激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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勇者クラフティ編

第13話「逃がした獅子は大きい…マジパティ変身不能!!!」③

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 一悟が玉菜が白銀のマジパティ・クリームパフであることを知って3日が経った。あの後、無事にみるくと雪斗からの誤解も解け、一悟が出くわした高等部の女子学生の彼氏と名乗る茶髪の高等部の男子学生経由ではあるが、ジャージも返してもらえたのだった。



「いちごん…あの時、タマねぇと一体何を話していたんだ?」

「ゴリラとドジっこには気を付けろって言われただけだっつーの…」

 今でも中間テストに向けての勉強を口実に、2人から玉菜とのやりとりの件を根掘り葉掘り聞かれるが、一悟はラテ共々、「玉菜イコールクリームパフ=サントノーレ」の事は明かしていない。

「まぁ…でも、生徒会長はみるくの事、「幼な妻ちゃん」って言ってたのは確かだぜ。」

「お…幼な妻!?」

 みるくは顔を真っ赤に染め上げながら驚く。



 そこへ…



「ボボボボボボボボボ…」



 一悟達の真横を、白い大型バイクが通り過ぎる。

「な、なんだ…?」

 思わずきょとんとする雪斗とみるくの隣で、一悟はバイクを運転しているのがある人物だと理解し、2人のてを引きながらカフェの方へと向かった。







「やっぱり…」

 カフェの真横のガレージには赤いデミオとガレットの大型バイクが佇むばかりで、そこにある筈の白い大型バイクの姿はなかった。

「いっくん…さっきのバイクって…」

「勇者様だ。勇者様の身に何かあったんだ。」

 一悟がそう答えると、居住スペースのドアが開き、そこから大勇者とココアが姿を現す。



「この間のイタリア人の事で、昨夜…セーラとトルテが喧嘩したんだ。そして、今…木苺ヶ丘きいちごがおか中央公園にギモーヴのカオスイーツが現れた。」



 重々しい口調で話す大勇者の言葉に、一悟達は今回の戦いが一筋縄ではいかないことを悟った。

「今回、お前達にとっては過酷な戦いになるかもしれん。俺はなんとかセーラとトルテを探すけど…」

「それなら、サントノーレやあずき達を…」

「カオスイーツの連絡が入ったのは、サントノーレちゃんからだ。」

 雪斗のセリフを遮るかの如く、ガレットはカオスイーツ出現の連絡をした相手の事を話す。

「それに、ライスもエクレールも家業や中間テストの準備で戦いに参加できねぇ…でも、俺を信用しろ!今回の援軍は、俺と一緒に戦った奴らだ!十分頼りになるぜ?だから、行け!!!マジパティ!!!!!」



「「「はいっ!!!!!」」」



 まるで背中を押すようなガレットの言葉に、一悟達はブレイブスプーンを構えた。



「「「マジパティ・スィート・トランスフォーム!!!」」」







 一方、ガレットにカオスイーツが現れたと連絡した玉菜は、サントノーレの姿で巨大なギモーヴと戦っていた。普段なら余裕で飄々ひょうひょうと攻撃を避けるサントノーレだが、今日はどうにも調子がよろしくない。

「おやおや、この程度ですか?サントノーレも大したことはなかったようですね?」

「ナンパちゅうの高校生をカオスイーツにするセンスは褒めてあげるけど…ナンパされてた男性を体内に閉じ込めたり、戦う相手を侮辱ぶじょくするのはどうかと思うわよ?」

 ギモーヴカオスイーツにされてしまったのは、公園で男の人をナンパしていた女子高生で、彼女はカオスイーツ化と同時にナンパを断った男性を体内に取り込んでしまったのだった。



「こういう時、ガトーがいてくれたら…」…そう、白石しろいし玉菜の脳裏に浮かぶ1人の精霊の少年・ガトー・ショコラの姿。今、彼は玉菜の傍を離れ、妹の看病に明け暮れている。そんな彼はパリではクリームパフにカオスイーツの弱点や欠点を常に教えてくれた…言わば、彼はみるくが変身したプディングと同じ役割をしいていたのだった。



「まずは人質の救出からよ?」

 そう言いながら、サントノーレは白銀を基調とした銃を構え、銃口から白銀の銃弾を解き放つ。



「クリームバレットクラッシャー!!!」



 解き放たれた銃弾は、まるでドリルのような螺旋を描きながらカオスイーツの身体を貫こうとするが…



「ぼよん…」



 白銀のドリルはクッションにぶつかるかの如く、カオスイーツの身体を跳ね、そのままサントノーレの方へと後退してしまった。

「ぐはっ…」

 自身が放った銃弾を腹部に受けたサントノーレは、背後の木に激突し、そのまま気絶してしまった。



「サントノーレ!!!」

 ミルフィーユ達が到着すると、サントノーレは我に返り、再び立ち上がる。先ほどの衝撃で仮面の左側が割れ、割れたガラスからサントノーレのエメラルドグリーンの瞳が露わになってしまう。その事をミルフィーユは言及しようとするが…

「ちょっと無様な姿を見せちゃったわね。今回のカオスイーツだけど、アイツの体内には人質がいるわ!気を付けて戦って、サリュー!」

 ミルフィーユにそうささやくサントノーレは苦笑いを浮かべながら去ってしまった。



「ギモーヴはマシュマロと似てますが、マシュマロは卵白を使う分、固めで弾力のある触感。ギモーヴは卵白の代わりにフルーツピューレを使うので、マシュマロよりもしっとり柔らかく、口の中でふわっと溶けてしまうんです。」

 久しぶりのプディングのスイーツうんちくが始まった。

「じゃあ、物理攻撃が通用しねぇってことか…」

「ご名答!!!サントノーレが撤退したその時こそ、あなた方の完全敗北の時です!!!」

 ティラミスがそう言うと、カオスイーツはミルフィーユ達に襲い掛かってきた。ミルフィーユ達はなんとか回避するが、カオスイーツからの攻撃は非常に強力で、ミルフィーユ達は回避するのがやっとだった。そんなミルフィーユ達にさらに追い打ちをかけるのが…



「カラン…」



 突然ブレイブスプーンがミルフィーユ達の足元に落ち、ミルフィーユ達の変身が一瞬にして解けてしまった。

「ど、どういうことなの!?」

「そ、そんな…」

「おや、変身が解けてしまったようですね…これは好都合…カオスイーツ、構わず攻撃を続けなさい!!!」

 ティラミスの言葉に呼応するかの如く、カオスイーツは再び一悟達に襲い掛かるが…







「ミルフィーユリフレクション!!!!!」



 突然どこからか少女の声がすると、一悟達の目の前にピンクを基調としたうさ耳の少女が現れ、少女は一悟達をカオスイーツから守ったのだった。

禍々まがまがしい混沌こんとんのスイーツさん、勇者の力で反省してもらいますよ!!!」

「な、なんて憎らしい…カオスイーツ、そのマジパティにも…」

 ティラミスはそう言うが…



「ボコッ…」

 彼女のセリフを遮るかの如く、今度はキジトラ模様の猫耳を付けた少年がカオスイーツの中から飛び出し、人質となっていた男性を救出した。

「ふぁんねんらったな!ふらっふひたー!!!」

 何故か彼も巻き込まれていた様で、カオスイーツの中でギモーヴを食べ尽くしてしまったようだ。

「まったく…プディング、お行儀が悪いぞ!!!でも、まぁいい…カオスイーツの中が空洞になったから今、私達の勝利は確定したも同然…」

 竜の耳としっぽを携えた少女が突然現れ、プディングの少年にそう苦言を呈する。少年は勢いよくギモーヴを飲み込み、男性を安全な場所へ落ち着かせると、うさ耳の少女の隣に回る。



「行くよ、みんな!!!」

「おうっ!!!」

「構わん…」



「「「3人の心を一つに合わせて!!!」」」



 一悟達の前で3人がそう叫んだ瞬間、3人が持つそれぞれの武器は光の粒子となり、それぞれのカラーに合わせた宝石を携えた細身の剣・パティブレードに変わった。彼女達のパティブレードは刀身が大きく、「勇者の剣」と言われてもおかしくないビジュアルをしている。



「勇者の力を1つの剣に!!!ミルフィーユブレード!!!」

「勇者の愛を1つの剣に!!!プディングブレード!!!」

「勇者の知性を1つの剣に!!!ソルベブレード!!!」



 3人はそれぞれのパティブレードを構え、ピンク、黄色、水色の光をまといつつ、カオスイーツに飛び掛かる。



「「「マジパティ・トリニティ・ピュニシオン!!!!!」」」



 ピンク、水色、黄色のそれぞれの光に包まれたマジパティ達は、カオスイーツを切りつける。



「「「アデュー♪」」」







 突然現れたマジパティ達によって斬りつけられたカオスイーツは、本来の姿を取り戻し、カオスイーツによって破壊された設備を何事もなかったかのように光の粒子で修復される。

「ね…姉ちゃんだったのかよ!!!」

 カオスイーツにされたのは、一悟の姉の一華だった。そして、カオスイーツに閉じ込められていたのは…



「トルテ!!!!!」

 いきなりシュトーレンの声がして、一悟達は一斉に振り向くと、シュトーレンはまっすぐトルテの方へ駆けつける。

「あ…姉御…」

「昨夜の事は謝るから…だから…もうアタシの傍から離れないで!!!素のアタシを受け止められるのは、トルテ…あなただけなのよ!!!」

 周囲に一悟達がいる事も構わず、大粒の涙をこぼしながらシュトーレンはトルテに自分の胸の内を明かした。

「何言ってんスか…俺っち、姉御以外は誰と共にする事もないっス!俺っちが愛するのは、姉御ただ1人だけ…」

「で、でも…今朝女の人と電話…」

「あれはモデル時代の事務所の社長と、モデルを続けるかどうかについて話し合ってただけ!姉御と再会できた今、俺っちがモデルを続ける意味はなくなった…だから、姉御とずっと一緒っス!!!」

 最愛の人の言葉に、女勇者は顔全体を真っ赤に染め上げつつ、トルテに再び飛びついた。



 しかし、幸せなひと時も束の間…



「セーラ…お前は、自らの手で自分のマジパティを窮地きゅうちに追い込んだ…」

 突然のガレットの厳しい口調に、その場にいた一悟達は凍り付く。



「グラッセ達が来なかったら、危うく一悟達は命に関わることになったんだぞ!!!!!アイツの時のように…」



 その重い言葉と共に、大勇者は突然魔眼を発動し、一悟達は瞬く間に木苺ヶ丘中央公園を離れ、カフェの店舗スペースへと飛ばされてしまった。







 一方、その頃…

「ぎゃーーーーーーーーーーっ!!!目を離したスキに強制アップデートおおおおおお!!!!」

 職員室で作業していた下妻しもつま先生のパソコンが、強制アップデートによって、再起動となった。この状況からして、作成中のファイルを保存していなかったと思われる。
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