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第四章 スザク・アルト編
憎悪の力
しおりを挟む第四十六話 憎悪の力
魔法とセルバースト。
驚異的な力を持つ二つが上空で互いにぶつかり合い、そこに大きな爆発が起きる。
力によって発生させられる余波は爆発によって大きく広がり広範囲に空気の振動が地上にいる人々に影響を及ばした。
それは本当に小さい、微かなものだ。
街中を歩く人並みの中、眉を顰める者がいたり足を止め空を見上げる者がいたりと………。
空気の振動は爆発付近だけでなく、数キロ離れた場所へ続く。
そして、
「「!?」」
闘技・グラメッス。
二つのセルバーストが激突させる、ルーサーとアーサーはその空気の振動から微かな変化を感じ取った。手を止め、後方に跳びながら互いに間合いを取る。
観客席にいた者たちは先程までの激戦が突然と止まったことに眉を顰める。だが、そんな疑問も直ぐに消えてしまった。
何故なら、
「………………確かめるか」
ぼそり、と小さく呟くルーサー。
その直後、今まで動きを止めていたルーサーが大きな動きで大鎚を振り上げ地面に向かってその一撃を叩き落としたからだ。
「打現………グライ・グラウンド!」
言葉に続き大鎚によって叩き込まれた衝撃。
打ち付けられた地面は大きくヒビ割れる。が、その次の瞬間。
バキィ!! と音と共にアーサーの足場である地面が大きく円でくり抜かれたように割れ、そのまま上空に吹き飛ばされた。
ルーサーが今撃ち出した衝撃が稲妻のごとき速さで地中内部からアーサーのいる足元まで駆け抜け、そこで威力を爆発させたのだ。それは下から上へ塊を打ち上げられたように、大きく割れた地面は彼を乗せたまま上空に大きく跳び上がる。
その高さは闘技場の外壁をさらに越えた高度にまで到達し、塀を越えるまで地面に何とか這いつくばっていたアーサーは目を凝らしながら周囲を見渡す。
「ッ…」
試合を止めてまで行くのでは時間が掛かりすぎる。
それなら高い場所、地上の状況を瞬時に確認できる空からなら都市での現状を素早く確かめられると判断したルーサー。だが、アーサーもまたその考えをあの攻撃で理解していた。
だからこそ彼の攻撃に対し回避といった行動を見せなかった。
上空に打ち上げられたとしても、何の動揺も見せなかった。
だが、
「!?」
上空からも目視出来た状況。
数キロ離れた場所で起きた爆発。
そして、…………………空から地へ落ちる水龍王、リヴァイアサン。
只ならぬ事態が自分たちの知らない所で起きている。
余裕の表情を消したアーサーは一緒に上がってきた土の塊には目もくれず、地面にいるルーサーに向かって黄金剣を構え落下していく。
「ルーサー! やるよ!!」
一声を放つアーサー。
彼の持つ黄金剣の刀身から稲妻がまるで鼓動しているかのように強弱をつけ光を放つ。
対して、地上にいるルーサーは彼の一変した変化に顔色をさらに険しいものに変えた。
そして、大鎚を再び構えた直後。
黄金剣と同様、大鎚に纏っていた光がまるで鼓動でもしているかのように強弱をつけ光を放つ。
闘技場の中間にあたる所まで落ちてくるアーサー。
一方で地面を蹴飛ばし高く跳躍したルーサー。
互いの振り下ろす武器から放たれる一撃が、その瞬間にぶつかり合う。
「ダング・ライトニング!」
「ダング・グラウンド!」
その直後。
周囲の音。吹き抜ける風。それら全てが完全に停止した。
セルバーストと魔法の激突は巨大な爆発を生み出し同時に暴風を生み出す。
だが、互角と思われていた魔法の力がセルの力によって撃ち負けた。
完全に防ぎきれなかった正体不明の攻撃がリヴァイアサンの腹部を切り裂き、竜の悲鳴がその場一帯に響き渡る。
風の一閃は激しい突風と共に深く身を削り、威力が強い分に損傷が激しい。
大きな音をたて、砕ける竜の体。リヴァイアサンは宙を浮くことを保てず地面へと落ちようとしていた。
「アチル!? このままじゃ!」
「っ、飛び降りてください!!」
その言葉に従い近場の屋根に跳び移った美野里とアチル。
主人の安否を確認したようにリヴァイアサンは悲鳴を上げたまま水色の光となり消えて行く。あの巨体が街に落ちれば大惨事になると早急にアチルが判断したのだ。
だが、そんな彼女の息切れした表情から再びリヴァイアサンを呼び出すのは無理だろうと推測できる。
美野里は隣で疲労した彼女を気にしつつ、視線を変え正面に建つ住宅の屋根上に跳んでやってくる大剣を構えた少女、ワバルを睨みつける。
仁王立ちするように立つ彼女の周囲からは今も色のついた風の竜巻が吹き荒れていた。
「大剣………インデール・フレイムのハンターってことよね」
「はい…………でも、彼女の使う力はおそらくセルバーストです。…本当に存在するなんて」
セルバースト。
初めて聞く言葉に耳を疑う美野里だったが尋ね返せるほど余裕があるとは到底思えない。何故なら目の前にいる少女の殺気はより濃く憎悪にも似た威圧が全身から美野里に対して発せられていたからだ。
明確とも言える自分に対して向けられている殺意。
美野里は一度も面識のない彼女に対し、警戒した表情を向ける。
だが、このまま彼女と二人で対峙していては今も逃げ続ける黒狼を止める者がいなくなってしまう。あの強靭な牙がいつまた誰を襲うかわからない。
視線を離せない目の前の存在を確かめつつ美野里は静かに息を落ち着かせ、アチルに言う。
「アチル、先に黒いのを追って」
「っ!? でも!」
「なんか………アイツ、私が目当てみたいだから」
頬に伝う汗を感じつつ、美野里は目の前にいるワバルに二本のダガーを抜き構え戦闘態勢に入る。
その行動から、アチルは美野里の意図を理解する。
黒狼をこのまま野放しにするわけにはいかないということも。自分がここで食い止めるから先に行けと、彼女が言っていることも。
しかし、わかっているからこそ苛立つ。
また彼女を一人にしないといけない、離れなくてはいけない、この状況に対して。
歯噛みし眉間を寄せるアチル。
だが、彼女自身。
今、何をしないといけないのか、そんなことは十分に理解していた。
アチルは拳を握りつつ未練を振り払うように足先を変える。
小さく呟く魔法によって強化した足で美野里を一度見つつ、屋根上を駆け抜け黒狼が向かうであろう場所へ向かって行くのだった。
「…………………」
静寂がその場に広がる。
離れて行く彼女の足音を確かめ、美野里はワバルに意識を集中させながら敢えて尋ねる。
「で、どういうつもり?」
「…………………」
「今、この街が大変な事になってるのはアンタも分かってるでしょ? ……悪いけど、アンタなんかに構ってる暇は」
「あの人が死んで。…………それを何とも思ってない街なんて消えたらいい」
「………………アンタ、それ本気で言ってるの?」
ワバルの言葉に対し美野里は眉間を寄せ、ダガーの柄を握る手にも力が籠る。
だが、先の返事をワバルは答えなかった。
「!!!」
その瞬間。
ワバルは美野里に向かって走り出し、大剣から重い斬撃を振り下ろした。
美野里は歯噛みながらも二本のダガーを前で重ね、その一撃を何とか防ぐ。
「っ!?」
「ッ!!! ウィード・セル!!」
小さい武器での防御にも関わらず押し切れない。
普通なら回避や打ち負けと引くの手にでるはずが、こう対抗している。
相当の実力者だと判断したワバルは、セルバーストの力を使い風が大剣を纏わりその一撃に重みを増加させていく。
まるで上か上へと重りを足しているかのように、徐々にダガーではその剣圧を押し切れなくなっていく。
「っ、こんのっ!!」
持ちこたえられないと見た美野里は靴の爪先で地面を蹴飛ばし受け流すように後方に跳びながらワバルの大剣を回避する。
そして、続けて前へ踏み出しダガーをワバルの片腕に向かって振り下ろした。
「!!」
美野里の使うダガーは言わば短剣に近い武器だ。
しかし、大剣と違い悪い面もあれば逆に良い面もある。それは、超近距離戦闘においての斬り合いの先手だ。
軽い形状とモーションからの瞬時の攻撃と防御。
様々な戦闘スタイルの獲得。
大剣での攻撃で遅くなる行動範囲を理解して美野里はその隙を突くように攻撃したのだ。
だが、ガキィン!! と、
「ッな!?」
彼女の腕に向かうはずの刃が、まるで見えない何かに防がれたように弾かれる。
ワバルの腕には装甲があるわけでもなく、超速で防いだわけでもない。
美野里の脳内に疑問が覆い尽くす。
しかし、その直ぐ側でワバルは叫んだ。
「ウィードランス!」
ワバルの大剣ならざる攻撃。
剣を持つ右腕の肘を引き、そのまま突き上げる。
緑色の風が槍のような形状を作り大剣に纏っていた。そして、美野里の脇腹に向かってその風の槍が突き出された。
形状の変化、セルバーストと名前は違うがその効力は衝光に酷使している。
(まずいッ!?)
美野里はその瞬間、この攻撃はダガーをどうやったとしても防げないと悟る。
それは普段から衝光を扱っているからこそ理解でき、同時に避けようとしても間に合わないという答えを導き出してしまう。
今までの経験が、このままでは………………確実に死ぬと言っているのだ。
攻撃が弾かれたことで鈍った美野里の隙をついた攻撃。
陥った危機。
……使うしかない。
美野里は顔を歪ませ、迫る槍に向かって叫ぶ。
「ッ、衝光!!」
最小限に使用していた衝光の力をフルに発動させる。
美野里の瞳が瞬時に変色し、さらにダガーの刀身は光剣へと変わった。
光り輝く刃は頑丈な物を防ぎ強靭な強度を持つ。美野里は光剣を身体強化した素早い振りで切り裂き、風の槍先を弾き返すと、風の槍は一度四散してしまった。
動揺するワバルに対し、美野里は一度間合いを取るべく後方に跳び窮地からの脱出することができた。
だが、それと同時に彼女の精神には相当な疲労が掛かる。
肩で荒い息を吐く美野里は衝光の力を消さないよう再び呼吸を整え、目の前のワバルを睨見つけた。
だが、この時、
「はぁ、はぁ、……アンタ、いい加減に」
「やっぱり……………………………ホントだったんだ」
衝光という力を使った。
一時の回避に見えた、その行動が……。
「どうして見捨てた」
「…………え?」
「どうして、それだけの力があるのに…………。何でッ!!」
ワバルという……。
殺すという………。
彼女の微かに残っていた自我という精神を完全に打ち消す。
憎悪、というもう一つの心を剥き出させる失敗の一手だったということに美野里は気づく。
「何で、ライザムさんを見捨てたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ライザム。
美野里の構えが一瞬緩み、同時に脳裏に一人の男との記憶が鮮明に吹き出す。
その直後、美野里のワバルの一振りが躊躇なく襲い掛かった。
「ッ!?」
僅かな動揺で反応が遅れた美野里。
だが、身体強化された今の彼女にとって、その攻撃を防ぐことは難しくない。光剣を振り斬り、再び大剣を防ぐ。
しかし、その瞬間。
「ガンウィード!!」
光剣を力だけで振り払い、ワバルは大剣を足場である屋根の板に向かって突き刺した。
剣先が板を突き抜けたと同時に、突風に似た風がそこから吹き荒れる。
それは小さいながらも竜巻のように、ワバルを中心に吹き上げる。
さらに続けて回る嵐から緑色をした空気連弾が美野里に向かって撃ち出される。その数は数個ではない、数十。
しかも、至近距離での攻撃だ。
衝光によって変色した瞳。
美野里は顔を歪ませ、その連弾を素早い剣捌きで叩き落としていく。距離が短い分、数十の攻撃に意識を持って行くのが精一杯だった。
だからこそ、他の攻撃。
腹部目がけて真横から放たれたワバルの蹴りを真面に受けてしまった。
「っが、っあ!?」
空気弾を受けることはなかった。
しかし、溝に近い位置に決まった蹴りは同時に美野里の呼吸を一瞬止めた。
遠のく意識。
それに同調するように消えた衝光。
その場に横たわり、咳き込みを見せる美野里。だが、ワバルの敵意はそれを待つわけがなかった。
「……許さない………許さない、許さない、…許さない許さないゆるさないゆるさないいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
その憎悪が、怒りが、殺意が収まるわけがない。
大きく振り上げ、上段に構えられた大剣。
その感情にそって風の力は巨大な嵐の力へと変わる。
「ウィード・セル……………ウィードブレイカーァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
周りの空気を引き裂く、緑の風が作り出したのは大剣の刃をさらに伸ばし形成された特大の緑大剣。
その刃は微かながら振動を見せ、斬られた先を嫌でも想像させる。
そして、未だ立てない美野里に向かってワバルは殺意の瞳で見下ろし、その強大な剣を躊躇なく振り下ろした。
『ザァンンンンンンンンン!!!!
そして………、その場に一閃した強風が吹き抜ける。
「オウガ・ジ・アエル」
数秒前、誰かがその言葉を…………魔法を唱えた。
赤い色。
炎の色。
まるで透明な板を変色させたかのように、それは生み出される。
「ッ……………?」
振り下ろされた殺意の一振り。
咄嗟に目を瞑ってしまった美野里はその一撃が襲ってこないことに疑問を抱き、瞳を開けた。
「え? ……何、これ?」
初め、彼女の視界に映ったのは赤い壁だった。
それも炎の荒々しさの柄を描いただけのような薄い半透明な壁。しかし、その薄い壁がその見た目とは裏腹に目の前に迫る脅威の緑大剣を防ぎきっている。
ヒビ一つ作らず、そして、守られている美野里に対して熱さも感じない。
脆さを微塵も感じない完璧な守りの壁だ。
一体何が起きているのかわからず動揺の色を見せる美野里。対して、外部からの介入に対し怒り露わにしたワバル。
だが、その時だ。
「この騒ぎの元凶は……貴方ですか?」
カツカツ、と屋根上に足音をつけ現れる少女。
騎士の模様が刻まれたローブを纏い、散らばる髪を後ろに一括りする。
右の手首には赤い真珠を糸で通したアクセサリー。
その手に握られた、赤き杖。
「あ、アンタは……………」
美野里は一度彼女と会っている。
その少女は、騎士団長アーサーと親しい関係であり同時に魔法使いでもある。
魔法使い、ルア。
騎士団長側近でもある魔法使い。
今、冷静とした顔色でその場の状況を見据え戦闘に介入する。
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