女子高生占い師の事件簿

凪子

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【2】リロケーション

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「……何の仕事してんの?」

まさかキャバ嬢とか、パパ活が『仕事』じゃないだろうな。

もしそうだったとしても全く関係ないけれども、同じ年ごろの幼馴染がおり、自覚はないが面倒見のいい性格である律にとっては、やはり懸念してしまうことだった。

だが、恵果の返答は、律の想像の範囲を大きく逸脱したものだった。

「幸せを売る仕事」

「は?」

清潔感のある容姿に違わず、その言葉遣いは実に丁寧だった。

頭が回転をやめた律に向かって、恵果は自分の胸に手を置き、凛と言い放った。

「私、占星術師なの」

と。




***************************************


「あれが噂の探し物?」

美蘭のかすれた声が尋ねた。

比呂は小さく笑って頷く。

月明かりがベランダの窓から差し込み、部屋の中を蒼い光が満たしている。

「勘がいいな、美蘭は」

「これからどうするつもり?」

「もしかして、妬いてくれてる?」

「冗談」

美蘭は比呂の頬を人さし指でぴん、と弾いた。

「あの子を利用して、何をしようとしてるの?比呂」

美蘭の物憂げな瞳が比呂を見つめる。

比呂は首を傾げて両手を広げ、こう言った。

「……さあ?」


***************************************


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