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勇者クラフティ編
第28話「勇者もびっくり!?ダークミルフィーユはロリータがお好き」①
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一悟達の追試があった日の夜、みるくはある夢を見た。
………
窓辺でそよぐ白いカーテン…透き通るような青さの海と砂浜…みるくの目にはそんな光景が映る。
窓辺には1冊のスケッチブックがあり、風が吹いたと同時にパラパラと音を立て、ページが切り替わる。
「これは…文字?」
みるくがスケッチブックに触れると、みるくが触れたページ以外真っ白だったページには、瞬く間に一言一言メッセージが記されていく…
「やぁ、米沢みるく。」
「突然のメッセージ、失礼する。」
「えっ…あ、あたし!?」
「そうだ。ボクはここな。」
みるくにメッセージを記したスケッチブックの持ち主は、「ここな」というようだ。
「ボクは今、君と直接会って話をすることができない。」
「だが、君にどうしても伝えておきたいことがある。」
みるくがページをめくるたびに、ここなからのメッセージが一言一言みるくの目に焼き付けられる。
「これ以上、千葉一悟をダークミルフィーユと接触させてはいけない!!!」
「どういう…こと?ここなさん、どうしていっくんを…」
「君もマジパティならわかるだろう…」
「今の彼では、あの女には勝てない!」
ここなの辛辣な言葉に、みるくは愕然とする。
「大切な幼馴染なのだろう?」
「彼を守るための力…欲しいだろ?」
最初に変身した時の事を思い出す…ミルフィーユとしてピンチに陥っていた一悟を守りたい…その強い想いがみるくをプディングに変身させたのである。
「彼を守る方法を教えてやる。」
ここなの一言に、みるくはスケッチブックを食い入るように見つめる。
「簡単な事だ。君のパートナー精霊と心を一つにする事…それだけ。」
「それ…だけ…?」
あまりにも予想外なここなのメッセージに、みるくは思わず拍子抜けする。
「ボクは長い年月をかけてしまったが、千葉一悟を守りたいという強い気持ちがある君なら大丈夫だ。」
「検討を祈るぞ…プディング…」
そのメッセージを最後に、スケッチブックに記されたここなからのメッセージは、瞬く間に泡となって消えてしまった。
………
「それで、そのここなって子の夢を見た後に、その宝石を手に握っていたワケね…」
珍しく瑞希と一緒に登校したみるくは、すぐさま保健室で僧侶アンニンに「ここな」と名乗る少女の話をした。スケッチブックが泡となった直後、みるくは夢から覚め、彼女の手の中には黄金色に輝く宝石が握りしめられていたのだった。
「僧侶さま…「ここな」って…誰ですか?」
みるくの言葉に僧侶は息を呑み、窓の外を見つめる。
「先代のマジパティの1人よ…それも、あなたと同じ黄色のマジパティ…」
みるくにそう告げた僧侶は、引き出しの鍵を開け、A4サイズのクリアファイルから1枚のA4サイズのコピー用紙と写真をみるくに差し出す。写真には、青い襟に白い身頃のセーラー服と、赤いスカーフ姿のチョコレートのような髪色の少女で、緑色の瞳を片方だけ前髪で隠し、片方だけシニヨンでまとめ、15歳であるのか分からないような幼い顔立ちをしている。
「金城ここな、1999年10月6日生まれ。失踪時、茅ケ崎市立紗山中学校3年に在籍。父親は当時金城不動産の社長で、現在は神奈川15区…茅ケ崎、平塚、二宮、大磯では有名な国会議員。母親は金城不動産の副社長。兄は2人で、長兄は現在の金城不動産の社長。次兄は金城不動産営業部部長…」
コピー用紙に記されたデータを淡々と読み上げる。
「これはこの間わかった事だけど、金城ここなは今年の1月に失踪宣言による死亡として処理されていたの。」
キョーコせかんどによるハッキングで判明した、失踪宣言による死亡…他のマジパティで失踪宣言を申し出たのは、金城ここな以外では藍本有馬のみだった。氷川台友菓に関しては、今も家族による捜索が続いており、千葉明日香に至っては確認するまでもなかった。
「それにしても、どうして金城ここなはみるくに警告したのでしょうね…」
「うん…「これ以上いっくんとダークミルフィーユを近づけるなー」って…あたしには…」
ラテの言葉に、みるくはそう頷く。自分と同じプディングであるからだとは思っているものの、一悟の名前を出している時点で、どうにもそれだけではなさそうな様子が、みるくの心の中に引っかかる。
「8回…」
ラテとみるくの様子を見るなり、僧侶はある回数を呟きだした。
「僧侶…様…8回…って?」
「あなたが今日、保健室に入って来てから一悟の名前を口走った回数よ。仮に金城ここなが生存しているとしたら、おおむねみるくが一悟に対してどう思っているのか気づいているのかもしれないわ。」
僧侶の言葉を聞くや否や、みるくは顔全体をまるで茹でた蛸のように真っ赤に染め上げる。
「この宝石は、大勇者様に確認しておきたい事があるから、私が一旦預かります。マジパティを知らない先生達に見つかったら、元も子もないもの…それに…」
そう言いながら、アンニンは保健室のドアに手をかける。その様子に、ラテは大慌てでみるくのカバンの中へと潜り込む。
「ガラッ…」
アンニンがドアを開けると、そこには一悟が立っている。
「ひぃっ!!!」
「そんなに驚く事ないじゃないの。みるくには手伝って欲しい事があったから呼んだだけよ?」
「いっくん!どうして保健室にいる事が判ったの?」
「瑞希さんから、保健室にいるって聞いて…」
「そういう幼馴染としての名目で長年培ってきた行動が、周囲から「恋愛関係」として解釈されるのよ!そろそろホームルームがはじまるから、早く教室に戻りなさい!」
そう言いながら、アンニンはみるくの背中を押し、保健室から追い出してしまったのだった。
………
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窓辺には1冊のスケッチブックがあり、風が吹いたと同時にパラパラと音を立て、ページが切り替わる。
「これは…文字?」
みるくがスケッチブックに触れると、みるくが触れたページ以外真っ白だったページには、瞬く間に一言一言メッセージが記されていく…
「やぁ、米沢みるく。」
「突然のメッセージ、失礼する。」
「えっ…あ、あたし!?」
「そうだ。ボクはここな。」
みるくにメッセージを記したスケッチブックの持ち主は、「ここな」というようだ。
「ボクは今、君と直接会って話をすることができない。」
「だが、君にどうしても伝えておきたいことがある。」
みるくがページをめくるたびに、ここなからのメッセージが一言一言みるくの目に焼き付けられる。
「これ以上、千葉一悟をダークミルフィーユと接触させてはいけない!!!」
「どういう…こと?ここなさん、どうしていっくんを…」
「君もマジパティならわかるだろう…」
「今の彼では、あの女には勝てない!」
ここなの辛辣な言葉に、みるくは愕然とする。
「大切な幼馴染なのだろう?」
「彼を守るための力…欲しいだろ?」
最初に変身した時の事を思い出す…ミルフィーユとしてピンチに陥っていた一悟を守りたい…その強い想いがみるくをプディングに変身させたのである。
「彼を守る方法を教えてやる。」
ここなの一言に、みるくはスケッチブックを食い入るように見つめる。
「簡単な事だ。君のパートナー精霊と心を一つにする事…それだけ。」
「それ…だけ…?」
あまりにも予想外なここなのメッセージに、みるくは思わず拍子抜けする。
「ボクは長い年月をかけてしまったが、千葉一悟を守りたいという強い気持ちがある君なら大丈夫だ。」
「検討を祈るぞ…プディング…」
そのメッセージを最後に、スケッチブックに記されたここなからのメッセージは、瞬く間に泡となって消えてしまった。
………
「それで、そのここなって子の夢を見た後に、その宝石を手に握っていたワケね…」
珍しく瑞希と一緒に登校したみるくは、すぐさま保健室で僧侶アンニンに「ここな」と名乗る少女の話をした。スケッチブックが泡となった直後、みるくは夢から覚め、彼女の手の中には黄金色に輝く宝石が握りしめられていたのだった。
「僧侶さま…「ここな」って…誰ですか?」
みるくの言葉に僧侶は息を呑み、窓の外を見つめる。
「先代のマジパティの1人よ…それも、あなたと同じ黄色のマジパティ…」
みるくにそう告げた僧侶は、引き出しの鍵を開け、A4サイズのクリアファイルから1枚のA4サイズのコピー用紙と写真をみるくに差し出す。写真には、青い襟に白い身頃のセーラー服と、赤いスカーフ姿のチョコレートのような髪色の少女で、緑色の瞳を片方だけ前髪で隠し、片方だけシニヨンでまとめ、15歳であるのか分からないような幼い顔立ちをしている。
「金城ここな、1999年10月6日生まれ。失踪時、茅ケ崎市立紗山中学校3年に在籍。父親は当時金城不動産の社長で、現在は神奈川15区…茅ケ崎、平塚、二宮、大磯では有名な国会議員。母親は金城不動産の副社長。兄は2人で、長兄は現在の金城不動産の社長。次兄は金城不動産営業部部長…」
コピー用紙に記されたデータを淡々と読み上げる。
「これはこの間わかった事だけど、金城ここなは今年の1月に失踪宣言による死亡として処理されていたの。」
キョーコせかんどによるハッキングで判明した、失踪宣言による死亡…他のマジパティで失踪宣言を申し出たのは、金城ここな以外では藍本有馬のみだった。氷川台友菓に関しては、今も家族による捜索が続いており、千葉明日香に至っては確認するまでもなかった。
「それにしても、どうして金城ここなはみるくに警告したのでしょうね…」
「うん…「これ以上いっくんとダークミルフィーユを近づけるなー」って…あたしには…」
ラテの言葉に、みるくはそう頷く。自分と同じプディングであるからだとは思っているものの、一悟の名前を出している時点で、どうにもそれだけではなさそうな様子が、みるくの心の中に引っかかる。
「8回…」
ラテとみるくの様子を見るなり、僧侶はある回数を呟きだした。
「僧侶…様…8回…って?」
「あなたが今日、保健室に入って来てから一悟の名前を口走った回数よ。仮に金城ここなが生存しているとしたら、おおむねみるくが一悟に対してどう思っているのか気づいているのかもしれないわ。」
僧侶の言葉を聞くや否や、みるくは顔全体をまるで茹でた蛸のように真っ赤に染め上げる。
「この宝石は、大勇者様に確認しておきたい事があるから、私が一旦預かります。マジパティを知らない先生達に見つかったら、元も子もないもの…それに…」
そう言いながら、アンニンは保健室のドアに手をかける。その様子に、ラテは大慌てでみるくのカバンの中へと潜り込む。
「ガラッ…」
アンニンがドアを開けると、そこには一悟が立っている。
「ひぃっ!!!」
「そんなに驚く事ないじゃないの。みるくには手伝って欲しい事があったから呼んだだけよ?」
「いっくん!どうして保健室にいる事が判ったの?」
「瑞希さんから、保健室にいるって聞いて…」
「そういう幼馴染としての名目で長年培ってきた行動が、周囲から「恋愛関係」として解釈されるのよ!そろそろホームルームがはじまるから、早く教室に戻りなさい!」
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