32 / 66
王立魔法学園編Ⅰ
寮へ
しおりを挟む
お昼ご飯を食べ、それから制服の採寸をしたり日用品や衣服を買ったりした。
王都のご飯は和洋中全て揃っていて、グラダラスのメイドさんが作ってくれた洋食も美味しいけれど王都のご飯も負けていない。
流石は王都と言うだけはあるかもね。
「次は住む場所を決めようか。学園の寮とマンション、どっちがいいかな?」
カフェでお茶をしながらヒックさんに訊ねられる。
天気も良くカフェのオープンテラスで向かい合いながら話している。
ヒックさんはコーヒー、私はレモネードを頼んだ。
「どっちが安いですか?」
「そりゃ寮かな」
ゼスオジからお金を貰ってはいるが、極力贅沢な暮らしはあまりしたくない。
城で贅沢な生活をしといて何を言っているのか、なんて思われるかもしれないけれどメイドであるルナが居ない今だからこそ上げてしまった生活水準を下げる必要がある。
と言っても城の生活は一週間程度だし、すぐに戻せると思う。
「じゃあ寮にします」
「いいの? マリアちゃんならマンションに住んだ方がいいと思うけど……んー、逆に寮の方が安心かなぁ」
私が寮にすると決めると一度聞き返し、顎に手を当てて何やら悩む素振りを見せ、寮の方が安心だと言って私の案に賛成のようだ。
「王都って治安が悪いんですか?」
「特段そういう訳じゃないんだけど、マリアちゃんは狙われそうなんだよねぇ」
治安が悪い訳ではなく、私が狙われる恐れがあるようだ。
「モドキだからですか?」
「あーそっか。まだ言ってなかったね」
てっきり獣人モドキだから狙われる恐れがあると思ったが違うようで、ヒックさんは何かを思い出したのか前のめりになり小声で話し始める。
私もよく聞こえるように前のめりになる。
「そのブレスレットはね、認識阻害の魔石が使われていて、マリアちゃんを知らない人が見たらただの人間に見えるんだ。だから極力外さないようにね」
認識阻害……無属性の魔法だっけ。
効果は様々で全くの別人からちょっとした変化まで、物によっては性別すら変えることが出来る。
ただの人間って言い方からして獣耳と尻尾は見えていないだけでしょうね。
その方が私としても嬉しい……本当に獣耳と尻尾が無くなってくれたらもっと嬉しいのだけど。
「それで街を歩いてても何も思われないんですね」
「まぁ王都は多種多様な種族が居るからそこら辺は大丈夫かな。問題はガイアスがマリアちゃんを殺そうとして王都まで刺客を送り込んだりしないか、なんだよね」
困り顔でそう話す。
そこまでやらない……とも言いきれない。
何らかの罪を着せて私を王都からグラダラスに連れ戻し、再び民衆の前で処刑をする……なんてこともありえる。
それに認識阻害には欠点がある。
「確か、認識阻害の魔法は本人を一度見たことがある者には効果がないんでしたっけ?」
「そう。だから王都にマリアちゃんが居ると分かったら何かしてくるかもしれない」
「肝に銘じておきます」
暫くは目立った行動は控えようと心に誓う。
寮で生活するのなら外に出る機会は少ないだろうし、あの民衆やガイアスの手下と鉢合わせる可能性は低いはずだ。
「ってことでもう少し休んだら寮に行こうか。ついでに学長とも話しておきたいし」
入学の書類を学長さんに渡すのかな?
前世で編入や転入などのイベントをしたことがないのでちょっとした不安を抱えながら私とヒックさんは王立魔法学園の隣にある寮へやってきた。
寮から見える王立魔法学園は茶色いレンガ造りの大きな建物で某大学を彷彿とさせる。
今日も学園で授業があったのか私が着る予定の青い制服に身をまとった学生たちが楽しそうに学園から出ていく。
青のベレー帽と、ポンチョに対魔性のエンチャントが施されているのが特徴的だ。
ポンチョの長さはスカートが余裕で隠れるほど。
そして青色はこの世界で忠誠や穢れなき心、勇気・勇敢などを連想されるらしい。
ゴルデスマンさんの着ていた鎧は国と主に対する忠誠を意味しているのだとルナから聞いたことがあった。
……流石にもうみんなグラダラスに着いたよね。
時折そんなことを考えてしまう。
「さて、ここが王立魔法学園の寮だよ」
そう言われて初めて寮をよく観察する。
三階建てのこれまた大きな寮。
学園とは違い、景観を崩さないようにか街中の地面と同じ土気色の建物をしている。
改めて私はここに住んで隣の学園に通うんだと思うと緊張してきた。
呼吸も少し苦しい。
「緊張してきた? マリアちゃんなら大丈夫。すぐに慣れるさ」
と、いつもの笑顔で私に諭しながら建物に向かっていく。
私もここで棒立ちしている訳にもいかないので、覚悟を決めて後に続いた。
中は外観とは裏腹に茶色を基調とした佇まい。
茶色の絨毯に茶色のカウンター、左右は何処までも広がる大きなラウンジで四人が座れるボックス席……と言った方が分かりやすいかな?
それが何個も左右にある感じだ。
きっとここでご飯とか食べたりするのかな。
「ようこそ、王立魔法学園へ。と言ってもここは寮じゃがな」
ホッホ、と笑いながら私たちに声を掛ける一人の老人の姿があった。
漫画やアニメで見るような魔法使いが被りそうな深緑色の帽子を被り、これまた深緑色のローブに身を包んだ白髪頭の老人だ。
「お、学長。ここに居たんですね。ちょうどよかった。マリアちゃん、紹介するよ。この人はゼロ・バーン学長。それでこちらがマリアちゃん」
「ご紹介に与りました、マリア・スメラギです」
ヒックさんが手を振り学長と呼ばれた人はさらに近くへやってきて、私たちのことを紹介してくれる。
私はワンピースの裾を掴んで頭を軽く下げる。
これが目上の人や畏まった時に使う挨拶のようだ。
「ゼロ・バーンじゃ。話はヒックから聞いておる。姫様がわざわざハイネへようこそおいでなすった」
話を聞いている、と言っていたからてっきりグラダラスから来ていることを知っているのかと思ったけれど、聞いていたのは設定の方だった。
ヒックさんは私を見てニコニコしているし、すっかり騙されている学長を見て楽しんでいるようだった。
……って。もしかして私、お姫様を演じなきゃいけない!?
「ありがとうございます。王都はとても雰囲気がよく、これから生活するのが楽しみです」
当たり障りのないようにこの国を褒め、これからの生活が楽しみなことをお淑やかに話していると、ヒックさんのツボにハマったのか口元を腕で押えて学長にはバレないように笑っている。
「……そんな訳だからマリアちゃんの部屋に案内してくれないかな?」
笑いを堪えながら学長にそうお願いしていた。
お淑やかなお嬢様口元は封印した方が良さそう。
「うむ。付いてきてくれ」
学長は踵を返し、ラウンジを進んでいく。
私たちもその後に続いた。
王都のご飯は和洋中全て揃っていて、グラダラスのメイドさんが作ってくれた洋食も美味しいけれど王都のご飯も負けていない。
流石は王都と言うだけはあるかもね。
「次は住む場所を決めようか。学園の寮とマンション、どっちがいいかな?」
カフェでお茶をしながらヒックさんに訊ねられる。
天気も良くカフェのオープンテラスで向かい合いながら話している。
ヒックさんはコーヒー、私はレモネードを頼んだ。
「どっちが安いですか?」
「そりゃ寮かな」
ゼスオジからお金を貰ってはいるが、極力贅沢な暮らしはあまりしたくない。
城で贅沢な生活をしといて何を言っているのか、なんて思われるかもしれないけれどメイドであるルナが居ない今だからこそ上げてしまった生活水準を下げる必要がある。
と言っても城の生活は一週間程度だし、すぐに戻せると思う。
「じゃあ寮にします」
「いいの? マリアちゃんならマンションに住んだ方がいいと思うけど……んー、逆に寮の方が安心かなぁ」
私が寮にすると決めると一度聞き返し、顎に手を当てて何やら悩む素振りを見せ、寮の方が安心だと言って私の案に賛成のようだ。
「王都って治安が悪いんですか?」
「特段そういう訳じゃないんだけど、マリアちゃんは狙われそうなんだよねぇ」
治安が悪い訳ではなく、私が狙われる恐れがあるようだ。
「モドキだからですか?」
「あーそっか。まだ言ってなかったね」
てっきり獣人モドキだから狙われる恐れがあると思ったが違うようで、ヒックさんは何かを思い出したのか前のめりになり小声で話し始める。
私もよく聞こえるように前のめりになる。
「そのブレスレットはね、認識阻害の魔石が使われていて、マリアちゃんを知らない人が見たらただの人間に見えるんだ。だから極力外さないようにね」
認識阻害……無属性の魔法だっけ。
効果は様々で全くの別人からちょっとした変化まで、物によっては性別すら変えることが出来る。
ただの人間って言い方からして獣耳と尻尾は見えていないだけでしょうね。
その方が私としても嬉しい……本当に獣耳と尻尾が無くなってくれたらもっと嬉しいのだけど。
「それで街を歩いてても何も思われないんですね」
「まぁ王都は多種多様な種族が居るからそこら辺は大丈夫かな。問題はガイアスがマリアちゃんを殺そうとして王都まで刺客を送り込んだりしないか、なんだよね」
困り顔でそう話す。
そこまでやらない……とも言いきれない。
何らかの罪を着せて私を王都からグラダラスに連れ戻し、再び民衆の前で処刑をする……なんてこともありえる。
それに認識阻害には欠点がある。
「確か、認識阻害の魔法は本人を一度見たことがある者には効果がないんでしたっけ?」
「そう。だから王都にマリアちゃんが居ると分かったら何かしてくるかもしれない」
「肝に銘じておきます」
暫くは目立った行動は控えようと心に誓う。
寮で生活するのなら外に出る機会は少ないだろうし、あの民衆やガイアスの手下と鉢合わせる可能性は低いはずだ。
「ってことでもう少し休んだら寮に行こうか。ついでに学長とも話しておきたいし」
入学の書類を学長さんに渡すのかな?
前世で編入や転入などのイベントをしたことがないのでちょっとした不安を抱えながら私とヒックさんは王立魔法学園の隣にある寮へやってきた。
寮から見える王立魔法学園は茶色いレンガ造りの大きな建物で某大学を彷彿とさせる。
今日も学園で授業があったのか私が着る予定の青い制服に身をまとった学生たちが楽しそうに学園から出ていく。
青のベレー帽と、ポンチョに対魔性のエンチャントが施されているのが特徴的だ。
ポンチョの長さはスカートが余裕で隠れるほど。
そして青色はこの世界で忠誠や穢れなき心、勇気・勇敢などを連想されるらしい。
ゴルデスマンさんの着ていた鎧は国と主に対する忠誠を意味しているのだとルナから聞いたことがあった。
……流石にもうみんなグラダラスに着いたよね。
時折そんなことを考えてしまう。
「さて、ここが王立魔法学園の寮だよ」
そう言われて初めて寮をよく観察する。
三階建てのこれまた大きな寮。
学園とは違い、景観を崩さないようにか街中の地面と同じ土気色の建物をしている。
改めて私はここに住んで隣の学園に通うんだと思うと緊張してきた。
呼吸も少し苦しい。
「緊張してきた? マリアちゃんなら大丈夫。すぐに慣れるさ」
と、いつもの笑顔で私に諭しながら建物に向かっていく。
私もここで棒立ちしている訳にもいかないので、覚悟を決めて後に続いた。
中は外観とは裏腹に茶色を基調とした佇まい。
茶色の絨毯に茶色のカウンター、左右は何処までも広がる大きなラウンジで四人が座れるボックス席……と言った方が分かりやすいかな?
それが何個も左右にある感じだ。
きっとここでご飯とか食べたりするのかな。
「ようこそ、王立魔法学園へ。と言ってもここは寮じゃがな」
ホッホ、と笑いながら私たちに声を掛ける一人の老人の姿があった。
漫画やアニメで見るような魔法使いが被りそうな深緑色の帽子を被り、これまた深緑色のローブに身を包んだ白髪頭の老人だ。
「お、学長。ここに居たんですね。ちょうどよかった。マリアちゃん、紹介するよ。この人はゼロ・バーン学長。それでこちらがマリアちゃん」
「ご紹介に与りました、マリア・スメラギです」
ヒックさんが手を振り学長と呼ばれた人はさらに近くへやってきて、私たちのことを紹介してくれる。
私はワンピースの裾を掴んで頭を軽く下げる。
これが目上の人や畏まった時に使う挨拶のようだ。
「ゼロ・バーンじゃ。話はヒックから聞いておる。姫様がわざわざハイネへようこそおいでなすった」
話を聞いている、と言っていたからてっきりグラダラスから来ていることを知っているのかと思ったけれど、聞いていたのは設定の方だった。
ヒックさんは私を見てニコニコしているし、すっかり騙されている学長を見て楽しんでいるようだった。
……って。もしかして私、お姫様を演じなきゃいけない!?
「ありがとうございます。王都はとても雰囲気がよく、これから生活するのが楽しみです」
当たり障りのないようにこの国を褒め、これからの生活が楽しみなことをお淑やかに話していると、ヒックさんのツボにハマったのか口元を腕で押えて学長にはバレないように笑っている。
「……そんな訳だからマリアちゃんの部屋に案内してくれないかな?」
笑いを堪えながら学長にそうお願いしていた。
お淑やかなお嬢様口元は封印した方が良さそう。
「うむ。付いてきてくれ」
学長は踵を返し、ラウンジを進んでいく。
私たちもその後に続いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる