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15話 禁じられた魔法
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「変身の魔法は、完全に禁止されているんだ。枯らす魔法は大量に繁殖した植物を枯らす為などの理由で申請し、許可が下りると使い捨ての魔法道具が支給される。前者はもう二度と使われないよう女王の手によって封印された」
「え? 便利そうな魔法なのに?」
封印が指定される代物とは知らなかったアリュスは、驚いた。
ネズミや小鳥の姿になって潜伏や尾行等、魔法騎士にとっては便利だと思ったからだ。
「あれは封印されて当然なくらいに、危険な魔法だったの。だって、一時的に別の生物に成り代わるんだもの。使い過ぎると自分が誰なのか分からなくなって、やがて自他の境界線が薄れて……最後には自我が崩壊してしまうわ」
「へぇ。そんなに怖いのか……」
いつも笑顔のミランジュが悲しそうな姿を見て、アリュスは本当に危ない魔法なのだと理解する。
魂の器となる肉体の変身。形と能力を作り替え、本能を再構成する。白い紙に消しては書いてを繰り返す事に跡が残り、徐々に汚れるように、それは魂に大きな負荷がかかり、器は徐々に直らない歪みが生じる。思考は徐々に多様な本能に飲まれ、自分を見失い、精神が崩壊する。
本来の姿を忘れ戻れなくなった魔女や、その変身した姿の存在そのものになってしまった魔女が現れてしまった。
彼女達は国が保護し、変身の魔法は禁止指定が成された。
現在では、髪や瞳、衣服の色を変える魔法のみが使用を許可されている。
「枯らす魔法を教えている魔女がいるとして、禁止されているから皆がやりませんって完全に出来てないよね。変身もそうじゃないの?」
「いいや。〈変身〉はある魔女のみが使える魔法だったんだ。同じように使いこなすには、彼女の許しとその血が必要になる。女王は、その魔女を封印したと言う訳さ」
仮に血が残っていたとしても、許しを得られない状況ではどんな魔法になるか分からない。腕だけ鳥の翼。顔だけカエル。2度と魔女の姿に戻れない危険性も出てきてしまう。
封印が執行されて以降、姿形を変える魔法は消えた。
「もう25年も前の話だから、誰も使えないと断言できるよ。今後、同等の魔法が生み出されたとしても、前例通り全て封印されるからね」
「その人独自だったわけね。なるほど」
コルエの回答に、アリュスは納得する。
造形の括りであっても、ネフィリアードの様に多種多様の結晶体を大量に生み出し操れる魔女はいない。魔法には個性と独自性が存在する。とても自由で無限の可能性を感じるが、代償と責任は全て自分へと返ってくる。
現在使用が許可されている魔法の全ては、過去の魔女達の研究と犠牲で成り立っている。
「まずは、この3人について花屋の店主に、改めて聞いてからだね」
コルエはクッキーをもう一個摘まみ、ミランジュがスケッチブックを手に取った。
「私が行くわ。その後で、リュアンナちゃんと合流するわね」
「それなら、僕が地下水路に行こうかな。屯所にニケがいたはずだから、一緒に見に行くよ」
決まりね、と言おうとしたミランジュだが、重要な人がまだ動こうとしていない事に気付いた。
「ネフィちゃんは、この後どうするの?」
「私は……」
食虫植物の土だけでなく、枯れた花の鑑定には時間がかかる。少しでも情報を集めるために現場に戻りたいとネフィリアードだが、ここにはアリュスがいる。
来た時のように第二部隊に送る様に頼めるが、推測が正しければネフィリアードに連絡が行った場面や屯所に戻る姿を見られている可能性があるのだ。安易に帰らせては、何があるか分からない。
「アリュスくん」
「なに?」
コルエはアリュスに近付いた。
「ネフィと一緒にいたい?」
「え?」
コルエの思いがけない提案に、ネフィリアードは目を丸くし、アリュスは首を傾げた。
「え? 便利そうな魔法なのに?」
封印が指定される代物とは知らなかったアリュスは、驚いた。
ネズミや小鳥の姿になって潜伏や尾行等、魔法騎士にとっては便利だと思ったからだ。
「あれは封印されて当然なくらいに、危険な魔法だったの。だって、一時的に別の生物に成り代わるんだもの。使い過ぎると自分が誰なのか分からなくなって、やがて自他の境界線が薄れて……最後には自我が崩壊してしまうわ」
「へぇ。そんなに怖いのか……」
いつも笑顔のミランジュが悲しそうな姿を見て、アリュスは本当に危ない魔法なのだと理解する。
魂の器となる肉体の変身。形と能力を作り替え、本能を再構成する。白い紙に消しては書いてを繰り返す事に跡が残り、徐々に汚れるように、それは魂に大きな負荷がかかり、器は徐々に直らない歪みが生じる。思考は徐々に多様な本能に飲まれ、自分を見失い、精神が崩壊する。
本来の姿を忘れ戻れなくなった魔女や、その変身した姿の存在そのものになってしまった魔女が現れてしまった。
彼女達は国が保護し、変身の魔法は禁止指定が成された。
現在では、髪や瞳、衣服の色を変える魔法のみが使用を許可されている。
「枯らす魔法を教えている魔女がいるとして、禁止されているから皆がやりませんって完全に出来てないよね。変身もそうじゃないの?」
「いいや。〈変身〉はある魔女のみが使える魔法だったんだ。同じように使いこなすには、彼女の許しとその血が必要になる。女王は、その魔女を封印したと言う訳さ」
仮に血が残っていたとしても、許しを得られない状況ではどんな魔法になるか分からない。腕だけ鳥の翼。顔だけカエル。2度と魔女の姿に戻れない危険性も出てきてしまう。
封印が執行されて以降、姿形を変える魔法は消えた。
「もう25年も前の話だから、誰も使えないと断言できるよ。今後、同等の魔法が生み出されたとしても、前例通り全て封印されるからね」
「その人独自だったわけね。なるほど」
コルエの回答に、アリュスは納得する。
造形の括りであっても、ネフィリアードの様に多種多様の結晶体を大量に生み出し操れる魔女はいない。魔法には個性と独自性が存在する。とても自由で無限の可能性を感じるが、代償と責任は全て自分へと返ってくる。
現在使用が許可されている魔法の全ては、過去の魔女達の研究と犠牲で成り立っている。
「まずは、この3人について花屋の店主に、改めて聞いてからだね」
コルエはクッキーをもう一個摘まみ、ミランジュがスケッチブックを手に取った。
「私が行くわ。その後で、リュアンナちゃんと合流するわね」
「それなら、僕が地下水路に行こうかな。屯所にニケがいたはずだから、一緒に見に行くよ」
決まりね、と言おうとしたミランジュだが、重要な人がまだ動こうとしていない事に気付いた。
「ネフィちゃんは、この後どうするの?」
「私は……」
食虫植物の土だけでなく、枯れた花の鑑定には時間がかかる。少しでも情報を集めるために現場に戻りたいとネフィリアードだが、ここにはアリュスがいる。
来た時のように第二部隊に送る様に頼めるが、推測が正しければネフィリアードに連絡が行った場面や屯所に戻る姿を見られている可能性があるのだ。安易に帰らせては、何があるか分からない。
「アリュスくん」
「なに?」
コルエはアリュスに近付いた。
「ネフィと一緒にいたい?」
「え?」
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