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冬の章
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見ると、男のちぎれかかった首が地面に転がり、骨のはみ出した首から下が地面に倒れ伏していた。
夥しい血が流れ、魚のような生臭い匂いが鼻をつく。
「吐くなよ」
剣の血を払って鞘に納め、ルベリエはルートの手を引いて起こしてやった。
ルートは吐き気をこらえながら口元を拭う。冷や汗がぐっしょりと体を濡らしていた。
せめてもの雪の白さが、地面に絵具のようになすりつけられた血の名残を消してゆく。
「……帰るところなんて、どこにもない」
灰色の空から静かに降る雪を見上げ、ルートは震える声で言った。
「俺はここで生き抜くしかないんだ」
ルベリエの瞳が、痛ましく細められた。
「俺もだよ。帰る場所なんて、とうの昔になくしちまった」
二つの亡骸の、黒衣に刻まれたFの文字が目に焼きつく。
不意打ちに、ルートの頭に手を置いてルベリエは言った。
「そんだけねじ曲がった性格なんだ、一周回って楽しくなる日も来るだろ。今のうちに、せいぜいひねくれとけ」
ぽんぽんと頭をたたかれ、ルートは面映ゆく言い返す。
「こんなときに、何であんたは……」
「口さがないのは生まれつきなんだよ。悪いな」
ルベリエは笑みを浮かべる。
「……あんたが際限なく馬鹿なのが分かったよ」
悪態をつきながら、ルートは真っすぐに顔を上げ、力強い眼差しで自分自身に誓う。
――生き残る、何としてでも。
夥しい血が流れ、魚のような生臭い匂いが鼻をつく。
「吐くなよ」
剣の血を払って鞘に納め、ルベリエはルートの手を引いて起こしてやった。
ルートは吐き気をこらえながら口元を拭う。冷や汗がぐっしょりと体を濡らしていた。
せめてもの雪の白さが、地面に絵具のようになすりつけられた血の名残を消してゆく。
「……帰るところなんて、どこにもない」
灰色の空から静かに降る雪を見上げ、ルートは震える声で言った。
「俺はここで生き抜くしかないんだ」
ルベリエの瞳が、痛ましく細められた。
「俺もだよ。帰る場所なんて、とうの昔になくしちまった」
二つの亡骸の、黒衣に刻まれたFの文字が目に焼きつく。
不意打ちに、ルートの頭に手を置いてルベリエは言った。
「そんだけねじ曲がった性格なんだ、一周回って楽しくなる日も来るだろ。今のうちに、せいぜいひねくれとけ」
ぽんぽんと頭をたたかれ、ルートは面映ゆく言い返す。
「こんなときに、何であんたは……」
「口さがないのは生まれつきなんだよ。悪いな」
ルベリエは笑みを浮かべる。
「……あんたが際限なく馬鹿なのが分かったよ」
悪態をつきながら、ルートは真っすぐに顔を上げ、力強い眼差しで自分自身に誓う。
――生き残る、何としてでも。
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