(R18完結)星屑の申し子

如月紫苑

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第一章 運命の瞬間

4 星屑か処刑か……って選択肢ないじゃん!

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「……どんな願いでしょうか?」
 少し不機嫌な声が出る。
「星屑を探して来い」
 その声は静かなのに力強く、とても冷たい。

コツ コツ

 声の主は影の中から数歩私に近付く。
 とても綺麗な顔の男性だ。背が高く、松明の明かりで金髪がそれこそ星の光のように輝く。だけど彼の真っ青な目は今まで出会った人の中で一番冷たい。重そうな白と紫の服には他の人達にない刺繡が施されている。
「召喚された異世界の者は散らばった星屑をその瞳に映し出せる。それを集めろ」
「星屑?」
「王の御前だ! 口調に気を付けろ!」
 先程の帽子の男が私に声を荒げる。だが強制的に私の頭を押さえて跪かせるようなことはしてこない。
 良く見ると私は地面に描かれた円形の中央に立っている。そして部屋の人達はその境界線を踏み越えて入ってこない。

――――でも入ってこないって事は、私は生活の為に向こうへ行かなきゃいけないって事だよね?

 これは小説で読んだような状態なのだろうか。一度この境界線を跨ぐと二度と戻れないという。

――――だけど……戻りたい? 親もいない。唯一の肉親は私の人生を何度も壊す。そしてもう健司は私の人生にはいない
 
「……申し訳ございません。『王様』には初めてお会いしたもので」
 王は小さく頷くと口煩そうな帽子男は静かになる。
「探すか処刑されるか、どっちだ?」
「探します」
「良い返事だ」
「女中に身の回りの準備を手伝わさせる。夕飯は私の部屋に来い」
「分かりました」
 王は私の全身を一瞥するとそのまま無言で部屋から出て行く。
「案内する。付いて来なさい」
 帽子男は王とは別の方向へと歩き始める。私は一瞬躊躇するけれども円陣から踏み出る。
 円陣から出てすぐに変化がある。空気は湿気の多い、少し古い建物と獣のような匂いが立ち籠っている。気温も一気に急降下する。
「私達カピラーキ人は長い事左右を挟む国との力関係に悩んできました。ここ数世紀カピラーキの気候が変化してしまったのです。ずっと対等の軍事力だったのが、その気候のせいで必要な食料が賄えず、去年は餓死する国民が大勢出ました。それに伴って軍の財源を民に回したが為に我が軍事力が弱体化。最近は近々隣国が攻め入るだろうという噂が出回り始めています」
 細い階段を上がり、石で出来た通路を上がっていく。私はパーティードレスのままなので物凄く肌寒く感じる。見た感じ電気はなさそうなのでヒーターは絶望的だろう。
「我が国は今、莫大な魔力を必要としております。防衛と攻撃力、そして気候を変えるための魔力。約百年前にこの国の一角に星が墜落した場所があります。その星屑は強烈な魔力を秘めています。だがこの世界の住民には星屑は見えません。異界の者でなければいけない。だから魔力をかき集め、召喚したのが貴女です」
「星屑は私が見て分かる物でしょうか?」
「予言によればすぐに分かるそうだ。王が一欠片持っておられるので見せていただける筈だ」
 
――――ー……そういえば夕飯に呼ばれているんだっけ? あの王様とあんまり会話弾むイメージが沸かないなぁ。なんか……凄く息が詰まりそう
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