女子高生占い師の事件簿

【５】イベントチャート

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「ちょっと、ちょっと待ってよ！真辺君てば」

掴まれた袖を振り払い、理人は邪険に言った。

「話はもういい。俺は帰る」

「あんたは信じてないかもしれないけど、恵果ちゃんは本物の占い師だよ。本当にあんたの話を聞いて、どうにかしたいと思ってるのよ」

「分かってる。だから帰るんだ」

理人は小さな声で言った。

先ほどまでの威勢が弱まっている。

「反抗なんて、あんたのキャラに合ってないよ。何でいきなりそういうことするわけ？教えてよ」

「お前には関係ない」

「関係なくない！友達の心配しちゃいけないの？」

加奈子が言い放ち、それからはっと口を手で押さえた。

理人はきっと嘲笑するだろう。「お前の友達になった覚えはない」と、冷徹に切って捨てるだろう。

加奈子は唇を噛んだ。

だが、理人は全く違う言葉を口にした。

「……お前さ、怖くないのか」

「え？」

虚を突かれて、加奈子は間抜けな声で返答した。

「自分の従姉の人間離れした力が、怖くないのかって聞いてるんだよ」

加奈子はきょとんとした顔をした後、笑った。

「人間離れって、占いのこと？大げさなんだから。そんな怖い顔して何を言い出すかと思えば」

だが、理人は加奈子の言葉こそが冗談のように聞こえるようだった。

顔を近づけ、声を低めて脅すように言う。

「分からないのか？あの女は占い以前に、何か人を超えた力の資質を持っているとしか思えない。じゃなきゃ、分かるはずないんだよ」

加奈子は両肩を乱暴に掴まれて、目を白黒させた。

わけが分からない。