異世界に魔神召喚された忍者、一族の復讐をここで果たします~忍者なのに魔力一億??~

いーぽん

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第一章

あれから二ヶ月、

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 カイトがこの世界に召喚され、タオとルルがこの村に来て二ヶ月が経っていた。カイトは驚くべき早さで数々のクエストをこなし、既に上級の戦闘士として認められていた。数年に一度蘇っては地上の砂を地下へと吸い込もうとするゴーレムを、現在は討伐中。吸い込むだけでなく、ゴーレムはその砂でダンジョンを作り上げる。高難易度のクエストでありながら、ダンジョンをクリアしてゴーレムをどれだけ早く倒せるかを歴代のクエスト達成者と競うのも挑戦者の楽しみであるクエストである。過去の最速記録は、エドルフ王の一時間。二番目が一時間一分で、ミカゲやリオンの他にもう一人いるエドルフ王の側近である。
「ゴォーーーー!」
 ブロック状の砂、泥の塊が連なって形成された体長二十メートルほどもあるゴーレム。そんな巨体の前ではほとんどの人間はただただ無力であろう。が、このクエストに挑戦するのにそんな人間は務まらない。
「火弾炎弾」
 いくつもの火の玉がゴーレムにぶつかっていく。体のいくつかに穴が開くが、すぐに飛んでいった砂が元の位置に戻ってきて修復される。
「一気に潰さなければいけねぇってことか」
「ゴォーーー」
 ゴーレムが足で地面を踏む。それだけで砂嵐が起こり、風圧でカイトの体は押されていく。そんな中、カイトの足元に大きな穴が現れる。もう少しで穴に落ちていくギリギリのところで宙に飛んだ。
「ちんたらやってちゃいけねぇな。豪炎連打、龍弧」
 カイトが体の前で交差させる腕から、火の龍と火の狐が現れる。そして交差を繰り返しながら、次々とゴーレムの身体を貫いていく。穴を開ける速度がゴーレムの回復する速度を越え、遂にゴーレムはバラバラの砂となった。そして、同時に砂は地上に戻る。ダンジョンクリアである。
「おめでとう、五分でクリアだよ」
 入り口まで付き添いに来て、リオンがタイムカイトを待っていた。計測に来た綾目によって分かれ道もどちらにいけば、モンスターがいるかがわかるカイトには迷うことも急襲を受けることもなかった。
「もう、君強すぎだよ。全部のクエスト君に託したいくらいだ」
「でも、それじゃあ駄目なんだろ」
「うん、みんなのためにならないからね」
 カイトは村に向かう。本来クエストを終了すれば王国に報告しなければいけないが、モカがいるのでそこは楽をしていた。リオンもカイトについて来ていた。
「何か用があるのか?」
「うん。次のクエストだよ」
「次はどんな化け物を倒せばいい?」
「中身は村に帰ってからのお楽しみ」
 村につくと、ユアナ達が迎える。モーリーやルーア、タオやルルも、みんな二ヶ月前よりも立派な顔つきになっていた。カイトはタオとルルに訓練をつけていた。それにモーリーやルーアも便乗して習っていた。ちなみにタオとルルはもう中級となっている。
「はい、みんな注目だよ!」
 リオンが声をあげる。額に汗をかいている。日差しが強く、季節は夏だ。
「次のクエストには、九人まで一緒に行ってもらうことができます」
 リオンは指で一人ずつ指しながら名前を挙げて数える。
「モーリー、グラス、カイト、ユアナ、タオ、ルル、モカ様、これで七人。村長も行っちゃいなよっつことで八人。あと一人か……」
「あの、どういうクエストなんですか?」
 ユアナが曇った表情を浮かべている。それだけの人数が必要な難関のクエストなのかと思ったのだ。
「あぁ、超大金持ちの経営する、離島アクアナイトにあるホテルで悪夢をみる人が続出していてね。それを解決してきてほしいんだ。まぁ、おそらく死霊の骸骨デッドボーンの仕業だろうけど」
「それだけでそんなにも人数がいるのですか?」
「依頼主がせっかくだから、クエスト終了後に数日間泊まって楽しんでいきなよって感じのクエストなんだよ」
 そんな話をしているところに、ロードがやって来た。
「アクアナイトですか?」
「うん、あなたもいっちゃいます? あと一人行けますよ」
「可能なら行かせていただきたいです」
 それを聞いて村長は深刻そうな声でロードにたずねる。
「おい、お前がそんなこと言うなんて何かあるのか?」
「少し、思うところがあるのです」
「まあ、とりあえずこの九人がいくってことでいいね? みんなが不在の間はボクが村守るから。みんなは夏を満喫してきな!」
 照りつける太陽に向かって指差すリオン。
「大丈夫なんですか?」
「国王の側近舐めんな」
「側近というわりにいつも違うとこいますけどね。そして、リオンさんってキャラがよくわからないですね」
 ユアナの言葉にリオンは少しむすっとした。
 こうしてカイトたち九人は夏をエンジョイしに、離島へ向かうこととなる。この先にどんな悪夢が待っているかも知らずに。ただ、一人を除いては。
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