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激甘革命編
第46話「暴かれた!?ライスと誘拐事件の真相」①
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「人間界でおじ様との連絡が途絶えて1週間…大賢者様が言うには、僧侶様とトルテ様は、それぞれ看護学生として、モデルとして人間界で御多忙極めていらっしゃる…」
紅葉彩る山の中を、薄紫色の振袖にツインテールの少女が歩く。耳が尖っている所から、恐らく彼女は種族が人間に近い存在である事が伺える。
彼女の名はライス・ケーキ…スイーツ界の精霊達を、家族で指導及び管理をしているハーフエルフの少女である。叔父が人間界で消息を絶ってしまい、父である魔導騎士団長代理パウンド・ケーキからの勧めで、消息が掴めない叔父と勇者シュトーレンを探し出す事…そして、父の上司である大勇者ガレットの補佐をするよう頼まれたのである。最も、その大勇者も消息がイマイチ掴めていないのだが。
「とんだ誤算でしたわ!転移の祠の番が、あのバカオーレだったなんて!!!!!」
ライスはそう言いながら、握りこぶしを震わせつつ憤慨する。本来、ライスは叔父であるエクレール・ブレッドソンが消息を絶った瀬戌市の苔桃台へ行く予定だったのだが、祠の番をしていたのが精霊のハニーではなく、その夫のオーレで、彼はクシャミの勢いで転移先の座標を、瀬戌市から北の方角へズラしてしまい、ライスはスイーツ界から、人間界のどこかわからない山の中へとすっ飛ばされてしまったのである。目印になるものと言えば、ライスのいる場所よりも遙かに高い位置にある門に掲げられている赤と青を基調とした旗…勇者モンブランが遺した文献で見たことがある。確か、「ユニオンジャック」と呼ばれるイギリスという国の旗だ。
「ガサッ…」
人の気配のない山の中、ライスは何かが近づく気配を感じ、物音がする方角へ身体ごと向けると、そこにいたのはライスと同じ顔立ちで、身なりの良い少女だった。その少女が着ている紫色のワンピースは、所々に血がついており、少女の妙に落ち着いたような表情に、ライスは思わず背筋を凍り付かせる。
………
「えぇー、内部進学希望の者は、来週月曜日までにこの進学希望用紙に進学希望学科を記入の上、私の方へ提出するように!」
ホームルームの際に配布された進学希望用紙を見ながら、一悟は不機嫌な表情を浮かべる。元々スポーツ推薦でサン・ジェルマン学園に入学した一悟ではあるが、高等部の学科に対しての指定はなく、一悟自身に委ねられている。当初の一悟は高等部2年から文系クラス、理系クラスが選べる普通科を希望していたが…
「彼女持ちが偉そうに一華様の真似すんなー!!!」
姉からの理不尽な一言に、一悟は普通科以外な学科も検討しようとするが、みるくの希望学科で尚且つ、ネロやマリア、友菓のいる国際科は海外長期滞在経験がない生徒の場合、来年の12月までにTOEICのスコアが500以上が進学条件で、一応TOEICのスコアは取得しているものの、英語のケアレスミスが多い一悟のスコアは365という資格にすらならないレベルで、今の段階では厳しい所である。かといって、ボネとここながいる情報処理科は中等部3年間の数学の成績で内部進学の合否が決まるため、不可。通信課程ではあるが、明日香がいる医療福祉科も数学と理科の成績が左右されるため、不可…どこへ行くにも、一悟にとっては厳しい状況である。
「こうなったら、またTOEIC受けよっかなぁ…そうすりゃ姉ちゃんも…」
「いちごんも国際科なら、僕も…」
「一華の言う事、真に受けてんじゃねぇよ!!!雪斗も便乗すんなっ!」
「一悟の進路は一悟の進路だっぺ!!!ごじゃっぺの言いなりは、一悟のためにならねーべ!」
ぼやく一悟と、それに乗りかかろうとする雪斗に対して、涼也とトロールが一蹴する。
「そういう涼ちゃんは?」
「医療福祉科!ばあちゃんの事もあってさ…俺、実は医学部の大学を希望してんだ。だから、医学部進学のカリキュラムがある医療福祉学科に行こうと思って…ところで、みるくは?」
「選挙管理委員会の集まり。立候補者が揃ったみてぇで、明日の朝貼り出す候補者名簿の準備をするから遅くなるって。」
もうすぐ、サン・ジェルマン学園は中等部、高等部共に年に一度の生徒会選挙が始まる。みるくはこの度選挙管理委員会に入ることになり、その選挙管理委員長は瑞希が務める事になっている。
「ところで、涼也のクラスは誰が立候補したんべ?」
「あずき!生徒会長直々の指名だってよ♪そっちは?」
涼也の問いかけに、雪斗はニコニコと挙手をするが、となりの一悟は仏頂面で手を挙げる。
『俺はぜってー、生徒会になんか入んねーぞ…全力で落選したらァ…』
一悟が今回の生徒会選挙に立候補したのは、自らの意思ではなく、雪斗の「一悟と一緒に生徒会の仕事がしたい」という独りよがりの推薦であった。それだけなら、「まぁ仕方ない」で済むのだが、一悟が「全力で落選したい」と願う事には理由があった。姉の一華である。一華は普段から一悟を顎でこき使っていながら、一悟が空手や「太鼓の玄人」の全国大会で好成績を記録したり、学校内で成果を上げると、すぐに自分の手柄の様に一華が自慢をし始めるのである。特に、マジパティである事がバレて以降は、逆らおうとすれば「新聞部と放送部にバラす」と半ば脅しを受けているのである。勿論、涼也もその事を知っており、自分が居候中にどうにか一華のその行いをやめさせたいと思っているが、なかなかうまくいかないようだ。
紅葉彩る山の中を、薄紫色の振袖にツインテールの少女が歩く。耳が尖っている所から、恐らく彼女は種族が人間に近い存在である事が伺える。
彼女の名はライス・ケーキ…スイーツ界の精霊達を、家族で指導及び管理をしているハーフエルフの少女である。叔父が人間界で消息を絶ってしまい、父である魔導騎士団長代理パウンド・ケーキからの勧めで、消息が掴めない叔父と勇者シュトーレンを探し出す事…そして、父の上司である大勇者ガレットの補佐をするよう頼まれたのである。最も、その大勇者も消息がイマイチ掴めていないのだが。
「とんだ誤算でしたわ!転移の祠の番が、あのバカオーレだったなんて!!!!!」
ライスはそう言いながら、握りこぶしを震わせつつ憤慨する。本来、ライスは叔父であるエクレール・ブレッドソンが消息を絶った瀬戌市の苔桃台へ行く予定だったのだが、祠の番をしていたのが精霊のハニーではなく、その夫のオーレで、彼はクシャミの勢いで転移先の座標を、瀬戌市から北の方角へズラしてしまい、ライスはスイーツ界から、人間界のどこかわからない山の中へとすっ飛ばされてしまったのである。目印になるものと言えば、ライスのいる場所よりも遙かに高い位置にある門に掲げられている赤と青を基調とした旗…勇者モンブランが遺した文献で見たことがある。確か、「ユニオンジャック」と呼ばれるイギリスという国の旗だ。
「ガサッ…」
人の気配のない山の中、ライスは何かが近づく気配を感じ、物音がする方角へ身体ごと向けると、そこにいたのはライスと同じ顔立ちで、身なりの良い少女だった。その少女が着ている紫色のワンピースは、所々に血がついており、少女の妙に落ち着いたような表情に、ライスは思わず背筋を凍り付かせる。
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「えぇー、内部進学希望の者は、来週月曜日までにこの進学希望用紙に進学希望学科を記入の上、私の方へ提出するように!」
ホームルームの際に配布された進学希望用紙を見ながら、一悟は不機嫌な表情を浮かべる。元々スポーツ推薦でサン・ジェルマン学園に入学した一悟ではあるが、高等部の学科に対しての指定はなく、一悟自身に委ねられている。当初の一悟は高等部2年から文系クラス、理系クラスが選べる普通科を希望していたが…
「彼女持ちが偉そうに一華様の真似すんなー!!!」
姉からの理不尽な一言に、一悟は普通科以外な学科も検討しようとするが、みるくの希望学科で尚且つ、ネロやマリア、友菓のいる国際科は海外長期滞在経験がない生徒の場合、来年の12月までにTOEICのスコアが500以上が進学条件で、一応TOEICのスコアは取得しているものの、英語のケアレスミスが多い一悟のスコアは365という資格にすらならないレベルで、今の段階では厳しい所である。かといって、ボネとここながいる情報処理科は中等部3年間の数学の成績で内部進学の合否が決まるため、不可。通信課程ではあるが、明日香がいる医療福祉科も数学と理科の成績が左右されるため、不可…どこへ行くにも、一悟にとっては厳しい状況である。
「こうなったら、またTOEIC受けよっかなぁ…そうすりゃ姉ちゃんも…」
「いちごんも国際科なら、僕も…」
「一華の言う事、真に受けてんじゃねぇよ!!!雪斗も便乗すんなっ!」
「一悟の進路は一悟の進路だっぺ!!!ごじゃっぺの言いなりは、一悟のためにならねーべ!」
ぼやく一悟と、それに乗りかかろうとする雪斗に対して、涼也とトロールが一蹴する。
「そういう涼ちゃんは?」
「医療福祉科!ばあちゃんの事もあってさ…俺、実は医学部の大学を希望してんだ。だから、医学部進学のカリキュラムがある医療福祉学科に行こうと思って…ところで、みるくは?」
「選挙管理委員会の集まり。立候補者が揃ったみてぇで、明日の朝貼り出す候補者名簿の準備をするから遅くなるって。」
もうすぐ、サン・ジェルマン学園は中等部、高等部共に年に一度の生徒会選挙が始まる。みるくはこの度選挙管理委員会に入ることになり、その選挙管理委員長は瑞希が務める事になっている。
「ところで、涼也のクラスは誰が立候補したんべ?」
「あずき!生徒会長直々の指名だってよ♪そっちは?」
涼也の問いかけに、雪斗はニコニコと挙手をするが、となりの一悟は仏頂面で手を挙げる。
『俺はぜってー、生徒会になんか入んねーぞ…全力で落選したらァ…』
一悟が今回の生徒会選挙に立候補したのは、自らの意思ではなく、雪斗の「一悟と一緒に生徒会の仕事がしたい」という独りよがりの推薦であった。それだけなら、「まぁ仕方ない」で済むのだが、一悟が「全力で落選したい」と願う事には理由があった。姉の一華である。一華は普段から一悟を顎でこき使っていながら、一悟が空手や「太鼓の玄人」の全国大会で好成績を記録したり、学校内で成果を上げると、すぐに自分の手柄の様に一華が自慢をし始めるのである。特に、マジパティである事がバレて以降は、逆らおうとすれば「新聞部と放送部にバラす」と半ば脅しを受けているのである。勿論、涼也もその事を知っており、自分が居候中にどうにか一華のその行いをやめさせたいと思っているが、なかなかうまくいかないようだ。
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