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楽しい日々はいつまでも
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ルビィが目を覚ましたのは次の日のお昼になってからだった。
昨日はあれだけ荒れていた天気は、今や嘘のようにカラッと晴れている。
だが外の地面は濡れているので、昨日は雨が降ったんだと物語っていた。
昨日のうちにルビィに何が起こっていたのか俺が知っている限りの情報はルリに教えた。
そして、いつルビィが目を覚ましてもいいように俺とルリは交代交代で看病し、腹が減っていると思うのですぐに食べられるような物も作り置きしている。
「んん……」
軟膏の補充をするために釜を使って錬金をしていると、ルビィの艶かしい声が微かに聞こえた。
「つ、ツバサお兄ちゃん。ルビィちゃんが目を覚ましました!」
家中に響き渡るほどルリは大声を出して俺にルビィが目を覚ましたことを伝える。
それほど嬉しかったのだろう。
「そんなに大きいとルビィの頭に響くぞ」
「す、すいません……」
嬉しいのは俺も同じだが、そんだけデカい声を出されるとビックリするし、まだ眠たい可能性もある。
俺は人差し指を自分の口元に立てて注意する。
「こ、ここは……それに──」
「腹減ってないか?」
ルビィは上半身だけ起き上がり、どうして自分が家に居るのか驚いている様子だ。
話は後からでも聞けるので、俺は作り置きしてあったお菓子などをルビィに手渡す。
錬金術で作った栄養満点で口に入れるとホロホロとすぐに溶ける自慢のクッキーだ。
「ありがと……はむっ」
余程腹が減っていたのか皿ごとがっつきそうなくらい勢いよく食べていた。
一度に五枚以上は口に放り込んでいたので、いくらすぐ溶けるクッキーと言えど……。
「ゴホッ……ゴホッ」
「ほら、水だ」
ルビィの行動は予測出来ていたのでコップに入った水を渡すと、これまた勢いよく飲み干した。
「ぷはっー! わ、私……」
オッサンみたいに息をしたかと思うと、今度はシリアスを感じさせる声になる。
何故か俺と自分の手元を交互に見ていた。
もしかしたら、俺に聞かれて欲しくないことなのか。
「さて、軟膏を入れる竹でも探して──」
「待って! ツバサにも聞いてもらいたい話があるの」
どうやら俺にも聞いて欲しいからそんな素振りを見せたらしい。
☆
怪我人をテーブルにある椅子まで歩かせるのは気が引けたので、俺とルリはテーブルにある椅子をベッドまで持ってきてベッドの横に座った。
「まず、助けてくれてありがと……ツバサが助けてくれなきゃ今頃私は……」
「気にすんな。それよりあの時は意識があったんだな」
縦に一度頷く。
「朦朧とする意識の中でツバサの声と私を助けようと必死な顔をしてたのは分かったわ」
改めて必死な顔と言われるとちょっと恥ずかしい。
「本当にもうダメかと思った……いきなりあんな大雨が降ってくるし二人に内緒で作ってた船はバラバラになっちゃうし……」
大声を上げて泣き始めてしまう。
俺は女の涙に弱いようで、どうしたらいいかこまねいていると。
「ルビィちゃん……」
ルリはベッドに座り、ルビィを優しく抱きしめていた。
「ひっく……わ、私ね。あの時、ルリのお母さんを見てたの……いつもとは別の場所で漁をしてて、どんどん流されて行ってた。だけど私じゃ何も出来なかったし、大人の人に言っても「すぐ戻ってくるわよ」なんて言われて誰も助けてくれなかった……私もそうなるんじゃないか、って怖くて……」
あの時とは数年前に起こった激しい雨風のことだろう。
ルビィは当時、流されるルリの母親を見ていたと告白する。
ルリは一度も聞いたことがなかったので目を丸くした。
俺も聞いたことがなかったし、当時の人たちの気持ちも理解出来るし、ルビィの気持ちも理解出来る。
「そ、そんなことがあったんですね。あの頃は私も小さかったですし、み、みんな自分の命の方が大切ですからね」
ルリも俺と同じことを思ったのか、ルビィに優しく諭していた。
「無理にでも私が助けに行っていれば──」
「それでルビィちゃんが居なくなったら困りました! わ、私の大親友であるルビィちゃんが居なくなったら辛いです」
一度は声を荒らげて大きな声で喋るルリだったが、自分でも声が大きいことに気付いたのか、ボリュームを落とし、いつものたどたどしい喋りでルリにとってルビィは大親友であることを伝えていた。
そして、さらにルリは話し始めた。
「じ、実は私がここに残りたいと言っているのは思い出なんかもそうなんですが、お、お母さんがいつか帰ってくるかもしれない、と思っていたからなんです」
それは昨日俺がルビィを探しに行く前に教えてくれたことだった。
てっきりおばあさんとの思い出なんかが残っている大事な場所、と思っていたからかルビィは鳩が豆鉄砲を食らった顔をしている。
そうとは知らず、さっきまでルリの母親の話をしてしまったんだ、ルビィは驚きを隠せない。
「で、でもお母さんは流されてしまったんですね。ルビィちゃんのお陰で踏ん切りがつきました。る、ルビィちゃん、つ、ツバサお兄ちゃん……私、いつかは島を出て他の場所をみんなで一緒に見て回りたいです!」
だけど昨日と違い、ルリもこの島を出て色んな所を見て回りたいと言い出した。
でも島を出たとしても"みんなで一緒に"は変わらないようだ。
俺とルビィは目を合わせて笑い合う。
どうやらこれからの当面の目標が決まってしまった。
☆
ルビィが水難事故に遭って目が覚めてからちょうど一ヶ月が過ぎた。
目立った後遺症もなく、今日も元気に島中を歩き回っている。
気付けばアハ体験のようにルビィの胸はゆっくり、またゆっくりと凹み、今じゃ元通りになっていた。
本人曰く「巨乳はもう懲り懲り」だそう。
失敗から生まれた男の夢と言っても過言ではない副産物に俺は少しばかり未練が残るが、本人が貧乳でいいなら無理に大きくする必要はない。
だが反対にルリが一度は大きくなりたいと言い出し、錬金術に手を出そうとしたが俺とルビィは全力で止めた。
失敗したら何が起こるかわからないからな。
「これは使えるんじゃないかしらー!」
「お、おっきいです。つ、ツバサお兄ちゃん!」
先に向かっていったルビィが俺たちに手を振りながら大声で話し掛け、ルリは俺の裾を掴んで驚く。
ルリのセリフだけを切り取って聞くと変な解釈をされそうだが、俺たちは今二人が前に住んでいた集落へとやってきた。
ルビィがここにある廃材で前回船を作ったらしい。
なんでも一人用だから最低限の資材で作ったせいで耐久性はほとんどなかったのだとか。
そのせいですぐに大破してしまい、残念な結果になっていた。
今回は三人用。作るのも三人でだ。
廃材の他に金属片がいくつか見つかったので錬金術を使って、もっと丈夫な船が作れそう。
「ツバサお兄ちゃん、この島に来てどうですか?」
「今更改まって聞かれるとなぁ……楽しい?」
この一ヶ月の間、ルリのたどたどしさは少しだけ解消された。
「ど、どうして疑問形なんですか」
だが時折、たどたどしくなるのは性なのだろう、俺が毎朝息子と格闘するようにな。
「ちょっと、二人とも何サボってるのよ! 早く来なさい!」
呼んでいるのに中々来ない俺たちに痺れを切らしたのか、ルビィは再三大声で俺たちを呼ぶ。
「はーい!」
「今行くー!」
しばらくはまだこの島での生活は続きそうだ。
昨日はあれだけ荒れていた天気は、今や嘘のようにカラッと晴れている。
だが外の地面は濡れているので、昨日は雨が降ったんだと物語っていた。
昨日のうちにルビィに何が起こっていたのか俺が知っている限りの情報はルリに教えた。
そして、いつルビィが目を覚ましてもいいように俺とルリは交代交代で看病し、腹が減っていると思うのですぐに食べられるような物も作り置きしている。
「んん……」
軟膏の補充をするために釜を使って錬金をしていると、ルビィの艶かしい声が微かに聞こえた。
「つ、ツバサお兄ちゃん。ルビィちゃんが目を覚ましました!」
家中に響き渡るほどルリは大声を出して俺にルビィが目を覚ましたことを伝える。
それほど嬉しかったのだろう。
「そんなに大きいとルビィの頭に響くぞ」
「す、すいません……」
嬉しいのは俺も同じだが、そんだけデカい声を出されるとビックリするし、まだ眠たい可能性もある。
俺は人差し指を自分の口元に立てて注意する。
「こ、ここは……それに──」
「腹減ってないか?」
ルビィは上半身だけ起き上がり、どうして自分が家に居るのか驚いている様子だ。
話は後からでも聞けるので、俺は作り置きしてあったお菓子などをルビィに手渡す。
錬金術で作った栄養満点で口に入れるとホロホロとすぐに溶ける自慢のクッキーだ。
「ありがと……はむっ」
余程腹が減っていたのか皿ごとがっつきそうなくらい勢いよく食べていた。
一度に五枚以上は口に放り込んでいたので、いくらすぐ溶けるクッキーと言えど……。
「ゴホッ……ゴホッ」
「ほら、水だ」
ルビィの行動は予測出来ていたのでコップに入った水を渡すと、これまた勢いよく飲み干した。
「ぷはっー! わ、私……」
オッサンみたいに息をしたかと思うと、今度はシリアスを感じさせる声になる。
何故か俺と自分の手元を交互に見ていた。
もしかしたら、俺に聞かれて欲しくないことなのか。
「さて、軟膏を入れる竹でも探して──」
「待って! ツバサにも聞いてもらいたい話があるの」
どうやら俺にも聞いて欲しいからそんな素振りを見せたらしい。
☆
怪我人をテーブルにある椅子まで歩かせるのは気が引けたので、俺とルリはテーブルにある椅子をベッドまで持ってきてベッドの横に座った。
「まず、助けてくれてありがと……ツバサが助けてくれなきゃ今頃私は……」
「気にすんな。それよりあの時は意識があったんだな」
縦に一度頷く。
「朦朧とする意識の中でツバサの声と私を助けようと必死な顔をしてたのは分かったわ」
改めて必死な顔と言われるとちょっと恥ずかしい。
「本当にもうダメかと思った……いきなりあんな大雨が降ってくるし二人に内緒で作ってた船はバラバラになっちゃうし……」
大声を上げて泣き始めてしまう。
俺は女の涙に弱いようで、どうしたらいいかこまねいていると。
「ルビィちゃん……」
ルリはベッドに座り、ルビィを優しく抱きしめていた。
「ひっく……わ、私ね。あの時、ルリのお母さんを見てたの……いつもとは別の場所で漁をしてて、どんどん流されて行ってた。だけど私じゃ何も出来なかったし、大人の人に言っても「すぐ戻ってくるわよ」なんて言われて誰も助けてくれなかった……私もそうなるんじゃないか、って怖くて……」
あの時とは数年前に起こった激しい雨風のことだろう。
ルビィは当時、流されるルリの母親を見ていたと告白する。
ルリは一度も聞いたことがなかったので目を丸くした。
俺も聞いたことがなかったし、当時の人たちの気持ちも理解出来るし、ルビィの気持ちも理解出来る。
「そ、そんなことがあったんですね。あの頃は私も小さかったですし、み、みんな自分の命の方が大切ですからね」
ルリも俺と同じことを思ったのか、ルビィに優しく諭していた。
「無理にでも私が助けに行っていれば──」
「それでルビィちゃんが居なくなったら困りました! わ、私の大親友であるルビィちゃんが居なくなったら辛いです」
一度は声を荒らげて大きな声で喋るルリだったが、自分でも声が大きいことに気付いたのか、ボリュームを落とし、いつものたどたどしい喋りでルリにとってルビィは大親友であることを伝えていた。
そして、さらにルリは話し始めた。
「じ、実は私がここに残りたいと言っているのは思い出なんかもそうなんですが、お、お母さんがいつか帰ってくるかもしれない、と思っていたからなんです」
それは昨日俺がルビィを探しに行く前に教えてくれたことだった。
てっきりおばあさんとの思い出なんかが残っている大事な場所、と思っていたからかルビィは鳩が豆鉄砲を食らった顔をしている。
そうとは知らず、さっきまでルリの母親の話をしてしまったんだ、ルビィは驚きを隠せない。
「で、でもお母さんは流されてしまったんですね。ルビィちゃんのお陰で踏ん切りがつきました。る、ルビィちゃん、つ、ツバサお兄ちゃん……私、いつかは島を出て他の場所をみんなで一緒に見て回りたいです!」
だけど昨日と違い、ルリもこの島を出て色んな所を見て回りたいと言い出した。
でも島を出たとしても"みんなで一緒に"は変わらないようだ。
俺とルビィは目を合わせて笑い合う。
どうやらこれからの当面の目標が決まってしまった。
☆
ルビィが水難事故に遭って目が覚めてからちょうど一ヶ月が過ぎた。
目立った後遺症もなく、今日も元気に島中を歩き回っている。
気付けばアハ体験のようにルビィの胸はゆっくり、またゆっくりと凹み、今じゃ元通りになっていた。
本人曰く「巨乳はもう懲り懲り」だそう。
失敗から生まれた男の夢と言っても過言ではない副産物に俺は少しばかり未練が残るが、本人が貧乳でいいなら無理に大きくする必要はない。
だが反対にルリが一度は大きくなりたいと言い出し、錬金術に手を出そうとしたが俺とルビィは全力で止めた。
失敗したら何が起こるかわからないからな。
「これは使えるんじゃないかしらー!」
「お、おっきいです。つ、ツバサお兄ちゃん!」
先に向かっていったルビィが俺たちに手を振りながら大声で話し掛け、ルリは俺の裾を掴んで驚く。
ルリのセリフだけを切り取って聞くと変な解釈をされそうだが、俺たちは今二人が前に住んでいた集落へとやってきた。
ルビィがここにある廃材で前回船を作ったらしい。
なんでも一人用だから最低限の資材で作ったせいで耐久性はほとんどなかったのだとか。
そのせいですぐに大破してしまい、残念な結果になっていた。
今回は三人用。作るのも三人でだ。
廃材の他に金属片がいくつか見つかったので錬金術を使って、もっと丈夫な船が作れそう。
「ツバサお兄ちゃん、この島に来てどうですか?」
「今更改まって聞かれるとなぁ……楽しい?」
この一ヶ月の間、ルリのたどたどしさは少しだけ解消された。
「ど、どうして疑問形なんですか」
だが時折、たどたどしくなるのは性なのだろう、俺が毎朝息子と格闘するようにな。
「ちょっと、二人とも何サボってるのよ! 早く来なさい!」
呼んでいるのに中々来ない俺たちに痺れを切らしたのか、ルビィは再三大声で俺たちを呼ぶ。
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