神様の錬金術

ぽりんここりんこぷりぷりのえび

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捜索

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 朝ご飯は作っておらず、こんな状態のルリにご飯を作らせると怪我をしかねないので今はお茶だけを飲みながら俺たちは向かい合うようにして座っていた。

 するとルリがゆっくり口を開く。

「た、度々この島を出るか、出ないかで、い、言い争いはしていたんです」
「さっきの話から察するにルリは残島派、ルビィは出島派、なんだよな?」

 俺には内緒で話し合いをしていたのだろう。
 改めて再確認するため、ルリにそう訊ねた。

「は、はい。い、いつもならまた今度話そうと、終わるはずでした」
「……でも会話はヒートアップして俺が起きたせいでルビィが出て行っちゃった訳か」

 頭を悩ませ、俺は無意識に後頭部を右手で掻きむしってしまっていた。
 寝起きだったせいで頭が回らず、配慮が足りなかった。

「つ、ツバサお兄ちゃんのせいではありません。私がルビィちゃんを上手く説得出来ていれば……」
「それはルビィも同じだろうな。でもどうしてルリはこの島に残りたいんだ? まぁ何となくは分かってるけど」

 俺が自分を責めていると、ルリも自分が悪いと責め始めてしまう。
 気を逸らさせるためにどうして残りたいのか訊ねる。
 きっと思い出があるから出て行きたくはないのだろう。

「た、たぶんツバサお兄ちゃんは知らないと思いますよ? も、もちろんおばあちゃんとの思い出もあるから離れたくないと言うのもありますが……」
「聞かせてくれないか?」

 理由は思い出だけではないみたい。
 俺は他に何があるのか知りたかった。

「は、はい。ずっと隠していた私のお母さんのこと、です」

 返事をしながら頷くと、返ってきた答えはルリの母親のことだった。
 言ってこなかった、と言う方が正しいとは思うのだがルリにとっては隠してきたことらしい。

「ほ、本当はあまり誰かには言いたくありませんでしたが、つ、ツバサお兄ちゃんは特別ですから……わ、私のお母さんは行方不明なんです」
「なんだって!?」

 言ってこなかったとか隠してきたとか些細なことで、初めて聞かされるルリのお母さんのことに俺は驚きを隠せない。

「ま、前に雨風が強かった年があった、と言ったことがありますよね?」
「別々に住むきっかけになったアレか?」

 確か雨風が激しい日が続き、貯蓄していた食料を誰かが食べてしまいみんなが自分以外を疑って別々に暮らすことになったと言っていたんだよな。

「は、はい。あの時、私のお母さんは海で漁をしていたんです。"大雨前は浅瀬に沢山魚が隠れるんだ!"と、ち、小さい私をおばあちゃんに預けて行ってしまったんです」

 ルリの母親はルリと違い、結構アグレッシブな人だったのかな? なんて印象が与えられる。
 それもあるが激しい雨風に備え、娘が腹を空かせないように一生懸命だったのかもしれない。

「そ、それが私とお母さんの最後の記憶です。それから類を見ない雨風に見舞われ、わ、私のお母さんは帰ってくることはありませんでした……あ、雨風が止んでから私とおばあちゃんで必死に海の中を探しましたがお母さんの身に付けていた物すら見つかりません、でした」

 まだ小さかったルリは相当ショックで受け入れられなかっただろうな。
 俺もそんなことがあったらどうしたらいいのか分からなくなっておかしくなってしまいそうだ。

 ルリの母親の物が何一つないのはそういうことなのだろう。

「お、大きくなった私はもうお母さんが死んでいると理解はしてます。で、でも時々"まだ生きているのでは?"なんて思うことがあるんです。だ、だから私は島に残ってお母さんの帰りを待ちたいんです」

 初めて聞かされるルリとルリのお母さんの記憶。
 きっと荒波に飲まれ、死んでしまったとは思うが、生きてると信じて待ち続けたい、と言う思いはよく分かる。
 だけど待ってるだけじゃ辛いだろう。
 亡くなった方も帰れないのに永遠と待たされてると思うと苦しい。
 それが家族なら尚更だ。

 辛くないのか? と聞くのもいいが、辛くない訳がない。

「ルビィはそのこと知ってるのか?」

 俺が訊ねると首を左右に振る。

「し、知りません。変に気を遣わせてしまいますから」
「そっか。ちょっとルビィを──」

 探してくる、と言いたかったが屋根から物凄い音が聞こえた。
 まるで矢が屋根に刺さっているのではないか、と錯覚するほどだ。

「あ、雨……です。こんなに降るのは久しぶりですね」
「こりゃ急いで探した方がいいかもしれないな。傘、なんてあったっけ?」

 晴ればかりだったので俺が知っている限り雨を見るのは初めてだ。
 傘なんて使ったことがない。

「こ、これを使ってください」

 ルリから手渡されたのは傘と言うよりは大きな葉っぱだった。
 ご丁寧にも茎が持ち手になる。

 何とも原始的な代物だ。

「ありがと。それじゃ行ってくる。ルリは待っててくれ」
「あ、で、でも……」

 身体をもじもじさせていた。
 自分も探しに行きたいのだろう。

「大丈夫。あの胸じゃそう遠くまでは行けないはずだ」

 頭を撫でようとして手を伸ばしたが、それだけではインパクトが弱そうだと思った俺はルリを抱きしめる。

「ぴ、ぴぇい!? わ、分かり、ました……」

 ルリの体温が急激に高くなり、渋々了承してくれたようだ。

 二人がプレゼントしてくれた服で行くのは躊躇われたが、着替えている暇もない。
 俺は急いで家を出た。ルビィが行きそうな場所には心当たりがあるし、この雨なら雨宿りをする必要もある。
 確実にいるだろう。まだ辿り着いていない可能性もあったので辺りをよく見ながら目的地へと向かった。

 だがそんな俺の予想は見事に外れる。

「い、居ない……だと」

 ルビィに会うことなく洞穴までやってきた。

 彼女が前まで寝床にしていた洞穴にはさっきまでルビィが居た形跡はなく、洞穴は静かなものだった。
 雨宿りには最適で、奥に行けば雨音も大して気にならない。

「こっちじゃなかったのか?」

 考えていても仕方がない。
 俺はすぐさま高台まで上り辺りを見渡す。
 高台は足場が悪く登るのに難航した。
 だが苦労した甲斐があり島をよく見渡せるのだ。

「んー、居ない──居たっ!」

 赤い髪はある場所に居た。
 それは海の中、胸があるからプカプカと浮かんではいるが、この雨風の中だ、いつ激流に飲まれてもおかしくない。
 ルビィの周りには粉々になった木の残骸、きっと船でこの島から出ようとしてたんだな。

「急がないと!」

 ルビィは気付いているのか知れないけど、どんどんと沖に流されている。

 俺は急いだせいで高台から転げるように落ち、所々に傷を負ったが、それよりルビィの命が大事だ。
 もしこれでルビィが海に流され行方が分からなくなってしまったらルリに合わす顔がない。
 
「間に合ってくれよ……」

 急いでルビィの居る海へと入る。
 いつもは冷たくて気持ちいいが、今は雨が降っているので気温も低く水温だって冷たい。
 こんな中、ルビィはずっと浮かんでいると考えたら早くどうにかしたい。
 だが波が俺を砂浜へ追いやろうと幾度となく迫る。

 それを必死に掻き分け、ゆっくりとまたゆっくりとルビィの元へ向かう。

「る、ルビィ!!!」

 俺は大声を上げる。
 声を発した際に反動で塩水が口に入るがそんなことは些細なことだ。

 ルビィから返事はない。
 それどころかこっちすら見てもいなかった。

「ルビィ!」

 ようやくルビィを捕まえることが出来た。
 だが様子がおかしい。ルビィの身体が氷のように冷たい。

 急がないと!

 俺はルビィを抱き締めたまま海から砂浜へ、砂浜から家へと急いで戻る。
 未だに雨は止むことを知らず、暗いせいで今が昼なのか夜なのか分からない。

「ルリ! お湯を沸かしてくれ!」
「つ、ツバサお兄ちゃん!? あっ、わ、分かりました!」

 家に入るとすぐにルリへお願いをする。
 一度驚きを見せたが状況を把握したのか椅子に座って待っていたルリは立ち上がり、キッチンに向かう。

 俺はルビィをベッドに寝かせると、覚悟を決める。
 生死に関わることだ。さっきまで呼吸していたルビィは今や息をしていない。

「目覚めても怒らないでくれよ」

 俺は急いでルビィの体温がこれ以上下がらないように服を全て脱がせ、代わりに乾いたバスタオルで彼女のことを包む。
 そして、鼻を摘み、気道を確保するため顔を水平にし、ルビィの口に自分の口を近付け、ディープキスのような口付けを交わす。
 だが別に弱ったルビィにムラムラしてしまいそんな行動に出た訳ではない。

 断じて巨乳のルビィに興奮している訳ではない。

 人工呼吸だ。

 そう何度も自分に言い聞かせながらルビィの鼻をつまんで俺の口とルビィの口とを合わせ、肺に空気を送り、心臓マッサージを繰り返す。

 三度目の時だ。

「がはっ──ハ、ハアハァ」

 ルビィが口から海水を吐き、苦しそうに何度も呼吸を繰り返す。

「よ、よかった……」

 とりあえず一命は取り留めた。

「お、お湯をお持ちしました」
「あぁ、助かる」
 
 ルリが後ろから鍋に入ったお湯を持ってくる。

 気を緩めてはいけないな。

 俺はルリからお湯を受け取ると、タオルをお湯つけ多少熱いが我慢しながら絞り、適度な温度になったのを確認すると心臓をビックリさせないよう手足から温めていく。

 しばらくすると、ルビィの身体が段々とだが元の体温に戻りつつあった。

「あ、後は私がやります。ツバサお兄ちゃんは着替えてください。そ、それに傷もすごいので軟膏もしっかり塗ってくださいね? な、何があったかは後で聞きますので」

 追加のお湯を持ってきたルリがルビィの世話は自分がやると言い出した。
 それだけでなく俺の心配もしているようだ。

 確かに転んだりはしたが……なんて思っていると全身打ち身のような痛みが襲ってきた。
 アドレナリンでも出ていたのだろうか、それが切れ今は痛みが襲ってきた、と。

「任せていいか? 何かあったらすぐに呼んでくれ」
「は、はい」
 
 着替えと軟膏を持ち、俺は風呂場へと向かい、自分の潮臭さと汚れなどを落とし、染みる身体に軟膏を塗りたくった。
 服を着てると分からないが無数の傷があちこちに存在していたのだ。

 だがゆっくりもしてられないのでさっさと用事を済ませると二人の元に戻る。
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