出会って五秒で合体!?~半人半獣になってしまった私は獣人に間違えられ殺されそうになりました~(仮)

ぽりんここりんこぷりぷりのえび

文字の大きさ
63 / 66
王立魔法学園編Ⅱ

いつかは、また

しおりを挟む
「聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」

 いつものようにミレッタとシロムの二人と一匹で夜ご飯を済まし、自分の部屋に戻りいつものようにベッドにゴロゴロしながらシロムと二人きりになると私はお昼ご飯を食べている時に話していたことを思い出し、シロムに訊ねることにした。

「今の時代じゃ魔道具を作る人って存在しなかったりする?」
「さぁどうだろうか。少し前まではハイネでも作る者はおったと思うが……思えばここ最近では聞かなくなったな」

 私が訊ねると猫らしからぬ仕草である顎に手を当てて考え込みながらゆっくりとそう答える。
 シロムの言うここ最近とは一体何百年前のことなのだろうか。

「私、魔道具作れそう?」
「……未知数、だな」

 それよりも私は誰のサポートもなく魔道具を作ることが出来そうなのかシロムに訊ねてみるが、私をじっと見つめ絶対無理、と言いたげな顔をした後に目を閉じて未知数なんて無責任なことを言い放った。

「そっか。じゃあなんで魔道具を作る人が居なくなっちゃったのかな? 理由は獣術と同じだったりする?」

 シロムのその一言でもう魔道具を作るのは諦め、どうして魔道具を作る人が居なくなっのか訊ねた。
 昨日は私が質問されっぱなしだったので今回は少しばかり訊ねさせてもらうからね。
 でも自分の意見もちゃんと入れる。
 今思えばターシャさんが魔道具について教えてくれていたけど受け答える形式だったのはシロムに何かを教える時はそうしていたのかな?
 お陰でシロムもそんな喋り方なんだよね。

「あくまでワタシの考えだが概ね同じだろう。それに魔道具を作らなくてもいいように便利な物が出来た」
「便利な物?」

 光を照らすなら魔石じゃなく懐中電灯があったりとか?

「エンチャントだ。わざわざ光を照らすのに魔道具なんて必要なかろう? 装備にエンチャントを施せば済む話だ。だがエンチャントもそこまで万能ではない。数年で使い物にならなくなる。まぁ魔道具も長持ちはするが使い過ぎると壊れるがな」

 答えは単純明快。
 エンチャントをすればいいだけの話だった。
 自分の意思で発動出来るらしいので、わざわざ魔道具を使って片手が塞がる、なんてことは避けられるよね。

「そっか……だからゴウの鎧はあんなにピカピカしてたんだね」

 あのピカピカは夜道のためだったんだね。
 それと目眩しにも使えるから理に叶ったものではあった……目立つけど。

 何故か眩しいから音が連想され、ターシャさんが持っていた鈴を思い出しピカーんと閃く。
 多分このピカーんが音を連想させる要因となったのだと思う。

「あ、でも前に住んでいたとこで共鳴する鈴を使ってたんだよね──ってことは!!!」
「おそらく故郷に戻れば魔道具を作る者が居るということだな」

 シロムだけではなくみんなには私がグラダラスに住んでいたことを教えていないし、グラダラスの出身でもないのだが、シロムは勝手に故郷だと思い込み、帰れば魔道具を作れる人が居ると推測した。

「まぁこの件は追々、だね」

 私、グラダラスに入れないし今はまだ学生の身分だし。
 そんな状態で帰っても捕えられるのは明確だし、私のためにお金を出してくれたゼスオジに申し訳ない。

「あ、そうだ。じゃじゃーん!」

 私はポケットに入れていた紙切れを思い出し、それを取り出してシロムの前に出す。

「なんだこれは?」
「ターシャさんのお店があった場所が売土地になってたから買ってきたんだよ。またターシャさんと会えるかどうか分からないけど会えるといいなぁ」

 何を意味する紙なのか一瞬見ただけではピンと来ていないシロムにこれはターシャさんのお店があった場所の土地を買った紙だと言うことを教えた。

「そうか」

 紙が何かわかると短く答えるだけ。

「何だか複雑な顔をしてるね? そう言えばどうしてターシャさんと離れ離れになっちゃったの?」

 どうして離れ離れになってしまったのか理由を訊ねた。

 もう会いたくはないのだろうか? 
 だから魔法陣から出てこなかった?

 だけどターシャさんとアリアちゃんが消えてから血相を変えて出てきたので後者は違うね。
 前者は絶対に違う。本当は会いたいに決まってる。

「ちょっとしたすれ違いだ。あっちはちょっとだと思っているかどうか分からないがな」

 私と目を合わせたくないのかシロムはベッドの上で丸くなる。
 これ以上話を聞いて欲しくなかったり、話を終わらせる時は毎度シロムは決まって丸くなる。
 なので今回も無理に話そうとは思わなかったが、このまま気持ちまですれ違ってしまったままなのは釈然としない。

「分かった。ターシャさんがそのことでまだ怒ってると思ってるんでしょ?」

 なので丸まったシロムに向かって私はニヤリと笑う。

「だから会うのが気まずい、と? 流石にもう何百年前のことを怒ってるだなんて思えないよ。だからターシャさんにシロムは捻くれ者って言われるんだよ」

 ニヤ顔を維持したまま腕を組んで私は名探偵さながらの推理を読み解く。
 それに加え、ターシャさんが言っていたことを思い出しそのままシロムに伝えた。

「何っ!? ターシャがそんなことを……ターシャもターシャでどれだけ捻くれていたことか……こちらが気を悪くしていたのが馬鹿馬鹿しくなってきたぞ!」

 私の言葉に初めて見る驚きを見せ、威嚇をする猫のようにピンと尻尾を立たせ前のめりになり、ターシャさんとの日々を思い出したのかシロムもシロムでターシャさんに対する鬱憤を口にしていた。

 私から見ればシロムもターシャさんも捻くれている。

「その意気でいいと思うよ? でも、もし今度会う機会があるのなら手は出さないでね?」

 どちらが良い悪い、お互い様だとしても今のシロムの意気込みならばターシャさんと会っても普通で居られるはずだよね。
 手は出してないとか言いながら魔法の応酬だったら困るけど。

「善処する。数日に渡って……いや、何百年とあの場に姿を隠すようにして存在していたのだからまたひょっこり現れてもおかしくないだろうな。アーティファクトならばそれくらいのことは容易にやってのけよう」

 私の言うことは善処するらしく、シロムは再び丸くなりはするが今度は私を見つめている。
 まだ話を聞いてあげよう、そんな視線を感じる。

「アーティファクトってそんなに凄いものなんだ?」

 なのでずっと気になっていたことを訊ねる。
 魔道具とアーティファクトの境界線がイマイチだからね。

「物によっては死者を蘇らせた、なんて言い伝えられている程だ」
「そっか、じゃあ──」
「ターシャを生き返らせようとなど考えない方が良いだろう。数百年前に亡くなったんだ、そんな人が生きていると分かれば世界の理が崩れ兼ねん」

 死者を蘇らせることが出来るのならばターシャさんを蘇らせることことも可能なはずだ。
 なのでシロムにそのことを伝えようとしたが見え透いた考えだったようでシロムにターシャさんを生き返らせることを止められてしまう。

「そういうものなのかな?」
「そういうものなんだ」

 まるで実体験でも言いたげなように真っ直ぐ真剣に私を見る眼は私を縦に首を振らせるように何かしらの魔法が掛かっているようにも思えた。

 それよりも明日からまた学園が始まるのでさっさとお風呂済まし、明日に備えて私たちは眠りについた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ
ファンタジー
 前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?  「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。  仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。  病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。  「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!  「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」  魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。  だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。  「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」  これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。    伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!    

処理中です...