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第11章~咎人~
第82話 罪――
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レイが新たな禁忌個体の討伐に向かってから100年の月日が経過していた。
『検索』や『千里眼』の権能を持つレイが何故禁忌個体の討伐にそこまでの時間を要したのか、それは至極簡単な話であった。
100年前、レイは四大使とリンネを連れて禁忌個体のもとへ赴き、討伐を行おうとしたところ、禁忌個体が自身の存在そのものを使用した封印魔法をレイたちに向かって放ち、レイたちは別空間に封印されてしまい、その封印を破るために100年もの月日がかかってしまったのだ
「おかしすぎます」
禁忌個体による封印を破った後、レイが真剣な顔をして言う。
「んなこたぁここにいる全員がわかってんだよぉ」
ガヘリスが言う
「ヴァリス一先ずはこの100年で『秩序』と『混沌』に何か起こっていないか調べて下さい」
「了解いたしました」
言われてヴァリスはその場を去る。
「それでだぁレイ、ここで一つはっきりさせたいことがあるぅ」
ガヘリスの言わんとすることをレイも理解しているのか、レイはリンネの方を見る。見られたリンネはいつもの怪しい笑顔を浮かべるのみだ。
「リンネぇ、手前ぇだろう?今回の禁忌個体の生みの親はぁ」
「そうだよ」
あっさりと認めるリンネ
「何故そんなことを」
レイが訊く。
「何故ってそりゃあ『罪』のためだよ」
「罪って一体なんのことです!!」
リンネはいつもの怪しい笑みを崩さずに言う。
「レイ君、魂管理の画面を見てごらん」
言われてレイが管理者ウインドウを操作し、魂管理の画面を見ると、黒色の棒グラフに何かが新たに表示されており、レイはその表示された文字を読む。
「眷属アリア・エクノルエが高慢の罪を獲得しました。眷属の魂を回収してください――リンネ、これが貴女の目的だったのですか!?」
「そうだよ。最初の一つは私の誘導無しにはどうしても完成しなかったからね。だから申し訳ないけど上位者の手を加えさせてもらったよ」
「だけどよぉ、なんでその罪を眷属であるアリアに背負わせる必要があるぅ?」
「ああ、それはね、罪になるにしても慣らしが必要だったからさ」
そこで、レイはリンネの目的を理解した。いや、目的自体は地球を創り出した時に理解していた。しかし、
「リンネ、貴女の目的の理由がわかりません。そんなことをして貴女にどのような利があるのですか?」
「レイ君それは最後にすることだよ。今は罪の回収に集中しないと、大変なことになるよ」
「大変なこと?」
レイが訊く
「そう、罪をもった魂はその存在が在るだけで他の魂に強い影響を与えるんだ。レイ君、もう一度魂管理の画面を見てごらん」
言われてレイは再度管理者ウインドウに目を移す。すると黒色のグラフに新たな文字が表示されていた。
「高慢のマナの取得制限を解除します――」
「おめでとう、一つ目の取得制限の解除だ。けどね」
「マナの取得率が変動しません」
「その通り、輪廻の環が今もなおマナを回収しているにも関わらずだ!!」
「リンネ、貴女という人は……」
レイは自身がこれからしなければならないことを思い、怒り、悲しみ、呆れる。
「レイ君、私は元からこういう人間なんだ。どうだい?それでも君は私のことを許すと言うつもりかい?」
リンネの問いにレイは何も言わず、ガヘリスに向かって言う。
「ガヘリス、これから僕の言うことをよく聞いて下さい」
―――数十分後
「レイ……お前本当にそれでいいのかよぉ!!」
「仕方ありません。全てを丸く納めるにはこうするしかないのです」
「だからってお前ぇ」
ガヘリスが同情するような表情でレイを見る。
「大丈夫です。さ、早く準備をして下さい。僕も準備を始めます。メルリリスとミルストリスもガヘリスに協力して下さい」
「レー君……」
メルリリスがレイを優しく包み込むように抱きしめ、そして離れる。
「レー君、私たちは何があってもレー君の味方だよ」
「メルリリス、ありがとうございます」
ミルストリスはリンネの方を見る。その目は若干潤んでいるようにも見えた。
「ミルスちゃん」
リンネは謝らない。ただ悲しみに満ちた目を向けるだけだ。するとガヘリスがミルストリスの頭に手を置いてクシャリと乱暴に撫でながらリンネを一瞥する。その目に小さな怒りと大きな悲しみを映して。
「行くぞ」
そう言って三人はその場を後にした。残されたのはレイとリンネの二人のみ。二人は黙って見つめ合うが、やがてリンネが口を開く
「レイくん準備は良いのかい?」
「そうですね。一旦管理者部屋に戻ってから準備をします」
「レイ君、私を恨むかい?」
「今は少し、ですがこれ以上はないでしょう」
「言いきれるんだね」
「そのようにしたのではないのですか」
「してないよ。これ以上は言えないけど」
「そうですか――では僕は管理者部屋に戻ります」
「うん、私はしばらくここに残るよ」
「それではまた後で」
「うん、後で、ね」
言ってレイは管理者ウインドウを操作し、『顕現』の権能をオフにして管理者部屋に戻っていった。
残されたリンネはしばらくそのままでいたが、やがてうずくまり、嗚咽をもらして泣く。
「なんで、なんでこんなことしちゃったんだろう私」
その後悔を聞くものはいない。ただ私たちを除いては……
『検索』や『千里眼』の権能を持つレイが何故禁忌個体の討伐にそこまでの時間を要したのか、それは至極簡単な話であった。
100年前、レイは四大使とリンネを連れて禁忌個体のもとへ赴き、討伐を行おうとしたところ、禁忌個体が自身の存在そのものを使用した封印魔法をレイたちに向かって放ち、レイたちは別空間に封印されてしまい、その封印を破るために100年もの月日がかかってしまったのだ
「おかしすぎます」
禁忌個体による封印を破った後、レイが真剣な顔をして言う。
「んなこたぁここにいる全員がわかってんだよぉ」
ガヘリスが言う
「ヴァリス一先ずはこの100年で『秩序』と『混沌』に何か起こっていないか調べて下さい」
「了解いたしました」
言われてヴァリスはその場を去る。
「それでだぁレイ、ここで一つはっきりさせたいことがあるぅ」
ガヘリスの言わんとすることをレイも理解しているのか、レイはリンネの方を見る。見られたリンネはいつもの怪しい笑顔を浮かべるのみだ。
「リンネぇ、手前ぇだろう?今回の禁忌個体の生みの親はぁ」
「そうだよ」
あっさりと認めるリンネ
「何故そんなことを」
レイが訊く。
「何故ってそりゃあ『罪』のためだよ」
「罪って一体なんのことです!!」
リンネはいつもの怪しい笑みを崩さずに言う。
「レイ君、魂管理の画面を見てごらん」
言われてレイが管理者ウインドウを操作し、魂管理の画面を見ると、黒色の棒グラフに何かが新たに表示されており、レイはその表示された文字を読む。
「眷属アリア・エクノルエが高慢の罪を獲得しました。眷属の魂を回収してください――リンネ、これが貴女の目的だったのですか!?」
「そうだよ。最初の一つは私の誘導無しにはどうしても完成しなかったからね。だから申し訳ないけど上位者の手を加えさせてもらったよ」
「だけどよぉ、なんでその罪を眷属であるアリアに背負わせる必要があるぅ?」
「ああ、それはね、罪になるにしても慣らしが必要だったからさ」
そこで、レイはリンネの目的を理解した。いや、目的自体は地球を創り出した時に理解していた。しかし、
「リンネ、貴女の目的の理由がわかりません。そんなことをして貴女にどのような利があるのですか?」
「レイ君それは最後にすることだよ。今は罪の回収に集中しないと、大変なことになるよ」
「大変なこと?」
レイが訊く
「そう、罪をもった魂はその存在が在るだけで他の魂に強い影響を与えるんだ。レイ君、もう一度魂管理の画面を見てごらん」
言われてレイは再度管理者ウインドウに目を移す。すると黒色のグラフに新たな文字が表示されていた。
「高慢のマナの取得制限を解除します――」
「おめでとう、一つ目の取得制限の解除だ。けどね」
「マナの取得率が変動しません」
「その通り、輪廻の環が今もなおマナを回収しているにも関わらずだ!!」
「リンネ、貴女という人は……」
レイは自身がこれからしなければならないことを思い、怒り、悲しみ、呆れる。
「レイ君、私は元からこういう人間なんだ。どうだい?それでも君は私のことを許すと言うつもりかい?」
リンネの問いにレイは何も言わず、ガヘリスに向かって言う。
「ガヘリス、これから僕の言うことをよく聞いて下さい」
―――数十分後
「レイ……お前本当にそれでいいのかよぉ!!」
「仕方ありません。全てを丸く納めるにはこうするしかないのです」
「だからってお前ぇ」
ガヘリスが同情するような表情でレイを見る。
「大丈夫です。さ、早く準備をして下さい。僕も準備を始めます。メルリリスとミルストリスもガヘリスに協力して下さい」
「レー君……」
メルリリスがレイを優しく包み込むように抱きしめ、そして離れる。
「レー君、私たちは何があってもレー君の味方だよ」
「メルリリス、ありがとうございます」
ミルストリスはリンネの方を見る。その目は若干潤んでいるようにも見えた。
「ミルスちゃん」
リンネは謝らない。ただ悲しみに満ちた目を向けるだけだ。するとガヘリスがミルストリスの頭に手を置いてクシャリと乱暴に撫でながらリンネを一瞥する。その目に小さな怒りと大きな悲しみを映して。
「行くぞ」
そう言って三人はその場を後にした。残されたのはレイとリンネの二人のみ。二人は黙って見つめ合うが、やがてリンネが口を開く
「レイくん準備は良いのかい?」
「そうですね。一旦管理者部屋に戻ってから準備をします」
「レイ君、私を恨むかい?」
「今は少し、ですがこれ以上はないでしょう」
「言いきれるんだね」
「そのようにしたのではないのですか」
「してないよ。これ以上は言えないけど」
「そうですか――では僕は管理者部屋に戻ります」
「うん、私はしばらくここに残るよ」
「それではまた後で」
「うん、後で、ね」
言ってレイは管理者ウインドウを操作し、『顕現』の権能をオフにして管理者部屋に戻っていった。
残されたリンネはしばらくそのままでいたが、やがてうずくまり、嗚咽をもらして泣く。
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