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秋
2人で夜会へ
「レイリア!レイリアー?支度できたの?入ってもいい?いいわね?入るわよー」
口を挟む間もなく勝手に私の部屋に入ってきたお母様は「まぁ!」と目を丸くした。
「とっーても素敵じゃない!あの時ドレスを新調しておいて、本当に良かった!まさか王子殿下に呼んでいただくなんて信じられないわ!いいこと?王子殿下にくれぐれも失礼のないようにね?」
「お母様、少し落ち着いて?お呼び頂いたと言っても、王宮の夜会なんてとても規模が大きいでしょう?きっとお会いすることはないと思うわ」
「そーれーでーもっ!周りは王家との繋がりの深い貴族だらけなんだから、気を抜いてはダメよ!」
浮かれているお母様には何を言っても聞き入れてもらえなさそうだ。
御前試合が終わった次の日に、早速王宮から夜会の招待状が届いた。
そして今日が、その日曜日。
アマンド様と顔を合わせるのは、御前試合のあの日以来だ。
あの日、私が寝落ちして、別れ際が中途半端になってしまったせいか、気持ちがずっと落ち着かない。
「お母様?お父様とアマンド様のお話、まだ終わっていないのかしら」
「書斎のドアは閉じたままよ?」
アマンド様は予定よりもだいぶ早く来て、もう2時間近く、お父様と2人で書斎に篭りっきりだ。
ボートウェル子爵家への抗議文について話しているんだろう。
メイベルとは、何も連絡を取っていない。
もう会わない、とアマンド様と約束したものの、このまま書面だけで終わらせるのが正解なのかは、自分にはよくわからない。
正直、迷いはあるものの、まずはお父様の判断を待つことにした。
そんなわけで、アマンド様はすでにこの屋敷にいるのだが、夜会の支度をしていた私はまだ顔を合わせられていない。
(・・どんな顔して、会えばいいんだろ)
思い出すのは、花火が打ち上がる中、アマンド様と口づけたあの瞬間でーー
(なんであんな大胆なこと・・私!)
思い出す度に、顔がカッと熱くなる。
雰囲気に流されたとしか言いようがない。
「お嬢様、イヤリングはこちらでよろしいですね?」
畏まったキーラが、イエローダイヤのイヤリングを差し出した。
「今日の青いドレスにもお似合いですよ?」
「・・それでいいけど。」
ハイッ!といい笑顔で答えたキーラが、嬉々として着けてくれる。
夜会の招待状を受け取った後から、こんな調子でずっと張り切っているのだ。
今日のドレスを選んだのも、キーラだ。
「御前試合3位の栄誉」という名目で夜会に招ばれたので、アマンド様は今日騎士服で参加する。
それに合わせて、今日は騎士のマントの色と同じ、瑠璃の青のドレスが選ばれた。
夜会用の、いつもよりデコルテの開いたドレス。
窓の外も、暗くなってきた。
初めて、アマンド様と夜会に参加する。
アマンド様と夜にお出かけすること自体、初めてなのだ。
ノックの音ともに執事のセバスチャンが現れた。
「お嬢様、お急ぎください。アマンド様が玄関でお待ちです。」
玄関ではアマンド様がまだお父様と話し込んでいた。
到着した私に気づいて、アマンド様の表情が緩んでいく。
「レイリア・・リア。綺麗だ、とっても。」
私の方へ一歩踏み出し、騎士服姿の彼が手を差し出した。
ふわふわ夢心地で、彼の手を取る。
どうしよう・・スゴく、かっこいい・・。
コホン、とお父様が咳払いする。
「レイリア、綺麗だよ。最強の剣士も、お前には形無しのようだ。その、2人とも。そろそろ出た方がいいんじゃないかな?」
「ディセンシア伯爵、それではお嬢様をお預かりします。」
「ああ、うちの跳ねっ返りは夜会初心者だからね。羽目を外さないように、しっかり管理しておくれ。」
「はい」
「くれぐれも頼むよ?君を、信頼してるからね」
「・・はい」
そうして私達は王宮へと向かったのだった。
口を挟む間もなく勝手に私の部屋に入ってきたお母様は「まぁ!」と目を丸くした。
「とっーても素敵じゃない!あの時ドレスを新調しておいて、本当に良かった!まさか王子殿下に呼んでいただくなんて信じられないわ!いいこと?王子殿下にくれぐれも失礼のないようにね?」
「お母様、少し落ち着いて?お呼び頂いたと言っても、王宮の夜会なんてとても規模が大きいでしょう?きっとお会いすることはないと思うわ」
「そーれーでーもっ!周りは王家との繋がりの深い貴族だらけなんだから、気を抜いてはダメよ!」
浮かれているお母様には何を言っても聞き入れてもらえなさそうだ。
御前試合が終わった次の日に、早速王宮から夜会の招待状が届いた。
そして今日が、その日曜日。
アマンド様と顔を合わせるのは、御前試合のあの日以来だ。
あの日、私が寝落ちして、別れ際が中途半端になってしまったせいか、気持ちがずっと落ち着かない。
「お母様?お父様とアマンド様のお話、まだ終わっていないのかしら」
「書斎のドアは閉じたままよ?」
アマンド様は予定よりもだいぶ早く来て、もう2時間近く、お父様と2人で書斎に篭りっきりだ。
ボートウェル子爵家への抗議文について話しているんだろう。
メイベルとは、何も連絡を取っていない。
もう会わない、とアマンド様と約束したものの、このまま書面だけで終わらせるのが正解なのかは、自分にはよくわからない。
正直、迷いはあるものの、まずはお父様の判断を待つことにした。
そんなわけで、アマンド様はすでにこの屋敷にいるのだが、夜会の支度をしていた私はまだ顔を合わせられていない。
(・・どんな顔して、会えばいいんだろ)
思い出すのは、花火が打ち上がる中、アマンド様と口づけたあの瞬間でーー
(なんであんな大胆なこと・・私!)
思い出す度に、顔がカッと熱くなる。
雰囲気に流されたとしか言いようがない。
「お嬢様、イヤリングはこちらでよろしいですね?」
畏まったキーラが、イエローダイヤのイヤリングを差し出した。
「今日の青いドレスにもお似合いですよ?」
「・・それでいいけど。」
ハイッ!といい笑顔で答えたキーラが、嬉々として着けてくれる。
夜会の招待状を受け取った後から、こんな調子でずっと張り切っているのだ。
今日のドレスを選んだのも、キーラだ。
「御前試合3位の栄誉」という名目で夜会に招ばれたので、アマンド様は今日騎士服で参加する。
それに合わせて、今日は騎士のマントの色と同じ、瑠璃の青のドレスが選ばれた。
夜会用の、いつもよりデコルテの開いたドレス。
窓の外も、暗くなってきた。
初めて、アマンド様と夜会に参加する。
アマンド様と夜にお出かけすること自体、初めてなのだ。
ノックの音ともに執事のセバスチャンが現れた。
「お嬢様、お急ぎください。アマンド様が玄関でお待ちです。」
玄関ではアマンド様がまだお父様と話し込んでいた。
到着した私に気づいて、アマンド様の表情が緩んでいく。
「レイリア・・リア。綺麗だ、とっても。」
私の方へ一歩踏み出し、騎士服姿の彼が手を差し出した。
ふわふわ夢心地で、彼の手を取る。
どうしよう・・スゴく、かっこいい・・。
コホン、とお父様が咳払いする。
「レイリア、綺麗だよ。最強の剣士も、お前には形無しのようだ。その、2人とも。そろそろ出た方がいいんじゃないかな?」
「ディセンシア伯爵、それではお嬢様をお預かりします。」
「ああ、うちの跳ねっ返りは夜会初心者だからね。羽目を外さないように、しっかり管理しておくれ。」
「はい」
「くれぐれも頼むよ?君を、信頼してるからね」
「・・はい」
そうして私達は王宮へと向かったのだった。
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