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第8章~アリア・エクノルエ~
第48話 御使い1――何の?
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レイがリンネの言葉によって意識をトばされてから数日後、アリアの住む屋敷では、アリアとその両親が屋敷の応接室においてとある客人を迎えていた。
「バロル卿本日はこのような辺境まで良くおいでくださいました。私がこの地を治める領主カルロス・エクノルエです。そして――」
明るい茶色の髪に碧眼の中年男性――カルロスの隣にいたメノアがバロル卿と呼ばれた小太りで丸メガネをかけた初老の男性に恭しく一礼する。
「カルロスの妻、メノア・エクノルエです」
「マガン・バロルです。どうぞ宜しくお願いいたしますそれで――その子が?」
「はい、アリア、バロル卿にご挨拶をなさい」
いつのも普段着とは違う、赤色のドレスを着たアリアが緊張した面持ちでバロル卿の前に出る。
「アリア・エクノルエでしゅ」
緊張のあまり挨拶の言葉を甘噛みした上、礼をする所作にもどこか固さを感じる。しかし、バロルはそんなアリアの挨拶を見ても柔らかな微笑みを崩さず、その上アリアの目の高さに合わせるように自身の身を曲げ、アリアの目を見て、優しく語りかける。
「はい、良くできました。私の名前はマガン・バロルと言います。どうぞよろしく」
バロルがそう優しく言うと、アリアは嬉しそうにカルロスとメノアの方を見る。
「アリア、とても良い挨拶だったぞ」
「ええ、本当に」
正直なところ、アリアの挨拶は客人に対するものとしては下の下、とまではいかなくとも、あまり好印象を与えるものではなく、当然それはカルロスもメノアもわかっていた。しかし、アリアの挨拶を受けたバロルが良くできたとアリアのことを褒めたのだ。それを両親が見咎めてしまってはバロルの面子を潰すことになる。故にこれはバロルの優しさが良く現れた行動であった。
そんなことはつゆ知らずアリアはバロルに興味津々。
「おじちゃんすごいね」
と突然バロルのことを褒める。するとカルロスが慌てた様子で、
「すみませんバロル卿」
と謝るがバロルはアリアのその一言が気になったらしく、
「すいませんエクノルエ卿、少しアリアさんとお話ししてもよろしいでしょうか?」
とカルロスに訊く。
「ええ、それは別にかまいませんが……」
バロルの突然の申し出にカルロスは少し戸惑っているようだ。しかし、バロルはカルロスの許可を得ると、先程と同じようにアリアと目を合わせて優しく語りかける。
「それではアリアさん」
「はい!!」
「おじさんのどこがすごいと思ったのかな?」
「だっておじさんすごく大きな猫さんを連れているんだもん」
アリアの言葉にカルロスとメノアは戸惑い、質問をしたバロルは驚きをみせる。
「ア、アリアさん、本当に猫が――ヴェルデの姿が見えるのかい?」
「うん、最初はちょっと見えにくかったけど、しゅーちゅーしたらキレイに見えるようになったよ」
なんでもない風に言うアリアにバロルは驚きが止まらない。すると蚊帳の外にいたカルロスが
「バロル卿、娘はアリアは一体何が見えているのでしょうか?どうか私たちににも教えてください」
そうカルロスが言うとバロルは、
「ヴェルデ、出てきなさい」
と言い、するとバロルの隣に黒い毛並みをした豹が現れた。当然カルロスとメノアは突然現れた獣に警戒をするが、
「安心してください、この子の名はヴェルデといって、私の護衛兼親友の精霊です。なので余程の無礼がない限り危害を加えたりはしませんよ」
バロルにそう言われ、安堵するカルロスとメノア。するとアリアが、
「おじちゃん、この子のこと触って良い?」
と言ってヴェルデと呼ばれた精霊に無防備に近づいて行く。
「アリアさん、危険で――す……」
バロルはそこまで言って驚愕する。ヴェルデはむやみやたらに他人を攻撃することはないが、気難しい性格をしており、大抵初見の人間には警戒し、場合によっては威嚇することもある精霊だ。だというのにヴェルデはアリアに対しては威嚇するどころか警戒することもなく、むしろ自分からじゃれにいっている。そんなアリアにバロルが驚いているとカルロスが、
「バロル卿アリアが隠れている精霊を見つけられるということは……」
カルロスに向かってバロルが頷いた。
「はい、アリアさんは主の御使いと言って差し支えありません。」
「バロル卿本日はこのような辺境まで良くおいでくださいました。私がこの地を治める領主カルロス・エクノルエです。そして――」
明るい茶色の髪に碧眼の中年男性――カルロスの隣にいたメノアがバロル卿と呼ばれた小太りで丸メガネをかけた初老の男性に恭しく一礼する。
「カルロスの妻、メノア・エクノルエです」
「マガン・バロルです。どうぞ宜しくお願いいたしますそれで――その子が?」
「はい、アリア、バロル卿にご挨拶をなさい」
いつのも普段着とは違う、赤色のドレスを着たアリアが緊張した面持ちでバロル卿の前に出る。
「アリア・エクノルエでしゅ」
緊張のあまり挨拶の言葉を甘噛みした上、礼をする所作にもどこか固さを感じる。しかし、バロルはそんなアリアの挨拶を見ても柔らかな微笑みを崩さず、その上アリアの目の高さに合わせるように自身の身を曲げ、アリアの目を見て、優しく語りかける。
「はい、良くできました。私の名前はマガン・バロルと言います。どうぞよろしく」
バロルがそう優しく言うと、アリアは嬉しそうにカルロスとメノアの方を見る。
「アリア、とても良い挨拶だったぞ」
「ええ、本当に」
正直なところ、アリアの挨拶は客人に対するものとしては下の下、とまではいかなくとも、あまり好印象を与えるものではなく、当然それはカルロスもメノアもわかっていた。しかし、アリアの挨拶を受けたバロルが良くできたとアリアのことを褒めたのだ。それを両親が見咎めてしまってはバロルの面子を潰すことになる。故にこれはバロルの優しさが良く現れた行動であった。
そんなことはつゆ知らずアリアはバロルに興味津々。
「おじちゃんすごいね」
と突然バロルのことを褒める。するとカルロスが慌てた様子で、
「すみませんバロル卿」
と謝るがバロルはアリアのその一言が気になったらしく、
「すいませんエクノルエ卿、少しアリアさんとお話ししてもよろしいでしょうか?」
とカルロスに訊く。
「ええ、それは別にかまいませんが……」
バロルの突然の申し出にカルロスは少し戸惑っているようだ。しかし、バロルはカルロスの許可を得ると、先程と同じようにアリアと目を合わせて優しく語りかける。
「それではアリアさん」
「はい!!」
「おじさんのどこがすごいと思ったのかな?」
「だっておじさんすごく大きな猫さんを連れているんだもん」
アリアの言葉にカルロスとメノアは戸惑い、質問をしたバロルは驚きをみせる。
「ア、アリアさん、本当に猫が――ヴェルデの姿が見えるのかい?」
「うん、最初はちょっと見えにくかったけど、しゅーちゅーしたらキレイに見えるようになったよ」
なんでもない風に言うアリアにバロルは驚きが止まらない。すると蚊帳の外にいたカルロスが
「バロル卿、娘はアリアは一体何が見えているのでしょうか?どうか私たちににも教えてください」
そうカルロスが言うとバロルは、
「ヴェルデ、出てきなさい」
と言い、するとバロルの隣に黒い毛並みをした豹が現れた。当然カルロスとメノアは突然現れた獣に警戒をするが、
「安心してください、この子の名はヴェルデといって、私の護衛兼親友の精霊です。なので余程の無礼がない限り危害を加えたりはしませんよ」
バロルにそう言われ、安堵するカルロスとメノア。するとアリアが、
「おじちゃん、この子のこと触って良い?」
と言ってヴェルデと呼ばれた精霊に無防備に近づいて行く。
「アリアさん、危険で――す……」
バロルはそこまで言って驚愕する。ヴェルデはむやみやたらに他人を攻撃することはないが、気難しい性格をしており、大抵初見の人間には警戒し、場合によっては威嚇することもある精霊だ。だというのにヴェルデはアリアに対しては威嚇するどころか警戒することもなく、むしろ自分からじゃれにいっている。そんなアリアにバロルが驚いているとカルロスが、
「バロル卿アリアが隠れている精霊を見つけられるということは……」
カルロスに向かってバロルが頷いた。
「はい、アリアさんは主の御使いと言って差し支えありません。」
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