激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

文字の大きさ
210 / 248
激甘革命編

第45話「ワガママ王女登場!勇者親子、破綻の危機…」⑨

しおりを挟む
 放課後になり、リカはため息をつきながら教室を出る。
「はぁ…ついてない…また千葉君巻き込ませちゃって、その度に米沢よねざわさんと土呂とろさんが怒るし…火消しみたいな事してくれる氷見君はいないし…」
「雪斗のあれのどこが火消しだ?」…と、突っ込みを入れたくはなるリカのひとりごとではあるが、流石に2日連続で一悟を巻き添えにした事について、相当堪えているようだ。
「こころが私を推薦したから来たけど…来るんじゃなかった…それに、マルチメディア部の部室見つからないし…」
 そうボヤきながらマルチメディア部の部室を目指すリカではあるが、実際に向かっているのは、マルチメディア部の部室とは正反対の方角だった。
「一緒に部室に行くはずの柚麻は、「氷見雪斗が休みだから張り合う気無くした」って言って、ホテルに戻るし…」
 リカの友人である綾部柚麻あやべゆまは、一悟のいとこである涼也の交換相手として交換留学に来ている生徒で、聖エトワール学院大学付属中学校女子弓道部のエースにして、京都きょうと育ちの中学生である。黙っていればおしとやかな大和撫子だが、弓道に関してはいつも雪斗と張り合おうとするので、弓道仲間からは「氷見雪斗のライバル」として扱われている。

「それで…ここ、どこ?」
 ボヤきながら歩いてきたリカがたどり着いたのは、高等部の中庭であった。気づいた時、既に遅し!周囲を歩いているのは、高校生ばかり…

「また道に迷ったーーーーーーーーーーー!!!!!」

 そう叫んだ刹那、リカの背後に黒いもやが直撃し、リカの姿はみるみるうちに巨大なスイーツの怪物へと変わっていく。
「行け、バナナロールカオスイーツ…」
 黒いフードを纏った男がそう言うと、バナナロールケーキのカオスイーツは両目を赤く光らせ、仄暗く染まった空の下、高等部に襲い掛かる。



「遅いな…赤間…」
 マルチメディア部の部室では、部長の瑞希、副部長のトロールに、部員のみるく、そして顧問の下妻先生が待機している。
「赤間は方向音痴だと聞いてはいるが、方向音痴にしては随分と迷いすぎではないか?」
 リカの方向音痴っぷりを甘く見てはいけない!どんよりとした外の景色に、瑞希はある事を察する…

「カオスイーツが現れ、巻き込まれたのかもしれません!!!危険な状況ではありますが、手分けして赤間さんを探すしか方法はありません。」

 部長の鶴の一声で、部室にいた部員と顧問は部室を飛び出し、手分けしてリカを探し始めた。トロールは咄嗟にブレイブレットを使って信号を送るが…

『ガレちんの反応がねーべ…やっぱり昼間、食堂にいたのは、ガレちんに化けた他人…』

 高等部から上空目掛けて放たれる3色の光を背景に、トロールは深刻な表情を浮かべる。



 ………



「トロールからの信号のお陰で助かった!まったく、とんでもないカオスイーツだ…」
 プディングに変身したここなは、高等部校舎内の廊下を走り、カオスイーツを捜している。
「カオスイーツにされたのは、超ド級の方向音痴で間違いないだろう。引き続き探索頼むぞ、セイロン!」
 パートナーと似ているのか、ティーカップに身体を入れた精霊は、ここなの言葉に黙って頷く。

「ドゴッ!!!」

 高等部の校舎内にある音楽室で合唱部の練習中だった玉菜は、スカートの中が見えるのも構わず、素早い足技でチョコレート色のスポンジ状の物体を蹴り上げる。
「変身できなくても、私にはテコンドーがあるのよっ!!!」
 音楽室がチョコレート色のスポンジ状の物体で埋め尽くされている所からして、合唱部の部員達はそれらの中に閉じ込められてしまったのである。
「それに、トモちん達にも手柄をあげたいもんね?」
茅ケ崎ちがさきでは、真っ当にマジパティとして力を合わせられなかったし、今日は一肌脱いじゃうもんね♪」
 ソルベに変身した友菓と合流した玉菜は、友菓と共にカオスイーツを追いかける。

 カオスイーツは高等部のあちらこちらに瞬間移動しては、スポンジ状の物体をまき散らし、生徒及び教員たちを物体の中へ閉じ込める。
「ミルフィーユ、カオスイーツがいます!!!」
 ミルフィーユに変身した明日香がモカと共に校舎内から昇降口へ抜けると、そこにはバナナロールケーキのカオスイーツが立っている。

「禍々しい混沌のスイーツ、勇者の力を受ける覚悟を決めなさい!!!!!」

 マジパティの姿に気づいたカオスイーツは、マジパティと精霊目掛けてチョコレート色のスポンジを飛ばすが…
「ミルフィーユリフレクション!!!!!」
 回転したミルフィーユグレイブによって、スポンジ状の物体は弾き飛ばされる。
「今度はこっちから行くわ!行くわよ、モカ!!!」
「かしこまりました!」
 明日香の言葉に、モカはしゃんとお辞儀をする。

「精霊の力と…」
「勇者の力を一つに合わせて…」
「グレイブエクステンション!!!」
 モカはピンクの光を纏いながら、ロボットアニメの主役機が武器を構えるような姿で立つミルフィーユが持っているピンクの長薙刀の飾り布の付け根に飛び乗る。その瞬間、ミルフィーユグレイブの刃の部分がピンクの光を放ちながら刃先が長く変形する。明日香は思いっきり地面を踏みこみ、勢いよく飛び上がる。

「ミルフィーユパニッシュ!!!!!」

 明日香は掛け声と同時に、長薙刀を振り上げる。

「ストライク!!!」

 明日香が叫んだ瞬間、長薙刀はピンクの光を放ちながらカオスイーツを頭上から一刀両断するが…

「NOOOOOOOOOOOOO!!!!!そんなもの、振り回したらいけまセーーーーーーーン!!!」

 突然の銃声と共に響く少女の声に、明日香とミルフィーユグレイブは強制的に引き離され、明日香は地面に身体を叩きつけるように倒れてしまった。
「ミルフィーユ!!!」
「銃刀法違反デース!!!」
 そう言う黄金の髪をサイドテールに纏めた少女の両手には、拳銃が1丁ずつ…言っている事と、戦うヒロインに対してやっている事が矛盾している。モカは咄嗟に明日香を助け出そうとするが…

「うぐっ…」

 カオスイーツが丸腰同然のマジパティを片手でひょいと持ち上げ、明日香を掴む手を思いっきり握り始めた。戦いの邪魔をした脳筋軍人には、明日香が悪人にしか見えていないらしく…
「OH!逮捕のご協力感謝しマース!」
 そう言いながら、脳筋軍人は再び、明日香に銃口を向け、発砲する。今度はあちらこちらに銃弾が飛び交い、今度はカオスイーツやモカも銃弾を受けてしまう。

『なんて空気を読まない方なんでしょう…自分の世界しか見えていらっしゃらないのですか?』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...