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第11章~咎人~
第79話 別離――別れは悲しいものだよね。
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アリアの活躍により圧勝に終わったドルヘル軍との戦争から数日後、レイたちはようやく訪れた平和な時をゆっくりと過ごしていた。
「平和ですね主様」
「平和ですねアリア」
そう言いながらエクノルエ家の屋敷の庭で日向ぼっこをするアリアとレイ。実際のところは戦の事後処理でカルロスとトリオラは忙殺状態にあるのだが、その当たりのことはレイとアリアには処理できぬと二人は暇を言い渡され、こうやって平和な日々を謳歌していた。
そんな中、レイはふと疑問に思ったことを口にする。
「そう言えばアリア、僕は以前、欲について語りましたよね」
「はい!!私の目標が出来た祈念すべき記念すべき日です」
「で、その目標についてなのですが」
「世界平和ですね!!」
「そう、その世界平和です。あなたはどうやってその世界平和を実現させるつもりなのですか?」
「どうやって、ですか?」
「そうです。一口に世界平和と言っても、やり方や在り方は人それぞれですし、アリアの思う世界平和の実現に向けた方策を聞いてみたいと思ったのです」
「主様と共に歩むことです!!」
元気よく即答するアリアだが、それは質問の答えになっていない。
「いや、共にあることは確定なのですが――」
「確定なのですね!!」
やったー!!と両手を挙げて喜ぶアリア、しかしまだレイの質問には答えていない。
「アリア、嬉しく思ってくれることは僕としても喜ばしい限りなのですが……少し僕の話を聞いてもらってもよろしいですか?」
「はい!!」
レイはコホンと咳払い、居住いを正してアリアに言う。
「アリア、貴女は今回の戦争で、広く僕の――主の御使いとして知られることになりました。そこで貴女に改めて問いたいのです。貴女が目指す世界平和とは一体どのようなもので、それをどうやって実現させるのかを」
レイに真剣な眼差しを向けられて、アリアも真剣に考える。自身の目指す平和の形とは何なのかと。
「主様の教えの下にある平和です」
アリアは真剣に、真面目に、誠実に答える。自身の目指すべき世界の在り方を。
レイは思う本当にアリアらしい答えだな、と。
しかし、
「アリア、その平和は、はたして本物の平和と言えるのでしょうか?」
「え?」
レイは否定する。アリアの目指すと決めた平和の形を。そして思う、ここで修正しておけばまだ間に合うと。
レイが自身の思う本当の平和の在り方について説明しようとしたその時、突然レイの目前に管理者ウインドウが現れ、聞き覚えのある不吉な警告音が鳴り響いた。
「主様?」
アリアが心配そうにレイを見る。見られたレイは、アリアのことを安心させるために「大丈夫ですよ」と微笑むが、その微笑みはどこか不自然さが目立ち、それはアリアの不安をより一層濃くする結果となってしまった。
管理者ウインドウにはこう表示されていたのだ。
「禁忌個体が現れました」
と、
「そんな何故……」
レイはケイオスの一件以降、新たな禁忌個体を誕生させないよう細心の注意を払い、砕身してきた。だと言うのに新たな禁忌個体が誕生してしまった。レイは信じられないという心境であったが、すぐにそれが真実だと知らされる。
「レイ君!!」
いつの間にか現れていたリンネがレイのことを呼ぶ。
するとレイはリンネに向かって
「リンネ、禁忌個体の件は真実なのですか?」
「真実も嘘もないよ!!私が今嘘をつくメリットなんかないでしょう?兎に角、一刻でも早く対応しないとケイオスの時みたいなことになるよ!!」
レイは思う何故このタイミングなのかと、今アリアの道を正さねば、おそらくアリアは道を踏み外す。しかし、禁忌個体の件も早く対応せねば再び宇宙全体を巻き込んだ戦いになりかねない。レイは悩み抜いた末、一つの回答に至る。
「リンネ、今回の禁忌個体は四大使全員と僕達で対応しましょう。そうすれば早く処理できるはずです」
「そうだねそうしよう」
「そう言うわけでアリア、僕らは一旦地球を離れます」
「え?」
アリアが戸惑いの表情を見せる。
「今、宇宙で大きな問題が発生したのです。しかもそれは僕と四大使にしか対応出来ない問題なのです。何、心配は要りません。すぐにその問題を片付けて、またこちらに戻ってきますから、安心して待っていて下さい」
アリアは戸惑いつつも、レイの言葉に耳を傾け、レイの言葉を理解する。
「わかりました。私はいつまでも主様のお帰りをお待ちしております」
「はい、それではアリア、また次に会うその時まで」
「主様!!」
アリアがレイを呼び止める。するとアリアはレイの右頬に短く口づけをした。
「な!!」
レイは余りに突然のことに驚き一瞬で顔を朱に染める。
アリアもアリアで自身の顔を真っ赤に染めて伏し目がちに言う。
「戦勝と無事の帰還を願うおまじないです」
言われてレイはクスリと笑い今度はレイの方からアリアの頬に口づけをする。するとアリアは「ええ!?」と驚きの表情をレイに向ける。
「これでおあいこです」
とレイは照れ隠しの笑顔を見せた後、管理者ウインドウを操作し、地球から去っていった。
この時レイは四大使全員と協力して禁忌個体を早々に倒してアリアのもとに戻り、アリアの踏み外そうとした道を正そうと思っていた。
しかし、その思惑が叶うことはなく、レイが次に地球に戻ったのは100年も後のことであった。
「平和ですね主様」
「平和ですねアリア」
そう言いながらエクノルエ家の屋敷の庭で日向ぼっこをするアリアとレイ。実際のところは戦の事後処理でカルロスとトリオラは忙殺状態にあるのだが、その当たりのことはレイとアリアには処理できぬと二人は暇を言い渡され、こうやって平和な日々を謳歌していた。
そんな中、レイはふと疑問に思ったことを口にする。
「そう言えばアリア、僕は以前、欲について語りましたよね」
「はい!!私の目標が出来た祈念すべき記念すべき日です」
「で、その目標についてなのですが」
「世界平和ですね!!」
「そう、その世界平和です。あなたはどうやってその世界平和を実現させるつもりなのですか?」
「どうやって、ですか?」
「そうです。一口に世界平和と言っても、やり方や在り方は人それぞれですし、アリアの思う世界平和の実現に向けた方策を聞いてみたいと思ったのです」
「主様と共に歩むことです!!」
元気よく即答するアリアだが、それは質問の答えになっていない。
「いや、共にあることは確定なのですが――」
「確定なのですね!!」
やったー!!と両手を挙げて喜ぶアリア、しかしまだレイの質問には答えていない。
「アリア、嬉しく思ってくれることは僕としても喜ばしい限りなのですが……少し僕の話を聞いてもらってもよろしいですか?」
「はい!!」
レイはコホンと咳払い、居住いを正してアリアに言う。
「アリア、貴女は今回の戦争で、広く僕の――主の御使いとして知られることになりました。そこで貴女に改めて問いたいのです。貴女が目指す世界平和とは一体どのようなもので、それをどうやって実現させるのかを」
レイに真剣な眼差しを向けられて、アリアも真剣に考える。自身の目指す平和の形とは何なのかと。
「主様の教えの下にある平和です」
アリアは真剣に、真面目に、誠実に答える。自身の目指すべき世界の在り方を。
レイは思う本当にアリアらしい答えだな、と。
しかし、
「アリア、その平和は、はたして本物の平和と言えるのでしょうか?」
「え?」
レイは否定する。アリアの目指すと決めた平和の形を。そして思う、ここで修正しておけばまだ間に合うと。
レイが自身の思う本当の平和の在り方について説明しようとしたその時、突然レイの目前に管理者ウインドウが現れ、聞き覚えのある不吉な警告音が鳴り響いた。
「主様?」
アリアが心配そうにレイを見る。見られたレイは、アリアのことを安心させるために「大丈夫ですよ」と微笑むが、その微笑みはどこか不自然さが目立ち、それはアリアの不安をより一層濃くする結果となってしまった。
管理者ウインドウにはこう表示されていたのだ。
「禁忌個体が現れました」
と、
「そんな何故……」
レイはケイオスの一件以降、新たな禁忌個体を誕生させないよう細心の注意を払い、砕身してきた。だと言うのに新たな禁忌個体が誕生してしまった。レイは信じられないという心境であったが、すぐにそれが真実だと知らされる。
「レイ君!!」
いつの間にか現れていたリンネがレイのことを呼ぶ。
するとレイはリンネに向かって
「リンネ、禁忌個体の件は真実なのですか?」
「真実も嘘もないよ!!私が今嘘をつくメリットなんかないでしょう?兎に角、一刻でも早く対応しないとケイオスの時みたいなことになるよ!!」
レイは思う何故このタイミングなのかと、今アリアの道を正さねば、おそらくアリアは道を踏み外す。しかし、禁忌個体の件も早く対応せねば再び宇宙全体を巻き込んだ戦いになりかねない。レイは悩み抜いた末、一つの回答に至る。
「リンネ、今回の禁忌個体は四大使全員と僕達で対応しましょう。そうすれば早く処理できるはずです」
「そうだねそうしよう」
「そう言うわけでアリア、僕らは一旦地球を離れます」
「え?」
アリアが戸惑いの表情を見せる。
「今、宇宙で大きな問題が発生したのです。しかもそれは僕と四大使にしか対応出来ない問題なのです。何、心配は要りません。すぐにその問題を片付けて、またこちらに戻ってきますから、安心して待っていて下さい」
アリアは戸惑いつつも、レイの言葉に耳を傾け、レイの言葉を理解する。
「わかりました。私はいつまでも主様のお帰りをお待ちしております」
「はい、それではアリア、また次に会うその時まで」
「主様!!」
アリアがレイを呼び止める。するとアリアはレイの右頬に短く口づけをした。
「な!!」
レイは余りに突然のことに驚き一瞬で顔を朱に染める。
アリアもアリアで自身の顔を真っ赤に染めて伏し目がちに言う。
「戦勝と無事の帰還を願うおまじないです」
言われてレイはクスリと笑い今度はレイの方からアリアの頬に口づけをする。するとアリアは「ええ!?」と驚きの表情をレイに向ける。
「これでおあいこです」
とレイは照れ隠しの笑顔を見せた後、管理者ウインドウを操作し、地球から去っていった。
この時レイは四大使全員と協力して禁忌個体を早々に倒してアリアのもとに戻り、アリアの踏み外そうとした道を正そうと思っていた。
しかし、その思惑が叶うことはなく、レイが次に地球に戻ったのは100年も後のことであった。
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