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第四章 犯罪者共は学をつける
73.キュキュで遊ぼう
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「はぁ……。えーと、僕らはキュキュちゃんの二重人格、いや本当は異能体が三つある特殊体質かなんかなんだっけ?まぁなんにせよそれをどうにかコントロール出来るようにすればいいんだよね。」
「確かそう言っていましたよ。シャルは……。うぅユン、腹筋ってどうすれば回数を増やせるんですか。」
訓練室に移動したガジュ達の裏で、取り残されたユン達は学園の校庭で思い思いに過ごしていた。シャルルはヘサの指示通り、真面目に筋力トレーニング。ユンはしばらくだらけていたが、遠くから聞こえてくるガジュの叫び声に感化され、ようやく体を動かし始めたところである。
「そもそもさ、キュキュちゃんって気が狂ってる時どれくらい意識があるの?」
「す、すみません……ま、全くありません。記憶が抜け落ちてるというか……そういう感じです。」
「ふむ。じゃあまぁ取り敢えず色々試すところから始めてみようか。第二人格が出たのはこれまでに二回、第三人格に関しては一度きりでしょ?シンプルに慣れが足りてないのかも。キュキュちゃん、僕に【強化】をかけておいて!」
異能体が三つあり、多重人格というよりは三人がまとまっているかのような状態。ルウシェからそう聞いてはいるが、未だに情報は少ない。ルウシェやヘサであれば冷静な検証を行ったりするのだろうが、ユンにそんな落ち着いた思考は存在しない。分からないなら、確認してみるだけだ。
「キュキュちゃんてマジで可愛いよね!おっぱいも大きいし背も高いし!の割に腰は細くてボンキュッポン!ほら、頭とか撫でちゃうもんね!ケモ耳が気持ちいい~!!!」
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!羞恥、賛美、劣情!!!我は淫猥で醜悪な万物の恥!賞賛に値するものなどなく、ただ汚れたこの身を燃やし尽くすのみ!【狂化】!!!」
「あっはっはっ!凄い凄い!本当に体が自由に動かない!シャルちゃん、凄いよこれ!!」
「嬉々としてシャルに突撃して来ないで下さい!」
暴れ始めたユンに怯え、シャルルが自身の体に【投獄】を使用して逃げ惑う。
自身を肯定されたことにより発動し、相手の体を強制的に暴走させる。
やはり第二人格の発動条件は間違っていないらしく、無事【狂化】がユンに対し使用される。アルカトラで体の自由を失い慌てふためいてたガジュとは違い、狂人は狂っても尚冷静だ。
「う~んバーゼと違って細かく操作したりは出来ないのかなぁ。それともキュキュちゃんが正気を失ってるからまともに指示が出来ていないのか……。キュキュちゃーーーん!!!実はこの地下にはとびきり美味しい蜂蜜が埋まってるんだよ!!!穴を掘ってみよ!」
「甘味、蜂蜜、溺愛!」
「おっ、凄い凄い!どうやら後者みたい!おもしろっ!」
シャルルを狙って猛ダッシュしていたユンの体が急に足を止め、勢いよく穴を掘り始める。
あくまで今のユンはキュキュの僕。彼女に指示を出せばユン自身が手足となって働くことになるが、そんなことはお構いなしだ。人間が素手で穴を掘る様子は間違いなく滑稽だが、自分がそうなった時でも笑えるのはユンぐらいのものだろう。穴を掘るのに飽きたのか手が疲れたのか、ユンは次なる実験へと進んでいく。
「おーい、甘味中毒の自己否定糞ったれ獣人!そろそろ嘘だって気づいて~!頭悪すぎて僕ドン引きしちゃーう!」
「ユン!なんですかその暴言は!仲間に対して、というか人に対して言っていい言葉ではないでしょう!」
「あぁ、シャルちゃんはあの時いなかったもんね。これは別にやりたくてやってる訳じゃなくてさ……。あ、ほら。」
「す、すみませんすみません。私はまたやらかしたんですねすみませんすみません!」
罵詈雑言をかけられた瞬間、キュキュは正気に戻り頭を地面に擦り付け始める。相変わらずの変わり身の速さだが、まだあくまで第二人格だ。実験、という点でいえばもう一つの方が大変だろう。
「キュキュちゃんにいい報告だよ。キュキュちゃんの【狂化】は意外と操作できる代物。僕らが近くで声をかけてあげれば、そこまで危険じゃなさそう!」
「ほ、本当ですか……?け、けどその汚れ、私のせいですよね。すみませんすみません、私なんかの為にすみません!」
「まぁまぁそう気にせずにさ。キュキュちゃんが人格をコントロール出来るようになるのは、僕らにとっても良い事なんだし。それよりさ、これは紛れもなくキュキュちゃんのせいだからね!」
「ユ、ユン!?大丈夫ですか!?腕が、腕がーーー!!!」
ニコニコと笑いながらユンが自身の右腕を掴み、あらぬ方向へと折り曲げる。滝のように血が流れ、力なく肩にぶら下がる細い腕。それを見てシャルルが悲鳴を上げ、続くようにしてキュキュの目の色が変わる。
無力感を感じた時に発動し、全てを破壊しようとする。
これがキュキュの第三人格だ。
「あぁ……なんと私はなんと無力なんでしょう。一度だけではなく二度も……仲間を守れぬ愚か者には、贖罪の義務が生じます!見える全てを殺すことで、その一端と致しましょう!」
「え、もしかして今度はこっちに追いかけられるんですか……?あぁもう!シャルは筋トレがしたいだけなんですが!というかユン!?大丈夫なんですかそれ!」
「ん~大丈夫大丈夫。これぐらい、ユンちゃんにかかればお手のものよ。それより、目の前のこれをどうするか考えないと。」
前回キュキュの第三人格が発動した時、全てを解決したのはチョココロネだ。だが今回はそれもなく、いるのは何故か無傷のユンと逃げ惑うシャルルだけ。キュキュの能力のコントロールの為には、まず自分達が彼女を抑えなければ。ユンはいつも通りの笑みを浮かべ、魔力を腕と足に込めていく。
「確かそう言っていましたよ。シャルは……。うぅユン、腹筋ってどうすれば回数を増やせるんですか。」
訓練室に移動したガジュ達の裏で、取り残されたユン達は学園の校庭で思い思いに過ごしていた。シャルルはヘサの指示通り、真面目に筋力トレーニング。ユンはしばらくだらけていたが、遠くから聞こえてくるガジュの叫び声に感化され、ようやく体を動かし始めたところである。
「そもそもさ、キュキュちゃんって気が狂ってる時どれくらい意識があるの?」
「す、すみません……ま、全くありません。記憶が抜け落ちてるというか……そういう感じです。」
「ふむ。じゃあまぁ取り敢えず色々試すところから始めてみようか。第二人格が出たのはこれまでに二回、第三人格に関しては一度きりでしょ?シンプルに慣れが足りてないのかも。キュキュちゃん、僕に【強化】をかけておいて!」
異能体が三つあり、多重人格というよりは三人がまとまっているかのような状態。ルウシェからそう聞いてはいるが、未だに情報は少ない。ルウシェやヘサであれば冷静な検証を行ったりするのだろうが、ユンにそんな落ち着いた思考は存在しない。分からないなら、確認してみるだけだ。
「キュキュちゃんてマジで可愛いよね!おっぱいも大きいし背も高いし!の割に腰は細くてボンキュッポン!ほら、頭とか撫でちゃうもんね!ケモ耳が気持ちいい~!!!」
「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!羞恥、賛美、劣情!!!我は淫猥で醜悪な万物の恥!賞賛に値するものなどなく、ただ汚れたこの身を燃やし尽くすのみ!【狂化】!!!」
「あっはっはっ!凄い凄い!本当に体が自由に動かない!シャルちゃん、凄いよこれ!!」
「嬉々としてシャルに突撃して来ないで下さい!」
暴れ始めたユンに怯え、シャルルが自身の体に【投獄】を使用して逃げ惑う。
自身を肯定されたことにより発動し、相手の体を強制的に暴走させる。
やはり第二人格の発動条件は間違っていないらしく、無事【狂化】がユンに対し使用される。アルカトラで体の自由を失い慌てふためいてたガジュとは違い、狂人は狂っても尚冷静だ。
「う~んバーゼと違って細かく操作したりは出来ないのかなぁ。それともキュキュちゃんが正気を失ってるからまともに指示が出来ていないのか……。キュキュちゃーーーん!!!実はこの地下にはとびきり美味しい蜂蜜が埋まってるんだよ!!!穴を掘ってみよ!」
「甘味、蜂蜜、溺愛!」
「おっ、凄い凄い!どうやら後者みたい!おもしろっ!」
シャルルを狙って猛ダッシュしていたユンの体が急に足を止め、勢いよく穴を掘り始める。
あくまで今のユンはキュキュの僕。彼女に指示を出せばユン自身が手足となって働くことになるが、そんなことはお構いなしだ。人間が素手で穴を掘る様子は間違いなく滑稽だが、自分がそうなった時でも笑えるのはユンぐらいのものだろう。穴を掘るのに飽きたのか手が疲れたのか、ユンは次なる実験へと進んでいく。
「おーい、甘味中毒の自己否定糞ったれ獣人!そろそろ嘘だって気づいて~!頭悪すぎて僕ドン引きしちゃーう!」
「ユン!なんですかその暴言は!仲間に対して、というか人に対して言っていい言葉ではないでしょう!」
「あぁ、シャルちゃんはあの時いなかったもんね。これは別にやりたくてやってる訳じゃなくてさ……。あ、ほら。」
「す、すみませんすみません。私はまたやらかしたんですねすみませんすみません!」
罵詈雑言をかけられた瞬間、キュキュは正気に戻り頭を地面に擦り付け始める。相変わらずの変わり身の速さだが、まだあくまで第二人格だ。実験、という点でいえばもう一つの方が大変だろう。
「キュキュちゃんにいい報告だよ。キュキュちゃんの【狂化】は意外と操作できる代物。僕らが近くで声をかけてあげれば、そこまで危険じゃなさそう!」
「ほ、本当ですか……?け、けどその汚れ、私のせいですよね。すみませんすみません、私なんかの為にすみません!」
「まぁまぁそう気にせずにさ。キュキュちゃんが人格をコントロール出来るようになるのは、僕らにとっても良い事なんだし。それよりさ、これは紛れもなくキュキュちゃんのせいだからね!」
「ユ、ユン!?大丈夫ですか!?腕が、腕がーーー!!!」
ニコニコと笑いながらユンが自身の右腕を掴み、あらぬ方向へと折り曲げる。滝のように血が流れ、力なく肩にぶら下がる細い腕。それを見てシャルルが悲鳴を上げ、続くようにしてキュキュの目の色が変わる。
無力感を感じた時に発動し、全てを破壊しようとする。
これがキュキュの第三人格だ。
「あぁ……なんと私はなんと無力なんでしょう。一度だけではなく二度も……仲間を守れぬ愚か者には、贖罪の義務が生じます!見える全てを殺すことで、その一端と致しましょう!」
「え、もしかして今度はこっちに追いかけられるんですか……?あぁもう!シャルは筋トレがしたいだけなんですが!というかユン!?大丈夫なんですかそれ!」
「ん~大丈夫大丈夫。これぐらい、ユンちゃんにかかればお手のものよ。それより、目の前のこれをどうするか考えないと。」
前回キュキュの第三人格が発動した時、全てを解決したのはチョココロネだ。だが今回はそれもなく、いるのは何故か無傷のユンと逃げ惑うシャルルだけ。キュキュの能力のコントロールの為には、まず自分達が彼女を抑えなければ。ユンはいつも通りの笑みを浮かべ、魔力を腕と足に込めていく。
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