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秋
お医者さまと話せません。
「痛みはどうですか?」
「痛いで「ひどく痛がっている」」
お医者さまが、私の左腕の包帯の巻き直しを終えた。
「まだしばらく痛むと思います。ひどい骨折ではなさそうですが、少し熱も出るやもしれません。打撲もありますし、痛み止めを出しておくので、食後に飲んでください。」
「は「わかった」」
「はい、腕は下ろしていただいて大丈夫です。お手伝いありがとうございました」
ゆっくりと腕が下ろされる。
「頭の傷は問題なさそうですな。綺麗に治ると思います。もう傷を覆う必要もないでしょう。」
「よか「食事で気をつけることは?」」
「まあ特に大丈夫かとは思いますが・・」
やった!
「ほら!ほら!アマンド様聞きました?だからあのマド「が、の続きを。」」
はしゃぐ私に構わず、アマンド様が先を促す。
「・・ご心配なら、念の為、最初の食事は消化にいいものを食べて、吐いたりしなければ次からは普通の食事で大丈夫でしょう」
「え、そん「わかった」」
私は負けじと声を張った。
「でも私、診察が終わったらそのマドレーヌを一緒に食べましょうっておばさまに誘われてて「今日1日は病人食だ。それは下げてくれ」」
おばさまがさっき私に持って来てくれた、人気菓子店のマドレーヌが、メイドによって部屋から運び出された。
「私のマドレーヌ・・」
呆然としている私を差し置いて、お医者さまとアマンド様の会話は続く。
「それで、レイリアが飲まされた薬の影響はもうないと考えていいのか?」
「今のご様子を見るにもう影響はないかと思います。多分、鎮静薬の類でしょう。」
「約2日も寝てたのは長すぎないか?」
「摂取した量が多かったのか、それか薬が効きすぎる体質なのかもしれません。」
「薬が効きすぎる体質だと?痛み止めを飲ませて大丈夫なのか?」
アマンド様の声質が、明らかに不穏なものに変わった。
「痛がるご婚約者様をそのままにしておくと言うのもよろしくないでしょう。それに、あまり薬の量を抑えても、痛み止めの効果が無ければ意味がありません。もしご不安でしたら、水分を多めに飲んで頂ければ大丈夫です。」
「・・果実水でも問題ないか?」
「はい、果実水も大変結構だと思います」
「わかった。果実水を。シナモン抜きだ。」
「は、はい!」
ずっとチラチラとこちらを見ていた若いメイドさんが、顔を赤くしながら走って出て行った。
「他に気をつけることは?」
「そうですな・・ずっと寝ていたので、最初立つ時には眩暈やふらつきが起こりやすくなります。今日1日は付き添いされた方が良いでしょうな。」
「元々俺が抱いて移動するつもりだったから、それは問題ない」
ベッドの上で抱き起こされ、アマンド様の胸に寄りかかった状態の私を見ながら、お医者様が口籠った。
「その、ご心配な気持ちは分かりますが、介抱しすぎますと、筋力が落ちてしまいますので・・程々にされた方が・・」
やっぱり!お医者様から見てもやっぱりやり過ぎってことですよね!?
だからさっき散々抵抗したのに!
時間かければちゃんと1人で座れますって言ったのに!
「ほらやっぱ「リアにはまだ無理だ」」
ぐぅ・・振り払いたいのに!
ガッチリ抱えられて動けない!
しかも下手に動くと体が痛い!
「ほら、座っていただけなのに、もう疲れている。リア、そろそろ横になろう」
この疲労感は、アマンド様がちっとも力を緩めてくれなかったせいです、と反論する気にもなれず、横になりたくて、私は小さく頷いた。
お医者様は肩を竦める。
「・・まぁ、今は致し方ないと言うことで・・。明日また診察に参ります。ガーナー様も熱が出ておられますので、お大事に」
「そうだな、リアの介抱のためにも、今日中にしっかり治すことにしよう。ご苦労だった。よし、レイリアには病人食、俺には肉を焼くように料理長に言ってくれ」
急に活き活きとアマンド様が指示を出し始めるのを、私はグッタリと横になって、ただ眺めているしかできなかった。
「痛いで「ひどく痛がっている」」
お医者さまが、私の左腕の包帯の巻き直しを終えた。
「まだしばらく痛むと思います。ひどい骨折ではなさそうですが、少し熱も出るやもしれません。打撲もありますし、痛み止めを出しておくので、食後に飲んでください。」
「は「わかった」」
「はい、腕は下ろしていただいて大丈夫です。お手伝いありがとうございました」
ゆっくりと腕が下ろされる。
「頭の傷は問題なさそうですな。綺麗に治ると思います。もう傷を覆う必要もないでしょう。」
「よか「食事で気をつけることは?」」
「まあ特に大丈夫かとは思いますが・・」
やった!
「ほら!ほら!アマンド様聞きました?だからあのマド「が、の続きを。」」
はしゃぐ私に構わず、アマンド様が先を促す。
「・・ご心配なら、念の為、最初の食事は消化にいいものを食べて、吐いたりしなければ次からは普通の食事で大丈夫でしょう」
「え、そん「わかった」」
私は負けじと声を張った。
「でも私、診察が終わったらそのマドレーヌを一緒に食べましょうっておばさまに誘われてて「今日1日は病人食だ。それは下げてくれ」」
おばさまがさっき私に持って来てくれた、人気菓子店のマドレーヌが、メイドによって部屋から運び出された。
「私のマドレーヌ・・」
呆然としている私を差し置いて、お医者さまとアマンド様の会話は続く。
「それで、レイリアが飲まされた薬の影響はもうないと考えていいのか?」
「今のご様子を見るにもう影響はないかと思います。多分、鎮静薬の類でしょう。」
「約2日も寝てたのは長すぎないか?」
「摂取した量が多かったのか、それか薬が効きすぎる体質なのかもしれません。」
「薬が効きすぎる体質だと?痛み止めを飲ませて大丈夫なのか?」
アマンド様の声質が、明らかに不穏なものに変わった。
「痛がるご婚約者様をそのままにしておくと言うのもよろしくないでしょう。それに、あまり薬の量を抑えても、痛み止めの効果が無ければ意味がありません。もしご不安でしたら、水分を多めに飲んで頂ければ大丈夫です。」
「・・果実水でも問題ないか?」
「はい、果実水も大変結構だと思います」
「わかった。果実水を。シナモン抜きだ。」
「は、はい!」
ずっとチラチラとこちらを見ていた若いメイドさんが、顔を赤くしながら走って出て行った。
「他に気をつけることは?」
「そうですな・・ずっと寝ていたので、最初立つ時には眩暈やふらつきが起こりやすくなります。今日1日は付き添いされた方が良いでしょうな。」
「元々俺が抱いて移動するつもりだったから、それは問題ない」
ベッドの上で抱き起こされ、アマンド様の胸に寄りかかった状態の私を見ながら、お医者様が口籠った。
「その、ご心配な気持ちは分かりますが、介抱しすぎますと、筋力が落ちてしまいますので・・程々にされた方が・・」
やっぱり!お医者様から見てもやっぱりやり過ぎってことですよね!?
だからさっき散々抵抗したのに!
時間かければちゃんと1人で座れますって言ったのに!
「ほらやっぱ「リアにはまだ無理だ」」
ぐぅ・・振り払いたいのに!
ガッチリ抱えられて動けない!
しかも下手に動くと体が痛い!
「ほら、座っていただけなのに、もう疲れている。リア、そろそろ横になろう」
この疲労感は、アマンド様がちっとも力を緩めてくれなかったせいです、と反論する気にもなれず、横になりたくて、私は小さく頷いた。
お医者様は肩を竦める。
「・・まぁ、今は致し方ないと言うことで・・。明日また診察に参ります。ガーナー様も熱が出ておられますので、お大事に」
「そうだな、リアの介抱のためにも、今日中にしっかり治すことにしよう。ご苦労だった。よし、レイリアには病人食、俺には肉を焼くように料理長に言ってくれ」
急に活き活きとアマンド様が指示を出し始めるのを、私はグッタリと横になって、ただ眺めているしかできなかった。
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