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御前試合
最終順位
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グスッグスッ
「もうっ。いつまでメソメソしてるの!」
「うぅ・・ジュディ様ぁ・・」
アマンド様が、負けてしまった。
ディフィート様の手から剣が離れた時点で、勝った!と思った自分を叱りつけてやりたい。
退場していったアマンド様の後ろ姿を思うと、涙が止まらなくなる。
「まぁ確かに?あのお兄様が剣を落とすなんて、一瞬私もヒヤッとしたけど・・でも勝負なんだから、勝った方が強いってこと。諦めなさい。」
「ジュディ。貴方って子は、どうしてそう煽るようなことを言うの!・・まあまあそんなに泣いて・・よっぽど悔しかったのね、レイリアさん」
侯爵夫人に背を撫でられて、私はまた涙した。
そうか、悔しがっているのか私は。
これまで生きてきた中で、こんな強烈な悔しさに遭遇したことはなかった。
私なんかより、アマンド様の方が何万倍も悔しいはずなのに。
そう思うと、涙がまたぶり返してくる。
「ほら、向こうの準決勝が終わったわよ!3位決定戦までそうしてるつもりじゃないでしょうね」
3位・・決定戦?
キョトンとする私に、ジュディ様は完全に呆れている。
「あのねぇ、8位までの入賞者に限っては順位決定戦があるの。あなたの婚約者だって、去年は5位だったでしょう?もう1戦残ってるのよ!」
はっ!
「いつ!いつあるんですか!」
「この後5~8位の順位決定戦があるから、その後よ。もう・・しょうがないわね
。ほら、桃のキャラメルクリームブリュレをあげるから落ち着きなさい。ゲルト!」
カラメルを、注意深く、絶妙な力加減でスプーンで突っついて割っていく。
この飴の部分がどう割れるかで、その日の運勢が占えると、以前クラブの誰かが話していた。もっとも、どう割れたら運がいいのか、さっぱり知らないのだけれど。
「今年はベスト8中3人が王国騎士団ね。アマンド ガーナーとシーリーウッドの副団長は入るだろうとは思ってたけど・・ゼノ クルシュナーは初めて見るわ。去年は決勝トーナメントにも出ていなかったはずなのに・・シーリーウッドが躍進してきてるわね。レイリア、次が3位決定戦よ。」
会場に、再びアマンド様が現れた。
3位決定戦の相手は、大男のダント アンプだ。
アマンド様より、頭2つ分は身長が高い。
2人が対峙するのを見て、不安が込み上げてくる。
「ジュディ様。アマンド様は・・勝てるでしょうか?」
アマンド様の剣は力で押し切るザガー派だ。しかし力で言えば、大柄で筋骨隆々のダント アンプに分があるように思える。
「勝てるかって?本気で言ってるの?」
そうこうする内に試合が始まった。
ダントが大きく振りかぶり、剣を叩きつけるように下ろしてきた。
盾でも剣でも、あの一撃を受け止めきれずに膝をつき、続くもう一撃で伸された騎士を何人も見てきたので、思わず悲鳴を上げてしまう。
しかし、アマンド様は構え直すと、受け身を取らずにそのままダントの剣に向かって斬りかかっていった。
バキンッ!
ダントの剣が折れて飛んでいく。
アマンド様は止まらず、勢いのまま身体を回転させ、ダントの胴に一撃を浴びせる。
勝負が決まり、場内が大歓声に包まれた。
「レイリアわかった?ザガーベルケン最強の使い手が、あんな力だけ男に負けるわけないでしょ」
得意気なジュディ様の声。
アマンド様がこちらを見上げる。
私は彼の名を呼びながら、大きく手を振って彼に応えた。
「もうっ。いつまでメソメソしてるの!」
「うぅ・・ジュディ様ぁ・・」
アマンド様が、負けてしまった。
ディフィート様の手から剣が離れた時点で、勝った!と思った自分を叱りつけてやりたい。
退場していったアマンド様の後ろ姿を思うと、涙が止まらなくなる。
「まぁ確かに?あのお兄様が剣を落とすなんて、一瞬私もヒヤッとしたけど・・でも勝負なんだから、勝った方が強いってこと。諦めなさい。」
「ジュディ。貴方って子は、どうしてそう煽るようなことを言うの!・・まあまあそんなに泣いて・・よっぽど悔しかったのね、レイリアさん」
侯爵夫人に背を撫でられて、私はまた涙した。
そうか、悔しがっているのか私は。
これまで生きてきた中で、こんな強烈な悔しさに遭遇したことはなかった。
私なんかより、アマンド様の方が何万倍も悔しいはずなのに。
そう思うと、涙がまたぶり返してくる。
「ほら、向こうの準決勝が終わったわよ!3位決定戦までそうしてるつもりじゃないでしょうね」
3位・・決定戦?
キョトンとする私に、ジュディ様は完全に呆れている。
「あのねぇ、8位までの入賞者に限っては順位決定戦があるの。あなたの婚約者だって、去年は5位だったでしょう?もう1戦残ってるのよ!」
はっ!
「いつ!いつあるんですか!」
「この後5~8位の順位決定戦があるから、その後よ。もう・・しょうがないわね
。ほら、桃のキャラメルクリームブリュレをあげるから落ち着きなさい。ゲルト!」
カラメルを、注意深く、絶妙な力加減でスプーンで突っついて割っていく。
この飴の部分がどう割れるかで、その日の運勢が占えると、以前クラブの誰かが話していた。もっとも、どう割れたら運がいいのか、さっぱり知らないのだけれど。
「今年はベスト8中3人が王国騎士団ね。アマンド ガーナーとシーリーウッドの副団長は入るだろうとは思ってたけど・・ゼノ クルシュナーは初めて見るわ。去年は決勝トーナメントにも出ていなかったはずなのに・・シーリーウッドが躍進してきてるわね。レイリア、次が3位決定戦よ。」
会場に、再びアマンド様が現れた。
3位決定戦の相手は、大男のダント アンプだ。
アマンド様より、頭2つ分は身長が高い。
2人が対峙するのを見て、不安が込み上げてくる。
「ジュディ様。アマンド様は・・勝てるでしょうか?」
アマンド様の剣は力で押し切るザガー派だ。しかし力で言えば、大柄で筋骨隆々のダント アンプに分があるように思える。
「勝てるかって?本気で言ってるの?」
そうこうする内に試合が始まった。
ダントが大きく振りかぶり、剣を叩きつけるように下ろしてきた。
盾でも剣でも、あの一撃を受け止めきれずに膝をつき、続くもう一撃で伸された騎士を何人も見てきたので、思わず悲鳴を上げてしまう。
しかし、アマンド様は構え直すと、受け身を取らずにそのままダントの剣に向かって斬りかかっていった。
バキンッ!
ダントの剣が折れて飛んでいく。
アマンド様は止まらず、勢いのまま身体を回転させ、ダントの胴に一撃を浴びせる。
勝負が決まり、場内が大歓声に包まれた。
「レイリアわかった?ザガーベルケン最強の使い手が、あんな力だけ男に負けるわけないでしょ」
得意気なジュディ様の声。
アマンド様がこちらを見上げる。
私は彼の名を呼びながら、大きく手を振って彼に応えた。
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