勇者様は12月のクリスマス…」
「大勇者様は免許証で見たけど、1月6日。僧侶様は4月12日って言ってた。そうなると…」
2人には該当する人物が段々と絞り込めてくる…
一方、一悟は…
「一悟…その下妻先生って、誕生日いつ?」
姉から担任の先生の誕生日を聞かれていた。
「し…知らねぇよ!大体、何で姉ちゃんが下妻先生の誕生日知ろうとしてんだよ!!!」
「前々からカッコいいって思ってたんだよねー…カンでもいいから教えろー…」
姉からの言葉にたじろぐ一悟だが、不意に厨房のカレンダーの謎の印を思い出した。
「明後日!!!明後日の5日が先生の誕生日っ!!!!!」
「えっ…叔父様の誕生日が知りたいんですの?」
翌日、弓道部の練習が終わって来店してきたあずきに、一悟がムッシュ・エクレールの誕生日を聞き出している。当の本人は、今日も美化委員の仕事で学校で草むしりをしている。
「あぁ…俺の姉ちゃんが昨日、美化委員の仕事をしている先生を見て惚れちゃってさぁ…」
「な、なんて物好きな…」
「それな!」
「叔父様の誕生日は6月26日。お母様が言うには、教会の時計塔に雷が落ちた直後に生まれたとのことですわ。」
「そっか…サンキュ♪ケーキ持ってくるよ。」
そう言うと、一悟はあずきの座っているテーブルから離れた。
「大勇者様…カレンダーにある5日の丸印ですけど…」
みるくは厨房でシフォンケーキに使うメレンゲを泡立てながら、チャーハンを作っているガレットに声をかけた。
「5日の丸印?あぁ…それはね…」
「ガンッ!!!!!!!」
ガレットの頭上に一斗缶が炸裂した。一斗缶を食らった大勇者の背後には、娘が立っている。
「親父…余計な事を言わないように…(男声)」
「ひどいなぁ…こーゆー時はタライでしょ?」
ドリフのコントかよ…チャーハンを炒め終えたガレットは、いったん火を止める。
「てか、本人にはヒミツにしてるんだから、軽々しく喋らないでよ…」
「んじゃ、こっちは軽々しく喋っていいって事っしょ?」
「…?」
大勇者は、きょとんとする娘のメイド服のスカートをつまみ、そこから頭を入れて中を覗き込む。
「純白レースとか、たまにはセーラも可愛らしいの穿くんだねぇー…」
「お~~~~~や~~~~~じぃ~~~~~~~~(男声)」
ガレットの頭上に再び一斗缶が炸裂する間に、ラテは急いでチャーハンを盛り付ける。
結局、一悟達は5日の丸印の意味が分からないまま、当日を迎えてしまった。一悟達はカフェ「ルーヴル」に向かうが、そこには「臨時休業」の文字…
「警察から連絡入ったのよ…きょう未明に瀬戌駅に巨大な柏餅の化け物が現れたって…」
カフェを臨時休業にせざるを得なかったため、シュトーレンの機嫌は悪い。
「そういえば、昨日の瀬戌駅着の最終列車って…0時58分だったよね?伊勢咲方面、北瀬戌行きの…」
大勇者の言葉に、みるくが不意に血相を変える。
「お兄ちゃんっ!!!!!」
「みるく、心当たりがあるの?」
全員の視線がみるくに集中する。
「お兄ちゃん…昨夜その時間に瀬戌駅に着くから、駅からはタクシーで帰るって連絡が…」
「親御さんはこの事を知ってるのか?」
「パパは昨日から映画のロケで大洗に行ってて…パパにも問い合わせたけど、パパもお兄ちゃんと連絡がつかないって…」
みるくのその言葉に、最悪の状況がカフェ「ルーヴル」にいる者達の頭の中をよぎる。それと同時に、ガレットのスマホからLIGNEの通知音が響く。
「今、僧侶ちゃんからLIGNEが来た。柏餅のカオスイーツは、柏の葉をばら撒きながら瀬戌警察署方面に低速で進んでる。国道16号線、日光街道は一部区間閉鎖。救急車は国道沿いの病院に搬送できなくて、大混乱…行くぞ、マジパティ!!!」
ガレットの言葉に、一悟達はブレイブスプーンを構える。
「「「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!!!」」」
「お疲れ様、また明日もよろしくね。」
「「「お疲れ様ーっ」」」
シュトーレンは一悟達が見えなくなるまで手を振った後、ガレットの方を振り向く。
「親父…コレ、どーゆー意味?(男声)」
シュトーレンが手に持っているモノ…それは、サドンデスソースの瓶…
「そ、それは…ていうか、厨房のカレンダーなんだけど…5日に丸がついているって事は…」
「話を逸らすなっ!!!!(男声)」
「あーっ!!!セーラ、メイド服からおっぱいこぼれてるーーーーっ!!!!!」
突然の大声に胸を押さえる娘を尻目に、大勇者は住居スペースの玄関へ逃げ出した。
「あの人…そんなの完食したのかよ…」
帰り道、みるくからの話を聞いた一悟と雪斗は、アントーニオの話に驚きを隠せない。
「そう言えば、勇者様…困っていたからなぁ…」
アントーニオが何者なのかは、一悟達は知らない。しかし、一悟の父親と一緒に仕事をしているイタリア人であるという事だけは知っている。
「ところで、ユキくん…治療の方は?」
「あぁ、ゴールデンウィーク中には元の氷見雪斗に戻れるって僧侶様が言ってた。それまでには、ユキも機嫌を直してくれるといいんだけどな?」
「そういや、あずきも明日は部活が終わったら来るってさ。元に戻ったら、また練習できるぜ?」
「それは楽しみだな…」
今夜の雪斗は、みるくの家に泊まる事になった。今朝の一悟と一華の姉弟ゲンカがトラウマになったのか、今夜ばかりは流石にみるくの所へ身を寄せることに決めたらしい。
「ただいまー!」
「お…お邪魔します…」
家には既にみるくの父親・桂がおり、夕食を作っていた。
「おかえり、みるく。今日はお友達も一緒なのか?」
「そうなの。この子は雪ヶ谷ヒミカちゃん。親からの虐待で家に帰れないから、あたしが一晩預かることになったの。」
「は…はじめまして…」
「はじめまして、みるくの父の桂です。こんな可愛い子を虐待するなんて、あまりにも自分勝手すぎるな。でも、その話は我夢が帰ってきてからしよう。みるくと一緒に手を洗ってきなさい。夕食の準備ができたからね?」
みるくの父はそう言いながら、ウインクをする。結婚前に特撮ヒーロー番組「ミラクルマンテール」で主演を務めていたこともあり、今でもミラクルマンシリーズのファンからサービスを要求されている。そのため、そのサービス精神が長年しみついてしまったようだ。彼もそのヒーローを演じたことを誇りに思っており、リビングには彼が演じたミラクルマンテールと、ライバルのミラクルマンアズールのフィギュアが飾られている。
「ただいまー!!!」
米沢家の夕食が始まろうとしているところで、みるくの兄の我夢が帰ってきた。昨日は授業の後に東京の大型ディスカウントストア・ポンキホーテで夜遅くまでバイト、カプセルホテルで一夜を明かし、今日も今朝から昼までバイト。我夢が家に戻るのは2日ぶりである。
「お兄ちゃん!おかえりなさーい!!!」
「みるく、友達が来ているんだってな?食事の時、話を聞かせてくれよ。」
他愛ない兄妹の会話に、雪斗は心なしか自身の弟と妹が恋しく感じた。だが、元の氷見雪斗に戻れない限り、双子の弟と妹には会えない…
やがて我夢がリビングにやってきて、雪斗を交えた米沢家の夕食が始まる。みるくの父の料理は殆ど亡き妻が残したレシピ集を参考に作っているのが殆どであるが、今日は「ミラクルマンテール」でライバル役として共演した俳優・高瀬一誠から教わったビーフカレーが食卓に並んでいる。
「そう言えば、昨日…大学からバイトに行く途中、変な事件があったんだ。」
「変な事件?」
兄の昨日の話に、みるくは思わず首をかしげる。
「通り道に小学校があるんだけど、その小学校の近くにエンジンが点いたままの黒いフェラーリがドアを明けたままで乗り捨てられていたんだ。駐停車禁止の場所だったし、警察を呼んで、見てもらったけど、未だに運転手は見つかってないんだ。財布とか貴重品から、身元は割り出せたらしいけど…誰であるのかは、知らせられないって…」
「そう言えば、W大法学部のキャンパス近隣は今川家が…」
「むぐっ…」
みるくの父の口から「今川家」が出た瞬間、雪斗は食べているカレーをのどに詰まらせた。
「だ、大丈夫?」
「どうした?水を飲むか?」
「大丈夫…です…」
ドーナツカオスイーツの中へ吸い込まれた時、一悟から言われた事を思い出す。確かに彼らは、自分にとって不都合な事は全て金の力でもみ消してきた。恐らく、みるくの兄が言っている消えたフェラーリの運転手も彼らの関係者なのだろう…雪斗はそう確信した。
「へーっ…みるくのお母さんって、メイプルズのKAEDEだったんだ。」
「そうなの。パパとは、「ミラクルマンテール」で共演したのがきっかけなんだって。ママは非常勤のオペレーター役だったんだけど…」
夕食が終わりみるくは、突然雪斗から入れ替わったユキと入浴をしていた。恐らく、ユキ自身にみるくと2人きりで話したい事が山ほどあったのだろう。
「でも、ユキくん…機嫌が悪いって…」
「だって、おとといさぁ…取り調べの時も、触診の時も僕を呼び出してくるんだもん!!!もうしつこくて、しつこくて…」
突然のユキの愚痴に、みるくは納得するしかなかった。
「そう言えば、ユキくんの誕生日は今月の9日だよね?」
「うん…しつこくカレンダー見ていたから、初めて家族やファンクラブの子達以外にお祝いしてもらえるの…楽しみなんじゃないかな?でも、厨房のカレンダーには5日に丸がついてた…」
話は厨房のカレンダーにあった謎の印にシフトしていく。普段なら予約は何時に誰が何人で来るか書いてあり、定休日は赤ペンで丸がつけてある。しかし5日には緑色のペンで丸がつけてあるだけで、他には何も書いていなかった。
「いっくんは8月だし、あたしは11月…あずきちゃんは3月で、勇者様は12月のクリスマス…」
「大勇者様は免許証で見たけど、1月6日。僧侶様は4月12日って言ってた。そうなると…」
2人には該当する人物が段々と絞り込めてくる…
一方、一悟は…
「一悟…その下妻先生って、誕生日いつ?」
姉から担任の先生の誕生日を聞かれていた。
「し…知らねぇよ!大体、何で姉ちゃんが下妻先生の誕生日知ろうとしてんだよ!!!」
「前々からカッコいいって思ってたんだよねー…カンでもいいから教えろー…」
姉からの言葉にたじろぐ一悟だが、不意に厨房のカレンダーの謎の印を思い出した。
「明後日!!!明後日の5日が先生の誕生日っ!!!!!」
「えっ…叔父様の誕生日が知りたいんですの?」
翌日、弓道部の練習が終わって来店してきたあずきに、一悟がムッシュ・エクレールの誕生日を聞き出している。当の本人は、今日も美化委員の仕事で学校で草むしりをしている。
「あぁ…俺の姉ちゃんが昨日、美化委員の仕事をしている先生を見て惚れちゃってさぁ…」
「な、なんて物好きな…」
「それな!」
「叔父様の誕生日は6月26日。お母様が言うには、教会の時計塔に雷が落ちた直後に生まれたとのことですわ。」
「そっか…サンキュ♪ケーキ持ってくるよ。」
そう言うと、一悟はあずきの座っているテーブルから離れた。
「大勇者様…カレンダーにある5日の丸印ですけど…」
みるくは厨房でシフォンケーキに使うメレンゲを泡立てながら、チャーハンを作っているガレットに声をかけた。
「5日の丸印?あぁ…それはね…」
「ガンッ!!!!!!!」
ガレットの頭上に一斗缶が炸裂した。一斗缶を食らった大勇者の背後には、娘が立っている。
「親父…余計な事を言わないように…(男声)」
「ひどいなぁ…こーゆー時はタライでしょ?」
ドリフのコントかよ…チャーハンを炒め終えたガレットは、いったん火を止める。
「てか、本人にはヒミツにしてるんだから、軽々しく喋らないでよ…」
「んじゃ、こっちは軽々しく喋っていいって事っしょ?」
「…?」
大勇者は、きょとんとする娘のメイド服のスカートをつまみ、そこから頭を入れて中を覗き込む。
「純白レースとか、たまにはセーラも可愛らしいの穿くんだねぇー…」
「お~~~~~や~~~~~じぃ~~~~~~~~(男声)」
ガレットの頭上に再び一斗缶が炸裂する間に、ラテは急いでチャーハンを盛り付ける。
結局、一悟達は5日の丸印の意味が分からないまま、当日を迎えてしまった。一悟達はカフェ「ルーヴル」に向かうが、そこには「臨時休業」の文字…
「警察から連絡入ったのよ…きょう未明に瀬戌駅に巨大な柏餅の化け物が現れたって…」
カフェを臨時休業にせざるを得なかったため、シュトーレンの機嫌は悪い。
「そういえば、昨日の瀬戌駅着の最終列車って…0時58分だったよね?伊勢咲方面、北瀬戌行きの…」
大勇者の言葉に、みるくが不意に血相を変える。
「お兄ちゃんっ!!!!!」
「みるく、心当たりがあるの?」
全員の視線がみるくに集中する。
「お兄ちゃん…昨夜その時間に瀬戌駅に着くから、駅からはタクシーで帰るって連絡が…」
「親御さんはこの事を知ってるのか?」
「パパは昨日から映画のロケで大洗に行ってて…パパにも問い合わせたけど、パパもお兄ちゃんと連絡がつかないって…」
みるくのその言葉に、最悪の状況がカフェ「ルーヴル」にいる者達の頭の中をよぎる。それと同時に、ガレットのスマホからLIGNEの通知音が響く。
「今、僧侶ちゃんからLIGNEが来た。柏餅のカオスイーツは、柏の葉をばら撒きながら瀬戌警察署方面に低速で進んでる。国道16号線、日光街道は一部区間閉鎖。救急車は国道沿いの病院に搬送できなくて、大混乱…行くぞ、マジパティ!!!」
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