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第10章~モンスターパレード~
第71話 百鬼行進1――と書いてモンスターパレード。
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エクノルエの町の前には総勢2千以上にも及ぶ兵士や、武装した冒険者の姿があった。これらの人々は今も目前に迫る来るモンスターパレードに対抗するための軍勢であり、エクノルエ領の兵士ほぼ全員とエクノルエの町に滞在していた冒険者全員が参加していた。
「こうして上から見ると壮観ですね」
レイがエクノルエの兵士たちを町を囲む防壁の上から見て言う。
「なんの、伝説に聞く御使い様方の軍勢に比べれば大したモノでもないでしょう」
実際のところ、カルロスの言う通りなのだが、レイは、
「人の身でありながら、これ程の装備と兵士を育てるのは生半可なことではありません。カルロスこれは本当に誇るべきことですよ」
とカルロスのことを誉める。誉められたカルロスは「おお、主よ」と感動している。
「父上、感動などをしている場合ではありません。モンスターどもはもう目の前まで迫って来ているのですよ」
そうカルロスを注意したのは鎧姿のトリオラだ。注意されたカルロスは「そうだな」と一言言うと自身の頬を両手で叩いて気合いを入れ直す。
「それで、アリアたちはどこに配置したのですか?」
レイがカルロスに聞く。するとカルロスの代わりに全軍の指揮をとるトリオラが答える。
「デュオスを指揮官として、アリアとカトレアの三名で遊撃隊を結成させ、自由に動いてもらう予定です」
「そうですか……」
レイの顔に僅かな緊張の色が見てとれた。
「アリアのことが心配ですかな?」
「それは当然ですよ。カルロスもそうでしょう?」
「私は心配などしておりませんよ。何せアリアは主の眷属。強さにおいても群を抜いておりますからな」
「そうですか……手汗すごいことになってますよ」
いくらアリアが強いといっても、それとこれとは話が別、レイがそんなカルロスの心境を見抜いて指摘すると、カルロスは頬を掻いて気まずそうに言う。
「主に隠し事は出来ませんな。この通りアリアたちのことが心配でなりません」
「ではなぜ前線にアリア達を配置したのです?」
レイが率直にそう訊くと、カルロスが言いにくそうに言う。
「単純な話ですよ。アリアやデュオスはエクノルエの――領主の子息です。そんな者たちを軍の後方にばかり固めて置いていては領主としての面子が立たない。だからこそ、次期領主たるトリオラは最も後方に位置する指揮官を任せていると言うわけです」
「なるほど、人間も色々と大変なのですね」
「なんの、主の日頃からのご苦労に比べれば大したことではありません」
カルロスがそう言った直後、斥候部隊の兵士がレイたちのいる指揮所にやってきて報告する。
「モンスターパレードの第一波間もなく接敵します!!」
その場にいた全員に緊張が走った。
その頃のアリアはというと、
「どうしましょうカトレア!!もうすぐモンスターの群れがやって来るようですよ!!」
そわそわとあちらを見たりこちらを見たり、そんなアリアの落ち着きのない様子にカトレアは、
「そんなこと言われなくてもわかっていますわ!!貴方は少し落ち着きなさいな!!」
そう言ってアリアを落ち着かせようとする。しかし、それ以上にデュオスの様子がおかしかった。初陣のための緊張のせいか顔を青くし、手元が震え、魔法で創り出した弓にまでその震えが伝わりカタカタと音をたてている。しかし、不幸なことにそんなデュオスの様子に気付く者はいない。なぜならアリアもカトレアもまた初陣。そのため自分のことで精一杯。カトレアはまだ多少の余裕があったが、右往左往するアリアの世話で手一杯。デュオスのことなど見てられない。
そんな中、遊撃隊隊長のデュオスの緊張はますます高まってゆく。
「来たぞ!!」
最前列の兵士からの報告。デュオスは未開地の方を見る。そこには今まで見たこともないほどのモンスターが一斉にこちらに向かって来ていた。
「総員突撃準備ー!!」
トリオラの魔法を使用した号令が全軍に響き渡り、兵士たちが臨戦態勢に入る。
「突撃ー!!」
トリオラの号令により兵士たちがモンスターの群れに向かって突撃していく。そんな中、デュオス率いる遊撃隊は未だ前線の後方にいた。
「デュオスさん、命令はまだですの?」
カトレアがそこで初めてデュオスを見る。すると、デュオスは青い顔をしてガチガチに緊張しているではないか。
この時、カトレアは後悔した。アリアだけでなくデュオスの方も見ておくべきだったと。デュオスは確かに緊張しいな面があるが、いつも自力でその状態から脱していたため、心配無用と思っていたが、まさか、ここにきてデュオスの方が動けなくなるとは。カトレアは舌打ち、
「デュオス隊長!!デュオスさん!!デュオス!!」
と何度もデュオスの名前を呼ぶ。しかし、デュオスからの反応は無し、どうやら周囲の轟音にカトレアの声が掻き消され、デュオスにカトレアの声が届いていないようであった。困ったカトレアは考える。どうすればこの男の過度の緊張を解くことが出来るのか。頬をぶん殴っても良いがここまでガチガチに緊張していては効果は薄そうだ。なれば何が必要か?一瞬でも良いデュオスの気を何か別のことに逸らせれば――
「そうですわ!!」
カトレアは妙案を思いつく。
「アリアさん!!」
「ひゃい!!」
突然名前を呼ばれたアリアが変な声をあげた。
「責任は私が取ります。どでかい一撃をモンスターどもに与えて下さらないかしら」
「どでかい一撃ですか?」
「そうです。特大のやつをですわ」
真剣な眼差しをアリアに向けるカトレア。数瞬の間二人は見つめ合い。アリアは「はい!!」と返事をした。そしてアリアはいつものように自身のスイッチをカチリと切り替え、ポツリと呟いた。
「どでかい一撃……」
そう言ったアリアは銀槍ディーバと自身に魔力を充填。身体強化の魔法を発動させ、目標に向かって跳躍、魔力を限界まで込めたディーバによる振り下ろしの一撃をモンスターの群れに叩き込んだ。
「こうして上から見ると壮観ですね」
レイがエクノルエの兵士たちを町を囲む防壁の上から見て言う。
「なんの、伝説に聞く御使い様方の軍勢に比べれば大したモノでもないでしょう」
実際のところ、カルロスの言う通りなのだが、レイは、
「人の身でありながら、これ程の装備と兵士を育てるのは生半可なことではありません。カルロスこれは本当に誇るべきことですよ」
とカルロスのことを誉める。誉められたカルロスは「おお、主よ」と感動している。
「父上、感動などをしている場合ではありません。モンスターどもはもう目の前まで迫って来ているのですよ」
そうカルロスを注意したのは鎧姿のトリオラだ。注意されたカルロスは「そうだな」と一言言うと自身の頬を両手で叩いて気合いを入れ直す。
「それで、アリアたちはどこに配置したのですか?」
レイがカルロスに聞く。するとカルロスの代わりに全軍の指揮をとるトリオラが答える。
「デュオスを指揮官として、アリアとカトレアの三名で遊撃隊を結成させ、自由に動いてもらう予定です」
「そうですか……」
レイの顔に僅かな緊張の色が見てとれた。
「アリアのことが心配ですかな?」
「それは当然ですよ。カルロスもそうでしょう?」
「私は心配などしておりませんよ。何せアリアは主の眷属。強さにおいても群を抜いておりますからな」
「そうですか……手汗すごいことになってますよ」
いくらアリアが強いといっても、それとこれとは話が別、レイがそんなカルロスの心境を見抜いて指摘すると、カルロスは頬を掻いて気まずそうに言う。
「主に隠し事は出来ませんな。この通りアリアたちのことが心配でなりません」
「ではなぜ前線にアリア達を配置したのです?」
レイが率直にそう訊くと、カルロスが言いにくそうに言う。
「単純な話ですよ。アリアやデュオスはエクノルエの――領主の子息です。そんな者たちを軍の後方にばかり固めて置いていては領主としての面子が立たない。だからこそ、次期領主たるトリオラは最も後方に位置する指揮官を任せていると言うわけです」
「なるほど、人間も色々と大変なのですね」
「なんの、主の日頃からのご苦労に比べれば大したことではありません」
カルロスがそう言った直後、斥候部隊の兵士がレイたちのいる指揮所にやってきて報告する。
「モンスターパレードの第一波間もなく接敵します!!」
その場にいた全員に緊張が走った。
その頃のアリアはというと、
「どうしましょうカトレア!!もうすぐモンスターの群れがやって来るようですよ!!」
そわそわとあちらを見たりこちらを見たり、そんなアリアの落ち着きのない様子にカトレアは、
「そんなこと言われなくてもわかっていますわ!!貴方は少し落ち着きなさいな!!」
そう言ってアリアを落ち着かせようとする。しかし、それ以上にデュオスの様子がおかしかった。初陣のための緊張のせいか顔を青くし、手元が震え、魔法で創り出した弓にまでその震えが伝わりカタカタと音をたてている。しかし、不幸なことにそんなデュオスの様子に気付く者はいない。なぜならアリアもカトレアもまた初陣。そのため自分のことで精一杯。カトレアはまだ多少の余裕があったが、右往左往するアリアの世話で手一杯。デュオスのことなど見てられない。
そんな中、遊撃隊隊長のデュオスの緊張はますます高まってゆく。
「来たぞ!!」
最前列の兵士からの報告。デュオスは未開地の方を見る。そこには今まで見たこともないほどのモンスターが一斉にこちらに向かって来ていた。
「総員突撃準備ー!!」
トリオラの魔法を使用した号令が全軍に響き渡り、兵士たちが臨戦態勢に入る。
「突撃ー!!」
トリオラの号令により兵士たちがモンスターの群れに向かって突撃していく。そんな中、デュオス率いる遊撃隊は未だ前線の後方にいた。
「デュオスさん、命令はまだですの?」
カトレアがそこで初めてデュオスを見る。すると、デュオスは青い顔をしてガチガチに緊張しているではないか。
この時、カトレアは後悔した。アリアだけでなくデュオスの方も見ておくべきだったと。デュオスは確かに緊張しいな面があるが、いつも自力でその状態から脱していたため、心配無用と思っていたが、まさか、ここにきてデュオスの方が動けなくなるとは。カトレアは舌打ち、
「デュオス隊長!!デュオスさん!!デュオス!!」
と何度もデュオスの名前を呼ぶ。しかし、デュオスからの反応は無し、どうやら周囲の轟音にカトレアの声が掻き消され、デュオスにカトレアの声が届いていないようであった。困ったカトレアは考える。どうすればこの男の過度の緊張を解くことが出来るのか。頬をぶん殴っても良いがここまでガチガチに緊張していては効果は薄そうだ。なれば何が必要か?一瞬でも良いデュオスの気を何か別のことに逸らせれば――
「そうですわ!!」
カトレアは妙案を思いつく。
「アリアさん!!」
「ひゃい!!」
突然名前を呼ばれたアリアが変な声をあげた。
「責任は私が取ります。どでかい一撃をモンスターどもに与えて下さらないかしら」
「どでかい一撃ですか?」
「そうです。特大のやつをですわ」
真剣な眼差しをアリアに向けるカトレア。数瞬の間二人は見つめ合い。アリアは「はい!!」と返事をした。そしてアリアはいつものように自身のスイッチをカチリと切り替え、ポツリと呟いた。
「どでかい一撃……」
そう言ったアリアは銀槍ディーバと自身に魔力を充填。身体強化の魔法を発動させ、目標に向かって跳躍、魔力を限界まで込めたディーバによる振り下ろしの一撃をモンスターの群れに叩き込んだ。
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