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本編
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しおりを挟む悩みなんて言うと大げさだけど、心がもやっとすることって、誰にでもある。
それが思春期まっただ中の女の子なら、なおさら。
親との喧嘩? クラスでのポジション? 左頬のニキビ? テストの点数?
それともやっぱり――好きな人のこと?
そんな深刻になるような話じゃないって分かってる。
流行りの歌を聞いて、ジンジャーエールを喉に流し込めば忘れてしまえるぐらいの、軽い問題。
でも、誰にも言えない。
言えない。絶対言えない。
――ディエス・イレが近い。
そんなささやきが、どこからか聞こえてくるなんて。
そして時々、変な夢を見るなんて。
でも、それこそが今、私――小泉舞の胸を、もやっとさせているものだ。
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