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第2章 的ななんかそいう感じの章
第33話 オーパーツ
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その日の試験で、俺は10級から一気に6級まで飛び級をし、同級生たちを遥か後ろに置いてきたのだった。
ちなみに、マユ姉とカズは9級にそれぞれ進級した。俺のいわば下級生である。それなのに、ああそれなのに。
「おい、いつまで食べてるんだ。仕事に行くぞ!」
「はぐはぐ、まだいいじゃないかマユ姉、はぐはぐもっさもっさ……ぐぅ」
「新人は定時の30分前に行って挨拶回り……こらっ! 食べながら寝るな!!」
マユ姉には頭が上がらない俺である。どして。
ここは学校が経営するエルフ寮である。他の種族はいない。朝晩の2食は誰かが用意してくれている(誰だろう?)ようで、共有スペースで食事ができるのだ。朝は日本食、夜は洋食と決まっているらしい。なんで日本食があるの、とか聞いてはいけない。
「なんで洋食なんて分類があるモん?」
「それも聞くな」
「早く出かけるぞ。まったく、ここまで朝が弱いやつとは思わなかった」
「はぐぅ。昨日がんばったので疲れてんだよ。それにしてもうまいな、この梅干しのおにぎりとあさりの味噌汁、それに塩鮭と……ぐぅぅ」
ドカッバキッドゴッ!!
「おおお起きる前に死んじゃうぅぅぅ」
「死んでもいいから出勤しろ」
「死んだら化けて出るぞ!」
「じゃあ、化けてもいいから仕事しろ」
こんな感じで身も心もぼこぼこにされた俺は、その日初めて街に出た。職場に向かうためである。町並みは俺の良く知っている日本家屋が建ち並ぶ住宅街……?
「なんだか不自然な町並みだなぁ」
「あれはファントムイメージ(幻影映像)だ」
「なんだって?」
「phantom imageだ」
「いや、英語で表記されても」
「大昔の技術が発掘されたんだよ。それがなぜか流行ってるんだ」
「発掘? 発明とか開発とかじゃないのか」
「南の新大陸でときどきオーパーツが発掘される。そのごく一部だが、解析すると役に立つものになるときがあるんだ。お主の持っている部屋の鍵もそのひとつだぞ」
「鍵って、このキーホルダーか。え? 待て待て。この超小型核融合炉は発掘されたのか! 発明されたんじゃなくて」
「そうだ。それを魔法でコピペできるようになって、このチュウノウからエネルギー問題がなくなった。他のどの都市よりも裕福になったのだ」
「オツも同じようなことを言ってたが、これがコピペで作れるとは驚いた。すごいな魔法って」
「ただ、理屈がさっぱり分からんから、まったく進化はしないけどな。使い方が分かっているだけだ」
「それは文明としては」
「そうだ、好ましいとは言えない。ただ、そのぐらいとんでもない技術が新大陸には眠っている。その発見のために冒険者が必要とされているんだ」
もうやだこんな世界。俺すげeeeeってできそうにない。
「この町並みも14ヶ月前ぐらいまではレンガ造りだったのだがな」
「待て待て。また気になる発言が出てきたぞ」
「レンガ作りがそんなに珍しいか?」
「そっちじゃねぇよ。なんで1年と2ヶ月前って言わないんだ」
「それは1年が73ヶ月だからだよ」
「「はぁあぁぁ!??!」」 俺とネコウサである。
「驚くようなことか?」
「な、なん、なんで12ヶ月じゃないんだよ!」
「それは知らん。単純にこの惑星が73ヶ月かかって太陽の回りを一周するからだ」
「そんな、それは、それはまあ、そうなんだろうけど。それにしたってなんて半端な」
「お主の世界では1年は365日だったろ?」
「あ、うん。なんで知ってんだ?」
「365を5で割ってみろ」
「73……だな」
「な、そうだろ?」
「なるほど。だから73ヶ月なのか……っておい! 納得しかけちゃったじゃねぇか。理屈になってないだろ、それ」
「365日だって理屈じゃないだろ。公転周期という偶然のたまものに使いやすい数字を乗っけただ」
「ぐっ」
言い負かされた。ダメだ、マユ姉にはなんか勝てそうにない光線が渦を巻いて取り囲んでいる。ある意味、俺の結界より強力だ。あれ? ということはマユ姉たちの年齢って……考えるの止そう。
「そういうわけでこんな町並みになるのさ」
「まるでプロジェクションマッピングな世界だ」
「まあ、そのようなものだ。ソフト次第で、どんな家にも見せかけることができる。最近はあの手のものが流行のようだな」
そういえば、バリアの外から見た俺の部屋も、こんな感じだったな。あれも幻影映像だったのか。
「ところでどうやって映してるんだ? 映像ならどこかに焦点を当てないといけないだろ?」
「スクリーンはそこいら中にある空気だそうだ」
「はぁ?!」
「その分子に細かく砕いた光をばらまいてスクリーンにし、そこにキューブに記録された映像を映し出すんだ、とさ。私も良くは知らん」
光を細かく砕くなんてできるんか。しかもばらまくって節分の豆かよ。
しかし、なんのためにこんなことしているのだろう。分からん、この世界の技術水準も文化レベルもまったく分からん。
「ただの流行だ。そのうち廃れるだろう」
「お、おう」
気にしないほうが良さそうだ。そうこうしながら歩くこと2分と15秒。112歩目ぐらいに痛いっ!
「あぶない発言は止めろって、習っただろ!」
「アミンがあるぅぅぅぅ」
「まだ言うか、この野郎」
喫茶店があった。看板に「ウエモン」と書かれていた。
「着いたぞ。アミ……違う!! ウエモンだ。ここがお主の職場だ」
「俺にウエイトレスをやらせるつもりかよ!」
「……それを言うならウエイターだろ?」
「うがっ」
「とっても恥ずかしい言い間違いしたモんわら」
「もう心が女の子になってるでござるなわら」
「わらは止めろ!」
「だが違うぞ。ここはただの入り口だ。お前の職場はこの奥に」
とマユ姉が言いかけたそのとき。
「「あああああっ!!」」
……
「「こんなところにいたのかぁ!!」」
……
「「いったいいままでなにやってたんだぁぁ!!」」
「お主らは、何度も同じセリフをかぶせて話さないといけない密教の信者かなにかか」
「密教にそんな教義はねぇよ。いや、そんなことよりも!」
「そうよそうよ、そんなことよりも!」
「もういい加減にしろ。こちらには状況がまったく分からんぞ。知り合いだったのか?」
ちなみに、マユ姉とカズは9級にそれぞれ進級した。俺のいわば下級生である。それなのに、ああそれなのに。
「おい、いつまで食べてるんだ。仕事に行くぞ!」
「はぐはぐ、まだいいじゃないかマユ姉、はぐはぐもっさもっさ……ぐぅ」
「新人は定時の30分前に行って挨拶回り……こらっ! 食べながら寝るな!!」
マユ姉には頭が上がらない俺である。どして。
ここは学校が経営するエルフ寮である。他の種族はいない。朝晩の2食は誰かが用意してくれている(誰だろう?)ようで、共有スペースで食事ができるのだ。朝は日本食、夜は洋食と決まっているらしい。なんで日本食があるの、とか聞いてはいけない。
「なんで洋食なんて分類があるモん?」
「それも聞くな」
「早く出かけるぞ。まったく、ここまで朝が弱いやつとは思わなかった」
「はぐぅ。昨日がんばったので疲れてんだよ。それにしてもうまいな、この梅干しのおにぎりとあさりの味噌汁、それに塩鮭と……ぐぅぅ」
ドカッバキッドゴッ!!
「おおお起きる前に死んじゃうぅぅぅ」
「死んでもいいから出勤しろ」
「死んだら化けて出るぞ!」
「じゃあ、化けてもいいから仕事しろ」
こんな感じで身も心もぼこぼこにされた俺は、その日初めて街に出た。職場に向かうためである。町並みは俺の良く知っている日本家屋が建ち並ぶ住宅街……?
「なんだか不自然な町並みだなぁ」
「あれはファントムイメージ(幻影映像)だ」
「なんだって?」
「phantom imageだ」
「いや、英語で表記されても」
「大昔の技術が発掘されたんだよ。それがなぜか流行ってるんだ」
「発掘? 発明とか開発とかじゃないのか」
「南の新大陸でときどきオーパーツが発掘される。そのごく一部だが、解析すると役に立つものになるときがあるんだ。お主の持っている部屋の鍵もそのひとつだぞ」
「鍵って、このキーホルダーか。え? 待て待て。この超小型核融合炉は発掘されたのか! 発明されたんじゃなくて」
「そうだ。それを魔法でコピペできるようになって、このチュウノウからエネルギー問題がなくなった。他のどの都市よりも裕福になったのだ」
「オツも同じようなことを言ってたが、これがコピペで作れるとは驚いた。すごいな魔法って」
「ただ、理屈がさっぱり分からんから、まったく進化はしないけどな。使い方が分かっているだけだ」
「それは文明としては」
「そうだ、好ましいとは言えない。ただ、そのぐらいとんでもない技術が新大陸には眠っている。その発見のために冒険者が必要とされているんだ」
もうやだこんな世界。俺すげeeeeってできそうにない。
「この町並みも14ヶ月前ぐらいまではレンガ造りだったのだがな」
「待て待て。また気になる発言が出てきたぞ」
「レンガ作りがそんなに珍しいか?」
「そっちじゃねぇよ。なんで1年と2ヶ月前って言わないんだ」
「それは1年が73ヶ月だからだよ」
「「はぁあぁぁ!??!」」 俺とネコウサである。
「驚くようなことか?」
「な、なん、なんで12ヶ月じゃないんだよ!」
「それは知らん。単純にこの惑星が73ヶ月かかって太陽の回りを一周するからだ」
「そんな、それは、それはまあ、そうなんだろうけど。それにしたってなんて半端な」
「お主の世界では1年は365日だったろ?」
「あ、うん。なんで知ってんだ?」
「365を5で割ってみろ」
「73……だな」
「な、そうだろ?」
「なるほど。だから73ヶ月なのか……っておい! 納得しかけちゃったじゃねぇか。理屈になってないだろ、それ」
「365日だって理屈じゃないだろ。公転周期という偶然のたまものに使いやすい数字を乗っけただ」
「ぐっ」
言い負かされた。ダメだ、マユ姉にはなんか勝てそうにない光線が渦を巻いて取り囲んでいる。ある意味、俺の結界より強力だ。あれ? ということはマユ姉たちの年齢って……考えるの止そう。
「そういうわけでこんな町並みになるのさ」
「まるでプロジェクションマッピングな世界だ」
「まあ、そのようなものだ。ソフト次第で、どんな家にも見せかけることができる。最近はあの手のものが流行のようだな」
そういえば、バリアの外から見た俺の部屋も、こんな感じだったな。あれも幻影映像だったのか。
「ところでどうやって映してるんだ? 映像ならどこかに焦点を当てないといけないだろ?」
「スクリーンはそこいら中にある空気だそうだ」
「はぁ?!」
「その分子に細かく砕いた光をばらまいてスクリーンにし、そこにキューブに記録された映像を映し出すんだ、とさ。私も良くは知らん」
光を細かく砕くなんてできるんか。しかもばらまくって節分の豆かよ。
しかし、なんのためにこんなことしているのだろう。分からん、この世界の技術水準も文化レベルもまったく分からん。
「ただの流行だ。そのうち廃れるだろう」
「お、おう」
気にしないほうが良さそうだ。そうこうしながら歩くこと2分と15秒。112歩目ぐらいに痛いっ!
「あぶない発言は止めろって、習っただろ!」
「アミンがあるぅぅぅぅ」
「まだ言うか、この野郎」
喫茶店があった。看板に「ウエモン」と書かれていた。
「着いたぞ。アミ……違う!! ウエモンだ。ここがお主の職場だ」
「俺にウエイトレスをやらせるつもりかよ!」
「……それを言うならウエイターだろ?」
「うがっ」
「とっても恥ずかしい言い間違いしたモんわら」
「もう心が女の子になってるでござるなわら」
「わらは止めろ!」
「だが違うぞ。ここはただの入り口だ。お前の職場はこの奥に」
とマユ姉が言いかけたそのとき。
「「あああああっ!!」」
……
「「こんなところにいたのかぁ!!」」
……
「「いったいいままでなにやってたんだぁぁ!!」」
「お主らは、何度も同じセリフをかぶせて話さないといけない密教の信者かなにかか」
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