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春の章
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「あいつ、化け物かよ」
クールダウンで歩き回っていたレッドが言い、ユリシスに手を差し出した。
「いけるか?」
「当たり前だ」
ユリシスが手を振り払うのを見て、レッドはにかりと笑う。
「おや、ま。そりゃよかった」
「先に帰っててくれ」
ユリシスがフィンの去った方角を見つめていると、レッドは渋い顔で首を振った。
「まさか、チビを追うつもりか?ほっとけよ。お子ちゃまが初っ端で浮かれてるんだろ。どうせ後は続かねえよ」
「あれが空元気に見えるのか」
ユリシスの眼差しは峻烈だった。
誰もが心を折られ、意地もプライドも踏みにじられて、しかも睡眠時間はどう多く見積もっても五時間を切っていて。
なのにどうして、あんなに無邪気な声で、明るくはしゃぐことができるだろうか。
「……頭おかしいんだろ」
レッドは人さし指を頭の横でくるくると回してみせた。
春の夜風は柔らかく、瑞々しい星の光は予兆をはらんで真っすぐに地上へと注いでいる。
クールダウンで歩き回っていたレッドが言い、ユリシスに手を差し出した。
「いけるか?」
「当たり前だ」
ユリシスが手を振り払うのを見て、レッドはにかりと笑う。
「おや、ま。そりゃよかった」
「先に帰っててくれ」
ユリシスがフィンの去った方角を見つめていると、レッドは渋い顔で首を振った。
「まさか、チビを追うつもりか?ほっとけよ。お子ちゃまが初っ端で浮かれてるんだろ。どうせ後は続かねえよ」
「あれが空元気に見えるのか」
ユリシスの眼差しは峻烈だった。
誰もが心を折られ、意地もプライドも踏みにじられて、しかも睡眠時間はどう多く見積もっても五時間を切っていて。
なのにどうして、あんなに無邪気な声で、明るくはしゃぐことができるだろうか。
「……頭おかしいんだろ」
レッドは人さし指を頭の横でくるくると回してみせた。
春の夜風は柔らかく、瑞々しい星の光は予兆をはらんで真っすぐに地上へと注いでいる。
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