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第一章
感動の再会(かもしれない)
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「もう、煩いなぁ。僕は病み上がりなんだから少しは静かにしてくれよー」
「ベルセルク!」
いつの間に、起きていたのだろうか。
「あのねー、マナ切れっていうのは、すぐ回復できるんだよ。龍をあまり舐めないで欲しいな」
「そ、そーなのかー」
どこぞの人を食う闇を操る1面ボス的な発言をかます俺。
正直ベルセルクのことを侮っていたのは、認める。
「だけど、最悪のことを想定しとかないと、いざって時に困るだろ?」
「ふーん、君なりには考えてたんだ」
「お、おうよ!」
どうやら、許してくれたらしい。ご機嫌を損ねなかったようで何よりだ。
「それでさ、さっきの戦いも見てたんだけど」
「あ、見てたのね…なんか、申し訳ない。教えて貰ったこと、全部は出来なかった」
あれは、贔屓目に見ても酷い戦いだった。傍から見れば勝ちといえるかもしれない。
けど、赤竜の攻撃を読むことが出来なかった上に、二つも秘技を使っといてこれだ。
「まぁ、確かにねー僕の教えたこと、殆ど生かされてなかったね」
「すみませんすみませんすみません」
「せっかく、マナ切れを起こすまで付き合ったっていうのに」
「すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんっ!」
やばい。案の定、お怒りモードか?納得できないわけじゃない。当の自分も満足していないのだから、師匠たるベルセルクが怒るのも無理はない。
「でもね、」
「?」
あれ?今の俺、怒りの鉄槌の一つや二つ来る覚悟だったんだけど。まさか、褒めてくれる?いや、まだ油断は出来
「______生きて帰ってくれたのが一番だよ」
「!」
その時のベルセルクの顔は、今まで見たことの無いものだった。普段ならSっ気漂う、のほほんとしているようで実は冷徹な表情なのに。
何故だが、今は微笑んで、そうまるで。
「…天使かよ」
「ふぇ?」
おっとっと、つい声に出しちまったぜ。よしここまで来たら、正直に言うぞ。
「見蕩れてたんだよ、その顔に」
「……女の子に嘘ついちゃダメなんだよ…」
「そりゃ俺がこんな臭いセリフ吐いたら、信じてくれねぇよな。でも、ほんとだぞ?」
「っ/////」
おいおいおい、「/」とかどっか固定のジャンルでしか見た事ねぇぞ。これは、男もとい漢としても成長しちまったんじゃねぇの?
「なーんてね」
俺は、頭から突っ込む。そう、無駄に身体能力があるせいで真の意味でのズッコケができてしまうのだ!
「(体をどうにかして起こしながら)だ、だろうと思いましたよぉ!」
「あ、そう。ならいいけど。間違っても、漢として成長したかもなんて思わないようにね☆」
「……うう、ううわわわわわわあああああんん!!!!!!!!!!!」
ひと通り、メインヒロイン(??)であるはずのベルセルクに、泣かされまくった。
___________________________________
「これが、問題の赤竜か」
「ぐすっ、ああ、思ったよりもでかかった」
まだ目が腫れている俺は、少し上擦った声で応える。
「絶命後、そんなに時間は経過していないか………『喰える』な」
お、ようやく問題の『喰らい』を見していただけるのですね!ワクワク。
ベルセルクは、竜の傍によると何やら呪文らしきものを唱える。
「オノム・アルコウ・ウィレラウ」
すると、竜の体が光に包まれていく。それも、かなりの光度だ。俺は思わず目を瞑る。
「エルメノイ・イサーマト・ノ・シナカル・セイ」
さらに、光が強くなる。放射状に放たれるそれは、天の祝福のようだった。まるで、儀式を行う聖女を神が守るかのように。正直、どんなんか知らんけど。
光が収束する。やがて景色がまた一面の白から、色鮮やかなものに戻っていく。
中心にたっていたのは、ベルセルクだけだった。
「お、おお。すげぇ」
語彙力!足りない!小並感!
「今のが『喰らう』ってことなのか?」
「そう、正確に言うと取り込むって感じ」
「マナとか回復したのか?」
「うん、さっきよりもだいぶ体が動くようになったよ。でも、欲を言えばまだ足りないかなぁ」
舐めてたー。さすが、龍。こんな竜程度じゃ足りないようだった。こっちは苦戦したって言うのに。
「まぁ、でも久々に美味しかったよ。もしこのまま何も食事出来なかったら、、、」
「で、出来なかったら?」
うわ、怖い。目ぇ笑ってねぇぇぇぇぇぇぇぇえ!
「ご想像にお任せします!」
「了解、致しましたぁ!」
これからも彼女の食事集めは欠かしてはならない。俺はそう誓った。何よりも自分の身の安全のために。
__________________________________
「本当にありがとございました!」
「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」
村には、近くの森で一時待機してもらっていた村人が戻っていた。村長の話によれば、子どもや女の人も含めて、全員の無事が確認されている。
「いえ、こちらにも益があったのでやったまでですよ」
嘘はついていない。ベルセルクの回復という、最急務をこなしたに過ぎない。こなしたといえるほど、簡単ではなかったけどね。
「こちらが助かったのに変わりはないですよ。しかも、仇を恩で返した頂いたようなものですよ。あの時は、本当に申し訳なかったです。して、隣のお嬢さんはどなたで?」
「え、えっと」
「妹です!」
「え?」
「もう、お兄ちゃん、私のこと忘れちゃったの?」
ベルセルクが、村長にバレないように俺の背中をバシバシ叩く。話を合わせろ、ということらしい。
「あ、ああ。そうそう。べ、ベルって名前なんですよ…」
「そうでしたか」
何とか、誤魔化せたか?かなぁり無理があると思うのだけど…
「あ、良かったら、お礼にここに泊まって頂いても構いませんよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
「いえ、早くお兄ちゃんとお母さんに会わないと?ね?」
「え?ち、ちょっと」
ベルセルクは、グイッと俺の腕を引っ張る。伊達に龍であるだけに、馬鹿みたいに力が強い。てか、痛い痛い!肩外れるぅ!
結局、そのまま引き摺られるようにして村を出た。
「おい、なんでそんな急ぐんだよ?なんか用でもあるのか?」
俺は、彼女の突然の奇行の目的を訊く。
すると、ベルセルクは渋い顔になる。
「もう、生贄にされたの忘れたの?」
「え、」
ベルセルクは、溜息をつく。
「格好の汚い怪しい若者が、突然竜を倒したなんて信じられる?死体だって、僕が『喰』っちゃったし」
「確かに……」
考えたことがなかった。あんなに感謝されたもんだから、俺が倒したのを彼らは信じていると思っていた。やはり、これが日本特有の危機感の無さなのだろうか。
「きっとあの感じだと、ライトを竜避けの案山子みたいに使って、僕は奴隷かなんかにするつもりだったね」
なんて大袈裟な、とは言えなかった。この身をもって、それは痛いほど味わってきた。
「なんか、どこの世界も世知辛いな…」
「世界なんてそんなもんだよ、聖域なんてどこにも無いのさ」
なんか厨二っぽいベルセルクの発言が、この会話のまとめとなった。
俺は、この年で、この異世界において、世の中を思い知らされたのであった。くわばらくわばら。
__________________________________
二人が立ち去った後のことだった。村長と側近は、村長宅にて密談をしていた。部屋の立ち入りを禁じてまで。
「あと少しでしたね…」
「まあな。男の方は竜避けぐらいにはなっただろうが、問題は妹の方だな」
「見てくれは、凄かったですものねー」
「そういう意味じゃねぇよ」
「?」
「目が違う。あれは、人じゃねぇ。元冒険者の俺に狂いはない」
「ほ、ほんとですか…元A級の貴方が言うのだから、そうなんでしょうね…」
この二人の会話は、本人たち以外に知られることは無かった。
「ベルセルク!」
いつの間に、起きていたのだろうか。
「あのねー、マナ切れっていうのは、すぐ回復できるんだよ。龍をあまり舐めないで欲しいな」
「そ、そーなのかー」
どこぞの人を食う闇を操る1面ボス的な発言をかます俺。
正直ベルセルクのことを侮っていたのは、認める。
「だけど、最悪のことを想定しとかないと、いざって時に困るだろ?」
「ふーん、君なりには考えてたんだ」
「お、おうよ!」
どうやら、許してくれたらしい。ご機嫌を損ねなかったようで何よりだ。
「それでさ、さっきの戦いも見てたんだけど」
「あ、見てたのね…なんか、申し訳ない。教えて貰ったこと、全部は出来なかった」
あれは、贔屓目に見ても酷い戦いだった。傍から見れば勝ちといえるかもしれない。
けど、赤竜の攻撃を読むことが出来なかった上に、二つも秘技を使っといてこれだ。
「まぁ、確かにねー僕の教えたこと、殆ど生かされてなかったね」
「すみませんすみませんすみません」
「せっかく、マナ切れを起こすまで付き合ったっていうのに」
「すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんっ!」
やばい。案の定、お怒りモードか?納得できないわけじゃない。当の自分も満足していないのだから、師匠たるベルセルクが怒るのも無理はない。
「でもね、」
「?」
あれ?今の俺、怒りの鉄槌の一つや二つ来る覚悟だったんだけど。まさか、褒めてくれる?いや、まだ油断は出来
「______生きて帰ってくれたのが一番だよ」
「!」
その時のベルセルクの顔は、今まで見たことの無いものだった。普段ならSっ気漂う、のほほんとしているようで実は冷徹な表情なのに。
何故だが、今は微笑んで、そうまるで。
「…天使かよ」
「ふぇ?」
おっとっと、つい声に出しちまったぜ。よしここまで来たら、正直に言うぞ。
「見蕩れてたんだよ、その顔に」
「……女の子に嘘ついちゃダメなんだよ…」
「そりゃ俺がこんな臭いセリフ吐いたら、信じてくれねぇよな。でも、ほんとだぞ?」
「っ/////」
おいおいおい、「/」とかどっか固定のジャンルでしか見た事ねぇぞ。これは、男もとい漢としても成長しちまったんじゃねぇの?
「なーんてね」
俺は、頭から突っ込む。そう、無駄に身体能力があるせいで真の意味でのズッコケができてしまうのだ!
「(体をどうにかして起こしながら)だ、だろうと思いましたよぉ!」
「あ、そう。ならいいけど。間違っても、漢として成長したかもなんて思わないようにね☆」
「……うう、ううわわわわわわあああああんん!!!!!!!!!!!」
ひと通り、メインヒロイン(??)であるはずのベルセルクに、泣かされまくった。
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「これが、問題の赤竜か」
「ぐすっ、ああ、思ったよりもでかかった」
まだ目が腫れている俺は、少し上擦った声で応える。
「絶命後、そんなに時間は経過していないか………『喰える』な」
お、ようやく問題の『喰らい』を見していただけるのですね!ワクワク。
ベルセルクは、竜の傍によると何やら呪文らしきものを唱える。
「オノム・アルコウ・ウィレラウ」
すると、竜の体が光に包まれていく。それも、かなりの光度だ。俺は思わず目を瞑る。
「エルメノイ・イサーマト・ノ・シナカル・セイ」
さらに、光が強くなる。放射状に放たれるそれは、天の祝福のようだった。まるで、儀式を行う聖女を神が守るかのように。正直、どんなんか知らんけど。
光が収束する。やがて景色がまた一面の白から、色鮮やかなものに戻っていく。
中心にたっていたのは、ベルセルクだけだった。
「お、おお。すげぇ」
語彙力!足りない!小並感!
「今のが『喰らう』ってことなのか?」
「そう、正確に言うと取り込むって感じ」
「マナとか回復したのか?」
「うん、さっきよりもだいぶ体が動くようになったよ。でも、欲を言えばまだ足りないかなぁ」
舐めてたー。さすが、龍。こんな竜程度じゃ足りないようだった。こっちは苦戦したって言うのに。
「まぁ、でも久々に美味しかったよ。もしこのまま何も食事出来なかったら、、、」
「で、出来なかったら?」
うわ、怖い。目ぇ笑ってねぇぇぇぇぇぇぇぇえ!
「ご想像にお任せします!」
「了解、致しましたぁ!」
これからも彼女の食事集めは欠かしてはならない。俺はそう誓った。何よりも自分の身の安全のために。
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「本当にありがとございました!」
「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」
村には、近くの森で一時待機してもらっていた村人が戻っていた。村長の話によれば、子どもや女の人も含めて、全員の無事が確認されている。
「いえ、こちらにも益があったのでやったまでですよ」
嘘はついていない。ベルセルクの回復という、最急務をこなしたに過ぎない。こなしたといえるほど、簡単ではなかったけどね。
「こちらが助かったのに変わりはないですよ。しかも、仇を恩で返した頂いたようなものですよ。あの時は、本当に申し訳なかったです。して、隣のお嬢さんはどなたで?」
「え、えっと」
「妹です!」
「え?」
「もう、お兄ちゃん、私のこと忘れちゃったの?」
ベルセルクが、村長にバレないように俺の背中をバシバシ叩く。話を合わせろ、ということらしい。
「あ、ああ。そうそう。べ、ベルって名前なんですよ…」
「そうでしたか」
何とか、誤魔化せたか?かなぁり無理があると思うのだけど…
「あ、良かったら、お礼にここに泊まって頂いても構いませんよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
「いえ、早くお兄ちゃんとお母さんに会わないと?ね?」
「え?ち、ちょっと」
ベルセルクは、グイッと俺の腕を引っ張る。伊達に龍であるだけに、馬鹿みたいに力が強い。てか、痛い痛い!肩外れるぅ!
結局、そのまま引き摺られるようにして村を出た。
「おい、なんでそんな急ぐんだよ?なんか用でもあるのか?」
俺は、彼女の突然の奇行の目的を訊く。
すると、ベルセルクは渋い顔になる。
「もう、生贄にされたの忘れたの?」
「え、」
ベルセルクは、溜息をつく。
「格好の汚い怪しい若者が、突然竜を倒したなんて信じられる?死体だって、僕が『喰』っちゃったし」
「確かに……」
考えたことがなかった。あんなに感謝されたもんだから、俺が倒したのを彼らは信じていると思っていた。やはり、これが日本特有の危機感の無さなのだろうか。
「きっとあの感じだと、ライトを竜避けの案山子みたいに使って、僕は奴隷かなんかにするつもりだったね」
なんて大袈裟な、とは言えなかった。この身をもって、それは痛いほど味わってきた。
「なんか、どこの世界も世知辛いな…」
「世界なんてそんなもんだよ、聖域なんてどこにも無いのさ」
なんか厨二っぽいベルセルクの発言が、この会話のまとめとなった。
俺は、この年で、この異世界において、世の中を思い知らされたのであった。くわばらくわばら。
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二人が立ち去った後のことだった。村長と側近は、村長宅にて密談をしていた。部屋の立ち入りを禁じてまで。
「あと少しでしたね…」
「まあな。男の方は竜避けぐらいにはなっただろうが、問題は妹の方だな」
「見てくれは、凄かったですものねー」
「そういう意味じゃねぇよ」
「?」
「目が違う。あれは、人じゃねぇ。元冒険者の俺に狂いはない」
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