大好きな彼の婚約者の座を譲るため、ワガママを言って嫌われようと思います。

airria

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自主練習とかより俺は早く婚約者に会いたい。

待ちかねた日曜になった。

いや、正しくは待ちかねていたはずの日曜、だ。

晴れてレイリアとの気持ちを確かめ合ってから、ようやく二人きりで会える日曜なのに。

それなのに!

有志でやっていた自主練習会が、その参加者が先日の御前試合で軒並みランクアップしていたことから、これからも月2回開催されることになったのだ。

上官から「頼む!アマンド!記念すべき第1回目なんだ!つかみが大事なんだよ・・!」と熱弁され、俺は第1回目の指南役を渋々引き受けたのだが・・・

「それではー!これより、第1回、自主練習会を開始する!今日の指南役は先日の御前試合で3位となった、アマンド ガーナー士官だ!」

「オォー!!」

演習場に響き渡る、野太い声。

自主強化練習会の時より、その人数は倍近くに増えている。

日曜だぞ?休めよ!

く・・・だめだ!

この時間もレイリアと一緒にいられたはずなのに、と思うと、イライラが止まらない!

「今日のメニューだが、素振りから始めて、次に組みになって打ち合い!その後は試合形式とする!まずは素振りからー!」

素振りを見回りながら、どうしても集中しきれず、先週の日曜のことを考えてしまう。

先週、夜会から帰る馬車の中で、酒に酔ったレイリアはまたもや寝落ちしてしまった。

翌日には、レイリアからお礼と謝罪の意を込めた手紙が届いたのだが、2週続けて帰宅時に寝落ちする我が身を恥ずかしがる内容は微笑ましいものの、酒に酔った後のことが一切記憶にないと書いてあり、その事実に俺は驚愕した。

ディフィート卿に会ったことも朧げのようだ。

レイリアと酒の組み合わせはまずい。

絶対に俺がいない時は飲ませないようにしないと、と危機感を新たにした出来事だ。

「よし、素振りやめー!5分の休憩の後、組みになるぞ!」




水でのどを潤しながら、頭を冷やす。

午後にはレイリアと会えるんだから、いい加減諦めて、練習会こっちに集中するべきだ・・。

が、その時。

「アマンド様ー!」
「おーい!アマンドー!」

聞き慣れた、でもここでは聞くことのなかった声がして、俺は瞬時に声の方向を向いた。

ワンピース姿のレイリア、そしてカインが、連れ立って演習場へ向かってくる。

騎士団に来るなんて何事かあったのかと思ったが、二人ともニコニコしながら、練習の見学に来たのだという。

「開始時間に間に合うつもりで来たのに、少し遅れてしまいました。騎士団の中がこんなに広いなんて思わなかったですわ!」

「それにしてもすげー人数だね。あ!あの人!こないだ入賞したゼノ クルシュナーだ!あ、あの人も決勝トーナメント出てたよね!」

目を輝かせるカインを尻目に、レイリアが俺のためにここまで足を運んでくれたことに、静かに感動した。

「アマンド様、お手紙にも書きましたけれど、私夜会の日の記憶が曖昧で・・どなたかに失礼な態度をとったりしていなかったでしょうか?」

「・・本当に酔った後の記憶がないのか?」

拳を口元に当てて真剣に記憶を呼び起そうとするレイリア。

「・・何か思い出せそうなことがあったんですけど・・」

小さく、あ、と呟いてレイリアは顔を上げた。

「そういえば、王子殿下が、熱がどうとか仰っていたような・・?」

「それは思い出さなくていい。」

頼むから永遠に忘れてくれ。

その時、練習再開の号令がかかり、レイリアが思いついたようにカインに声をかけた。

「カイン、そろそろ行ってあげた方がいいわ!」

「あ、そっか」

「道は覚えたわね?」

「ヘーキヘーキ!じゃ、迎えに行ってくる!」

カインはどこへ?と疑問に思う俺に、レイリアが嬉しそうにこう言った。

「実は今日、ロイがどうしてもアマンド様を見に来たいっていうので、連れてきたんです!」

なんだと!

「ロイってあの・・」

「はい、カインのお友達です!アマンド様にどうしても会いたいって言って・・あ、アマンド様、呼ばれてますわ。行ってらっしゃいませ!」

ロイリス ピートがここに!?




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