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春の章
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サイクロイド士官学校の教官は、軍の士官の中でも選りすぐりの人材が配置される。
任期は一年。候補生が士官学校を卒業すると同時に、彼らもまた任を解かれて軍に帰還する。
強靭な精神力、それを支える底なしの体力。
この二つなくしては、士官はおろか、軍人となることさえ不可能なのだ。
鼻から流れた汗が口にしょっぱく沁みてくる。
ユリシスはルベリエを凝視した。
――俺はまず、この人を超えなければならない。
「おら、のろのろしてないで、さっさと寮に帰れ。んで、クソして寝ろ。言っとくが、明日五時に起きられなかった奴は退学だからな」
ルベリエはうずまくる候補生たちの頭を蹴飛ばした。
「ねえねえ、もうおしまい?」
その時、背後で屈託のない声が弾けた。
闇夜にフィンの蒼い目が燐光を放っている。
ユリシスはぎょっとしたが、その場にいた者は疲労のあまりほぼ反応がなかった。
ルベリエは憎らしい表情でフィンの額を小突く。
「お前はあと五十周だ」
フィンは澄んだ笑い声を立てて飛び跳ねた。
「そうこなくっちゃ」
全速力で走り去っていく背中を見て、ユリシスは背筋を凍らせた。
ルートは鋭い目でフィンの背中を見つめている。
任期は一年。候補生が士官学校を卒業すると同時に、彼らもまた任を解かれて軍に帰還する。
強靭な精神力、それを支える底なしの体力。
この二つなくしては、士官はおろか、軍人となることさえ不可能なのだ。
鼻から流れた汗が口にしょっぱく沁みてくる。
ユリシスはルベリエを凝視した。
――俺はまず、この人を超えなければならない。
「おら、のろのろしてないで、さっさと寮に帰れ。んで、クソして寝ろ。言っとくが、明日五時に起きられなかった奴は退学だからな」
ルベリエはうずまくる候補生たちの頭を蹴飛ばした。
「ねえねえ、もうおしまい?」
その時、背後で屈託のない声が弾けた。
闇夜にフィンの蒼い目が燐光を放っている。
ユリシスはぎょっとしたが、その場にいた者は疲労のあまりほぼ反応がなかった。
ルベリエは憎らしい表情でフィンの額を小突く。
「お前はあと五十周だ」
フィンは澄んだ笑い声を立てて飛び跳ねた。
「そうこなくっちゃ」
全速力で走り去っていく背中を見て、ユリシスは背筋を凍らせた。
ルートは鋭い目でフィンの背中を見つめている。
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