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御前試合
置いてけぼり
昨日ぶりの王子殿下の登場である。
「やぁジュディ。昨日も今日も会えて嬉しいよ。君が来てくれないから、私の方から来てみたんだ。あ、顔を上げておくれ。」
ニコニコしながらエルバート王子殿下が入ってきた。
「ジュディと一緒に余興を見ようと思ってね。開演前に誘いに来たんだ。あ、もちろんレイリアさんもね」
「申し訳ありませんが、私達、余興どころではありませんの。それに・・親しい間柄ならまだしも、先触れも無しにご訪問頂くのは困りますわ」
「侯爵夫人には訪室の了解をもらってるよ?」
ジュディ様が苦虫を噛み潰した様な顔をする。
「・・・それは失礼いたしました。折角のお誘いですが、残念ながら私達、現在進行形で外せない用事が・・」
「今年の余興はね、剣舞だよ。ジュディ、好きだろう?私が陛下に提案したんだ」
「え、剣舞?」
「そう。しかもただの剣舞ではないよ。世界の剣舞を披露するんだ。」
「世界の・・!」
「目玉はやっぱり、すでに廃れたと思われていたウーシェンロア派の継承者を見つけたことと、最果ての国ドレアドの狩猟民族の剣舞まで網羅していることかな」
「"失われた剣"ウーシェンロアに・・"獣使いの剣"ドレアド・ガガン・・!!」
ジュディ様の瞳が、俄然キラキラしてきた。
「・・"一子相伝の女剣"リュシールデュールは出ますの?」
「もちろん。打診してから出場が決まるまでは、ずいぶん骨が折れたけどね」
身を乗り出しかけたジュディ様だったが、ハッとして、扇子を開き口元を隠した。
「それは・・お教えいただきありがとうございます。私はこちらで鑑賞いたしますので、どうぞお気遣いなく」
「剣舞は全て王家の観覧席を正面にしてやるから、鑑賞するにはうちがベストポジションだと思うけど、どうする?」
「・・・・・いえ、国王御一家の観覧席に私が居たら、変に勘繰られそうですし」
そうか、と王子殿下が頷いた。
「私としては、ただ良かれと思って声をかけただけだけど、ジュディがそう言うならしょうがないね、残念だけど。・・・世界の流派が一堂に会する、こんな機会は2度とないと思うけどなぁ。」
ゴクリ、とジュディ様の喉が鳴った。
「・・よく考えてみたら、レイリアの用事ですから、私は必ずしもここに居なくてもいいのかもしれません」
ん?ジュディ様?
「それなら、ジュディは王家で観たらどうだろう。」
「・・ですが先ほど申しました様に、勘ぐられることは避けたいのですわ。ご迷惑になるでしょうし。殿下、例えば、私が誰とはわからない様な格好で観覧してもよろしいですか。例えば帽子で顔を隠すような。」
え?ジュディ様?
「もちろん。私はジュディに喜んでもらえれば、それでいいからね。陛下には陽射しが強いから私がかぶらせたと言伝おくよ」
ジュディ様が私を振り返った。
「レイリア、帽子を借りるわっ!」
「ちょっと待ってください!私1人にするつもりですか・・!」
アマンド様が今ここに抗議に向かってきているこの状況で!?
「あなたの修羅場も楽しそうだけど、希少性を考えたら今日の剣舞に軍配が上がったのよ!」
言われていることが色々とひどい。
ジュディ様はさっきまで散々コケにしてきた私の帽子を目深にかぶると、「殿下、お先に!」とさっさと部屋を出て行った。
「レイリアさん、また後でね。」
王子殿下は笑いながらジュディ様の後に続き退室する。
パタン、とドアが閉まって、残されたのは私とゲルトさんの2人。
そうして静寂が訪れた室内に、再びノックの音が響いた。
トントン
「失礼します。アマンド ガーナー伯爵令息をご案内しました!」
「やぁジュディ。昨日も今日も会えて嬉しいよ。君が来てくれないから、私の方から来てみたんだ。あ、顔を上げておくれ。」
ニコニコしながらエルバート王子殿下が入ってきた。
「ジュディと一緒に余興を見ようと思ってね。開演前に誘いに来たんだ。あ、もちろんレイリアさんもね」
「申し訳ありませんが、私達、余興どころではありませんの。それに・・親しい間柄ならまだしも、先触れも無しにご訪問頂くのは困りますわ」
「侯爵夫人には訪室の了解をもらってるよ?」
ジュディ様が苦虫を噛み潰した様な顔をする。
「・・・それは失礼いたしました。折角のお誘いですが、残念ながら私達、現在進行形で外せない用事が・・」
「今年の余興はね、剣舞だよ。ジュディ、好きだろう?私が陛下に提案したんだ」
「え、剣舞?」
「そう。しかもただの剣舞ではないよ。世界の剣舞を披露するんだ。」
「世界の・・!」
「目玉はやっぱり、すでに廃れたと思われていたウーシェンロア派の継承者を見つけたことと、最果ての国ドレアドの狩猟民族の剣舞まで網羅していることかな」
「"失われた剣"ウーシェンロアに・・"獣使いの剣"ドレアド・ガガン・・!!」
ジュディ様の瞳が、俄然キラキラしてきた。
「・・"一子相伝の女剣"リュシールデュールは出ますの?」
「もちろん。打診してから出場が決まるまでは、ずいぶん骨が折れたけどね」
身を乗り出しかけたジュディ様だったが、ハッとして、扇子を開き口元を隠した。
「それは・・お教えいただきありがとうございます。私はこちらで鑑賞いたしますので、どうぞお気遣いなく」
「剣舞は全て王家の観覧席を正面にしてやるから、鑑賞するにはうちがベストポジションだと思うけど、どうする?」
「・・・・・いえ、国王御一家の観覧席に私が居たら、変に勘繰られそうですし」
そうか、と王子殿下が頷いた。
「私としては、ただ良かれと思って声をかけただけだけど、ジュディがそう言うならしょうがないね、残念だけど。・・・世界の流派が一堂に会する、こんな機会は2度とないと思うけどなぁ。」
ゴクリ、とジュディ様の喉が鳴った。
「・・よく考えてみたら、レイリアの用事ですから、私は必ずしもここに居なくてもいいのかもしれません」
ん?ジュディ様?
「それなら、ジュディは王家で観たらどうだろう。」
「・・ですが先ほど申しました様に、勘ぐられることは避けたいのですわ。ご迷惑になるでしょうし。殿下、例えば、私が誰とはわからない様な格好で観覧してもよろしいですか。例えば帽子で顔を隠すような。」
え?ジュディ様?
「もちろん。私はジュディに喜んでもらえれば、それでいいからね。陛下には陽射しが強いから私がかぶらせたと言伝おくよ」
ジュディ様が私を振り返った。
「レイリア、帽子を借りるわっ!」
「ちょっと待ってください!私1人にするつもりですか・・!」
アマンド様が今ここに抗議に向かってきているこの状況で!?
「あなたの修羅場も楽しそうだけど、希少性を考えたら今日の剣舞に軍配が上がったのよ!」
言われていることが色々とひどい。
ジュディ様はさっきまで散々コケにしてきた私の帽子を目深にかぶると、「殿下、お先に!」とさっさと部屋を出て行った。
「レイリアさん、また後でね。」
王子殿下は笑いながらジュディ様の後に続き退室する。
パタン、とドアが閉まって、残されたのは私とゲルトさんの2人。
そうして静寂が訪れた室内に、再びノックの音が響いた。
トントン
「失礼します。アマンド ガーナー伯爵令息をご案内しました!」
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