激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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勇者クラフティ編

第18話「勇者様は女子高生!迫る体育教師の魔の手」①

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「えっ…?」

「勇者…様が…」

「若返ったァ!?」

「ありゃまぁ~」



 カフェの手伝いの為にやって来た一悟いちご、みるく、雪斗ゆきと玉菜たまなの4人は、カフェに来るや否や、大勇者ガレットの言葉に驚きを隠せない。

「オーバーブレイブによる副作用が、身体に出てしまったんだ。」



 不完全なオーバーブレイブの発動、そして回復直後のマジパティ全員の再覚醒…その代償が一時的な若返りであった。



 一悟達を連れながら、大勇者は娘のいるリビングへと案内する。

「通常なら、僧侶ちゃんみたいに10歳前後になるんだけど…」

「けど…?」





「ガチャッ…」



 大勇者がリビングのドアを開けると、そこには15、6歳ぐらいのツーサイドアップにメイド服姿の少女が白いスツールに腰かけている。炎のような真紅の髪に、整った顔立ちから、その少女が勇者シュトーレンだという事がよくわかる。

「セーラ…トルテと籍を入れるのが先延ばしになったの…まだ怒ってるのか?」

 少女の姿となった勇者の機嫌は、お世辞にもよろしいとは言えないようだ。入籍が先延ばしとなってしまったのは、トルテがモデル事務所経由で加入していた生命保険会社の契約内容の問題が発覚し、この生命保険会社から、先日の入院に関する保険が下り、尚且つその生命保険会社を解約するまでは、入籍は見送りとなったのだった。

「違うもん…」

 そう言いながら、勇者は1枚のA4版のコピー用紙を一悟達の前に見せる。そこには…





「通信課程受講者登校許可のお知らせ」



 サン・ジェルマン学園では、高等部にのみ、家庭の事情で平日の登校が難しい生徒達に向けた通信課程制度が存在する。システム自体は他の高等学校の通信制とは変わらないが、サン・ジェルマン学園では、学校に許可証を提出次第、指定された期間を全日制の生徒達と一緒に過ごせることが可能である。



「その姿なら、高校生として過ごした方がいいだろ?僧侶ちゃんみたいにアンドロイドがいるワケじゃないんだから…」

 父親の言葉に、勇者はスツールから立ち上がり、彼を睨みつける。

「アタシが怒ってるのは、いつの間にマリーの名前で学校に入れたってコトっ!!!!!」

「えー?3月のコトだけど?あの時、やっとセーラの気配を感じ取って、木苺ヶ丘きいちごがおかに向かおうとした時と同時に雪斗のじーちゃんと話し合った上で、マリーの住民登録と入学手続き済ませたってワケ!どのみち、その姿で「首藤聖奈しゅとうせいな」と名乗れば、世間から怪しまれるし、元の姿に戻るまでの間、セーラはマリーとして生活しなきゃならない!これで納得した?」

 父親に言いくるめられた勇者は、苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべた。



「…?マリー?」

「勇者様の妹・マリアだよ。」

 勇者の家族構成をよく知らない雪斗に、一悟が説明する。



 大勇者の説明によると、10歳前後ではなく、15、6歳ぐらいの姿に食い止められたのは、勇者が人間界でスイーツを作り続けていたからであった。スイーツを作り続けたお陰で、勇者としての能力を取り戻し、オーバーブレイブによる副作用を軽減することができた事が、今回の勇者の若返りの経緯である。



 …だが、少女となった女勇者は、男の姿に変身する事ができなくなっていた。それは、アントーニオ・パネットーネに誘拐されている間、殆どズイーツを食べることができず、いくらスイーツを作り続けて勇者としての能力を取り戻せても、定期的に摂取ができない環境下に長時間滞在した状態では、変身能力の完全回復にかなりの時間を要するようだ。したがって、カフェ「ルーヴル」のマスターである「首藤聖一郎しゅとうせいいちろう」は、しばらくの間カフェに不在という事になるため、本日よりカフェ「ルーヴル」は、平日の昼間はトルテ1人の縮小営業となり、平日の夕方以降と土日及び祝日は通常営業という体制を取らざるを得なくなったのだった。





 ………





 この日はシュトーレンと一悟、そしてガレットが同時に昼休憩に入る事となり、勇者シュトーレンは父親に促される形で高等部の制服の試着をすることとなった。一悟に配慮する形でトイレでメイド服を脱ぎ、高等部の制服へと着替えるが…



「ガチャッ…」



 トイレから出てきた勇者の足取りはどことなくぎこちない。

「親父…この制服…スカートは余裕で入ったけどさぁ…」

 上着はビリジアンの身頃にえんじ色の襟が特徴的なダブル合わせのブレザーなのだが、今のシュトーレンは上が白いブラウスにえんじ色のボウタイのみで、下はワインレッドにチェック柄のボックスプリーツスカートと、ワインレッドのオーバーニーソックス。そんな彼女の着ているブラウスもどことなく窮屈そうで、ボタンの間隔ごとに肌色の隙間が出来てしまっている。

「上が…ギリギリなんだけど…」

 父親にそう言いかけた刹那、突然マグカップに身体を入れた精霊がシュトーレンの背中の真ん中に潜り込み、背中を覆う白い木綿の布地をぐいっと引っ張ったのだった。



「ミシッ…プチッ…」



 精霊が布地を引っ張ると同時に響く、糸が切れる音…それと同時に、肌色の隙間も大きく広がり…



「パァンッ!!!!!」



 ボタンを留めている糸が切れたと同時に、シュトーレンが着ているブラウスの殆どのボタンが弾け飛び、そこからピンクのブラに覆われた彼女の豊満バストが一悟と大勇者の前で晒しものとなってしまったのだった。



「ぶぼっ…」



 ユキ及び、シュトーレンの裸や下着姿には耐性がついていた一悟ではあるが、流石に15、6歳ぐらいの姿のシュトーレンとなると、話は別の様だ。

「やっぱり、一悟はハニートラップを克服すべきだなぁ…うんうん…」

 そう言いながら頷くココアではあるが、どす黒いオーラを放ちつつ、異様な笑顔を浮かべる大勇者に捕まり…

「どうやらココアは…また「杏仁監獄」に収容されたいようだな?」

「一悟のことよりも、まずはココアの変態癖の治療が必要です!!!大勇者さまのご意見に激しく同意します!」

 大勇者といとこの言葉に、ココアは顔全体を真っ青に染め上げる。ガレットはすぐさま魔界のマジパティの1人であるボネに連絡をし、制服のYシャツを貸してもらうように問い合わせる。高等部の男子制服はビリジアンの身頃に白いラインが入った詰襟で、インナーは白いYシャツと指定されているが、ボネは普段から詰襟のファスナーを全開にし、インナーはトラ柄のシャツでいる事が多いため、かりるには好都合だからだ。ボネはすぐさま了承し、大勇者の昼休憩終了5分前に白いワイシャツを大勇者の所へ持ってきたのだった。



「娘ちゃん…若返っても、胸のサイズだけは変わらなかったんね…」
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