16 / 133
本編
15
しおりを挟む
爽君は虚を突かれた表情をしていたが、やがて我に返り、皮肉っぽい笑みを浮かべる。
「男に告られても嬉しくねぇな」
「ははっ。その言い方も爽兄っぽい」
懐かしいね、と紘ちゃんは独り言のようにしみじみと言った。
出てくる料理やお皿は美しく洗練されていて、説明を受けても私には何が何やらさっぱり分からなかった。
けど、どれもこれも美味しかった。
メインの肉料理が済んだころ、爽君が席を立った。
もう終わりなのかと思い、私と紘ちゃんも立ち上がる。
だが、「煙草だよ」と爽君は指を二本立てて、煙草を吸う仕草をしてみせた。
「あとはデザートが出てくるはずだから、しばらく待ってな」
「あ、俺、トイレ行ってくる」
紘ちゃんが言って立ち上がり、二人は並んでレストランを出ていった。
私は一人席に残り、窓の外に広がる夜景を眺める。
満腹で心も満たされ、心地よい眠気を感じた。
(楽しかったな)
最初はどうなることかと思ったけど、やっぱり三人でここへ来てよかった。
食事代を出してもらった爽君には申し訳ないけど。
こんな高級レストランなんて、高校生の私には縁がないところだ。
爽君だって、日本で言うなら大学三年生なんだし、気軽に来られるような場所じゃないはずだ。
(やっぱり、アメリカだとこういうのが普通なのかな……)
高校生でも大人顔負けで遊び場に出入りしたり、パーティー三昧だったりするのだろうか。
堂々としている爽君を見ると、格好いいと思う反面、ちょっぴり悔しくもある。
「男に告られても嬉しくねぇな」
「ははっ。その言い方も爽兄っぽい」
懐かしいね、と紘ちゃんは独り言のようにしみじみと言った。
出てくる料理やお皿は美しく洗練されていて、説明を受けても私には何が何やらさっぱり分からなかった。
けど、どれもこれも美味しかった。
メインの肉料理が済んだころ、爽君が席を立った。
もう終わりなのかと思い、私と紘ちゃんも立ち上がる。
だが、「煙草だよ」と爽君は指を二本立てて、煙草を吸う仕草をしてみせた。
「あとはデザートが出てくるはずだから、しばらく待ってな」
「あ、俺、トイレ行ってくる」
紘ちゃんが言って立ち上がり、二人は並んでレストランを出ていった。
私は一人席に残り、窓の外に広がる夜景を眺める。
満腹で心も満たされ、心地よい眠気を感じた。
(楽しかったな)
最初はどうなることかと思ったけど、やっぱり三人でここへ来てよかった。
食事代を出してもらった爽君には申し訳ないけど。
こんな高級レストランなんて、高校生の私には縁がないところだ。
爽君だって、日本で言うなら大学三年生なんだし、気軽に来られるような場所じゃないはずだ。
(やっぱり、アメリカだとこういうのが普通なのかな……)
高校生でも大人顔負けで遊び場に出入りしたり、パーティー三昧だったりするのだろうか。
堂々としている爽君を見ると、格好いいと思う反面、ちょっぴり悔しくもある。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる